溝口ケージのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ再始動と言っても殆どの問題は解決しているし、相変わらず咲太と麻衣はイチャイチャしているし、どのような物語を描くのかと疑問だったのだけれど、そういえば花楓の不登校問題が残っていたね
思春期症候群とそれにまつわる学生生活のあれやこれやが描かれてきた本シリーズ。けれど、花楓の話の時だけはノンファンタジーの様相を呈するのが印象的
花楓の場合はSNSでの不和から思春期症候群が発症し、解離性障害から不登校になってしまった。だから思春期症候群の発症を抑え、解離性障害が解消されたとしても花楓が抱える問題の根っこの部分は全く解決されないままだった。そして不登校やSNSへの恐怖心を解決するためにはファンタジーな遣り口ではなく、非常に現実的な手法が必要となってくるが本作ではそれをとても丁寧に描いている
最初は「かえで」の願いだった峰ヶ原高校への進学を望む花楓。それが失敗しても安易に通信制高校へ切り替えずに、咲太の想いを伝え在学者の話を聞くなどして少しずつやり取りを重ね花楓の意思できちんと通信制高校への進学を選ぶ展開は良かったな。又、この時に皆と違うのは恥ずかしいとか、通信制への無自覚な偏見についてもきちんと描かれているのも良かった
通信制高校への興味から再びメールを利用するようになり、一時絶縁状態にもなっていた琴美とも再び繋がった花楓。SNSで傷つき世界と断絶していた花楓がこのような流れで再びネットを利用する展開は何とも感慨深い
物語の裏側では過去を変えたことで以前の世界とは異なる事態も生じているらしく、小さな麻衣等併せてそれらが咲太や麻衣にどう関わってくるのか今後の展開が楽しみ -
Posted by ブクログ
会話のテンポが一巻に引き続きとても良かった。主人公のちゃらけたところと真面目なところのギャップを自分的には推したい。先輩が慣れてきてしまったのか主人公の言葉に対して照れるシーンが少なく残念であったが、一方でまたバニーガールになったり何だかんだ主人公に甘いところはとてもよかった。
女子高生たちの複雑な人間関係が書かれていたところは読むのが辛かった。まさしく空気を読む、読まない、空気のような何かとたたかうという要素が多く詰まった内容でうまくこの作品のテーマを表せていると思う。
これまた一巻に引き続き次の巻への繋ぎ方が良く、読者を取り込めていると感じた。3巻も引き続き読もうと思う。
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Posted by ブクログ
かえでの話も前回の話もキツかったけれど今回の話は輪をかけてキツイ話だった……
これまでの話はどれだけ展開が悲惨でも何かしらの救いが有った
けど、一度麻衣を失った事でその大切さを認識してしまった咲太にとって、今回の話で選べるのはどのように翔子を失うかだけ。
それを知ってからの咲太の行動は痛々しいけれど覚悟に満ちている。きぐるみを来てクリスマスイブの街を徘徊しながら自分を見つけてくれる人を探し続けるその行動はこれまで以上に肝が座っていたように思う。それでも無力だった咲太を見つけ世界との繋がりを取り戻してくれた古賀をMVPと咲太は評するけれど、全体で見れば翔子の方が血を流すような想いで頑張ったように感じる
全ての真実を知ってからこれまでの話を思い出せば、未来から来た翔子はずっと咲太の幸せのために自分の幸せを犠牲にしようとしていたわけだからなぁ
そして、最後の最後にスケジュール帳から微かな希望を咲太は見つけたけれど、それは咲太には到底不可能な都合の良い妄想のような希望だったはず。それを形にすることができたのは翔子の強さも有ったのだろうけど、そこに中学で芸能活動を中断したはずの麻衣が臓器移植に関する映画に出演したことがささやかな助けになったのだと思うと何とも印象的な展開
中学時代に多くの繋がりを失った咲太が麻衣と出会ったことで空気と戦い、思春期症候群に巻き込まれた少女たちのために奔走し、最後は麻衣と翔子のために運命と戦っていくことになる流れはとても美しい
その結果、小さな幸せを手にしたことも。
で、これで終わりだと思いながら読んでいたわけだけどまだ続くのかな?ラストが完全に最終回後のエピローグの空気感だったけれど、まだ続くとしてどのような問題が発生するというのだろう? -
Posted by ブクログ
デートのダブルブッキングが発生した辺りの展開で思わず前作「さくら荘のペットな彼女」を思い出してしまったけど、咲太は空太と違ってどちらを選ぶかは迷わないんだな~と思いながら見ていたら予想外の展開に
なるほど、胸の傷の秘密についてはすっかり騙されたなぁ。これまでの思春期症候群の発症には自己嫌悪とか関係していたし、咲太の現象が発症したタイミングも違和感が無かったから全く疑っていなかったよ
これまでの諸問題に対しては泰然としていた咲太が最後の最後に慟哭してしまったのが、前巻の話だったけど今回は更に踏み込んで翔子と自身の命を天秤にかける事に。
デートの待ち合わせなら全く迷わずに決められる咲太にとっても重い問題。最初は自覚しないまま答えを決めてしまったのにその後の麻衣の涙で本当の心が顔を出してしまう展開はなんとも言えない。しかもその本心を打ち明けた相手が問題の中心にいる翔子になってしまったのはこれまでの咲太の自制心を思えばとても意外だった
そのまま咲太生存の方向で進むのかと思いきや、翔子の病室を見た事でいつもの調子で心を決めてしまう姿勢には、思わずそれでいいのかと問いたくなるけれど今回の問題について正しい答えなんて存在しないもんなぁ…
それでもラストのあの選択はどう考えても間違っている訳で。おそらく次巻で描かれるのは思春期症候群なんて関係ない純粋な生と死の問題だろうけど、それに対してどのような答えを出すのかな
そう言えばプリントに書かれていた将来スケジュール。あれって結局どうして出現したんだろう?もしかしてそこに一発逆転の鍵があるのかな? -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまでの2つの話では日常の中で根付いていった原因によりやっかいな思春期症候群が起こっていたけれど、今回は思春期症候群そのものは地味で無害であったものの原因が非常に根深いものであった。それを解決するための咲太の行動が熱血系でも正論をぶつけて解決を目指すというものでもなく、本人に少しずつ問題を自覚させていく方法であったのはかなり好印象
ただ、あのSNSの辺りはライトノベルではあまり見ない展開だったからどうにも心臓に悪かったよ…
咲太も「イイ奴」に分類されるのだろうけど、それ以上に佑真の「爽やかイケメン」っぷりが遺憾なく発揮されている。真夜中に突如電話で起こされたのにそれに怒るでもなく理由を聞くでもないってどんなファンタジーの世界の住人やねん
でも改めて考えてみれば咲太や理央も普通の枠から外れてしまった学生であるのだから、同じく普通じゃない「爽やかイケメン」なら馬が合うということなんだろうね。門外が解決された後に花火を三人で観るシーンはとても印象に残るシーンだった
思わせ振りに登場した牧之原翔子は一体何なんだろうね?咲太と二年前に出会った一件さえなければ、可愛らしい後輩キャラなんだけれど。中学を卒業できないかもしれないと言われている現状を思えば、それがトリガーとなって何らかの思春期症候群を発症したと見るのが妥当だろうね
前巻に引き続き出番は少ないながらも咲太がデレデレになるせいか登場シーンは一々強烈な印象を放つ麻衣。デート禁止令が発動されたけど、少しずつ仲は進展してるね。ラストの描写から次巻は再び麻衣が絡んだ問題になるのかな