鈴木大拙のレビュー一覧
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尖閣・サンデル教授の政治哲学・そしてこの地震ときて、時間があったのでひとまずいろいろ振り返ってみると、ここまで自分の気持ちを揺り動かしているのは人間愛的なものよりも「日本」に対する不気味な執着なんじゃないか、と結論したんで読んでみました。読み辛くて理解は半分にも満たないかもしれないけど、日本元来の神道と中国から渡ってきた仏教、それが鎌倉時代になって日本人の「霊性」として定着した、とする著者の説が、ひたすら繰り返すような形で展開されていた。『禅とはなにか』 同様にいや~に宗教臭いところもなく、単純に知識として頭に入る。今後も信仰に目覚めることは無さそうだけど、自分は無宗教であると断定した場合、付
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仏教には4つの要素がある。仏の人格(カリスマ)、仏の経験、仏の教え、実践者の経験である。実践者の経験がそれぞれあるからして仏教にはいろいろな宗派が認められた生きた宗教となる。
仏の経験の中で特に大事なのは涅槃と成道である。
仏の教えの根本は菩提樹の下の正覚を説くのが目的である。悟った(知)だけでは十分でなくそれを広める(説法)のも大事。社会性を有する。
禅の極致は心理的方面になければならない。すなわち神秘的体験の上になければならない。禅宗とは論理的(客観的)に考える哲学のようなものではなく、心理的な(主観的な)もの。禅はいつも自分に戻ることであり、個人個人の信仰、体験に立脚してそれが土台になる -
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この本はスゴい。禅そのものについて語るのではなく、「武士」「茶道」「俳句」など、日本固有の文化を切り口として、それぞれと禅の関係を語ることによって、禅というものを浮かび上がらせるという、斬新な手法だ。
年を重ねるほどに思うことだけれど、日本が長い年月をかけて熟成してきた文化というのは、本当に素晴らしいものだと思う。どの時代にも、どの文化にも、その背景には必ず、仏教と禅の影響があったということは、言われてみれば当然のことなのだけれど、新しい気づきだった。
現代においてもやはり、禅や仏教の影響というのは、日常生活の中に根強く入り込んでいる気がする。俳句というもの一つとっても、この本を読むと、これ -
Posted by ブクログ
禅宗の入門的解説書なのだけれど、文章が読みにくい。意味が難解というのではなく、改行や句読点の位置が適切ではなくて、日本語の文として、かなり読みにくかった。同じ文章の繰り返しが何度も出てくるところは、さすがにちょっとひどいと思う箇所もある。
しかし、話しの内容は、もともと、一般向けに講演された内容を筆記したものであるということもあって、かなり日常に近い言葉で簡明に説明がされていると思う。講演は、昭和2〜3年のものということなので、だいぶ昔の話しだけれど、普遍的なテーマばかりが語られているので、まったく古い感じはしない。
一般的な禅の教義の解説をしているのかと思いきや、著者独自の考え方がかなり色