鈴木大拙のレビュー一覧

  • 禅学入門

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    読み終えるのに約半年もかかった難儀な本。
    読み進めるのに時間が掛かったことが、問題だった訳では無く、
    時間を要するほど難解だと分かりながら、
    それでも放置できない吸引力をもつ困った本。

    今から半世紀も前に、海外向けに英語で「禅」を紹介した著作を、
    著者自身の手で翻訳された本だそうで、
    そもそもの言葉遣いが現代とは違うことが、遅読の原因の一つだと思う。

    それでも内容に沿って複数の項目にまとめられ、
    順序立てて案内してくれているから、
    ゆっくりでも読み進めれば、なんとか理解できそうなもの。
    しかし、ある箇所では何度読み返しても、頭に入らないし、
    滞りなく頭に入ったとしても、すぐ昇華して消えてし

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    2021年05月08日
  • 日本的霊性

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    引用メモ。

    自分の主張は、まず日本的霊性のあるものを主体に置いて、その上に仏教を考えたいのである。仏教が外から来て、日本に植え付けられて、何百年も千年以上も経って、日本的風土化して、もはや外国渡来のものでなくなったと言うのではない。初めに日本民族の中に日本的霊性が存在していて、その霊性がたまたま仏教的なものに逢着して、自分のうちから、その本来具有底を顕現したということに考えたいのである。ここに日本的霊性の主体性を認識しておく必要が大いにあると思う。(p.65)

    今までの日本的霊性は、伝教大師や弘法大師やそのほかの宗教的天才によりて幾分か動き始めていたことは確かであるが、まだ十分に大地との関

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    2020年05月05日
  • 東洋的な見方

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    西洋思想は二分すなわち分けられるからモノゴトを考えられると考えるのとは違い、東洋思想では不二性つまり分けられない、考えられないことを考えている(と感じている)と説く。前者では抽象的な思索が発達するが、後者は生活から離れずに考えるという特徴がある。また東洋思想は「論理的に絶対矛盾の形式で表現」、「何事も『そのまま』に肯定」という特徴がある。さらに「胸に万巻の書を収めておかぬと本当の絵はかけぬ」と言う。そして「美」は霊的要素から飛び出したものであり、情意の世界は詩であり人間の動きそのものの画、文字を美しいとする。

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    2019年05月05日
  • 日本的霊性 完全版

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    2013.7記。

    吉本隆明や梅原猛といった仏教と日本との関係を論じるひとたちがしばしば引用するいわば基本書である「日本的霊性」。いざ手にして見ると、議論は融通無礙(←仏教用語)にあちこち飛びまくるし、内容も「往生がすんで還相があるというのではなくて、往生がすなわち還相で」といった調子でわけが分からないから、適当に割り切って読み飛ばさないと手におえなかった。それでも、難解な仏教の教義がどう日本人の心のありようと関わっているのか、という部分でははっとさせられることが見出される。

    平安末期は「末法思想」が広がった、と歴史の授業で習う。著者は、貴族が弱体化し武家が勃興するこの変革期における、「何と

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    2019年01月05日
  • 禅学入門

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    難解。我々に常態化している論理的推論的思考では禅をついに理解できぬ、とあるからか。なるほど、ならば書籍で禅を説くことは難しいはずである。思考ではなく経験。無功徳の経験を積み重ねることが大切というのは、一般市民である私の目線では、日々の生活に真面目に取り組もう、と理解することにしたい。

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    2018年04月14日
  • 禅と日本文化

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    先日読んだ『茶の本』に続き、私にとっては難解な本で、単語も調べつつ読んでいきました。

    著者が外国人のために、禅が日本文化に与えた影響について書いた書籍を和訳したもの。

    読んでも禅について明確に分かった!という気にはなれなくて、

    禅と日本文化(美術、武士、剣道、茶道、俳句)とに共通する思想がぼんやりと分かったような。

    あまり著者について詳しくないのですが、「集合的無意識」と何度か出てくるところは、ユング心理学の影響を受けているのでしょうか。

    説明苦手なので、恒例の一部抜粋。

    <印象に残った個所>

    ・禅は初唐即ち八世紀に中国に発達した仏教の一形態である。

    ・禅のモットーは「言葉に

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    2018年01月13日
  • 禅と日本文化

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    鈴木大拙は、明治から昭和にかけて日本の禅文化を海外に広くしらしめた仏教学者・文学博士で、著書約100冊のうち23冊を英文で著している。
    本書は、1935~36年に英米の大学でなされた講演を骨子として1938年に発行された原書“Zen Buddhism and its Influence on Japanese Culture”をベースにして、1940年に日本語訳されたもので、以来読み継がれている古典である。
    本書は当時、従来の著者の作品にも増して、各国の宗教研究家や日本文化に関心を持つ人々から歓迎され、「恐らくこの書は単に日本に関するのみならず、英雄的精神の深奥にひそめる最も深遠なるものに関し

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    2016年01月11日
  • 禅と日本文化

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    欧米の知識人はよく「禅」や「俳句」を話題に出しますが、その「禅」について欧米に紹介したさきがけがこの鈴木大拙さんではないでしょうか?
    …ということで、日本人としては多少なりともどんな紹介のされ方がされているのか知っておかなくては…と読んだのですが、この本、さすがの名著と思います。訳も良い(原著は英文)。
    1940年初版ですから、もう75年も前の本ですが、全く色褪せていません。

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    2015年04月07日
  • 日本的霊性

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    平安時代は、あまりに人間的であった。鎌倉時代は、霊の自然•大地の自然が、日本人をしてその本来のものに還らしめたと言ってよい。鎌倉時代になって、日本人は本当に宗教、即ち霊性の生活に目覚めたと言える。

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    2013年03月09日
  • 日本的霊性

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    甲は甲ではない、故に甲である―そんな一見論理的に破綻している「即非の論理」をその思想の根本に置く仏教思想についての代表的書物。仏教では西洋哲学の主体たる客観的知識に対してそれはあくまで主観から捉えた一つの認識でしかないという立場をとっており、主客の区別なくものの真実を直観する「般若の智慧」の取得を第一とする。難解な仏教的用語が頻出する上に1944年に執筆されたという時代性についても考慮を払う必要があるが、それでも日本において「宗教的なものとは何か」について考えていく上で避けて通れない本だと思う。

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    2012年09月05日
  • 禅学入門

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    言葉が表現出来る範囲や、論理的思考、二元論の外にある「本来の面目」を、本の中で説明しようとしているから、やや抽象的で分かりづらいけど、読み返してると著者が伝えようとしてるコトが何となく分かったような気がした。
    中国と日本の禅の違い、なぜ禅が今のような形式をとるに至った流れ等は分かり易く書かれている。

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    2012年06月23日
  • 禅と日本文化

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    結構難しかったけど、禅というのが日本文化にとってこんなに身近だと気付かされた。西洋哲学は文字の概念によって表される理想論の対極として、体験・経験から得られる直感的な心理を禅というだそうです。
    わび・さびの解説や、武士と禅、禅とは何かと和尚に訪ねている部分は理解するのに手助けになりました。

    けっこう古い文も出てきて、理解しにくい部分もあるけど、日本人だからこそ何となく共感できるような内容です。 
    禅という立場から日本を見てみると、すごく誇らしい気がします。

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    2012年04月03日
  • 禅とは何か

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    理系/科学という括りの中だけに生きていた小僧に、文化や歴史や宗教、あらゆる外の世界への固い門をまるごと開いてくれた。宗教というものを、特定の教義や宗派としてではなく、古来から普遍的な人の心のもつ働き『宗教経験』として、根本から説いている。いまの時代、自分が特定の〜教と付き合うなんて考えられないわ、という人でもあまり抵抗を感じずに読めるのではないでしょうか。

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    2012年04月27日
  • 日本的霊性

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    日本における霊性(国内で大衆により育成された独自の宗教意識)を持つ宗教として真宗と禅宗を上げ、此の書では真宗を中心的に取り扱う。
    浄土宗は善導教学の発見及び享受であるが真宗は善導教学を基盤としたうえで独自の宗教体系を築き上げる。
    ここにおいて真宗を日本的霊性を内包する宗教であるとする。
    そういった真宗の日本的霊性という点を絞っていく書。

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    2010年12月02日
  • 日本的霊性 完全版

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    前回読んだ「禅とは何か」よりもずっと深く、面白かった。禅だけでなく鎌倉以降の日本仏教を、浄土系を中心に解説している。最後の章では金剛経に依って禅の思考ポイントも詳述されている。
    紫式部や清少納言のみをもってきて平安時代の思考を批判するのはどうかと思うが、仏教の歴史を改めて概観する上でも役だった。
    もちろん、これが鈴木大拙の個人的思想であることも忘れてはいけないだろうが。

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    2010年08月11日
  • 禅と日本文化

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    [ 内容 ]
    禅は日本人の性格と文化にどのような影響をおよぼしているか。
    そもそも禅とは何か。
    本書は、著者が欧米人のためにおこなった講演をもとにして英文で著わされたものである。
    一九四〇年翻訳刊行いらい今日まで、禅そのものへの比類なき入門書として、また日本の伝統文化理解への絶好の案内書として読みつがれている古典的名著。

    [ 目次 ]
    第1章 禅の予備知識
    第2章 禅と美術
    第3章 禅と武士
    第4章 禅と剣道
    第5章 禅と儒教
    第6章 禅と茶道
    第7章 禅と俳句

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆

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    2010年06月02日
  • 禅と日本文化

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    禅について知りたい人は読むべし。英語で書かれた本の翻訳なので論理的で曖昧なところが少なく、明快。理解しやすいと思う。

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    2009年10月04日
  • 禅と日本文化

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    2月?
    [内容]
    禅と日本文化のかかわりを書いている。具体的に本書で挙げられているのは、美術、武士、剣道、儒教などである。禅の予備知識の説明に始まり、従来あまり意識することのなかった禅と日本文化のかかわりを眼にする。[感想]まず印象的だったのは、本書の序における西田幾多郎の鈴木大拙の評であった。また内容的には、自分自身には難解な部分もあるが、禅というものが体験的なものであり、言葉に頼らないという説明など興味深かった。

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    2009年10月04日
  • 禅とは何か

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    たまに読み直す本。禅とは何か?ひとによっては読みにくいと感じるかもしれませんが、わたしが読んだ中では鈴木大拙さんのこの一冊がおすすめです。

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    2009年10月04日
  • はじめての大拙 鈴木大拙 自然のままに生きていく一〇八の言葉

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    海外に禅を広めた立役者、大拙の言葉をまとめた本。
    禅の思想には違いないけど、大拙禅というものがある感覚はわかった。

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    2024年05月23日