あらすじ
若者に向けて大拙博士が語る講演、随想集。「大地と宗教」「行脚の意義に就いて」など各篇を一貫して流れるのは、東洋思想の精髄である。人間疎外の進む現代への警世の書として、その思想は清新かつ深い。
(※本書は1987/6/4に発売し、2022/2/10に電子化をいたしました)
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Posted by ブクログ
一禅者の思索
著:鈴木 大拙
講談社学術文庫792
衆生無辺誓願度
この世の一切の生きとし生けるものを必ず救ってみせるという誓いがでてきます
最後に、豊臣秀次の間が、高野山の金剛峯寺にあるという話がでてきます。
秀吉から、僧侶になったにもかかわらず、秀次が切腹させられた部屋のことです。
そして、それから15日余り後、秀次の側室や子供たちが、河原に集めらえて
腐乱した秀次の遺骸を前にして、次々に殺害されたとの話がでてきます。
大拙は、最後になぜこのような話をもってきたのでしょうか
一禅者としては、政治を救えないということをいいたかったのでしょうか。
日本人の一人として、このような非道を行った豊臣家は続かず、徳川の世になった
ということは、納得がいくところです。
仏教という宗教が歴史にはたしてきた役割とはなんだったのか、考えさせられます。
ISBN:9784061587922
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:228ページ
定価:880円(本体)
発行年月日:1987年