堀川惠子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
メディアで取り上げられる凶悪犯罪者に対して
「死刑になればいい」そんな思いを誰もがいだいたことがあるだろう。
教誨師という職業を通して、死刑制度について思考させられた作品。
死刑囚は毎日死と隣り合わせ。
残された時間を自分の犯した罪と向き合い、残された遺族と向き合う。
この作品で取り上げられた人々は、描写のせいか
更生したように感じ、死ぬ必要はないのではないかと。同じ過ちは犯さないのではないかと思ってしまう。
閑話休題
死刑制度があるならば、それに携わる人間がいる。
そして、執行する人間も同じく「人殺し」をしている。
同じ人殺しで人間が人間を捌く制度。
とてつもなく矛盾している。 -
Posted by ブクログ
堀川惠子(1969年~)は、広島県に生まれ、10年に亘る広島テレビ放送での報道記者・ディレクターのキャリアを持つ、ドキュメンタリーディレクター、ノンフィクション作家。『死刑の基準~『永山裁判』が遺したもの』で講談社ノンフィクション賞(2010年)、本作品で大宅壮一ノンフィクション賞(2016年)を受賞している。本書は2015年に単行本が出版され、2018年文庫化。
本書は、広島の原爆供養塔に纏わる佐伯敏子さんの生涯と、その意思を継いで自らが携わった被爆者の遺骨を肉親に届ける活動を通して、著者が見、聞き、感じたことを綴ったノンフィクションである。
佐伯敏子さんは、1919年広島市に生まれ、自らも -
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ネタバレ読みながらふと、終戦から自分が生まれるまでよりも長い年月を私は生きてきたのか、と気づき、戦争ってつい最近のことなんだなとひしひし感じ、ずーーーっとキリキリお腹が痛い読書時間だった。父親が生まれたのなんてまだGHQ占領下だものなぁ。
著者の緻密な取材には頭が下がるばかり。自分が生まれるたった数十年前の出来事なのに、知らないことだらけ。それなのに、戦争を知らない世代からあれよあれよと「憲法改正」だの「抑止力としての核兵器」だのいう声が出てくることに、うすら寒いものを感じずにはいられない。抑止力としての核兵器とか寝ぼけたこと言ってる方々は、自分でこの広島や長崎の地獄を味わう覚悟があるのか?と問いたい -
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広島の平和記念公園は設計者の丹下健三氏の思想から、原爆ドームを悲劇と平和の象徴として中心に据えることを意図してつくられており、訪れた人が平和の祈りを捧げる目線の先にドームがくるように周辺施設は配置された。
しかしその原爆ドームから少し離れた場所に原爆供養塔という、原爆の犠牲になった七万柱の遺骨が安置されていることは、あまり知られていない。
広島や原爆に関する本は少なからず読んできたと思っていた自分も、原爆供養塔というものがあることを初めて知った。見た目は巨大な土饅頭で、一見してもなんだかわからない。古墳と説明されても納得しそうな外観だ。
昭和33年のある日、被爆者のある女性が平和 -
購入済み
上質なミステリーのようです
世の中に「死刑」の是非をめぐる論争は数多ありますが、この本はそうした枠を超えて、読むものに命の大切さや人を裁くことの難しさを訴えていると思います。堀川惠子さんの作品は4作目ですが、どの本も取材が行き届き、著者の切なさや温かい心が込められています。これからもどんどん書いてください!
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1966年、強盗殺人の容疑で逮捕された22歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。
死刑を求刑した担当検事に手紙が届く。
著者は数少ない手がかりをもとに、
長谷川武という人物に迫っていきます。
裁判とは、死刑とはというテーマが描かれています。
他の方もレビューで書いている通り、
加害者側か被害者側で見るのかで、
思うことも見えてくることも違って、
そのなかで私自身はどう考えるのか?
を問われているような気持ちになりました。
最初は全てを諦めやけっぱちに見えていた彼が、
拘置所で日々を過ごす中で、
愛情を与える側の気持ち、
弱い者を慈しみ守ろうとする気持ち、
大切な -
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新聞記者の弟が本著者にインタビューをしてその記事を送ってくれた。お勧めだという本書を読んでみる。「死」にも興味があるし。
ジャーナリストだなと思う。透析が必要な夫に起こっと事、してきた事を世に伝える。末期患者がどうなるのかの情報が世には無いという事で、それを伝え、問題定義したところに価値があるだろう。
・透析患者には緩和ケアが無い
・真に問われるべきは、透析の出口を整えて来なかった日本の医療
・尊厳死と安楽死が混同されている。緩和ケアが機能されなければ、尊厳死選んだ先には平穏な死になり難い場合がある
等、今までほとんど関心がない私も学びになる事が多々あったと思う。医師、看護師にも患者に真 -
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真宗の教誨師渡邊普相氏に対するインタビューによるノンフィクションです。
教誨師については、知っていましたが、死刑囚に対しての事例は初めてでした。死刑の存続に関する意見がありますが、死刑の執行の現実を知った上で、議論が必要と思いました。
仏教系でないキリスト教系の教誨師についての記載が殆どないことが残念です。