堀川惠子のレビュー一覧

  • 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ

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    単行本でも読んでいたが、文庫化を機に再読。

    陸軍の船舶輸送という地味だが重要な任務を遂行した2人の中将(田尻昌次、佐伯文郎)を描くことで、先の日本の戦争や軍隊の現実、そして、その本質が浮き彫りにされる。

    冷静で良識的な中将がいたことに少し救われる気もするが、何よりその報われない境遇に悲哀を感じる。

    帯の宣伝文句に「なぜ”ヒロシマ”に投下されなくてはならなかったか。」とあるが、全くそういう話ではないので要注意。(せっかくの傑作を貶める詐欺的広告は残念でならない…)

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    2024年08月16日
  • 狼の義 新 犬養木堂伝

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    犬養毅については、今までに掘り下げたことがなかったが、読み終えて、幕末や戦国と同じくらい激動の時代を生きた人だと感じさせられる。暗く悲しい時代だけれども、知るべきことであるし、大河ドラマで取り上げてほしいと思うくらいだった。

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    2024年07月03日
  • 教誨師

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    ネタバレ

    死刑について考えるときに、加害者と被害者にばかり目がいきがちだけど、死刑を執行する人がいる、ということにも目を向けなくてはいけないな、と気付かされた。
    以前ツイッターで安楽死の議論があるが殺すことを医者に丸投げしていることに誰も気づいていない。自分は立場的にもし安楽死が可能になったら殺す立場になるだろうけど心底嫌だ、みたいな意見を見かけて、それを思い出した。

    あと、加害者は心情的に自分を被害者だと思っていて(生い立ちの不幸などから)それを取り除かないと自分が殺した人への謝罪や反省の気持ちなんて持ち得ない的な事を渡邉さんが言われていて、なるほどと思った。確かにそうかも。
    でもそれがいかに困難な

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    2024年06月30日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    昭和41年の強盗殺人。犯行は計画的とされ、被告には極刑の判決。その彼が求刑した検事に送った手紙は感謝であった。罪を悔恨し、罰を受け入れ、従容として逝く。執行は5年後。国選弁護人ともやりとりされていた手紙。多岐に渡る取材先からみえてきたもの。凶悪犯とはまるで違う人物像。…酒飲みで電車に轢かれてしまった父。新聞売りで家計をつないだ母。家出したすぐ下の弟。生まれてすぐに養子に出された末の弟。勤め先の工場長。そして、裁いた法曹人達。各々の人生に落ちてた陰。突き付けるのは死刑の是非か…いや、それ以前に只管悲しい。

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    2024年06月04日
  • 教誨師

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    常々疑問に思っていた死刑という制度について、改めて考える作品であった。
    死刑についての話を考えると、気分が落ちてしまい嫌になるのに、どうしても気になって読んだ。自分には関係ないと思っている自分がいたが、これはやはり日本に生きる人が真面目に考えなければならない問題であると思う。
    残忍な殺害が行われて、自分の親族がその被害者となったことがないからあくまで想像になってしまうが、その人が死刑になったからと言って自分の気持ちが晴れることもなければ、なんの解決にもならないと思う。
    毎日後悔しないように生きていきたいと、生と死に対しても考える作品であった。

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    2024年05月06日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    ものすごく感動した。胸ふるわせながら読んだ。
    その世界では有名な元検察官で法科の教鞭もとっていた土本武司さんのもとを別件の取材で訪れた著者は土本さんから手紙の束を見せられる。40年以上前に自分が死刑求刑し、最終的に死刑になり、執行までの間に長谷川武さんから送られた数通の手紙。恨みつらみなどなく、じっくり話を聞いてくれたということへの感謝が綴られていた。この背景を著者は丁寧に追っていく。一人の人間が死刑になった背景が明かされるとともに、死刑制度のあり方にも迫る一冊。
    読んでいて思ったのは、長谷川さんの周囲には誠実な人がたくさんいたんだなということ。土本さんは多忙ななかでも自分が死刑を求刑するかも

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    2024年04月27日
  • 戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇

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    八田元夫さんも丸山定夫さんも全く知らなかったが、著者の手により、読んでいる間ずっと生き生きとわたしの中で存在した。たくさんの人が出てきたが、それぞれ背景や出来事が丹念に描かれ、その人たちの性格や暮らしぶりや、内面の苦悩や喜びが手に取るように伝わった。
    どの職業の人も戦争の間、不条理な目にあったことがたくさんあろうかと思うが、演劇人の苦労は、表現の自由が奪われ、官憲との戦いもあり、収監されたり、拷問を受けたり、特別なものであった。読んでいて苦しくなる。
    そして「桜隊」の悲劇。そこに辿り着くのはわかっていたが、いざ原爆の日が近づくとドキドキしてきた。そして想像以上の恐ろしい結果だった。なんの罪もな

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    2024年02月13日
  • 狼の義 新 犬養木堂伝

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    ノンフィクション作家さんによる記述で、複雑な政局や時代背景でもわかりやすく、感情移入して読むことができました。以前に原敬の小説を読んだことがあったので、二人を対比してみることができて面白かったです。

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    2024年01月29日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    それはまだ「永山基準」と呼ばれる死刑基準が出来る前の
    ことだ。1966年に強盗殺人事件の容疑で逮捕されたのは
    長谷川武、22歳。

    ほとんど弁明もせずに、彼は一審での死刑判決を受け入れた。
    しかし、母には受け入れがたい判決だった。母からの熱心な
    懇願で、小林健治弁護士は二審の弁護を引き受ける。

    だが、一審の死刑判決が覆ることはなかった。1971年11月9日、
    9時32分。28歳になった長谷川武は「従容として」刑場に消えた。

    本書は、別件の取材で検事・土本武司の元を訪れていた著者に
    獄中から届いた手紙を見せられたことから始まった、死刑制度を
    問う作品だ。

    それは、一審で死刑求刑を書いた土本

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    2023年11月09日
  • 教誨師

    涙一滴、値する命

    ラジオ放送動画で興味を持ちました。
    一見、死刑囚は平凡な風貌ですが、おぞましいまでに残酷な犯罪をくり返す人もいます。

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    2018年08月13日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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    堀川惠子(1969年~)は、広島県に生まれ、10年に亘る広島テレビ放送での報道記者・ディレクターのキャリアを持つ、ドキュメンタリーディレクター、ノンフィクション作家。『死刑の基準~『永山裁判』が遺したもの』で講談社ノンフィクション賞(2010年)、本作品で大宅壮一ノンフィクション賞(2016年)を受賞している。本書は2015年に単行本が出版され、2018年文庫化。
    本書は、広島の原爆供養塔に纏わる佐伯敏子さんの生涯と、その意思を継いで自らが携わった被爆者の遺骨を肉親に届ける活動を通して、著者が見、聞き、感じたことを綴ったノンフィクションである。
    佐伯敏子さんは、1919年広島市に生まれ、自らも

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    2018年08月13日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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    ネタバレ

    読みながらふと、終戦から自分が生まれるまでよりも長い年月を私は生きてきたのか、と気づき、戦争ってつい最近のことなんだなとひしひし感じ、ずーーーっとキリキリお腹が痛い読書時間だった。父親が生まれたのなんてまだGHQ占領下だものなぁ。
    著者の緻密な取材には頭が下がるばかり。自分が生まれるたった数十年前の出来事なのに、知らないことだらけ。それなのに、戦争を知らない世代からあれよあれよと「憲法改正」だの「抑止力としての核兵器」だのいう声が出てくることに、うすら寒いものを感じずにはいられない。抑止力としての核兵器とか寝ぼけたこと言ってる方々は、自分でこの広島や長崎の地獄を味わう覚悟があるのか?と問いたい

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    2018年08月10日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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     広島の平和記念公園は設計者の丹下健三氏の思想から、原爆ドームを悲劇と平和の象徴として中心に据えることを意図してつくられており、訪れた人が平和の祈りを捧げる目線の先にドームがくるように周辺施設は配置された。


     しかしその原爆ドームから少し離れた場所に原爆供養塔という、原爆の犠牲になった七万柱の遺骨が安置されていることは、あまり知られていない。
     広島や原爆に関する本は少なからず読んできたと思っていた自分も、原爆供養塔というものがあることを初めて知った。見た目は巨大な土饅頭で、一見してもなんだかわからない。古墳と説明されても納得しそうな外観だ。

     昭和33年のある日、被爆者のある女性が平和

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    2018年07月26日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

    購入済み

    上質なミステリーのようです

    世の中に「死刑」の是非をめぐる論争は数多ありますが、この本はそうした枠を超えて、読むものに命の大切さや人を裁くことの難しさを訴えていると思います。堀川惠子さんの作品は4作目ですが、どの本も取材が行き届き、著者の切なさや温かい心が込められています。これからもどんどん書いてください!

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    2018年05月21日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    18歳までに読みたい本。
    重くて長い話だが考えるべきことが多い。
    裁判員制度がある今だからこそ知るべきだと思う

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    2026年07月13日
  • 教誨師

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    教誨師として死刑囚が自分の罪を受け入れ最期の時まで健やかに生きることができるよう務めた渡邉。宗教の教えを死刑囚に教えることで心の安寧を保つことを続けてきた。しかし、死刑宣告がされると死にたくないとわめく者や死刑となった原因を誰かのせいにするものなど安寧などという言葉とはほど遠い状態へと変貌してしまう者も多い。教えを伝えお経を唱えたところで死刑囚の「死」という状況を変えることはできない。教誨師として活動した渡邉の記録とインタビューにて明らかになる死刑囚と死刑現場のリアル。

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    2026年05月25日
  • 教誨師

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    長時間電車に乗る前に本屋さんでさっと選んだ本。

    加害者を罪に駆り立てた、被害者による強烈な言葉の暴力は全く罪に問われない。
    その結果、多くの死刑囚は、自分は被害者である、という気持ちを捨てきれない、、、

    私も一歩踏み外せばあちら側に行きかねないな、と実感。


    文体がちょっと臭くて私の好みではありませんでした。



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    2026年05月15日
  • 透析を止めた日

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    壮絶な治療に寄り添い、必死に生きる姿。透析という知り得なかったつらい治療になんとも言えない気持ちになった。
    父を自宅で看取ったが、癌だったからできたのか⁈あの医療体制だったからできたのか⁈ 色々考えさせられた。
    病は選べる訳じゃない。せめて、治療方法に選択肢はほしい。痛みは和らげたい。

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    2026年04月30日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    1966年、強盗殺人の容疑で逮捕された22歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。

    死刑を求刑した担当検事に手紙が届く。

    著者は数少ない手がかりをもとに、
    長谷川武という人物に迫っていきます。
    裁判とは、死刑とはというテーマが描かれています。

    他の方もレビューで書いている通り、
    加害者側か被害者側で見るのかで、
    思うことも見えてくることも違って、
    そのなかで私自身はどう考えるのか?
    を問われているような気持ちになりました。

    最初は全てを諦めやけっぱちに見えていた彼が、
    拘置所で日々を過ごす中で、
    愛情を与える側の気持ち、
    弱い者を慈しみ守ろうとする気持ち、
    大切な

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    2026年04月26日
  • 透析を止めた日

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    読んでて何度も胸が苦しくなった。
    知らない苦しみが、こんなに尊厳に関わる苦しみがあるということが、苦しい。

    死に直結しているわけではないけど、指定難病を抱える人を数人知っている。通院に時間をとられ、薬の副作用に苦しみ、医療制度の変更に振り回されて、本人もそれを支える人も本当に大変だと思う。

    患者も、医療に関わる人たちも、どちらも辛くないWin-Winのシステムがいつか実現することを願う。

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    2026年03月20日