堀川惠子のレビュー一覧
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それはまだ「永山基準」と呼ばれる死刑基準が出来る前の
ことだ。1966年に強盗殺人事件の容疑で逮捕されたのは
長谷川武、22歳。
ほとんど弁明もせずに、彼は一審での死刑判決を受け入れた。
しかし、母には受け入れがたい判決だった。母からの熱心な
懇願で、小林健治弁護士は二審の弁護を引き受ける。
だが、一審の死刑判決が覆ることはなかった。1971年11月9日、
9時32分。28歳になった長谷川武は「従容として」刑場に消えた。
本書は、別件の取材で検事・土本武司の元を訪れていた著者に
獄中から届いた手紙を見せられたことから始まった、死刑制度を
問う作品だ。
それは、一審で死刑求刑を書いた土本 -
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50年に渡り死刑囚に教え諭し、死刑執行に立ち会い続けた教誨師への取材ルポ
教誨師 渡邉普相
「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもとで語られた教誨の現場
教誨師は、死刑囚と対峙して対話を重ね、死刑執行に立ち会う宗教家
仏教系、キリスト系各宗派からボランティアで行われている
教誨を行うことと、どの宗派を選ぶかは死刑囚に委ねられている
教誨師は、面会の制限が厳しい死刑囚に会うことのできる数少ない一般人
本作は浄土真宗僧侶 渡邉普相への取材によって語られた内容が綴られている
浄土真宗といえば親鸞
そして、「歎異抄」であり「悪人正機」という説が本作で重要な意味を持つ
「善人なほも -
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教誨とは、受刑者が改善更生し、社会に復帰することを支援する仕事。しかし、本書が扱うのは「死刑」の教誨。これは大変な仕事と思います。
未来のある懲役囚ならまだしも、死刑囚に神仏の教えを諭したり、人生に絶望しきっているような人間の心を救うことが果たしてできるのか。本書は50年のあいだ、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち合い続けた教誨師・渡辺普相の生涯を描くノンフィクション小説です。
本書は死刑囚の人となり、死刑囚の日々の苦しみと孤独感、後悔や怒り、死刑囚との対話や交流における悩み、そして執行の際に見せる死刑囚の言動を詳細に描きます。教誨という仕事により、渡辺は悩み、アルコールの力を借りるようになり -
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堀川惠子(1969年~)は、広島県に生まれ、10年に亘る広島テレビ放送での報道記者・ディレクターのキャリアを持つ、ドキュメンタリーディレクター、ノンフィクション作家。『死刑の基準~『永山裁判』が遺したもの』で講談社ノンフィクション賞(2010年)、本作品で大宅壮一ノンフィクション賞(2016年)を受賞している。本書は2015年に単行本が出版され、2018年文庫化。
本書は、広島の原爆供養塔に纏わる佐伯敏子さんの生涯と、その意思を継いで自らが携わった被爆者の遺骨を肉親に届ける活動を通して、著者が見、聞き、感じたことを綴ったノンフィクションである。
佐伯敏子さんは、1919年広島市に生まれ、自らも -
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ネタバレ読みながらふと、終戦から自分が生まれるまでよりも長い年月を私は生きてきたのか、と気づき、戦争ってつい最近のことなんだなとひしひし感じ、ずーーーっとキリキリお腹が痛い読書時間だった。父親が生まれたのなんてまだGHQ占領下だものなぁ。
著者の緻密な取材には頭が下がるばかり。自分が生まれるたった数十年前の出来事なのに、知らないことだらけ。それなのに、戦争を知らない世代からあれよあれよと「憲法改正」だの「抑止力としての核兵器」だのいう声が出てくることに、うすら寒いものを感じずにはいられない。抑止力としての核兵器とか寝ぼけたこと言ってる方々は、自分でこの広島や長崎の地獄を味わう覚悟があるのか?と問いたい -
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広島の平和記念公園は設計者の丹下健三氏の思想から、原爆ドームを悲劇と平和の象徴として中心に据えることを意図してつくられており、訪れた人が平和の祈りを捧げる目線の先にドームがくるように周辺施設は配置された。
しかしその原爆ドームから少し離れた場所に原爆供養塔という、原爆の犠牲になった七万柱の遺骨が安置されていることは、あまり知られていない。
広島や原爆に関する本は少なからず読んできたと思っていた自分も、原爆供養塔というものがあることを初めて知った。見た目は巨大な土饅頭で、一見してもなんだかわからない。古墳と説明されても納得しそうな外観だ。
昭和33年のある日、被爆者のある女性が平和 -
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上質なミステリーのようです
世の中に「死刑」の是非をめぐる論争は数多ありますが、この本はそうした枠を超えて、読むものに命の大切さや人を裁くことの難しさを訴えていると思います。堀川惠子さんの作品は4作目ですが、どの本も取材が行き届き、著者の切なさや温かい心が込められています。これからもどんどん書いてください!
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1966年、強盗殺人の容疑で逮捕された22歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。
死刑を求刑した担当検事に手紙が届く。
著者は数少ない手がかりをもとに、
長谷川武という人物に迫っていきます。
裁判とは、死刑とはというテーマが描かれています。
他の方もレビューで書いている通り、
加害者側か被害者側で見るのかで、
思うことも見えてくることも違って、
そのなかで私自身はどう考えるのか?
を問われているような気持ちになりました。
最初は全てを諦めやけっぱちに見えていた彼が、
拘置所で日々を過ごす中で、
愛情を与える側の気持ち、
弱い者を慈しみ守ろうとする気持ち、
大切な -
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新聞記者の弟が本著者にインタビューをしてその記事を送ってくれた。お勧めだという本書を読んでみる。「死」にも興味があるし。
ジャーナリストだなと思う。透析が必要な夫に起こっと事、してきた事を世に伝える。末期患者がどうなるのかの情報が世には無いという事で、それを伝え、問題定義したところに価値があるだろう。
・透析患者には緩和ケアが無い
・真に問われるべきは、透析の出口を整えて来なかった日本の医療
・尊厳死と安楽死が混同されている。緩和ケアが機能されなければ、尊厳死選んだ先には平穏な死になり難い場合がある
等、今までほとんど関心がない私も学びになる事が多々あったと思う。医師、看護師にも患者に真 -
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真宗の教誨師渡邊普相氏に対するインタビューによるノンフィクションです。
教誨師については、知っていましたが、死刑囚に対しての事例は初めてでした。死刑の存続に関する意見がありますが、死刑の執行の現実を知った上で、議論が必要と思いました。
仏教系でないキリスト教系の教誨師についての記載が殆どないことが残念です。