堀川惠子のレビュー一覧

  • 透析を止めた日

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    壮絶な治療に寄り添い、必死に生きる姿。透析という知り得なかったつらい治療になんとも言えない気持ちになった。
    父を自宅で看取ったが、癌だったからできたのか⁈あの医療体制だったからできたのか⁈ 色々考えさせられた。
    病は選べる訳じゃない。せめて、治療方法に選択肢はほしい。痛みは和らげたい。

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    2026年04月30日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    1966年、強盗殺人の容疑で逮捕された22歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。

    死刑を求刑した担当検事に手紙が届く。

    著者は数少ない手がかりをもとに、
    長谷川武という人物に迫っていきます。
    裁判とは、死刑とはというテーマが描かれています。

    他の方もレビューで書いている通り、
    加害者側か被害者側で見るのかで、
    思うことも見えてくることも違って、
    そのなかで私自身はどう考えるのか?
    を問われているような気持ちになりました。

    最初は全てを諦めやけっぱちに見えていた彼が、
    拘置所で日々を過ごす中で、
    愛情を与える側の気持ち、
    弱い者を慈しみ守ろうとする気持ち、
    大切なものを守るために何かを犠牲にしなくてはいけないこと、
    少しずつ気持ちや考え方に変化が見られるようになります。

    特に執行前日に書いた手紙、
    母親との別れの場面は、
    胸が苦しくなりました。

    「人生の明暗を分けるその境界線は非常に脆いもの」

    判決を下す側も下される側も大きなものを背負う。
    その前に審理は尽くしたのか。
    人の命を裁くための十分な情報が揃っているのか。

    読み終わった後は少し疲れましたが、
    読んでよかったと思った一冊です。

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    2026年04月26日
  • 透析を止めた日

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    読んでて何度も胸が苦しくなった。
    知らない苦しみが、こんなに尊厳に関わる苦しみがあるということが、苦しい。

    死に直結しているわけではないけど、指定難病を抱える人を数人知っている。通院に時間をとられ、薬の副作用に苦しみ、医療制度の変更に振り回されて、本人もそれを支える人も本当に大変だと思う。

    患者も、医療に関わる人たちも、どちらも辛くないWin-Winのシステムがいつか実現することを願う。

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    2026年03月20日
  • 透析を止めた日

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    体質なのか、生活習慣のせいか。腎臓の機能の低下で血中に老廃物が蓄積する。血液交換のため、週3回通院し1回4時間の透析を受ける。制約される生活時間。それでも、価値ある仕事がしたい。体を張っての番組作り。長くはなかった命。寄り添い、ケアをしたパートナーとしての著者。腎移植のドナーを名乗り出るが叶わず。末期の苦しみ。1日でも生きながらえて欲しいという願い。介護の体験から医療問題に踏み込む。…がん患者しか受けられない緩和ケア。普及していない腹膜透析という選択。生き方と死にざまに制度の課題。重い問いを突き付ける。

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    2026年03月15日
  • 教誨師

    H

    購入済み

    真宗の教誨師渡邊普相氏に対するインタビューによるノンフィクションです。
    教誨師については、知っていましたが、死刑囚に対しての事例は初めてでした。死刑の存続に関する意見がありますが、死刑の執行の現実を知った上で、議論が必要と思いました。
    仏教系でないキリスト教系の教誨師についての記載が殆どないことが残念です。

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    2026年01月02日
  • 教誨師

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    教誨師という、死刑囚と向き合う「仕事」。

    ただ単なる1人の僧侶と死刑囚たちのドキュメンタリーではなく、生きるとはなにか、死ぬとはなんなのかを強烈に問いかけてくる。

    私は個人的には、死刑は必要だと感じている。
    凶悪犯罪の抑制力として、また死刑という罰でしか償えないその罪の重さに対して。

    しかし、その刑を執行するためにどれだけの人達が辛い思いをしているのか。
    死刑を「人殺し」と表現する普相。


    「外」の世界を生きる私たちには、過去も未来もない。ただ今を生きる。
    懸命に生きる。

    私はそれができているだろうか。

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    2025年11月16日
  • 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ

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    ネタバレ

    スローガンと方針だけで中味が伴わず、兵士たちや軍所属も認められない船員たちのことも知らずに推し進められた戦争の愚かさ、最前線を知る司令官たちの意見も届かず…虚しさばかり感じた。
    そして、地政的にも歴史的にも陸軍輸送や宇品の日清戦争からの流れを知り、点でしか戦争のことを知らなかったことに驚いた。
    日本にとって太平洋戦争は失敗ばかりであり、それでも優秀な人材はいた…でも、やっぱりこの敗戦で学んだことは、もっともっと世界に伝えることこそ日本がやるべきことなのに…と思わざるを得ない。
    ノンフィクションだからこそ、痛烈だった。

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    2025年09月27日
  • 教誨師

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    死刑囚につく主に宗教者たちの束ねていた浄土真宗のある僧侶のオーラルヒストリー。
    現在では守秘義務から表に出ないが各死刑囚へ寄り添い、寄り添うことが重要だが難しいことへの悩み、死刑になることへの複雑な感情を後世に伝えるという意味で世に出すことを自分の死後許可している。

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    2025年08月30日
  • 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ

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    田尻さんかっこいい。
    宇品に見に行かなければ。
    女子校の近くに畑。
    私立の教員。
    おねしょをしなくさせるにはヤモリ?を1匹まる焼きにして食べる??
    宇品で陸軍が船舶を采配。

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    2025年05月04日
  • 教誨師

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    死刑囚に寄り添うこと。死が確定した人間に救いはあるのか。憎悪や狂いはマスコミの餌食として消費されるが被害者や加害者の悲しみを和らぐ術はどこにあるのか。この本に出会わなければ教誨について知る事も無かっただろうし、生きることの重みを知ることができた。

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    2025年04月30日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    1966年に強盗殺人を犯し死刑判決を受けた長谷川武の生い立ちから最期までを裁判記録や関係者の証言、そして長谷川が検事や弁護士に送った手紙から追っていくノンフィクション。

    死刑制度の存続の是非について考えていて(被害者側に立って考えがちで、どちらかと言えば賛成派ではあるものの)、その一環で手に取った本。

    かなり昔の事件で記録も少なく、なぜ大きな罪を犯すまでに追い詰められたのか詳細までは分からなかったものの、本来は大人しい性格で、反省し判決を受け入れつつも、生きたいと望むことが手紙を通して伝わってきて心を揺さぶられた。

    当時は刑務所で鳥を飼うことが許されていたようで、小さな命を守ることを通して命の尊さを理解していく過程にも心を打たれた。もっと早くにそのような機会があればと願うばかりだった。

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    2024年12月31日
  • 教誨師

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    死刑囚に向き合う教誨師という仕事。先輩教誨師篠田龍雄の後任として28歳で、教誨師の道を歩み始めた浄土真宗の僧侶渡邊普相氏の日誌とインタビューをまとめた(と一言で済ますのは気が引ける内容だが)ものである。大変な仕事だというのは、相手が死刑囚だということだけでも、想像して余りある。自分が死んだ後に発表してくれ、という固い約束。ほとんど誰も口にしなかった、死刑の現場、言いたくないこと、思い出したくないこと、苦しくてたまらないことまで、吐露してくれた渡邊氏に心から敬意を表したい。そして、それを勇気を持って綴った、作者堀川恵子氏にも感謝だ。

    まず、思うことは、死刑の現実について、隠されすぎだということ。関係者の口は硬く、守秘義務ということもあり、闇の中に沈めるしかなかったが、やはり、国の名で、法律の名で、人殺しを(あえて渡邊氏と同じ表現を使うが)している以上、もっと公にすべきではないのか?簡単に「死刑にすればいい」というが、そこに至るまでに、何があるのか?死刑を前にした受刑者、死刑を執行する刑務官たち、立ち会う宗教者たち等に、どれほどの負担を強いているのか、国民は知るべきだと私は思う。それを知らずに死刑存続も廃止も語れないのではないか?と思う。向き合うのはつらい。だから隠す、のでは、死を穢れとして隠した、平安時代と変わらないとさえ思う。


    登場する死刑囚一人一人、当然、生まれも育ちも違う。が、登場するほとんどが、親に捨てられたり、不遇な幼少時代を過ごしているものが多い。
    事件は社会を映す。歯車がどこかで噛み合っていれば、殺人などという手段を取らずに済んだ人も多いのではないか?という気持ちも拭えなかった。

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    2024年09月16日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    たまたまタイトルが気になって読んでみたらとても面白かった。人が人を裁くことと、その裁く対象にも人生がある人間であるって事を丹念な取材をベースに書いてた。事件としては特に目立つようなものではないのだけど、凄く良い調査報道だった。

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    2024年05月01日
  • 戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇

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    広島出張の折、市の中心部にある平和大通りに、ひっそりと存在している、さくら隊の慰霊碑に気づき、この本を手に取りました。早稲田大学演劇博物館に眠っていた八田元夫の資料を読み解きつつ、改めて知る、あの時代、あの日の物語。初めて読み解かれる、様々な秘められた物語の多いことに吃驚、著者の取材力に★四つですね。

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    2024年04月13日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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    素晴らしい労作。
    暁の宇品、を読み、堀川惠子さんのこの本を手にした。

    途中、沢山の方の話が続き、少し長いかな、とは思ったけども、この長さはこの本に必要だったとも思う。
    当人のイデオロギーや情緒に流されない硬い筆致で進む文章であるが故、尚更抑えた思いが読者の胸に届くと感じた。美しいテキストだと思う。

    「哀しみも喜びもみな自分が作るの、人が作るんじゃない。自分のものの思い方で喜びも怒りも哀しみも生まれるし、争いも生まれる。じゃからこの年になってもね、自分との戦いなんよ。強くならんといけないね。強ければ相手に優しくできるでしょ。ひとりひとりの心が強くなれば、戦争だって起きんのよ。大切なのは力じゃなくて、心じゃからね。」p399

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    2023年07月27日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    この記者の、取材対象への執念にはいつも驚かされる。
    検事の葛藤がよくわかった。
    昔の東京拘置所の寛容な対応や、教誨師の存在、立ち会った人たちによる処刑についての証言など興味深い。
    私自身はどちらかというと廃止かな、くらいで死刑に対して強い意見を持っているわけではない。
    ただ、本書は、長谷川武が死刑判決を受けた後に更生している様子を見せていたことを受けて「あんなふうに変わってくれたのに死刑執行してよかったのか」と葛藤するということが描かれているが、私は、そもそも長谷川武があんなに澄み切った気持ちになれたのは死刑判決を受けたからなのではないか?と感じた。
    生への諦念が生まれて初めて悟りを得たような心境になり、自分の罪と真摯に向き合えたのではないかなと。
    たらればになってしまうし実際のところは分からないけど、難しいな。

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    2023年04月17日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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    星を四つとしたのは、広島に生まれ育った人間として、知らなければならなかった事を今初めて知ったことがいかに多かったことか、ということによる。

    悲しみも喜びもみな自分が作る。人が作るんじゃない。自分のものの思い方で、喜びも怒りも哀しみも生まれるし、争いも生まれる。だから、自分との戦いなのだ。強くならないといけない。強ければ相手に優しくできる。ひとりひとりの心が強くなれば、戦争は起きない。大切なのは力じゃなくて、心なのだ。

    相手に仕返しをしようと思うのなら、強くなることだ。強くなれば、優しくできる。私はあなたと違って、あなたに辛く当たらない、私は強いから。だから、あなたにはめいいっぱい優しくするのだ。優しくする事が、つまり仕返しなのだ。

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    2022年10月03日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    苦しい、苦しく切ない死刑囚の話だ。
    いつだって貧困やいじめはこのような悲しい事件を引き起こしてしまう。

    28歳で執行された長谷川武死刑囚
    貧しい生活の中で高級な腕時計をローンを組んで買っていた、贅沢すぎると怒られた時に自分はこの腕時計が欲しかったわけじゃない、いつも貧乏な生活で我慢ばかりして引け目を負って生きてきたけど、この高価な品を持っているだけでなぜか心が安らいだ、安心できたと。
    自分もみんなと同じ一人前の人間なんだと確認できたと。
    ただ、ただ普通でいたいだけだったのにと思うと胸が締め付けられる。

    最後の夜に食べたいと求めたラーメンとお寿司
    寝ずに書いた手紙たち、28歳の彼の魂が切ない。
    しかし、したことの罪は償わなければいけない現実に読んでいて苦しくなった。

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    2022年06月26日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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    夏が来ると 広島・長崎をテーマにした書籍に目が留まります。
    この本は
    「氏名や住所がわかっていながらなぜ無縁仏とされたのか?」
    という所から切り込んでいる内容でした。

    いまだに 引き取り手のいない遺骨が沢山あるという事。
    あの日 家族全員がなくなった為にそういう事もあるし、
    この本では 間違って 違う名前を記載されたとか
    人違いだったとか、海外からの方が日本語名で最後言ったので
    本名がわからずこの 供養塔に収められたままであるとか。

    戦後70年。
    もう 当時を知る人がいなくなってしまってきている今。
    私より若い方が こうして調べて本にしてくれた事は
    とても嬉しい。

    私の知らなかった 戦争末期から戦後の時代を教えてもらえた本でした。
    多くの人に この本を読んでもらいたいと思いました。

    戦争はもう二度としてはいけませんね。
    どんな理由があっても・・・・・

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    2022年05月20日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    社会の課題を見つめる新たな視点をもらえた。
    取材力が凄まじい。
    構成も素晴らしく、寝食を忘れて読んだ。

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    2021年08月05日