堀川惠子のレビュー一覧

  • 透析を止めた日

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    前半は実体験を詳しく記述し、後半は現状の課題に対する一つの答えとしての腹膜透析について丁寧な取材を基にこちらも丁寧に記述されている。前半は特に実体験ということもあり、大変だなという言葉では表せない程の読書体験ができた。文字どおり、健康は貴重だと改めて思いを強くした。

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    2025年11月02日
  • 透析を止めた日

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    夫を送った経験を記録し、その後も取材を積み重ねた本作。入り口はあるのに出口がない血液透析をめぐる日本の医療の現在地を問うた力作だ。衝撃だった。透析について何も知らなかった。実は昨年、親戚が透析に向かう送迎車の中で突然死、という出来事があった。なんと不幸なこと、と悲劇を嘆いたが、この本を読むとそれは透析患者にとっては幸せな最期と言えるかも?と思わされるほど、透析者の最後の過酷さに震えた。緩和ケアを受けられるのががん患者だけという現実にも、唖然とした。「ガンで死にたい」と言わしめる背景にはこういうことも含まれてるのか。皆保険制度の問題、医者不足の問題、病院経営の問題、緩和ケアとはどうあるべきか?尊

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    2025年11月02日
  • 透析を止めた日

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    堀川惠子さんの『透析を止めた日』を読んだ。
    夫が「多発性嚢胞腎」で血液透析を受け、終末期に透析を止める決断をご本人がし、亡くなった。
    透析を止める――それが「死を迎える」という意味を持つことを、私はこの本で初めて知った。
    それまでの私の透析の知識といえば、「地震などで電源が止まると透析ができず、大変なことになる」という程度だった。身の回りに透析を受けている人もいない。だから、透析がどれほど大変で、どれほど生と死に関わるものなのかを考えたことがなかったのだ。
    腎臓の働きを失った人は、血液透析で体の中の老廃物を取り除かなければ生きていけない。週に三回、病院に通い、何時間もベッドの上で針につながれ

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    2025年11月01日
  • 透析を止めた日

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    透析について全く無知だったきとに気づかされました。データや事実をベースにした問題提起の熱量が半端ではないです。人間が死ぬことがここまで難しいことだとは知りませんでした。

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    2025年11月01日
  • 透析を止めた日

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    【概要】
    1部:著者の夫の生き様、死にゆく様と伴走する妻の闘病生活が描かれている。
    2部:日本の透析医療の現状。そして、透析患者であっても穏やかに最期を過ごすことができた人の紹介。

    【感想】
    旅立ちが近いことを自身で感じ、大切な人とのお別れや身辺整理を行なう中でもなお、肉体的な苦しみから解き放たれない様子がそのまま伝わってきて読んでいて本当に辛かった。日本の医療の限界や、近い将来自分と大切な人に訪れるかもしれない未来に絶望感さえ感じ、とんでもない虚無感に襲われた。透析患者が故に保険診療の絡みで緩和ケア病棟に入れず、望む緩和ケアを受けられないどころか、蔑ろにされているような孤独感を病院の中にい

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    2025年10月30日
  • 透析を止めた日

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    最近、透析の方を担当することが増えてきました。
    というか、透析をする方が多くなったからですよね。
    透析をする、しないという選択の重さと
    選んだ本人、支える家族の苦しさ。
    「わかる〜」なんて絶対言えない。

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    2025年10月26日
  • 透析を止めた日

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    透析を止めた後の壮絶の苦悶に絶望的になったが、後半は日本での緩和ケアの可能性と腹膜透析の広がりという希望を描き救われる。

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    2025年09月28日
  • 透析を止めた日

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    著者の作品はこれまで興味深く読んでいた記憶があった。4、5冊くらいは読んだはず。本書は今年の始めに新聞の書評で見かけていたもので、久しぶりに著者の本を読んでみた。

    彼女の執筆の陰で、こんな苛酷な日々が続いていたとは。

    大切な伴侶の、それこそ文字通り命懸けの日々を、共に心身を擦り減らしながら必死に駆けずり回っていたとは想像だにしなかった。
    本書は、その伴侶の闘病に寄り添い共に闘い続けた日々の記録であると同時に、自分事として直面せざるを得なかった医療制度の課題を、ジャーナリストとして核心に迫らんとした取材記録でもある。

    医療と福祉は、近いようでその実、背中合わせだと言ってもいい。究極の理念は

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    2025年09月22日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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    いつもながら堀川さんの著作は読みごたえがある。これまで読んだ裁判とか死刑囚がテーマではなく、この本は広島の原爆がテーマだけどもともと堀川さんは広島出身だそうでそれだけに真摯に取材を重ねた感がある。
    原爆投下そしてその後をたどるなかにさまざまな不条理が、やるせない思いにさせるものが描かれる。原爆を機に身内ですら疎遠になったり不仲になったり、原爆で亡くなった人の算定の覚束なさとか、供養塔に納められている人の情報が実は不確かだったりとか、本で深く触れられている佐伯敏子さんや著者が受けた行政の対応とか。平和を軸に誠実に公明正大に対応している気がしていた行政の被爆者対応、縁故者対応だって平和のイメージを

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    2025年09月15日
  • 教誨師

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    50年にわたって死刑囚と対話を重ねて刑の執行に立会いつづけた教誨師の僧侶の語りに基づくノンフィクション。興味本位で読み始めたが、死刑という刑事罰のあり方について考えさせられた。贖罪とは、犯罪者の人権とは、執行を決める人と立ち会う人の心のありようとは。執行の現場における生々しい描写も多く、「よってたかって人殺しをする」シーンをイメージすると読み進めるのも苦しかった。語り手や死刑囚、死刑執行に携わるすべての人に敬意や配慮が感じられて、取材が丁寧で信頼できると感じた。

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    2025年09月08日
  • 狼の義 新 犬養木堂伝

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    「狼の義 新犬養木堂伝」林新/堀川惠子

    犬養毅とその側近であった古島一雄、この二人の物語を読み終え、深い感慨に耽っている。今の程度の低すぎる候補者やすでに議員になっている人に是非読んでもらいたい本である。私欲を排し、国家の行末を真剣に考え、命を削る覚悟で政界を生きた犬養毅。壮絶な一生に学ぶべきものがあると思う。

    ・犬養毅が心から尊敬したのは福沢諭吉だけだった。

    ・犬養毅はいつも貧乏だった。年がら年中高利貸しに追いかけられていたが、それでも支援を求めてくる人には気前よくなんでも与えていた。

    ・犬養毅は護憲派の政党をひとつにまとめ、全員が胸に白バラをさして議会に入場して、藩閥政治の桂園時代

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    2025年07月16日
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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    毎朝の通勤電車の中で、ときおり涙ぐみながら読んだ。私たちが穏やかで変わり映えのしない日常を送るこの地の下には、たくさんの死が埋まっている。どうしてそれを忘れていられよう。

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    2025年06月19日
  • 透析を止めた日

    購入済み

    身につまされる

    身内を同じく見送ったものとして考えさせられた作品。 自分がこの病について不勉強でけして穏やかに看取れたとは言えず当時は分からなかったことが堀川さんによって解明された気がする。

    #深い #共感する

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    2025年06月11日
  • 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ

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    歴史物は昔から好きで、明治から昭和にかけての本も読んできたが、敗戦の要因が今までとは違う角度から明解に書かれており、腹落ちできた。海軍物の小説は多く、陸軍はインパールなど印象が悪かったが、一部には有能なメンバーがいたことを知れたのはよかった。

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    2025年04月29日
  • 狼の義 新 犬養木堂伝

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    書評:命を懸けて、言葉を信じ抜いた人間の肖像
    ――『狼の義 新 犬養木堂伝』(角川ソフィア文庫)

    「話せばわかる」——その言葉の裏には、犬養毅という一人の政治家が、言論による政治、政党による民主主義を誰よりも強く望んでいた事実がある。本書『狼の義』は、五・一五事件で暗殺された総理大臣の伝記という枠を超え、「国家とは何か」「人は何のために生きるのか」を静かに、そして力強く問いかける。

    犬養毅は、藩閥による専制の時代にあって、国家と政府を明確に区別し、政府が国家に反すると判断すれば倒閣も辞さない。その一貫した信念は、時に政局において不可解にも映るが、彼の中では明確な論理が通っていた。国家の未来

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    2025年04月17日
  • 教誨師

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    すごかった。
    軽率にに死刑制度は賛成か、反対か、なんて答えられない。浄土真宗の悪人正機説、「善人が救われるのであるから、悪人であればなおさらだ」というフレーズが初めはよく分からなかったが、全部読み終わった後なんとなく理解した。
    遺族はもちろん、加害者も執行側も教誨師も、一人一人が重いものを背負っている感じがやりきれなかった。

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    2025年02月15日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    裁判によって「裁かれるのは誰か」。裁く人も裁かれる人も人生の重荷を背負っている。被告人のみならず、裁判に携わる関係者、そしてその仕組みのもとで暮らしている国民である自分も無関係ではない、と気づかされる。
    人生の明暗を分けるその境界線は非常に脆い、という言葉は、だからこそ常に相手の思いを聴く、相手の思いに馳せることが大事、ということにつながるのだと思った。

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    2025年01月19日
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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    1966年強盗殺人の容疑で逮捕された二二歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。
    長谷川は「自分が奪った他人の命は、たとえ自分の死をもってしても償い切れるものではない」と死刑を待つ間に気づいて手紙に書いていて、私はそのことに初めて気づいた。
    命は一つしかないからたとえ犯人が死刑によって自分の命を使っても、それは償いにならない。となると、死刑は必要なのか?という気持ちになる。
    遺族のために国家が犯人の命を奪うのも、本当に正しいのか?しかも、裁判員として自分が死刑に関わることがあるかも、ということがかなり怖くなった。

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    2024年12月24日
  • 教誨師

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    柚月裕子さんの「教誨」という作品の参考文献として挙がっていた本のひとつ。作者のあとがき、法科大学院の先生の解説までとても読み応えがある。
    印象に残ったフレーズが12もあって、文字起こしするのも一苦労。教養本として間違いなく読んでよかったと思えた作品でした。

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    2024年12月15日
  • 教誨師

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    死刑囚と対話を重ね、その最期にも立ち会う、「教誨師」という存在。本書は筆者が一人の教誨師の人生を辿ることによって「死刑とは何か」「人を裁くとは何か」についてという根源的な問いを突きつけてくるものです。




    僕が本書を読むきっかけとなったのは『AERA』の2014年3月10日号にて、僕が敬愛する作家の佐藤優氏が取り上げていたからでありました。

    28歳から死刑囚と対話し、寄り添い、その外語にも立ち会う「教誨師」(きょうかいし)という仕事を戦後半世紀にわたって続け、いまだ日本の中に厳然として存在する「死刑制度」というものが持つ矛盾を一身に背負いながらその生涯を貫いた僧侶、渡邉普相師(1931~

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    2024年11月22日