堀川惠子のレビュー一覧
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とんでもない本に出会ってしまったと、自分の中で納得できない、でも読まずにはいられない一冊でした。
教誨師は、ざっくりいうと罪人を社会復帰させるための手伝いをする仕事となるのでしょうが、既に死刑を宣告されているいわゆる死刑囚に、死ぬ前の心構えや懺悔、そして死との向き合い方を説いています。
罪人たちからの言葉は少なめではありますが、彼らにも救いが必要だと真意に向き合う教誨師の姿勢に心打たれました。
死刑囚ということは、必ず被害者がいるということで、被害者家族は加害者に救いや悔い改める時間などいらないと思うかもしれないので、すごく複雑な気持ちになりながら読み終えました。 -
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教誨師(きょうかいし)とは、刑務所や少年院などの矯正施設で、受刑者や少年たちの更生と心の安定を目的として、宗教的な教えを説いたり、相談に乗るなどして、犯罪者の人間性の回復を支援することで、罪と向き合う手助けをボランティアで、すなわち無報酬で行っている民間の宗教家(僧侶、牧師、神職など)をいうそうです。現在、全国の拘置所、刑務所、少年院には約1,800人の教誨師が活動しているそうです。
刑事被告人が裁判の判決が確定するまでの間、勾留されるのが拘置所という施設で、ほとんどの者は実刑判決確定後すぐに刑務所へと送られます。
しかし、死刑判決を受けた者だけは、死刑執行の日まで、そのまま拘置所に留め置 -
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肝臓と腎臓に疾患を持つ夫の終末期における自身と医療の関わりから始まる話。夫が亡くなってからも取材を重ね終末期の透析とはを問うている。
夫の闘病の時に医療者との縁がなかったと後に記している。医療者は患者家族に寄り添い適切な情報提供をし患者と家族が決定していくのを助け、納得する人生を送れるように支えることだ。患者家族のため研究をし新しいこと(病院を立ち上げる、腹膜透析に挑戦する)に挑戦し続ける業界にもあたまがさがる。
日本の医療システムが遅れている、とは、そういう立場にならないと分からなかっただろう。この本を読んで現状を知ることができたし、現状に満足せず常に新しい視点で物事をみないとと自身を振 -
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約50年、
死刑囚と対話を重ねて、
死刑執行にも立ち会い続けた教誨師の渡邉普相。
「わしが死んでから世に出してくださいの」
と言う約束のもと、
初めて語られた死刑の現場とは。
ずっと取材を拒み続けていた渡邉さんが、
著者にだけ話し、託したこと。
教誨師ってキリスト教のイメージがありましたが、
様々な宗教家が担っていらっしゃるんですね。
渡邉さんの生い立ちや教誨師になるまでも描かれ、
死刑囚たちと対話を繰り返す日々が描かれています。
また、その死刑囚たちの執行にも立ち会う。
人が死ぬ瞬間に立ち会うことは、
とても生々しくて、重くて、圧倒されました。
だけど、それを人に語ったり吐露すること -
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10年以上におよぶ血液透析、腎移植、再透析の末、透析を止める決断せざるを得なかった夫を看取った著者による医療ノンフィクション。第一部は夫との闘病生活を描いた記録。第二部はその後著者が取材した透析業界の現状、腹膜透析とその選択肢によるQOLの向上、より良い治療のために努力する医師や看護師、介護業界の人々などを描いた内容。
透析については全く知識はなかったが、年を取るにつれて自分にもその可能性はあり、血液透析の末期の苦痛や緩和ケアが保険適用されないこと、腹膜透析という可能性など参考になった。
前半の著者の夫との闘病生活については、大変さや苦痛などは十分伝わったが、一方で夫の体育会的な前時代的感覚や -
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【2026年35冊目】
腎不全で透析治療を行う夫と結婚した妻から見た、日本の透析を含む医療事情を書いたノンフィクション。第一部は壮絶な透析治療生活から最期の日までを、第二部で日本の透析治療の今を描いている。回復のための治療ではなく、死なないための治療である透析治療の闇に切り込み、光を照らし出した一作。
ノンフィクションはほとんど読まないので(理解できないから)本作は知人に半ば押し付けられるように勧められて手に取りました。が、大変読みやすかったです、「透析治療って言葉だけは聞いたことある」みたいな知識レベルでも十分理解できる内容として書かれていました。
生きるための透析治療の過酷さ。なんのた -
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素晴らしかった
何度も何度も涙が溢れた
腎代替療法と透析患者の終末期を取り巻く現状を、家族とノンフィクション作家のふたつの視点から切り込む。
著書の堀川さんご自身が夫の苦しみに我がことのように寄り添い手を握り続ける姿はもちろん、積極的な治療から離れつつある夫へできる限りのケアを提供しようとする看護師たちに胸が熱くなった
そう、私たちは患者さんになにかできることは無いか考え続けなければいけない
10年前、私が循環器内科にいた頃も医師は『緩和ケア=負け』のように感じている人は少なからずいたように思う
今は医療チームとご本人、家族が対話のプロセスを踏めていることを祈る
この本の中でも何度か出て -
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ノンフィクション作家の堀川惠子氏の夫との闘病の日々と、透析医療の取材をもとに問題提起をした作品。
血液透析と腹膜透析、緩和ケア、終末期医療、透析クリニックなど知らないことが多かった。
血液透析患者の過酷な状況は読んでいるだけでも胸が苦しくなる。週3回4時間にわたる透析を続け、それでも病状は徐々に進行していき、終末期にはさらに激しく苦しむという。堀川さんのご主人も38歳から、60歳で亡くなるまでその経過をたどりながら、最後の最期までNHKの番組制作プロデューサーの仕事を続けたという。
大病院の信頼していた主治医でも、別の病院に移ることになりいなくなると患者は精神的に影響を受けるだろう。
病院で透 -
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医療者がお勧めする本という記事を見て、読んでみようと思っていた。
前半は著者の体験談。
ドキュメンタリーとして末期腎不全の終末期が描かれてある。
直接見ていた訳では無いので悲惨という印象はあったが、思ったより厳しい内容だった。
後半はちょっと医療関係者や透析患者の家族以外には難しい内容。
非常に優れた取材によって興味深いものとなっていたが、上手くいった症例を集めているのだろうから過度にPDへの期待が膨らみそうで怖くもある。
透析患者への緩和ケアは次回の診療報酬改定から、保険適応になる。
しかし社会保障費は世間的には悪人。
後書きに信頼できる医師はいなかったという記載があるが、そんな患者や家族