堀川惠子のレビュー一覧
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書評:命を懸けて、言葉を信じ抜いた人間の肖像
――『狼の義 新 犬養木堂伝』(角川ソフィア文庫)
「話せばわかる」——その言葉の裏には、犬養毅という一人の政治家が、言論による政治、政党による民主主義を誰よりも強く望んでいた事実がある。本書『狼の義』は、五・一五事件で暗殺された総理大臣の伝記という枠を超え、「国家とは何か」「人は何のために生きるのか」を静かに、そして力強く問いかける。
犬養毅は、藩閥による専制の時代にあって、国家と政府を明確に区別し、政府が国家に反すると判断すれば倒閣も辞さない。その一貫した信念は、時に政局において不可解にも映るが、彼の中では明確な論理が通っていた。国家の未来 -
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死刑囚と対話を重ね、その最期にも立ち会う、「教誨師」という存在。本書は筆者が一人の教誨師の人生を辿ることによって「死刑とは何か」「人を裁くとは何か」についてという根源的な問いを突きつけてくるものです。
僕が本書を読むきっかけとなったのは『AERA』の2014年3月10日号にて、僕が敬愛する作家の佐藤優氏が取り上げていたからでありました。
28歳から死刑囚と対話し、寄り添い、その外語にも立ち会う「教誨師」(きょうかいし)という仕事を戦後半世紀にわたって続け、いまだ日本の中に厳然として存在する「死刑制度」というものが持つ矛盾を一身に背負いながらその生涯を貫いた僧侶、渡邉普相師(1931~ -
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ネタバレ本屋で見かけて気になったので。
原爆の話と想定して購入したし、実際原爆について勿論触れているのだが、大半は「海上輸送」の話だった。
これがまた自分が想定していた以上に興味深い内容で、なかなか分厚い本ながら最後まで楽しく(と書くと不謹慎かもしれないが)読むことができた。
輸送、特に兵器や兵糧など兵士以外の運搬について戦争の話をする際に意識することがあるだろうか。
つい兵士たちのエピソードに目が行きがちで、運搬のことまでは注目しないのではないだろうか。
それが戦中の、当時の人たちですら、運搬に関わる人以外は注視していなかったのだから、無理もあるまい。
島国の日本は輸送をどうしても船に頼らざるを得 -
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ネタバレ死刑について考えるときに、加害者と被害者にばかり目がいきがちだけど、死刑を執行する人がいる、ということにも目を向けなくてはいけないな、と気付かされた。
以前ツイッターで安楽死の議論があるが殺すことを医者に丸投げしていることに誰も気づいていない。自分は立場的にもし安楽死が可能になったら殺す立場になるだろうけど心底嫌だ、みたいな意見を見かけて、それを思い出した。
あと、加害者は心情的に自分を被害者だと思っていて(生い立ちの不幸などから)それを取り除かないと自分が殺した人への謝罪や反省の気持ちなんて持ち得ない的な事を渡邉さんが言われていて、なるほどと思った。確かにそうかも。
でもそれがいかに困難な -
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常々疑問に思っていた死刑という制度について、改めて考える作品であった。
死刑についての話を考えると、気分が落ちてしまい嫌になるのに、どうしても気になって読んだ。自分には関係ないと思っている自分がいたが、これはやはり日本に生きる人が真面目に考えなければならない問題であると思う。
残忍な殺害が行われて、自分の親族がその被害者となったことがないからあくまで想像になってしまうが、その人が死刑になったからと言って自分の気持ちが晴れることもなければ、なんの解決にもならないと思う。
毎日後悔しないように生きていきたいと、生と死に対しても考える作品であった。
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ものすごく感動した。胸ふるわせながら読んだ。
その世界では有名な元検察官で法科の教鞭もとっていた土本武司さんのもとを別件の取材で訪れた著者は土本さんから手紙の束を見せられる。40年以上前に自分が死刑求刑し、最終的に死刑になり、執行までの間に長谷川武さんから送られた数通の手紙。恨みつらみなどなく、じっくり話を聞いてくれたということへの感謝が綴られていた。この背景を著者は丁寧に追っていく。一人の人間が死刑になった背景が明かされるとともに、死刑制度のあり方にも迫る一冊。
読んでいて思ったのは、長谷川さんの周囲には誠実な人がたくさんいたんだなということ。土本さんは多忙ななかでも自分が死刑を求刑するかも -
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八田元夫さんも丸山定夫さんも全く知らなかったが、著者の手により、読んでいる間ずっと生き生きとわたしの中で存在した。たくさんの人が出てきたが、それぞれ背景や出来事が丹念に描かれ、その人たちの性格や暮らしぶりや、内面の苦悩や喜びが手に取るように伝わった。
どの職業の人も戦争の間、不条理な目にあったことがたくさんあろうかと思うが、演劇人の苦労は、表現の自由が奪われ、官憲との戦いもあり、収監されたり、拷問を受けたり、特別なものであった。読んでいて苦しくなる。
そして「桜隊」の悲劇。そこに辿り着くのはわかっていたが、いざ原爆の日が近づくとドキドキしてきた。そして想像以上の恐ろしい結果だった。なんの罪もな