堀川惠子のレビュー一覧
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読んでる時に、その本にとらわれて、頭から離れないことがある。
そんな本だった。
人工透析には血液透析と腹膜透析があることを知りながらも、多くの患者はその違いを十分に説明されず、選択肢を持てないまま苦しみの中で亡くなっていく。
その現実を突きつけられたとき、私は「知らされないこと」そのものが人を追い詰め、尊厳を奪うのだと痛感した。
著者の夫もまた透析の果てにとても辛い最期を迎え、その体験が記者としての冷静な視点と重なり、文章に圧倒的な力を与えている。
堀川さんの聡明で澄んだ言葉は、重く難しいテーマを驚くほどわかりやすく伝え、心に真っ直ぐ刺さってきた。
読み進めることは辛くもあったが、その -
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「狼の義 新犬養木堂伝」林新/堀川惠子
犬養毅とその側近であった古島一雄、この二人の物語を読み終え、深い感慨に耽っている。今の程度の低すぎる候補者やすでに議員になっている人に是非読んでもらいたい本である。私欲を排し、国家の行末を真剣に考え、命を削る覚悟で政界を生きた犬養毅。壮絶な一生に学ぶべきものがあると思う。
・犬養毅が心から尊敬したのは福沢諭吉だけだった。
・犬養毅はいつも貧乏だった。年がら年中高利貸しに追いかけられていたが、それでも支援を求めてくる人には気前よくなんでも与えていた。
・犬養毅は護憲派の政党をひとつにまとめ、全員が胸に白バラをさして議会に入場して、藩閥政治の桂園時代 -
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書評:命を懸けて、言葉を信じ抜いた人間の肖像
――『狼の義 新 犬養木堂伝』(角川ソフィア文庫)
「話せばわかる」——その言葉の裏には、犬養毅という一人の政治家が、言論による政治、政党による民主主義を誰よりも強く望んでいた事実がある。本書『狼の義』は、五・一五事件で暗殺された総理大臣の伝記という枠を超え、「国家とは何か」「人は何のために生きるのか」を静かに、そして力強く問いかける。
犬養毅は、藩閥による専制の時代にあって、国家と政府を明確に区別し、政府が国家に反すると判断すれば倒閣も辞さない。その一貫した信念は、時に政局において不可解にも映るが、彼の中では明確な論理が通っていた。国家の未来 -
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死刑囚と対話を重ね、その最期にも立ち会う、「教誨師」という存在。本書は筆者が一人の教誨師の人生を辿ることによって「死刑とは何か」「人を裁くとは何か」についてという根源的な問いを突きつけてくるものです。
僕が本書を読むきっかけとなったのは『AERA』の2014年3月10日号にて、僕が敬愛する作家の佐藤優氏が取り上げていたからでありました。
28歳から死刑囚と対話し、寄り添い、その外語にも立ち会う「教誨師」(きょうかいし)という仕事を戦後半世紀にわたって続け、いまだ日本の中に厳然として存在する「死刑制度」というものが持つ矛盾を一身に背負いながらその生涯を貫いた僧侶、渡邉普相師(1931~ -
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ネタバレ本屋で見かけて気になったので。
原爆の話と想定して購入したし、実際原爆について勿論触れているのだが、大半は「海上輸送」の話だった。
これがまた自分が想定していた以上に興味深い内容で、なかなか分厚い本ながら最後まで楽しく(と書くと不謹慎かもしれないが)読むことができた。
輸送、特に兵器や兵糧など兵士以外の運搬について戦争の話をする際に意識することがあるだろうか。
つい兵士たちのエピソードに目が行きがちで、運搬のことまでは注目しないのではないだろうか。
それが戦中の、当時の人たちですら、運搬に関わる人以外は注視していなかったのだから、無理もあるまい。
島国の日本は輸送をどうしても船に頼らざるを得 -
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ネタバレ死刑について考えるときに、加害者と被害者にばかり目がいきがちだけど、死刑を執行する人がいる、ということにも目を向けなくてはいけないな、と気付かされた。
以前ツイッターで安楽死の議論があるが殺すことを医者に丸投げしていることに誰も気づいていない。自分は立場的にもし安楽死が可能になったら殺す立場になるだろうけど心底嫌だ、みたいな意見を見かけて、それを思い出した。
あと、加害者は心情的に自分を被害者だと思っていて(生い立ちの不幸などから)それを取り除かないと自分が殺した人への謝罪や反省の気持ちなんて持ち得ない的な事を渡邉さんが言われていて、なるほどと思った。確かにそうかも。
でもそれがいかに困難な -
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常々疑問に思っていた死刑という制度について、改めて考える作品であった。
死刑についての話を考えると、気分が落ちてしまい嫌になるのに、どうしても気になって読んだ。自分には関係ないと思っている自分がいたが、これはやはり日本に生きる人が真面目に考えなければならない問題であると思う。
残忍な殺害が行われて、自分の親族がその被害者となったことがないからあくまで想像になってしまうが、その人が死刑になったからと言って自分の気持ちが晴れることもなければ、なんの解決にもならないと思う。
毎日後悔しないように生きていきたいと、生と死に対しても考える作品であった。