尼野ゆたかのレビュー一覧
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傷心のいずこの、旅との出会い。旅って、出会いなんだなぁとしみじみ。景色や、感情や、人、そして自分とも出会えるものなのかな。素敵だなぁ。
いずこはかっこいいね。ポンコツなところも含めて、等身大の自分のままで背を伸ばしてる。それはマルコとの出会いのおかげかもしれない。けど、その縁もいずこが引き寄せたものだよね。他のみんなとも。とりあえずわたしはあいつにざまぁみろ!と叫びたい!笑
旅先でファミレスだって、チェーン店だっていいんだよね。ふらりと気ままに出かけてみたくなる。今は難しいけど、だからこそ、いつかやろう!を楽しみにして今を過ごせるなぁと思った一冊。
あとマルコの一人称がマルコなのかわいい。好き。 -
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先日オフで頂いたお仕事ラノベ。
なんと聖地とらのあななんば店で購入してきたらしく、
特典小冊子付きの2巻セット!!
気合の入ったお土産だったのでさっそく読んでみました。
まず最初に気付いたのが、
「アレ…この作者知ってるぞ?」
ってこと。
4年くらい前に「かしこみ!」って作品を書いて
2巻で打ち…(以下削除されました)
あの作品結構好きだったんですけどね。
キャラ立ってるし会話面白いし。
ただ設定が結構ネタに詰りそうな内容ではありましたが。
すごく残念だったことを憶えています。
そうでしたか…元気にやってらしたのですか…。
で、
話は戻って(入ってもないけど)「フロムエース」。
これはなんというか…
なんで僕はこの作品を読んでなかったのかと…っ!!
面白かったですねぇ…
もともと会話上手な作家さんだから違和感なく読めるし、
何より愛を感じる内容でした。
主人公の設定が少し違和感ではありますが、
物語の大筋はシンプルで王道。
アニメショップのお仕事紹介に重きを置く感じで、
キャラと会話の上手さで飽きさせない作りになってます。
ラノベ読みやその他オタの方がクスっと笑うような小ネタが
所々に散らばってるのがニクいですw
個人的には「フルオタク・パニック」は久々に爆笑しましたw
サブタイトルがマジ上手い。
大丈夫かな?って心配になる様な設定が
所々ある気がしますが、綺麗に完結してほしいです。
とにかく2巻が読みたい。 -
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高校生の主人公がアニメショップでバイトをする話。
ストーリーはよくある巻き込まれ型。
キャラクターも個性的ではあるもののどこかでみたことのあるようなキャラたちで、最近流行りのパロディなんかもしっかり抑えている。
ラストはご都合展開。
よく言えば安定感のある、悪く言えばどこにでもあるような作品。
…とは言え。
作品の舞台としてアニメショップを扱ったのはいいアイディアだなー。
今までありそうでなかった舞台。
ラノベを読む人たち、特にこの作品に手を出すような層には受けがいいこと間違いなし。
『好きなものを好きでいられる場所』という言葉にもすごく共感を覚えたな。
設定勝ちの作品です。 -
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ネタバレ当代の人気作家が一つの世界観・テーマ、設定で描く「後宮物」競演譚。
それぞれに作家の個性が存分に活かされており、楽しみながら読めた。
中でも鮮烈な印象を残したのは、和泉桂さんの「白月の誓い」。他の物語が男性×女性のラブロマンスに傾いていたのに比べ、やはりBLをメインに書かれている作家さんならではの個性際立つ作品となっている。
また、後宮シリーズのトリを飾る白川紺子さんの作品も意外性があって、良かった。
単なる王と后の恋愛ものではないところがまた意外性があって良い。読者としては、何故、王弟が緑児を王后に選んだのか、その辺りも知りたかった。その辺に光を当てれば、それだけではや、もう一つの別の物語ができそうだ。
個性が発揮されている作品もある一方で、いささか月並みではと思える作品も混じっていたーというのが正直な感想である。 -
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ネタバレ町を徘徊する黒い影。それは貴方が見つけてくれるのをずっと待っている。ずっと、ずっと。でも、もし見えたとしても、気づかないふりをしなくてはいけない。そうしなければ、貴方は後悔することになる。
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世にも奇妙なストーリー。このシリーズも早くも第四弾。回を追うごとに怖さの濃度が上がっている印象。今回も容赦なく怖い。帯に前の巻の感想が一言ずつ載っており、感想を述べた人物の学年が乗っているのだが、小学5年生から高校生までと幅広い年齢層が愛読している。
大人が読んでも十分楽しめる内容なので、この人気は非常に納得。怖い話もあり、感動的な話もありでいろいろ粒ぞろいだった。 お気に入りの話は「天井裏の足音」「町にひそむモノたち」「草笛亜沙美はなぜ幽霊になったのか」。
「天井裏の足音」
祖父が住んでいる古い日本家屋を舞台にした恐怖体験。祖父の家には曰くのある古い井戸がある。それはその昔、この家に勤めていた使用人が盗み食いを働き、怒った主人が井戸に逆さづりにして責め殺してしまったという話だ。小学生の頃はその話が怖くて怖くてたまらなかった語り手だが、中学生になると流石にその怖さは薄れてくる。代わりに、トイレまでの道筋にある渡り廊下の天井裏から人間が歩き回るような足音がすることに気が付いた。はじめは気のせいだとも思ったし、祖父に掛け合っても相手をしてくれないため気にしないようにしたのだが、ある日出来心で足音に向かって話しかけてしまう。それからというもの足音は存在感を増してしまった。正体が知れぬままというのはどうにも怖くなってしまった語り手は、天井裏にスマホを仕掛けて動画を撮影することにした。何とも知れぬものが屋根裏を足を音を立てて歩き回っている。しかも、平屋の日本家屋なので天井裏は非常に狭く誰かが入り込み、歩き回れる余地はない。最初は静かに歩いているだけの足音だったが、認知されていることに気づき、語り手に駆け寄るように足音が激しくなる。足音はどうやら渡り廊下しか歩き回れないようだが、あの明らかに走り寄ってきた音を聞いた後では、そんなことは気休めにしかならない。正体を知るため、決死の覚悟でカメラを仕掛け真相を探る語り手だが、読んでいる途中でなんとなく、その足音を立てている者の正体がわかってしまった。(当たってないほうが嬉しかった)真相を知った後、知らなければよかったと激しく後悔。でも、初めから答えは示されていたのだ。この家に出る幽霊らしい幽霊は一体しかいなかった。そして、その幽霊がどんな状態で死んだかを考えれば分かることだったのだが、足音がそこから響いていると思い込まされていたので、とても驚いた。この話は挿絵があったのだが、その挿絵がまた怖かった……。
「町にひそむモノたち」
大学生の友人が、実家に帰るといったっきり帰ってこない。心配した語り手とその友人は帰省した友人の実家がある町まで行ってみることに。その町はなかなか寂れた田舎だった。駅前には人がおらず、タクシーもない。駅の近くにあるといわれていた宿ですら、四キロ離れているというありさまだ。仕方なく歩いて宿を目指しつつ、友人の家を探すことに。しかし、初めての土地で右も左もわからない。町人に道を聞こうと、近くにいた老婆に話しかけようとするが、その老婆は普通では考えられないような、異形のものとあらわすにふさわしい風貌だった。関わり合いになりたくないと、語り手はその老婆を無視ようとしたのだが、何と友人は臆することなく話しかけてしまう。ぎょっとする語り手を尻目に、その老婆と話を始める友人。自分が見えるのかと老婆がたずねると、友人はためらうことなく見えると答えてしまった。この話がこの本の中で一番好みで、一番怖かった。絶望の度合いもぶっちぎり。友人の住む町に徘徊する異形のもの。目を黒い布で隠し、口を糸でジグザグに縫ってしゃべれなくしている。その風貌だけでかなりパンチがきいている。脳裏にその姿を思い描いただけで嫌悪感と恐怖に襲われる。そんな老婆によく話しかけられたよな、友人は。この時点で何かもうおかしかったのか?目隠しはともかくとして、口を縫われている時点で人間では何となく察せられるのに、それが「見えるか?」と聞いてきて「見える」と答えるのはご法度だろう。その後も、町を歩いていると異形のものがうろうろしておりどう考えてもまともな町じゃない。その後、友人の家に行き、(その友人の家で起った出来事も恐怖)電車を待っている間に立ち寄った町の資料館で、あの異形のものの成り立ちを知ってしまう語り手と友人。やっぱりご法度だったじゃないか……。それにしても、あの異形ものがどうやってできているかは分かったのだが、どこからやってきたものなのだろう。ある種の呪いの様に増えていく方法は資料に書いてあったので、よくわかったのだけれど。この異形のものの一番最初は何だったのか、これだけでもう一本小説が書けそう。しかし、こんなものがあちこちにいるのは嫌だなぁ。語り手の町には別の格好をした同じようなものがいるようなので、色々なバリエーションがあるのかもしれない。行く先々にもしこんなものがいるのだとしたら、もうどこにも行けない……。
「草笛亜沙美はなぜ幽霊になったのか?」
最初の雰囲気と最後の雰囲気が正反対で面食らった。住職をしている祖父をもつ大学生の語り手。祖父と同じく昔から幽霊が見える質の語り手は、時々除霊を手伝うようになっていた。そんなある日、突如祖父が「草笛亜沙美」という女性の除霊を任せてくる。除霊、といってもその幽霊が何故幽霊になったのかを解明し、幽霊に聞かせ説得して除霊するという穏便な方法をとっているので、そんなに大仰な事ではない。しかも、10万円というなかなかの報酬に二つ返事で了承した語り手だが、すぐに後悔した。何故かどれだけ調べても彼女の情報が出てこないのだ。自分がなぜ死んだのか全く分かっていない彼女の死因は、おそらく事故や事件に巻き込まれた突発的なものだと睨んだ語り手はいろいろなものを駆使して、彼女が死んだ理由を探るのだが、すべて空振りに終わる。そんな時、姉から彼女の正体を知る核心的な情報を得ることができたのだった。彼女の正体が知れるまでは、なんとなく明るい面白い雰囲気だったこの作品。しかし、彼女の正体が分かった次のシーンからがらりと雰囲気が変わった。正直、正体が分かった時、このままいい感じで感動的に終わるんだろうなぁ、と安直に考えていたのだが、そっち方向に転がるとは思わなかった。なぜ彼女が幽霊になったのかは納得できた。その理由が個人的な欲望に塗れていたとしても、よくわかった。しかし、祖父のその動機はどういう訳だ。なんでそんな回りくどいことをしたのだろう。語り手は跡継ぎになりたがってはいなかったが、それにしても強引すぎるし、結局は実にならなかった。祖父の目的がそこにあるなら、もしやこの草笛亜沙美の幽霊自体も仕組まれた事なのでは?と邪推してしまった。でもそうじゃないと、その後語り手の姉に起ころうとしている悲劇もあまりに都合が良すぎる……。
今回の本は、人間の心の醜さや欲望を現した作品が多かった。幽霊になってもなおその心を持ち、他者を陥れようとするのだからつくづく人間とは恐ろしい。 -
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ネタバレどの町にも存在する暗がり。校舎の中に、家の中に、神社の中に。これは、そんな闇から生まれた恐怖の物語。 物語達は人々を飲み込み、陥れた、絶望の淵へと引きずり込む。気付いときには、もう手遅れなのだ。
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世にも奇妙なストーリー、第三弾。第一弾、第二弾は特殊な環境に置かれる町そのものにスポットを当てた作品だったが、この度から特定の町で起こった出来事という縛りがなくなっていた。そのためなのか、広義での怖い話、となっており、様々なパターンの怖い話が詰め込まれていて非常に楽しめた。
また、怖い話ばかりではなく、不思議な話であったり、読んでいて切なくなるような話もいくつか見られた。 お気に入りの話は「置き土産」「ラブレター」「キミヒロくん」 「置き土産」は怖さと気持ち悪さが同居した作品だった。近所の人が引っ越す際、語り手の家族に破格で一軒家を譲ってくれる。一軒家に引っ越し、家を整理していると階段下にある収納スペースの奥から緑色の大きな甕が出てくる。厳重に蓋がされているその隙間から、酒のような甘い香りが漂ってくるが、気味が悪いので開けようという気にはならない。父親は中身が気になる様子だが、家を譲ってくれた人の忘れ物のようなので、勝手には触れない。対処に困るので、先方に電話し連絡を試みるが、なんど電話しても繋がることはなかった。その内、父親の不審な行動が目立ち始めた。父親が何をしているのか察しはついているのだが、追及はできない。もやもやした思いを抱えつつ日々を過ごしていると、ニュースで甕の中身を間接的に知ることとなった。 真相を知って、まずこみ上げたのが吐き気だった。甕に封印を施して、怨霊が外に出ないようにしていたが、何かのはずみで封印が解かれ、一家に災厄をもたらす話かと思ったが、もっと厭な話だった。甕の中身が何かに関して詳細は省くが、どうしてそんなことになったのだろう。新しい会社が大当たりしたので引っ越したというこの家の元の持ち主が行った事業というのはその甕の中身を世に売り出して大儲けしたのだろうか。 それにしても、一つだけこの家にその甕を置いて出て行ったのは何故?こんな大事なものを忘れていくとは思えないし、そうなれば、故意か。だとしたら、元の持ち主は何を考えて、誰に対してこれを残したのだろう。この甕の中身に憑りつかれたようになっている父親は、同じものを作り出そうとしている様子。ある意味呪われたような状態なのかもしれない。「ラブレター」は読み始めからもう、嫌悪感が募りまくる話だった。幽霊が怖いではなく、人間が怖い話。一人の男性を好きになった女性が綴った、愛の手紙。はじめの数行は普通のラブレターという風だったが、徐々に書き手の異様さが顔を覗かせ始める。男性の気持ちを一度も確かめることなく、『運命の相手』、『私たちは両想い』などという言葉を多用し始め、あなたが何も言わなくても私は分かっている、と独善的な愛を語る。世の中にはストーカーといって一方的に相手の事を調べて、愉悦に浸る人間がいるけど、とても信じられない!と憤慨する一方で、自分独自のルールで私は違うと言い切る。自分がやっている事が社会から見てどうなのかという認識と、自分が現状どんな人間なのかという認識が全く正しく行われておらず辟易。半分ぐらい読んだあたりでおなかが一杯になった。読めば読むほど嫌悪が嫌悪を呼ぶ話だったが、頑張って読み進めていくと、最後の悲惨な出来事に絶句した。運が悪かったという言葉では補いきれないほど最悪の出来事だった。でも、こういうことは現実に起こりそうで、そこも非常に怖かった。「キミヒロくん」は自己責任系の怖い話。不幸の手紙のような要素もあり怖かった。小説家を志す語り手は、フリーの編集者と出会い、出版社に売り込んでもらうための原稿をいくつか書き上げる。しかし、一切の妥協を許さない厳しい編集者は優しい言葉ではあるが、もう少しヒットするような話を書くようにと暗に示してくる。一生懸命ネタを考えはするのだが、なかなかいい案が浮かばない。困窮した語り手は、兄に何か面白い話はないかと打診した。すると、今兄が働いている美容院に急に女の子が入ってきて、柳下という従業員に手紙を渡し去っていった。突然の出来事に思わず受け取ってしまった手紙だが、初対面で手紙を渡していくその様に気味の悪さを覚えた柳下はその手紙を破棄する様に兄に伝える。手紙の内容が気になった兄は破棄する前に中身を盗み見てみると、どうやら不幸の手紙の類のようだ。時代錯誤のような手紙に白け、特に何もすることもなく手紙を破棄した。その時は、変な人間の単なるいたずらだと歯牙にもかけなった語り手とその兄だったが、その後その手紙の所為としか思えない出来事が起こる。 とても不気味な雰囲気をまとった話だった。突如もたらされた不幸の手紙の存在自体も気味が悪く、そしてその手紙の文面の通り兄が呪われてしまったのも怖い。だが、それ以上に語り手のスマホに留守電として残されていた兄からのメッセージが恐ろしい。目に見えぬ何かに迫られ恐慌状態に陥る兄。電話の向こうで錯乱し、悲鳴を上げ何とか逃れようと足掻く兄の声とは別に、ひたすら「キミヒロくん」と囁く何百、何千という声、声、声。一つ一つの囁きは小さいが、幾重にも重なり耳元で虫が這いまわっているかのようにざわつく。その様を想像しただけで鳥肌が立つ。「キミヒロくん」の正体が全く分からないだけにいろいろな想像をして、余計ゾッとする。 オチも自己責任系によくある展開だが、一部信じる人が出てきそう。 今回は取り上げなかったが、「運命の像」という話もなかなかおすすめ。こちらはラストが秀逸だと思う。 どの話もサクサクと読めるが、しっかり怖い。ホラーを気軽に読みたい人におすすめの一冊。