盛田隆二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「また発掘本みぃ〜っけ!」と言いたくなる本との出会いでした。600p超でしたがスルスル読め、堪能しました。リアルな重い題材を扱いながらも、温かさと救いを得られる内容で、物語にガッツリ引き込まれました。
主人公は、食品会社勤務の町田周吾。認知症が進む父(恭三)の介護に苦心しています。父が短期入所した施設で担当者になった乾あかり。彼女は、場面緘黙の娘(志歩)を育てながら、DV離婚した元夫からのストーカーにも悩まされているのでした。
介護、障害、制度や待遇、学校や周囲の無理解等の諸問題(特に介護の厳しさ)が、これでもかという程克明に描かれています。
よくある設定ながら、物語の中に温かさを -
ネタバレ 購入済み
疾走感
生々しく300年が過ぎていった感じ。
子供がいる身としては、様々な時代の子供たちがひもじい思いだったり、性的虐待を受けている様子は心苦しくなったが、他はサクサク読めてよかった。 -
Posted by ブクログ
同じマンションの主婦仲間と子育てに勤しむ三十歳の弥生。夫の微妙な変化に気付きながらも、社会との接点を求めて、タウン誌のライターを始める。そこに、新たに入居した隣人のあけすけな言動が、平穏だった日常をねじれさせていく……。
リアリズムの名手が切実に描く、人生の岐路に立つ女性の”渇き”と”癒し”。あなたにとって結婚生活は”おいしい水”ですか?
なんだろう?
長くやってないとわからないこともある。
というのはあるけれど、こういう小説の中に出現する人々もおそらく実際にいるんだろうなぁ・・・
と感じつつ、自分も長年たったら、そういう気持ちが分るようになるのか??
と感じながら読み終えました。
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Posted by ブクログ
【本の内容】
「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしい、やるせない想い―。
日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。
若いパキスタン人労働者シカンデル。
日系四世のルイーズ。
裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。
それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。
人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。
[ 目次 ]
[ POP ]
嘘臭いけど書きます。
主人公・裕一のセックスに対する何だかよく分からない嫌悪感というのは僕にはよく分かって、ルイーズやあずさに誘われても決して一線を越えない裕一の -
Posted by ブクログ
ネタバレ13歳の娼婦、DV癖(ドツく側)のあるセミナー講師、子育てに苦悩する怪しげ健康アドバイザー…タフに生きる女性と彼女らに関わる男たち。彼らの風景を切って貼っつけトリミングすると、彼らの生き様がグイっと心に入ってくる。そのテクニックが抜群に美味いなぁと思った。
特に気に入ったのが「有希子の場合」と表題作
「有希子の場合」、風俗嬢なら不幸なのか?家庭に収まっている主婦や表の仕事をバリバリこなしている人より不幸なのか?道徳観念の根底に疑問符をなげかけておいて…
表題作「きみがつらいのは…」でバブル崩壊期の銀行に勤める主人公がウツに悩む。銀行員というしごくまっとうな仕事だが、組織を生き延びさせるため