盛田隆二のレビュー一覧

  • 二人静

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     「また発掘本みぃ〜っけ!」と言いたくなる本との出会いでした。600p超でしたがスルスル読め、堪能しました。リアルな重い題材を扱いながらも、温かさと救いを得られる内容で、物語にガッツリ引き込まれました。

     主人公は、食品会社勤務の町田周吾。認知症が進む父(恭三)の介護に苦心しています。父が短期入所した施設で担当者になった乾あかり。彼女は、場面緘黙の娘(志歩)を育てながら、DV離婚した元夫からのストーカーにも悩まされているのでした。
     介護、障害、制度や待遇、学校や周囲の無理解等の諸問題(特に介護の厳しさ)が、これでもかという程克明に描かれています。

     よくある設定ながら、物語の中に温かさを

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    2024年05月19日
  • ストリート・チルドレン

    ネタバレ 購入済み

    疾走感

    生々しく300年が過ぎていった感じ。
    子供がいる身としては、様々な時代の子供たちがひもじい思いだったり、性的虐待を受けている様子は心苦しくなったが、他はサクサク読めてよかった。

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    2021年06月22日
  • 身も心も

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    未だに苦しめられている壮絶な過去を持つ女性と、死に行く恐怖に怯える男性の物語。
    ただただ相手の心に寄り添いたいと願う、男女の美しい話。

    結末なんかどうだっていい、とても綺麗でした。
    とても綺麗な気持ちになれました。

    よい本に出逢えたと思います。

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    2014年11月10日
  • 夜の果てまで

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    不倫…駆け落ち…
    妊娠…別れ…からの失踪。
    つらい。つらさがたくさん。
    人がだんだん悪い道に進んでいって。
    最後はそれで幸せ…なのかな。

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    2014年11月05日
  • 夜の果てまで

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    面白かった!
    前半はなんだかな~って感じでダラダラと読んでたけど
    中盤から面白くなってきて後半は一気に読んだ。
    最後まで読み終わってから冒頭部分を読み返したらなんとも言えない気持ちになった。
    きっと二人は幸せに暮らしてるんだろうなー

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    2013年11月07日
  • あなたのことが、いちばんだいじ

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    2010.6 【収録作品】 「ひらひら」「あなたのことが、いちばんだいじ」「泣くかもしれない」「折り紙のように」「我々の美しい妻」「エーテル密造計画」「糠星」

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    2010年06月09日
  • おいしい水

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    同じマンションの主婦仲間と子育てに勤しむ三十歳の弥生。夫の微妙な変化に気付きながらも、社会との接点を求めて、タウン誌のライターを始める。そこに、新たに入居した隣人のあけすけな言動が、平穏だった日常をねじれさせていく……。
     リアリズムの名手が切実に描く、人生の岐路に立つ女性の”渇き”と”癒し”。あなたにとって結婚生活は”おいしい水”ですか?



    なんだろう?
    長くやってないとわからないこともある。
    というのはあるけれど、こういう小説の中に出現する人々もおそらく実際にいるんだろうなぁ・・・
    と感じつつ、自分も長年たったら、そういう気持ちが分るようになるのか??
    と感じながら読み終えました。

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    2009年10月07日
  • おいしい水

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    結構、帯や裏表紙の説明からイメージした話とギャップがあった。

    ちょっと恐ろしい話。ほっとできない。
    恐いけど物語としてとっても興味深い。
    すごく現代っぽい感じ。

    まだまだ知らない、覗いたことも、身の回りで聞く話でもない世界のお話。
    何だか分からないけど、衝撃だった。

    このタイトルになっている「おいしい水」は絶対に誰もが耳にしたことがあるはず。それもこの本を忘れさせない要素になっている。


    オススメです。

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    2009年10月04日
  • サウダージ

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    「サウダージ」とは「孤愁」というような意味らしい。
    島国日本の言葉には訳せないコンセプトだとか。

    国際色が豊かな登場人物たちそれぞれが日本で色々と考える。
    日本で生活して、不満もないけど、何かが足りてない感じ。分かる気がする。

    「うすのらな生活をいつまでも拒んでいると、しまいにはつまらない夢を追いかけることしかできない人間になってしまう」

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    2009年10月04日
  • 父よ、ロング・グッドバイ ―男の介護日誌

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    いつかこういうことがあるかもしれない
    そう思いながら読んだ。
    一人称の実体験はとても考えさせられた。

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    2025年09月14日
  • ありふれた魔法

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    プラトニックな不倫小説。個人的にはとても共感できる小説。不倫は相手のことを本当に大切に思っていればできないが、自分の都合を優先するまたは失ってもいい相手だと不倫をしてしまう。しかしながら相手がその関係を求めていたらその限りではないかも。相手が結婚してる、してないでもだいぶと違うか。個人的には思いがある相手と2人で食事に行った時点で浮気と思います。(肉体関係が不必要って言う意味ではなく)

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    2025年03月16日
  • 夜の果てまで

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    佐藤正午が推薦していたので読んでみた
    失踪から7年で離婚成立 
    東京へ家出3ヶ月の生活が強烈
    北海道大学、札幌が舞台
    コンビニバイト、万引き、偶然ラーメン屋で再会
    精神病、失恋、就活、家庭教師、花火、小樽デート
    不登校、シンナー、サッカー、駆け落ち、スリ手伝い
    指名手配、ホステス、妊娠、鹿児島、男娼、再度駆け落ち

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    2023年10月21日
  • 焼け跡のハイヒール

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    戦争というと、何だか大きな時間の塊みたいに、歴史上のひとつの出来事のようにイメージしていたけど、1人1人体験した時間や濃さが違うものなんだな。
    前線で戦う人と、日々空襲が激しくなる日本で生き抜こうとする人と。それぞれがその時代のせいで手にできなかったことは当然あって、でも同時に、戦時中にもドキドキしたりキラキラしたりする瞬間がちゃんとあったんだと思うと何か泣けてきた。
    私の祖父母も、大変な時代を生きたはず。もっとたくさん話を聞いておけば良かったな。

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    2023年01月19日
  • 焼け跡のハイヒール

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    久々に共感できる小説です。
    ちょうど亡くなった両親の世代のお話。
    重なる部分が多くて考えることしきり。
    私の世代の多くは両親からあの暗い時代の話を聞かされて育ちました。
    今思うともっと聞いておけばという後悔ばかりです

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    2021年04月16日
  • 散る。アウト

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    初体験作家。リーダビリティは高くて、場面展開がダイナミックなこともあり、ぐいぐい引きつけられる。エンディングは文学チックで、色んな謎やらが、特に解決を見ないまま終焉を迎える。最終的には、なかなかに楽しめる作品でした。

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    2019年09月18日
  • ささやかな永遠のはじまり

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    ヒロイン花織は婚約者の女性問題が許せず婚約解消したのに、自らは既婚者を好きになってしまう。
    矛盾しているようにも思えるけど、婚約者が誠実ではなかったことに気持ちが醒めたのかな?
    その点、白石の方は最後まで花織に対しても、家族に対しても誠実であろうとした。
    そもそも、誠実は人は不倫はしないと思うけど、自分の気持ちをコントロールできないほどの恋に落ちたということなのでしょう。
    二人の恋は、甘くて、苦くて、最後はちょっと切なくなった。

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    2016年02月15日
  • ありふれた魔法

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    銀行員の智之と茜の不倫の話。四十四歳のおっさんの不倫話が面白い!との売り文句で購入。
    2000年代後半のリアルが感じられる。
    読んでいてドキドキするような作品。

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    2015年04月19日
  • サウダージ

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    【本の内容】
    「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしい、やるせない想い―。

    日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。

    若いパキスタン人労働者シカンデル。

    日系四世のルイーズ。

    裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。

    それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。

    人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    嘘臭いけど書きます。

    主人公・裕一のセックスに対する何だかよく分からない嫌悪感というのは僕にはよく分かって、ルイーズやあずさに誘われても決して一線を越えない裕一の

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    2014年08月27日
  • きみがつらいのは、まだあきらめていないから

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    ネタバレ

    13歳の娼婦、DV癖(ドツく側)のあるセミナー講師、子育てに苦悩する怪しげ健康アドバイザー…タフに生きる女性と彼女らに関わる男たち。彼らの風景を切って貼っつけトリミングすると、彼らの生き様がグイっと心に入ってくる。そのテクニックが抜群に美味いなぁと思った。

    特に気に入ったのが「有希子の場合」と表題作
    「有希子の場合」、風俗嬢なら不幸なのか?家庭に収まっている主婦や表の仕事をバリバリこなしている人より不幸なのか?道徳観念の根底に疑問符をなげかけておいて…

    表題作「きみがつらいのは…」でバブル崩壊期の銀行に勤める主人公がウツに悩む。銀行員というしごくまっとうな仕事だが、組織を生き延びさせるため

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    2014年06月29日
  • 夜の果てまで

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    大学4年生と人妻との愛の形。
    出会い方はどうあれ、所々ありそうな話。

    若い方は特に嵌って行く流れ。そして結末は・・・。

    ★は3.5といったところ。

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    2014年02月11日