あらすじ
二年前の秋からつきあっていた女の子から突然の別れ話をされた春、俊介は偶然暖簾をくぐったラーメン屋で、ひそかに「Mさん」と呼んでいる彼女と遭遇した。彼女は、俊介がバイトをしている北大近くのコンビニに、いつも土曜日の夜十一時過ぎにやってきては、必ずチョコレートの「M&M」をひとつだけ万引きしていくのだった…。彼女の名前は涌井裕里子。俊介より一回りも年上だった―。ただひたむきに互いの人生に向き合う二人を描いた、感動の恋愛小説。著者会心の最高傑作。
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面白かった!
前半はなんだかな~って感じでダラダラと読んでたけど
中盤から面白くなってきて後半は一気に読んだ。
最後まで読み終わってから冒頭部分を読み返したらなんとも言えない気持ちになった。
きっと二人は幸せに暮らしてるんだろうなー
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佐藤正午が推薦していたので読んでみた
失踪から7年で離婚成立
東京へ家出3ヶ月の生活が強烈
北海道大学、札幌が舞台
コンビニバイト、万引き、偶然ラーメン屋で再会
精神病、失恋、就活、家庭教師、花火、小樽デート
不登校、シンナー、サッカー、駆け落ち、スリ手伝い
指名手配、ホステス、妊娠、鹿児島、男娼、再度駆け落ち
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大学4年生と人妻との愛の形。
出会い方はどうあれ、所々ありそうな話。
若い方は特に嵌って行く流れ。そして結末は・・・。
★は3.5といったところ。
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何年ぶりかの再読。本棚で目につき、何の気なしに手にとり読み出したら、そのままやめられなくなった。結局最後までほぼ一気読み。そうだ、最初に読んだときもそうだったんだなあ。
胸が詰まってくるような苦しい恋愛小説だ。盛田さんは細部の描写が本当にリアルで、主人公の大学生俊介の心の動きとともに読み手も翻弄される。俊介が好きになってしまうのは(いやもう実に好きになって「しまう」としか言いようがないのだ)たいそうややこしい事情を抱えた年上の人で、自分の人生を丸ごとその人のために投げ出していく事になる。深い畏れを抱きつつ、その裕里子という女性をひたむきに求めていく姿がつらく切ない。
まったく人は何で恋なんかするんだろう。この小説を読むとそう思わずにはいられない。自分も周囲もずたずたに傷つけるような二人の恋は、でもそれゆえにかけがえのないものとして心にしみてくる。お金のこととか、将来のこととか、現実の厳しさがきっちり書き込まれているからこそ、そういうものを超えてなお、恋を貫こうとする俊介に共感を寄せずにはいられなくなる。
また、前に読んだときにはあまり気がつかなかったのだが、裕里子の義理の息子である正太が実に不憫で泣けてきた。正太は中学生で、決してかわいげのあるタイプではない。でも、みながそれぞれゆがんだ家族の中で、必死に生きていこうとする姿が心に残って離れなかった。
俊介が暮らすのは札幌の街だ。このことは記憶になくて、そうだったんだ!と驚いた。札幌は、昨春息子が大学生として住むようになって以降、何度も訪れてすっかり好きになった本当にきれいな街だ。俊介が歩く大学から駅へと続く道、大通りの賑わい、ススキノのイルミネーション、ひとつひとつが胸に迫って、いっそう忘れられない物語になった。
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二年前の秋からつきあっていた女の子から突然の別れ話をされた春、俊介は偶然暖簾をくぐったラーメン屋で、ひそかに「Mさん」と呼んでいる彼女と遭遇した。彼女は、俊介がバイトをしている北大近くのコンビニに、いつも土曜日の夜十一時過ぎにやってきては、必ずチョコレートの「M&M」をひとつだけ万引きしていくのだった…。彼女の名前は涌井裕里子。俊介より一回りも年上だった―。ただひたむきに互いの人生に向き合う二人を描いた、感動の恋愛小説。
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こんな北大生いるかぁ?とか、なんでそう考えてしまう?とか、
他にもっといくらでもベターな解決法はあるだろ?と解せない部分は多いけど、「大人の」読み物としては非常におもしろいのでは、と思った。場面の切り替わりが早くて、どんどん先を読みたくなった。
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大学生と人妻の駆け落ちの話。
長いとか性描写が地味に多いとかは置いておいて、構成の妙というのかな?
途中で投げ出されるように物語が終わって、冒頭に戻ってきて、あーって納得。
面白かった、読んでる途中は非常にツラいんだけどねこういう話。笑
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盛田隆二の作品は、読んでいるとき、いつもざらざらした感触がついて回る。
以前読んだ「サウダージ」や「ストリート・チルドレン」の時もそうだった。
この「ざらざら感」は何だろう。
「こんなはずじゃない」と思いを抱いて生きることと、少し似ているのかもしれない。
この作品、一回り年の違う人妻と大学生の失踪小説だが、失踪生活が描かれるのではなく、失踪するまでが描かれている。
失踪後の二人は幸せか幸せじゃないかは、読者が決めるのかもしれない。
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珍しく、作者自身、作品自体の情報を持たずに手に取りました。題名と、表紙のデザインに惹かれたんじゃないかなぁと思います。(ちなみに改題前の「湾岸ラプソディ」よりもこちらが好きです。)そして、帯の言葉も印象的でした。
切なくて、苦しくて、でも懐かしい 誰もがここに描かれた恋愛に 身に覚えがある
それはいったいどんなものだろう…と読み始めたのですが、これはもうなかなか想像できない恋の話だと思いました。生活を捨てて、将来を捨てて…どこかで「失敗」に気付くのではないかという気持ちが強かったのですが、私は。
主人公が決して思い切りのいい男ではないんです。どこかずるくて、そして煮えきれない感じが、とても新鮮に感じられました。作品全体のエピソードや時間軸がしっかりしていることとも相まって、今もどこかで暮らしていそうな、小説だから、という気持ちを忘れて二人の暮らしを想像することが出来る気がします。
私は疑似体験というものについて物語が担う役割は大きいと思っているのですが、この作品はまさにそれ。
どこかで、感情に負けてしまいたいと思う気持ちに応えてくれる作品ではないかと思います。
(2004年6月1日)
Posted by ブクログ
1990年 北海道を舞台に北海道大学に通う大学生と人妻の恋愛小説。
何が人をこんな風に狂わせ溺れさせるのか…相手や周りの人の人生を破壊してしまうほどの魅力が何なのか考えさせられました。
読むにつれて沈んだ気持ちになり、切なくやりきれない気持ちになりました。
何よりも正太に幸せになってほしいと思いました。
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俊介、今なら戻れるぞ。まだ間に合うぞ。そんな女からは早く逃げろ。と思いながら読んだ。意地悪な気持ちで読んでしまうのは、わたしが女だからでしょうか??裕里子嫌い。
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二年前から付き合っていた彼女から突然の別れ話をされた春、俊介は偶然暖簾をくぐったラーメン屋で、ひそかに「Mさん」と呼んでいる女性と遭遇した。
Mさんは、俊介がバイトしている北大近くのコンビニに、いつも土曜日の夜にやってきては、必ず「M&M」を一つだけ万引きしていくのだった。
彼女の名前は涌井裕里子。
俊介よりもひと回りも年上のその女性は、ラーメン屋の店主の元に後妻として嫁ぎ、ラーメン屋との前妻との間の中学生の子供を育てている女性だった。
最初は、興味から裕里子に近づいた俊介だったが、次第に二人は惹かれあっていく。
気持ちが抑えきれなくなった二人は、自分に正直になるために全てを捨てて、東京へと逃げることを決意する。
その後、裕里子の妊娠をきっかけに一度は離れ離れになった二人だが……という話でした。
なんというか、最初、表紙がとても綺麗な想定だったので、切ない系の話かなあ……と思っていたんですが、読んでびっくり。超・どろどろ。
不倫から始まって逃避行、スリ……。
どちらかというと、北大に勤めてて、新聞社志望の真面目な学生だった男の人がそこまで落ちてしまうものなのか……と恋愛の恐ろしさを感じました。
不倫要素てんこ盛りなので、ダメな人は本当にダメだと思うんですが、裕里子の境遇にも同情すべき点は多々あって。
裕里子は、結婚してるけれど、夫は前妻と現在も会っていて、週に1回は相手の家に泊まってくる……となれば、それがどこまでの関係かはさておいて、妻としてはいい気分ではないよなあ……と考えてしまいます。
そういういろいろが積み重なった上での今回の恋愛につながっていて。
それにしても、もうちょっとお互いにストレートに幸せになる方向に持っていけなかったのかと、ある程度真っ当な常識の範囲で育ってしまった私なんかは思ってしまうけれど、そういうことじゃないんですよね。
まあ、いろいろ意見はあるとは思いますが、これはこれで面白かったです。
Posted by ブクログ
夫がいる一回り以上の年の差がある女の人と大学生との人生すべてを捨てた恋模様。
二人が失踪した七年後、夫が出した失踪が正式にみとめられ、戸籍抹消が決まる。
その失踪への過程が描かれています。
もっと自分が若かったら、全てを捨てて愛に走る二人を羨ましく読めたのでしょうが、何せ息子と同じ年齢!!!!
就職内定を蹴り、堕ちてゆく。
親の心配も描かれていましたが、まさにその気持ち!
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2年付き合っていた彼女から突然の別れを切り出された北大生・安達俊介。偶然入ったラーメン屋で出会った女性・涌井裕里子。彼女は俊介がバイトしているコンビニに、土曜の夜に現れて必ず「M&M」をひとつだけ万引きしていく、、、
21歳の大学生と一回りはなれた若妻との恋愛小説。
リアルな描写でありながら不倫での駆け落ちという非日常。なのに重たい読後感なのは文章力によるものが大きいのでしょう。
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21歳、新聞社に内定済みの北大生が一回り年上の人妻との道ならぬ恋に溺れ、逃避行する。裕里子が最初に俊介をデートに誘ったせいで、順調だった彼の人生が狂ってしまったと思うと本当に恋というものは恐ろしい。身を引こうとするなら、最初から誘うなよ…と感じる部分もあり、何とも言えない読後感。今までに身を引くという選択はしたことがないけれど、自分の幸せより相手の幸せを願えるのは、それだけ本気で愛しているからなのだろう。
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俊介が順調だった人生を棒にふる感じがもどかしくてイライラしてしまった。
でも裕里子がすごく純粋に恋に落ちてると思うとせつない。
正太が一番かわいそう⤵
旦那の気持ちは理解不能。
Posted by ブクログ
久しぶりに文量のある本を読んだ
最初の伏線なんかすっかり忘れてて、解説読んで思い出した
みんなそれぞれ譲れないところがあるのね、って思った
結構みんなの評価はシビアなのね
主人公達のように恋愛に溺れてしまう人間性を否定はしないけど共感はできない
脇役たちがみんな投げっぱなし
ラストスパートが疲れる
その割に最後はあっけなく放り出される
その辺はきつかったけど、それでも最後までしっかり読まされた、よい作品だが好みではないってところかな
先輩と元カノが付き合ってる描写があっさり書かれてて驚いたしね
Posted by ブクログ
せめて小説の中では救われて欲しいという思いで手に取った一冊。
舞台が札幌だったこともあって好印象だったんだけど、500頁もあるのに内容が浅い(笑)
不倫はやっぱりダメだね。
Posted by ブクログ
しんどい。。
表紙とタイトルからもっとクリーンな話をイメージしていただけに、読後の疲労感はなかなかでした。
でも、重ーい感じで終わらないのはこの著者の書き方にありますね。
???だった最初の2ページも最後まで読み終えた後に戻ったらなるほど!!と。
話は大学生と人妻の不倫、駆け落ちです。
内定や家庭の何もかもを捨ててしまえることに若干の恐怖を感じました。一歩踏み出してしまったら後は転がり続けるのみなんですね。
そんな中、こういう時でもやっぱり女は強いんだなーと妙に納得してしまいました。
個人的には、2人の行く末よりも女性の息子が気になって仕方なかったです。彼に救われた部分は大きいんじゃないかと。
Posted by ブクログ
生きるということは、決断の積み重ねだ。
その中で重要となってくるのは、物事に対してどれだけ腹がくくれるか?ということだろう。
そして、その決断の背中を押してくれるのは、結構些細なことの積み重ねであったりするような気がする。
Posted by ブクログ
物語の全般はなかなか盛り上がってこなくて、どこから面白くなってくるんだろうと読み進めていましたが、後半になってからはすっと一気に読み進められました。
様々な事情を抱えている主婦と大学卒業間近の大学生の駆け落ちの話で、リアルにありそうな恋愛小説でなかなか面白かったです。
Posted by ブクログ
一応「ロマンス」という枠組みにいれたのだが、ロマンスって我ながら恥ずかしいネーミング。恋愛ものということですね。
舞台は札幌。北大周辺の地理を思い浮かべながら読んだのだが。
昼ドラ的な話の展開で、まずまずかな。思えば初めて恋愛ものを読んだ気がする、ロマンスものか。
Posted by ブクログ
若い男の子が好きになりそうな女性だよな・・・。私は好きじゃないけど。
俊介が、早く悪い夢から目覚めて欲しいってずっと思いながら読んでました。でも冒頭のことを思えば、目が覚めるはずはないってことなのね。
あまりにも簡単に「失踪」してしまって、ちょっと解せない。もっとやることやってからにしようよ、と思う。大学のこともそうだし、離婚できるように話し合ったりってことを・・・。
そういうことを何もしないでいきなり失踪して、なんだかずるずる暮らし始めて、どんどん負の連鎖?みたいになって・・・。
正太がかわいそうだな。
好きにはなれない内容だったけど引き込まれてしまったので「星3つ」。