盛田隆二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この小説には、特別なドラマが起こるわけでもない。
専業主婦:弥生が、ありきたりの日常から仕事を通じて社会とのつながりを取り戻して行く姿が描かれている。
そこに登場してくる同じ集合住宅に住む主婦たち・・皆、それぞれの事情は少し違う。
専業主婦、バツイチ、起業家、浮気性・・・そして夫婦関係も様々だ。
そしてこの小説では、同じマンション内の各部屋で持ち回りでのホームパーティが催される。
そこでお酒が入り、アダルトビデオを皆で見たり・・そんなのするか!と思わずツッコミを入れたくなった。
また、それぞれ夫婦のプライベートが暴露されたり、浮気のきっかけができたり・・。
何だか昔テレビで見た「金曜日の妻たちへ」の小説版のような感じだった。
我が家のまわりでは幸いなことに(?)そういう機会はない。
しかし戸建住宅でも、世話焼きの家庭があり、ご近所さんを招いてのホームパーティなどを催す話を聞く。
一度このようなことをしてしまうと、毎回参加しないといけないような義務感が生まれてしまわないのだろうか。
そして、かえってギクシャクしてしまうのではないかとも思う。
できることならご近所とは、近すぎず遠すぎずの良好な関係を続けていければいい。
筆者はこの小説の執筆前に、専業主婦、会社員、パート主婦など30代の主婦12人に取材したらしい。
だからこんなに女性心理もリアリティがあるのかと、ついつい感心した。
しかし、あまりにリアルに書かれた集合住宅の各家庭の事情・・
この小説を読むと、独身女性は結婚生活に夢を抱けなくなるのではないかな・・とか、そんなことも考えた。
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Posted by ブクログ
人材派遣会社に勤める主人公が、裏で密入国などのビジネスにも関わる一方で、多様に揺れ動く20代後半の生活を過ごしつつ己が人生を見直していく。
主人公は男なんですけど、作中では一貫して女性に振り回されています。それは主人公に止まらず、友人や父親、といった主要な男性陣はことごとく女性に振り回されている。「弱いっちいなあ、オイ」と思う一方で、他人事ではないように思ってしまいました。
シンプルに見てしまえば振り回す方の女性が身勝手(もちろんそのような側面は否定できないのですが)なようにも思えるのですけど、詰まるところはそれを許してしまう主人公ないしそれに付帯する男性にこそ病理が潜んでいるのでしょう。この話のコアになるのは主人公の幼少における母親との乖離なんですけれど、それを乗り越えるステージとして20代後半という役の割り振りはそれなりのリアリティーがあったように思います。
とは言え名言的に教訓めいたことを訴えているわけでもなし、またエンタメ的要素も薄いといった感じで、改めてこうやってレビューを書いていても「また読みたいなあ」といった感慨を抱かせるには弱い作品であったようにも思います。単純に僕の経験値の低さや感受性の問題であるのかもしれませんけど。ただ、文章構成や表現は好きな部類だったので、また作者の違う作品は読んでみたいなと思います。