盛田隆二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何年ぶりかの再読。本棚で目につき、何の気なしに手にとり読み出したら、そのままやめられなくなった。結局最後までほぼ一気読み。そうだ、最初に読んだときもそうだったんだなあ。
胸が詰まってくるような苦しい恋愛小説だ。盛田さんは細部の描写が本当にリアルで、主人公の大学生俊介の心の動きとともに読み手も翻弄される。俊介が好きになってしまうのは(いやもう実に好きになって「しまう」としか言いようがないのだ)たいそうややこしい事情を抱えた年上の人で、自分の人生を丸ごとその人のために投げ出していく事になる。深い畏れを抱きつつ、その裕里子という女性をひたむきに求めていく姿がつらく切ない。
まったく人は何で恋なん -
Posted by ブクログ
ネタバレ他人の勧めで読みました。読み終わってこの先はどうなっていくんだろうとなんとなく思いました。人を愛する気持ちは人生を狂わせる、他人を狂わせる、恐ろしいものの様に見えた。後味がわるい本です。でもこんな破滅的な展開が好きだといった彼女は「恋人にならなければ長く付き合える」とも言っていた。少しは理解できた様な気がする。人の気持ちって難しいな。
十二年前。十八歳で上京したぼくは、十歳年上の花菜子さんと出会った。三つになる息子と二人住まいの彼女と、ぼくは少しのあいだだけ一緒に暮らしていた。そんなある晩、花菜子さんは犬の首輪をつけて帰ってきた。それはある男と他人のままつながっている証だった。そして十二年ぶ