盛田隆二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
珍しく、作者自身、作品自体の情報を持たずに手に取りました。題名と、表紙のデザインに惹かれたんじゃないかなぁと思います。(ちなみに改題前の「湾岸ラプソディ」よりもこちらが好きです。)そして、帯の言葉も印象的でした。
切なくて、苦しくて、でも懐かしい 誰もがここに描かれた恋愛に 身に覚えがある
それはいったいどんなものだろう…と読み始めたのですが、これはもうなかなか想像できない恋の話だと思いました。生活を捨てて、将来を捨てて…どこかで「失敗」に気付くのではないかという気持ちが強かったのですが、私は。
主人公が決して思い切りのいい男ではないんです。どこかずるくて、そして煮えきれない感じが、とて -
Posted by ブクログ
登場人物の寂しさ、人間の弱さ、そしてそこから描く混沌とした現実社会…。あっという間に全部読んでしまいました。
この「サウダージ」というコトバはポルトガル語なんですが、日本語ではどうも訳しにくい言葉なんだそうです。言葉を学ぶことって、もちろんコミュニケーションができるメリットもありますが、そのコトバそれぞれのニュアンスを感じて楽しむこともコトバを知る面白みだな〜って思います。
小説はというと、嫉妬する気持ちや親に対する想い、祖国に対する想い。自分と環境があまりにも違うので、登場人物に自分を重ねたというより、新しい人生観を体感したという感じでした。盛田さんの作品、もっと読んでみようかな。
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Posted by ブクログ
91歳の認知症の父親が亡くなるまでを描いたエッセイ
母親がかいがいしく家庭のことをすべて取り仕切り、家のことを何もしなかった父親。
その母親が難病で亡くなり、家には父親と統合失調症の娘。
お互いにお互いの世話をするだろう…なんて思っていたら…
どんどん歯車が合わなくなっていく父娘とそれをフォローする息子。
うちも母親がなんでもかんでもやるタイプだからな~とか
私も離れて暮らしているからな~とか
なんかもう読んでたら「私だったらどうしよう」
なんて考えてしまった
人はだれでも年老いる
介護は誰にでもやってくる
わかっちゃいるんだけどね…
あ~そうそう
介護士さんたちの働き方の説明がめちゃく -
Posted by ブクログ
ネタバレ何とも切ない。
まさか茜が秋野の妻に話してしまっていたとは。
池井戸潤といい、銀行関連の小説を読んでいたら少しずつその世界が見えてきた(気になっているだけ?)。
この作者の本は他にも読んでみたい。
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城南銀行五反田支店の次長・秋野智之は、部下の森村茜が担当する顧客に謝罪するため、顧客の別荘がある箱根に茜とともに向かう。その帰り、ふとしたきっかけで涙を見せた茜に、智之は胸が詰まるような息苦しさを覚える。次第にお互いの距離が近づいていく二人だが……。妻子ある銀行員を主人公に、リアリズムの名手が描く、心を深く打つ恋とその人生の行方……。