あらすじ
殺伐とし、混沌とした時代に翻弄されつつも、あざやかに輝く青春があった――
ベストセラー「夜の果てまで」の著者が描く感動の青春小説
東京大空襲の焼け跡も生々しい昭和二十年四月。十四歳の稲村美代子は上京し新宿の看護婦養成所に入学した。
お国のためにと勉学に励む美代子だったが、日々激化する空襲に、現場はたちまち野戦病院と化す。
同じ頃二十三歳の通信兵盛田隆作は、大陸を転戦していた。が、壮絶な行軍の末、体調に異変を来してしまう……。
数奇な運命に導かれた少女と青年の鮮やかな恋と一生。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
戦争というと、何だか大きな時間の塊みたいに、歴史上のひとつの出来事のようにイメージしていたけど、1人1人体験した時間や濃さが違うものなんだな。
前線で戦う人と、日々空襲が激しくなる日本で生き抜こうとする人と。それぞれがその時代のせいで手にできなかったことは当然あって、でも同時に、戦時中にもドキドキしたりキラキラしたりする瞬間がちゃんとあったんだと思うと何か泣けてきた。
私の祖父母も、大変な時代を生きたはず。もっとたくさん話を聞いておけば良かったな。
Posted by ブクログ
久々に共感できる小説です。
ちょうど亡くなった両親の世代のお話。
重なる部分が多くて考えることしきり。
私の世代の多くは両親からあの暗い時代の話を聞かされて育ちました。
今思うともっと聞いておけばという後悔ばかりです