あらすじ
園田花織は出版社で編集総務を担当する25歳。新雑誌の創刊準備に迫われながらも、大手電機メーカーに勤める岡島との結婚を控え、公私ともに充実の毎日を過ごしていた。しかし、挙式直前に岡島の女性問題が発覚、絶望のなか花織は別れを決断する。悲しみを忘れるべく仕事に打ち込むなか、花織は新雑誌の編集長、白石の優しさに癒され、そして恋に堕ちていく―。ベストセラー『夜の果てまで』の著者が描く、切なく狂おしい“純愛”傑作長編。
※本作品は、二〇〇七年十月に小社より刊行された単行本『幸福日和』を改題し文庫化されたものが底本です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ヒロイン花織は婚約者の女性問題が許せず婚約解消したのに、自らは既婚者を好きになってしまう。
矛盾しているようにも思えるけど、婚約者が誠実ではなかったことに気持ちが醒めたのかな?
その点、白石の方は最後まで花織に対しても、家族に対しても誠実であろうとした。
そもそも、誠実は人は不倫はしないと思うけど、自分の気持ちをコントロールできないほどの恋に落ちたということなのでしょう。
二人の恋は、甘くて、苦くて、最後はちょっと切なくなった。
Posted by ブクログ
不倫のお話。
不倫っていいとこ取りで楽しいんだろうなぁ、と思うけど、反面ズルイよなぁとも思う。
不倫相手はカッコイイところだけ見てればいいけど、結婚して一緒に生活していく相手はそういうわけにいかないし。
主人公は婚約者の浮気は許せなかったのに、その後に自分が妻子もちの男性と付き合っちゃうんだからホント人間って自分の都合が一番なんだなぁって思う。
双方良識ありそうな性格っぽいから余計にね。
個人的には結婚して奥さんや旦那さんがいて、その人を大切に思っていても、他の人に恋することってあるので、不倫を否定はしない。
でも不倫の結果、略奪に成功してもそういう人は何度でも不倫する可能性があるのでそういう人とは結婚しないほうがいいんじゃないかな〜と思ってます。
あとこの話、セクシャルな描写が多くて、フケツよっ!とは思わなかったけど、朝っぱらから電車の中で読むのはなんとなく恥ずかしかったよ。。別に誰も覗いてないとは思うけどね。
Posted by ブクログ
後半に入るまで面白くなかった。
ありきたりな話で林真理子あたりが書きそうな話だなぁーと
思ったりして、なかなか読み進まなくて苦労しながら読んだ。
最後のあたりはうるっときた部分もあって結果、まぁまぁだったかな。
ほんと花織は周りの人間に恵まれてるよねぇ。
Posted by ブクログ
不倫小説なのですが、主人公の男女の考え方が単なる自己陶酔のように思えて共感も感情移入もできません。更に途中からの展開も「こんなに辛いことに対して前向きに向き合ってるんだから、許してあげましょう。そして感動しましょう。」とお膳立てされているようで気に入らない。
盛田氏の作品にしては珍しく、あまり良い印象を持ちませんでした。
Posted by ブクログ
主人公・花織に感情移入して読むと、つい「どこまでも健気」な彼女を応援したくなる。
でも、不倫相手・白石の家族の立場から見たらどうだろうか。
そこに「どこまでも健気」な彼女が存在することはない。
ただの身勝手な夫と愛人でしかなく、裏切られた家族の恨みと侮蔑に満ちたストーリーが広がっていくはず。
“誰かの不幸の上に成り立つ幸せ”
これを良しとするかどうかについては、一概には否定も肯定もできないのかもしれない。
ただひとつ言えるのは、「事実」は「知る」ことと対になって初めて意味を持つということ。
知らないこと、気づいていないことは存在していないに等しいということ。
だから、もし自分たちがたどる道が、誰かを踏みつけて行く道だと自覚しているのなら、せめてその事実は隠し通すべきだと思う。
それが不倫をするうえでのルールだと思うし、せめてそうであって欲しいと願う自分がいる。