仲谷鳰のレビュー一覧
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1巻から続けて購入。
この物語全体の中で初めに物語が大きく動く巻です。
ヒロイン・七海燈子の過去について語られます。
自分を好きになれず、ある人物になろうとして生きてきた。
歪んだ生き方なんだけど、本人にはそれがすべて。
主人公・小糸侑がそんな先輩・燈子を変えようと思う
初めての描写が描かれています。
この辺りで私は燈子に感情移入してしまいました。
そういう生き方を自分もしたことがあり、
それがやはり誤っていることに気付いたので。
ただ単に色恋沙汰ものとして描かれるのではなく、
主人公、ヒロインをはじめとした各キャラクターの
パーソナルな部分にまできちんとフォーカスされているのが
この作品の -
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アニメを数話観て、続きが知りたくなり、初巻から購入しました。
作画もきれいで、ストーリー展開も非常に繊細に書かれていますが、
ストーリー構成が上手いので、やはり読む手が止まらなくなります。
その象徴的な部分が、本巻の最後で、
主人公・小糸侑の意味深なモノローグで終わるんですよね。
…そんなことされたら続き気になるでしょう?w
また、初めて百合ものに触れましたが、
同性とか異性とか、そう言ったことを感じさせない感情表現に
とても惹かれました。
恋愛ものが好きならば間違いなく好きになれると思います。
初巻だと探せば無料で読める(ネット)かもしれません。
是非読んでみてください。 -
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初読。沙弥香の女の子との出会いから漫画が始まる前までの物語を、沙弥香による一人称で描く。好きな人が女の子だったのではなく、女の子だから好きになるという、至極普通で何の変哲も無い理由から先輩や燈子を好きになったことが明かされる。理由というか条件かもしれないが。想いを寄せられて拒絶する小学生時代→一時だが相思の関係になる中学生時代→片想い中の高校生活と、女の子を好きになることについて、経験を重ねて順調にステップを踏む沙弥香。ただ、現在の片想いはなかなか難物。本編の結末が一層楽しみになるとともに、沙弥香の今後がとても気になる。
入間先生が書かれた文章を初めて読む。とても読みやすく、沙弥香の感情を丁寧 -
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この巻の見どころは、燈子の人としての成長と、
もう一つあるのですが…これは言わないでおきましょう。
1巻当たり平均6話程度の進み具合の中で、
物語のキーとなる場面を毎度毎度上手く見せているな、
続きが気になるようによく設計されているなぁ、と、
物語設計の綿密さに毎度感心します。
特にこの6巻は、ここまで読んできたファンなら悶絶必至ですよ。
個人的には、燈子の成長をああいう形で描かれていたのには
非常に共感を覚えました。
今までの自分は、亡くなったお姉さんをトレースしてたけれど、
誰かの人生じゃなく、自分の人生を、自分の欲しいものを
手に入れていいんだということに気付いた部分に、
重なる人も -
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ネタバレ初読。言ってしまった。行ってしまった。侑から燈子にキスをする意味を侑は以前から理解していたが、それとともに告白をしたと言うことはもうすっかり侑は燈子にぞっこんになってしまったということを示している。そんな侑に対して恐怖の感情を抱く燈子。劇は大成功に終わったが、彼女の考え方は未だ根強い。今までその思考に拠って立ってきた経緯に鑑みると致し方ないか。好きと言われることは、変わってしまっては好きではなくなってしまうということであるから避けてきた燈子。侑は劇を終え、以前と変わった燈子に向け想いを零した。では燈子は変わってしまった侑を好きでいられるのか。
私も沙弥香さんが剥いてくれた林檎をおいしくいただき -
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ネタバレ初読。燈子に対する侑・沙弥香両名の立ち位置は未だ基本的には同じであったが、この巻と前巻ラストを境に明確に分かれたと言えるのではないだろうか。燈子に積極的に干渉することを恐れる者と、そうでない者である。燈子に対しての生徒会と劇は、いわずもがな彼女が敬愛してやまなかった姉のメタファーであり、それに干渉することは燈子を知る者にとってはタブーであった。そこに踏み入ることは、リスクを孕む行為である。聡明な沙弥香はそれを十分に理解し、「燈子の意思を尊重」した。つまり、結果的にではあるが、今の関係性を保つことに甘んじたということになる。一方侑は勇気を持って燈子の内面に進んでゆく。燈子の一番の理解者としての人
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初見。人は見えることしか見えないという当然の事実のみならず、見たいものを見たいように見るだけという言葉の典型がそこにはあった。得てして恋愛関係で発生しやすく、また物事を拗らせる原因になる。他人を理想化するのは人間の性質であるが、自分がそうしていると気づいたとき人は自分と向き合うことになる。他人は自分を映す鏡とも言う。さてここで考えたいことが1つ。タイトルの「君」とは誰が誰を指しているのだろうか。
あと前巻から思い始めてはいたことだが、各話のサブタイトルが秀逸。仲谷先生が考えていらっしゃるのだろうか。すごい。人物に関しては、燈子さん、勉強は出来るのになんだかもったいない。しかし何かに専念して(圧 -
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ネタバレ初見。お互いの行動原理や振る舞いのボーダーを理解することによって物事にうまく対処できるようになるのだなあ、と感じた。ただ今は上手くやっているが、燈子の「踏み入って欲しくないし、そんな自分を受け入れ続けてほしい」という我儘を侑はいつまで聞き入れ続けるのだろうか?侑の中に芽生える「燈子を好きになりたい」という感情を2人して押さえつけているが、侑がこれに耐えきれなくなってしまったとき2人の関係はどうなるのだろう。槙君との会話やラストシーンにおいて侑→燈子の兆候が見られる。一方沙弥香は燈子に対し好きの感情を見せることはない。沙弥香も燈子に負けず劣らず隙がないが、燈子と同様の演技者であることを考えると…
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漫画「やがて君になる」のさやか先輩の過去を書いたスピンオフ小説が発売されると聞き、喜び勇んで買いに行きました。内容は期待通り、いや期待以上でした。原作を尊重して書かれていることが伝わってきます。原作のさやか先輩の頭の良さを感じさせる描写力、読書傾向という設定、恋の表現方法など様々な点において原作を意識されていると感じます。
恋の表現としては原作で侑が恋の憧れのイメージとして「羽根が生えたみたいにフワフワしちゃったり」という描写があったり、告白されて「依然しっかり地面を踏みしめていて」という気持ちの表現をしています。それを意識しているのか、この小説では「ふわふわ」という恋の感覚と、「地に足をつ -
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小糸侑が七海燈子を変えようと決心する4巻。
相変わらず表情がよすぎる。
・佐伯沙弥香が元恋人と偶然出会い、一方的な「ごめんね」をぶつけられてイラッとしたときの表情、さらにそこで燈子とのイチャイチャを見せつけて「さようなら」を言う高圧的な表情(100000点)
・「澪と七海さんは あんまり似てないな」と言われた七海燈子の表情、そういうとこやぞ!
ラストでは「侑は私のこと 好きにならないでね?」とか言っちゃうのがクソヤバい。やっぱり自己否定感は周囲の人間にも不幸を撒き散らすんやな。それを受けて七海燈子に自分自身を好きになってもらおうとする(おそらく)小糸侑、よすぎないか? 結婚してくれ……
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