黒田龍之助のレビュー一覧
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【序】
「線状性」=語の順番、並べ方⇔絵
文字と意味の恣意性
「二重分節性」=限られた音・単語から無限の文が作りだせる
【1】
「比較」は歴史的に同系関係が証明されている言語間でしか使えない(語族・語派)
→証明されていない場合は「対照」
【2】
共通語ピジン→クレオール
フランス語もクレオール?ガリア語+ラテン語
【3】
協調の原則
【4】
格にあわせて曲用
形容詞が名詞に近いタイプ
形容詞が動詞に近いタイプ
【5】
tense 時間の捉え方
aspect 場面の捉え方
フランス語の時制
テンスだけでなくaspectも組み合わされている
【6】
【終】 -
Posted by ブクログ
英語で挫折しているので、語学の達人と言われるような人の書く文章は敬遠してきたのだが、著者が外国語習得の良き案内役としていい文章を書くらしいとの評判を聞いていたので、ちょうど文庫化された本書を読んでみた。
外国語学習のことももちろん書かれているのだが、著者の方法は実に真っ当なもので、分からないなりに、その外国語の本を読んでみる、映像化されたものがあればそれを見てからでも良いし、順序はお好みで良い。著者は特に物語を読むことを推奨する。
本書はそのような各国語と各国語で書かれた小説や戯曲を素材にして、著者の経験や思いを平明な文章で綴っている。
あまりメジャーとは言えないスラブ語圏やアジアに関する話も多く取り上げられており、関心を呼び覚まされた。 -
Posted by ブクログ
BookBar紹介本。90の言語を紹介するエッセイ。
世界は英語さえあればとりあえず会話はできるだろう。と思いながら読んだ。
まぁ、あるわあるわ。聞いたことすらない言葉たち。紹介されている90言語のうちの一割も知っている言葉はないのではなかろうか。
もちろん、英語、ロシア語、スペイン語、日本語は知っているが、それ以外の言葉が多い。特に日本人にはあまりなじみのないアフリカ地方での言葉の多様性に驚かされる。
この多様性が「世界は英語で通じる」によって駆逐されないか。一緒くたにされていいのか、そう感じた。
言葉の多様性を守ることと生物の多様性を守ることの大変さに、共通点がある。マイナーなものはいつでも窮地に立たされるのかと思うと、社会の狭量にため息が出る。
暗い話は置いておいて、90言語の中でも「コサ語」が気になる。生で聞いてみたい。 -
Posted by ブクログ
初めて言語学の本を読むなら「はじめての」がいいだろう、という安直な理由で購入。講談社新書だったのもあるけど。
言語学を学ぶ前に、という説明が最初に30ページほどあり、これが結構なわかりやすさで理解する準備が整えることができるので、自分のように言語学は初めてという人でも安心して読めるかと思います。
言語とは記号の体系、という説明もわかりやすく楽しくて読みやすい(各所に入る自虐ネタもおもしろい)。
期待としては、チョムスキーとか、デリダとか、レヴィ=ストロースとか、そういうのの延長というか基本としての知識教養だと勝手に考えて手に入れたのですが、だいぶ違ったようです。
ちょっと気になったのは、明確な根拠なく断定している(と受け取れる)箇所がいくつかあったことくらいか。これ自分としては結構大きい問題なのだけど、どうなんだろうか。
言語学とは頬杖をつきながら「人間にとって言語とは何か?」という深い考察をする学問ではなく、各言語の違いや特徴などを世界中を回って調べたり記録したり、どのように「変化」して行くのか、を学ぶ生物学に近いように感じました。 -
Posted by ブクログ
外国語や言語学に関してたくさん書籍を出している著者の、外国語を学ぶ上で大切な言語学的な視点について。
と言うと、面白くなさそうに聞こえるが、エッセイ的な要素や独特の語り口も含めて、言語に対する興味を向けさせる内容が盛りだくさんだった。特にこの本は、著者が「ことばのシェフ」(p.187)として、どういうスタンスで日々言語を教えたり、本を書いたりしているかが結構あちこちに書かれている。端的に言ってしまえば、著者の好き嫌い、がはっきり書かれている本だなと思った。
冒頭の方に、「大学で教えていると、最近は拙著を読んで言語学を目指すことにしたということにしたという学生に出会うことが珍しくなくなった。(中略)「言語学を目指す学生は、どうやらわたしの目論見に反して、言語学そのものにしか興味を持たないようなのだ。外国語を学んだら、そこから文学や歴史に興味が広がるのが当然だと考えていたわたしにとって、これはショックだった。文化的背景を無視して、言語の構造だけを追いかけて、それが何になるのか。」(pp.iii-iv)ということらしいが、残念ながら、たぶんおれがその学生に近い。15年ほど前、大学生の時、著者の『はじめての言語学』を読んで、言語学面白いと思い、色んな言語学があることを知って、でも英語を極めようと思って、英語の生成文法のゼミに入った。たぶん著者のスタンスからすれば二重の悲劇、つまり1つは文脈を考えずに言語の構造の厳密な記述を考えようとする方向を勉強したという悲劇、もう1つは、言語学に興味があって言語学を勉強したと言っておきながら、英語以外の言語学習をろくにやらなかった、やる気がなかったという悲劇で、大学卒業くらいの時には、その「悲劇」に自分でも気づいていたが、まあいいや、そのうち興味が持てれば、と思って学生時代は終わってしまった。
ということで、著者の本大好きなのに、著者には歓迎されない読者、という感じで読んだが、じゃあなんでろくに外国語を学ぶ気もないおれがずっと言語学に興味を持っているんだろう、という感じで、ずっと自分が疑問の対象だった。
それはともかく、そういうおれでも興味深いと思ったことをいくつかメモしておく。まず日本語の話で、発音した時に聞き取りにくいくらい短い⑤は、「何かを補って長くすることで、耳で理解しやすい工夫する。『胃』『背』『葉』は『胃袋』『背中』『葉っぱ』のように拡大させる。」(pp.31-2)、他にもお酢やお湯のような「お」をつけるパターン、毛や字を「髪の毛」や「文字」のように言い換えるパターンというのがあるらしく、面白い。単語も語の言い換え、という捉え方ができるらしい。あとは「人」か「族」か、という話。ヨーロッパはソルブ人やバスク人のように「人」、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカは「族」で、「あまりよい意味には感じられず、差別のようなものを感じてしまう。」(p.39)という話。そしてこういうように色んな用語にこだわるのは、「言語の世界はあまりにも広く、一人の人間が細かいことも含めてすべてを把握することは難しい。だとしたら、知らないことに対しては慎重でありたい。専門家の意見には真摯に耳を傾けたい。自分が常識と信じていることは、常に訂正される可能性がある。そのためには用語に敏感であることが大切なのではないか。」(同)ということで、別に言語の勉強だけでなく、色んな学問に対して謙虚であるということは、用語をできる限り正しく使おうとするということなのかもしれない、と思った。あと「『ご注文はよろしかったでしょうか』というのは、確認の『た』を用いて丁寧に表現しようとしたのだから、別に目くじらをたてることもない」(p.127)ということで、これは「あ、電車が来た」とか「明日は水曜日だった」の「た」と同じようなもの、というのが面白い。母語の日本語で気づくことが多いと面白いと思ってしまう。でも、英語や日本語の例ではなく、やっと外国語で面白いと思う話があったのは、まず「オーストロネシア語族オセアニア語派に属する言語のうち、フィジー語のようにメラネシア地域で話される言語では、人称代名詞に単数、両数、複数に加えて、三数つまり三を示すための特別な形がある」(p.104)とか、「セルビア語ではlやrにもアクセントのある場合がある。」(p.155)
など。
終章では「浪漫主義言語学」について書かれているが、こういう勉強ができたらいいなと思う。「外国語学習者の多くは会話を目指すが、見知らぬ人に道を教えて、おかげで感謝されて嬉しいなんていうのは、早く卒業してほしい。」(p.182)、「会話重視の外国語学習は、自分のいいたいことばかりを投げかけて、相手の話を聴いていない。それでは『会話のキャッチボール』ではなくて『会話のバッティングセンター』である。」(p.185)、という部分にはとても共感するし、「読書は言語から永遠に離れない。古典から現代までさまざまな書物に広く触れることは、外国語学習の究極である。時間をかけてさまざまなテキストを読むことを通して、ゆっくりと理解を深めていけばいい。」という部分に、究極的にはそこをおれも目指していきたいと思った。(17/06/23)
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Posted by ブクログ
大学で第二外国語として履修してたロシア語。
離れて久しい今は、アルファベットが読めて「こんにちは」くらいしか言えないし、当時はなんかえらく難しくて挫折した、という印象だけが残っている。。
そんな状況で手に取った一冊。
じゃあ何が難しかったのか、本著を読んで理解した(思い出した)。
言葉の変化が鬼門だったのである(特に格変化!これが人称とかの変化と複合的になるともう絶望)。。。
人名含めた名詞も数字も形容詞も動詞も前置詞もとにかく変化しまくる。
何人称かで、時系列で、格で、男性か女性かでころころ変わり、覚えるべき決まりごとがたくさん。
まあ、なんのことはなく新しい外国語を覚えるには根気強さが必要で、私はそれが足りなかったのだ。
何が難しいのかってことは認識できたので、これからまた少しずつ勉強してみようかなって思った。
何が難しいか、その難しさの本質を理解することが学習の第一歩なのだなあと感じた一冊。