黒田龍之助のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
言語学が好きなおじさんの書いたサクサク読めるエッセイのような内容。
世界の90言語について、1言語につき2ページで言葉を添えています。
言語入門とはありますが、その言語の使われている地域について
旅行に行ったらこうだったとか、この言語の文字は可愛いとか、
著者自身が思い出を掘り返して楽しんで書いたのが伝わってきて面白かったです。
お気に入りはコサ語についての文章。
私もさっぱり知らなかったけれど、南アフリカなどで使われている言語とのこと。
『
言語学で大切なことは、広い視野から言語を眺めること。
日本語と英語が中心で、後はせいぜい欧米やアジアの言語が二つか三つ、
それだけで世界を推し量るのは -
Posted by ブクログ
「はじめての言語学」とあるように、初心者よりももっと前、「言語学ってなんだろう」という疑問を持った人におすすめの本です。言語学を少し学んでみて、よく分からなくなった人が言語学というものを振り返るためにもちょうどよい本かもしれません。
言語学といったら「ソシュールという人が有名らしい、彼の本を読んでみよう」や「サピアウォーフの仮説に興味があるから言語学を知りたい」と思うかもしれません。私がそうでした。
しかし、ソシュールやサピアウォーフ仮説は言語学の一面でしかありません。言語学という学問を理解するには細かすぎますし、難しすぎます。
「はじめての言語学」は言語学をざっくりと、偏見なく見つめるこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ言語学が専門の著者による、世界の90言語についての解説。序として「本書は、わたしがたった一人でさまざまな言語について考えていく。知識にも経験にも愛情にも欠ける、一人のアヤシい自称言語学者が、全世界の言語を相手になんらかの文章を捻り出そうというのだ。無謀な話ではないか」と書いており、その正直さに納得し、「そうだよね、無謀だよね」という共感を持てる人でなければ、この本は楽しめないだろう。
そうは言いつつも、やはり言語学者なので基本的な「道の言語に対するマナーや接し方」といったお作法はしっかり押さえており、どの言語も見開き2ページしかない割にはそれなりにキッチリと論じられている。語族や語形変化、音 -
Posted by ブクログ
黒田さんは、私にとってはNHKのロシア語講座の先生。
その黒田先生の、大学1年向けの言語学概論といったら、きっとこんな感じなのかなあ、と思いながら読む。
前期分の授業という感じかしらね。
だって、こんな風なんだから。
第一章。
一般人の「言語学」に対する思い込みに反論する。
第二章。
言語とは何か。
第三章。
音声学。
第四章。
文法論と意味論。
第五章。
言語のバラエティ。比較言語学、方言。
語り口は平易。
比較言語学と対照言語学の違いなんて、一言である。
おお、初めて知った!と思ったら、よく考えたら、私も大学生の頃、日本語教育の検定をとったときに、たしかやったな、と後になって思い出した -
Posted by ブクログ
英語で小説を読むことが憧れなんです。でも、なかなか読めなくて挫折したり、挫折した経験があって、踏み出す気持ちが持てなかったりして、でも英語に触れてないとなあとなんとなく英語のニュースサイトをパラパラ見たり。
著者の外国語歴にまず圧倒される。ロシア語、英語、チェコ語?
すごいなあ。でも同じくらいすごいのは、物語(小説、映画、戯曲など)への好奇心だ。
好きなものをひたすら追い求めていく。美男美女の綺麗な恋愛ドラマはもういいよ、と思いながらそれでも韓国ドラマから当たりを見つけたり、
戯曲が言語習得にいいのでは?となって、英語で戯曲といえば当然シェイクスピアなんだが、「ハムレットは自分じゃないなあ。他