黒田龍之助のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
言語学というよくわからない学問をできるだけ分かりやすく書いた本である。日本語なり英語なりの学問と言えば語学としてはなじみがあってイメージしやすい。ところが言語学となると果たして何を扱う学問であるのかが分かりにくい。何を目的としてどのようなことを行う学問なのかのイメージが湧かないのである。
本書ではソシュールやチョムスキーといった言語学の大家の論をさりげなく紹介し、それがどのように言語学の世界で使われているのかを具体例に沿って述べている。私は他の本でいきなりこれらの言説に触れて面食らったことがあるが、はじめにこちらを読むべきであった。
言語学にまつわる誤解に触れた章もおもしろい。たとえば言語に美醜はないとか、言葉の乱れや方言に関する世間の考え方と言語学上の判断とは別のものであることなどは興味深い指摘である。
大学の先生の話を研究室でうかがうような気楽な文体は「はじめての」学習者には優しい。学生時代に戻りたくなるような気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
言語学の入口。そもそも言語学は何を扱うのかという大前提から、言語学の歴史、言語学の諸分野が、具体例と共に、ユーモアを交えて分かりやすく書かれている。ここから興味のある分野を深められるように、参考文献も付されている。
極力専門用語が避けられているので、何もわからない人でも読み通せると思う。反面、もし言語学をかじったことがある人にはちょっともどかしさもあるかもしれないが、用語として何となく入っているものと知識との紐つけができるかもしれない。
ことばは、時としてとんでもない科学・偏見がまかり通ってしまうことがあるが、そういうものにもしっかり警鐘を鳴らす。
「言語学」を学問として学ぶ人だけでなく、「ことばに興味がある」人に、ぜひ読んでいただきたい1冊。
色々心に残ることばはあったけどその中でも
「大切なのは似ていることではない。規則正しい対応なのだ」(p.185)という言葉に射抜かれました。
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
TOEICの点数にこだわらない。
最適なメソッドは一人ずつ違う。
楽しむための上手な時間のかけ方。
勉強に使えるさまざまなグッズ。
魅力的な語学教師の姿とは。
多すぎる「語学の迷信」から解放。
楽しく語学に再チャレンジ。
[ 目次 ]
第1章 語学がいっぱい
第2章 語学を続けるために
第3章 語学の「常識」を疑う
第4章 理想の語学教師を求めて
第5章 語学のプロは修業する
第6章 たとえば英語学習をやめてみる
おわりに―語学のある日々
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
【星:3.5】
タイトルのとおりで、言語学を学んだことがない人向けに、言語学とはどんなものなのかということ説明した本。
発音、文法、言語の分け方などのテーマを設けて、それぞれのテーマについて説明する中で、言語学について理解していこうといったテイストである。
各テーマについての説明自体はとても分かりやすいのだが、内容の本丸(と私は思っている)である、「言語学ってどんな学問なの?」というのがどうも見えてこなかった。
その理由ははっきりとわからないのだが、以下のことかなぁとは思う。
①最初に「言語学はみんながイメージするものとは違う」的なことが書いてあったが、読んでみても「言語について研究する学問」みたいで、出だしの「違う」が見受けられなかった。
②分かりやすくしようとするあまり、書き振りをやや砕けた形にしすぎ。
分かりやすく説明しようという著者の気持ちは伝わってくるのだが、もう一歩という感じであった。 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、言語学にはじめて触れる人向けにわかりやすく書かれている本でした。
わかりやすさを強調するあまり、不要な例えや言い回しが多いのが気になりますが。
1番印象的だったのは、言語学の立場や考え方についての説明です。
・そもそも、「ことばの乱れ」という発想が言語学にはない。
・言語に名称を与えるのは政治と歴史であり、言語学では判断できない。
・言語学では、《美しい言語》も《汚い言語》もない。
こういった説明は〇〇学といったイメージからくる堅苦しさをほぐしているようでとても良かったです。
言語学は字面通りのいわゆる言語に対する学びだけでなく、言語を通して、その言語を話す人たちの思想や生活の特徴を知ることができる点が非常に興味深いです。
これからは気が向いた時に少しずつ、言語学関連の本も読んでいこうかなと思います。
---
自分が苦労せずに手に入れたもの、たとえば性別、人種、出身地、家柄、それに母語といったもので威張るのは卑怯である。その反対に、努力して身につけたもの、たとえば学歴、職業などと並んで外国語を自慢するのは嫌味である。
---