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大学で言語学やロシア語を教え、時にはチェコ語で講演もする。スラブ諸語を研究する言語学者が何より愛するのは小説である。『犬神家の一族』を英語版で楽しみ、『細雪』のロシア人一家についてあれこれ推理。スウェーデン語に胸をときめかせ、物語に描かれる大学教授の人望のなさに溜息をつく。文庫版書下ろしエッセイ「長い長い外国語の話」も収録。言葉はきっとあなたの世界を広げる翼になる。(解説・林巧)
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Posted by ブクログ
ふと目についたので、なにげなく購入した本。思いのほか、引き込まれた。黒田という人のことは知らなったのだが、言語学の感覚で世界のあちこちを感じる、という味わいの軽妙なエッセイで、楽しい読書であった。いろいろな国の映画、いろいろな国の文学が、探す気になりさえすれば、手に届くところにあるのだな、と気づく。...続きを読む文法も何もまったく知らない言語の原書でも、対訳さえあれば、訳をちらちら見ながらゆっくりと読めば、少しわかるような気になってくる、ともある。
使える言語学習とかではなくて、物語で楽しみながら言語を学ぶ。それができたらとっても楽しいだろうと思う。そういう人って意外といない、って意外。でも著者の、邦訳を1,2ページ読んで原書の対応箇所を読んで、っていうのは、よほど気長に、好きな作品じゃないと私には続かないと思う。映画や戯曲で自然な会話の表現を...続きを読む学んでいくのは、でもとても良い。あんまりできないっていうチェコ語でも、星新一の翻訳を読んで慣れてチェコ語で講演しちゃうってすごすきる。言語って楽しいし文学も楽しい、って思わされる本。
英語で小説を読むことが憧れなんです。でも、なかなか読めなくて挫折したり、挫折した経験があって、踏み出す気持ちが持てなかったりして、でも英語に触れてないとなあとなんとなく英語のニュースサイトをパラパラ見たり。 著者の外国語歴にまず圧倒される。ロシア語、英語、チェコ語? すごいなあ。でも同じくらいすごい...続きを読むのは、物語(小説、映画、戯曲など)への好奇心だ。 好きなものをひたすら追い求めていく。美男美女の綺麗な恋愛ドラマはもういいよ、と思いながらそれでも韓国ドラマから当たりを見つけたり、 戯曲が言語習得にいいのでは?となって、英語で戯曲といえば当然シェイクスピアなんだが、「ハムレットは自分じゃないなあ。他のものを…」とあきらめず次を追い求めるところ。 本から映画、日本語から外国語、ロシア語からチェコ語など組み合わせも自由自在。 本当に言語と物語のマニアで、その思考回路をちょっとなりと覗けるのは大変興味深い。
筆者の方はさまざまな言語を、ツールとしてだけじゃなくて、そのものとして愛でて楽しんでいる感じを受けた。筆者の方は、さまざまな言語を通じて物語を楽しんでいるとともに、物語を通して言語を楽しんでいて、そこが斬新で面白かった。 そうやって楽しんでる読書(映画鑑賞も)についてひたすら書かれてて、清々しかっ...続きを読むた。
本文もさることながら、あとがき以降がとっても面白い。ジュリアンが気になる。 著者さんの言語への興味関心がとても伝わってきます。たぶん本気を出せばとてもマニアックに書きそうだけど、初心者でも楽しめるようになっています。身の回りの物語とそこに出てくる言語の徒然が愉快で、「その本読んでみたい」と何冊も思わ...続きを読むされて、積読がまた標高を高くしそうです。細雪のロシアなのかウクライナなのかを体験したい。
語学を再勉強するとき、モチベーションを維持するために(本書でいう「王道」の)検定試験を利用しがち。物語を選んで言葉を吸収する、料理の素材のように単語を学習する黒田さんの学習法をもっととりいれようと思えた。
日本の小説を外国語で読んでみるって、面白そう。海外映画を字幕と吹替の両方をいったりきたりして観るのが好きだし、海外文学を原書で読むよりもハードルは低そうだから。
エッセイをほとんど読まないが、本書は非常に魅力的で面白く読めた。作者の捻くれた性格を不快に思わせない「物語愛」を強く感じられ、外国語に対する合理的な考え方にシンパシーを覚えた。読みたい海外文学もたくさんできた! p23 常に新しいものをおいかけるばかりが読書ではない p67 その土地に根差した小...続きを読む説が好きである。歴史背景や文化事情が濃厚に反映していて、外国人がただ読んだだけでは容易に理解できない物語。 p155 言語感覚とは実に微妙なものなのだ。機械翻訳の技術がどんなに進んでも、こういった感覚まで納得させることはおそらく不可能だろう。
語学を学ぶには、その言語の物語を読むことの面白さを教えてくれるエッセイ。 さまざまな文学作品が紹介されている。
実用的な語学、武器としての語学なんて、くそ!という論調。 楽しむために語学はある。そのために映像や翻訳でも楽しむ。 肩の力を抜いて読む本。
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物語を忘れた外国語(新潮文庫)
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黒田龍之助
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