あらすじ
あなたは「言語学」に何を期待しますか? 語源「正しい日本語」、マルチリンガル、哲学・思想……ありがちな思い込みをただし、外国語学習者はもちろん「ことば」に興味ある全ての人に贈る「入門の入門」。(講談社現代新書)
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言語学とは何か?
難しそうというか、想像つかないテーマを易しい語り口で(皮肉交じりに)伝えてくれます。
なので、専門的な説明を求める人にはつまらないかも。
専門用語を知って分かった気になりたいのならこの本は必要なく、興味を持って始めるという入り口を見つけられる人向けだと思います。
なんか面白そう、それを見つけるのもいいと思います。
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言語の世界も奥が深い。
例えば、インドネシア語の「私たち」は2種類あって、そこに相手を含むか含まないかで使い分けなければならない。スロヴェニア語には単数形と複数形の間に両数形もあって、3個以上から複数形を使う。
昔、ヨーロッパの言語では男性名詞と女性名詞と中性名詞があると知った時は衝撃を受けたけれど、そのレベルの驚きが言語の世界にはまだまだある。
機会があればまた言語学の本は読んでみたい。
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ゆる言語学ラジオで言語学に興味を持ち読んでみた。
言語学入門以前という雰囲気で、著者いわく「一つ一つの部屋には入らずに、ドアのところから中を覗いてきたようなもの」である。
言語学は何ではないかから始まり、軽妙な文体で言語学の各要素を踏み込みすぎず、必要なだけ説明し、わかりやすい例を出しながら進んでいくので、初学者にとってもとっつきやすい。
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日本語学を専攻した者として読んで、これは超初心者向けに、今まで読んだ中では1番分かりやすい本だと思いました。言語学って何?と、ちょこっと興味を持った人向けです。説明も分かりやすくユーモアもあるし、自分の専門外のところは「辞書によると」など、きちんと前置きされていたり、できる限りバランスの取れた考え、さまざまな言語の用例を出して偏った言語学の見方にならないよう気をつけているのが良く分かります。
そして、謎のコサ語推しで、興味が出てくる。
蝸牛考とかcolorless green ideasとか、音素と音韻とか形態素とか虹の話とか、「言語学概論」を学ぶ大学1年生が必ず通る例文や単語が出てきて、とても懐かしかった。
ソシュールやチョムスキーの話も出てきたのですが、この本の良いところは「ある大言語学者は〜」という話で簡単に考えを書いて、それから名前や経歴を紹介したりしなかったり。浅く広く。
バランスはとれているんだけど、音韻に比重が寄ってて、文法や語用論の話が少なめ?な気がする。それは特定の言語の話になってしまうから仕方ないのかもしれないけれど。
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言語学について知りたくて、「言語学」をキーワードにしてGoogle検索して見つけた本。
言語学とはどういうものかを、とてもやさしく説明している。まず最初に、言語学を専門にしていない人が抱く言語学のイメージを一つ一つ否定していく。そして、じゃあ、言語学ってなんなんだ?と疑問を持ち始めた頃に、少しずつ具体的な言語学の世界へ導いてくれる。
「音」について。世界にはいろんな言語があり、各言語特有の音(発音)があり、それはほぼ日本語や英語などのヨーロッパ言語の一部しか知らない私にとっては非常に興味深いものだった。特に、アフリカで話されている「コサ語」についてはどうしても聞いてみたくなり、youtubeで検索して実際に音を聞いてみた。新しい世界が開けたような気がした。
その他、「文法」、「分類」についてもとても興味深く、言語学についてますます興味が湧いてきた。
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ことばというのは誰もが使っているものだからか、トンデモ科学・なんちゃって理論がまかりとおってしまうことがままある(この本のなかでも、そんな例は山ほどあがっている。)
本書は、そんなひとりよがりの態度を排し、あくまでも謙虚に、真摯に、論理的に言語に向き合うための手引き。
入門の段階で必要なことが必要なだけ、わかりやすく、はじめての人にも興味をもてるように書かれているし、その先に進みたい人のための目配りも怠りない。
一点だけ物足りなかったのは、専門用語を避けているところ。わかりやすくというコンセプトは分かるが、逆に、あいまいに使われやすい専門用語の定義をきちんと示す、というのも必要なんじゃないかと思う。
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言語学の入門の入門、といったところか。「言語学って何?」という質問から答えてくれる。そんなに難しいことは書いていないので、初心者にはいいが、これだけで院入試に立ち向かうには無理がある。3年生までに読んで欲しい本。
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大学時代を振り返って、唯一最大の後悔は、言語学をもっとしっかり学ばなかったこと。言語学の授業は取りたかったけど、同じくらいおもしろそうな授業が山のようにあって、正直な話、入学した時点で、4年でとりきれるのか不安だったりした。結局のところ4年使って、必要単位数の1割増くらいの単位をとって卒業したんだけど、もし言語学に本格的に足を踏み入れていたらどうなってたんだろう、と不思議な気分になる。
話がだいぶそれましたが、そんな大学時代のかすかな後悔を補填するために、格好の一冊でした。思えば本格的に言語学に取り組まなかったのは、高校の現代文でソシュールについての評論が載っており、そのわけのわからなさに辟易したのが大きな原因だった気もする。本書にも出てくる、シニフィアン・シニフィエ・パロール・ラングのあたり。あの小難しい解説文ではなく、こんな風に平易な、でも深みのある本にあの時出会っていたら、もしかしたら私の人生変わってたかもしれない。なんてね。
後半、どの言語も平等であるという主張には、ひたすら頷いた。どの言語がきれいとかきたないとか、論理的だとか非論理的だとか、そういう話題はしょっちゅう取り沙汰される(気がする)けれども、そういう論理展開は個人的に嫌だなと思っている。日本語の音がきたないと言われると釈然としないが、日本語の音は他の言語より美しいとか言われると違和感を覚える(まぁ、日本語に限らず)。そんな風に常々思っていたのを、肯定されたような気がして、深く納得。あと、スワヒリ語おもしろそう。抱合語は勉強したことないし、ちょっとかじってみようかな。
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【現代文たん】言語学って何?というような人にオススメの一冊。非常に分かりやすい文体で、通読すれば言語学に関しては一通り基礎的な知識は得られるでしょう。現代文の「言語論」というテーマ出題に備えての一読も薦められる一冊。
Posted by ブクログ
大学入ったころに何度も何度も読んだ本。
「言語学ってどんなものか」というのを掴むには一番の本。
また、大学の言語学の講義によく出て来る例や話が多く載っている。
授業の前に読んでおくと効果的かも知れない。
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言語学の入門として「科目」という表現を使っているが、幅広い例と共に言語学を分かりやすく説明している。語学が好きな人には読みやすい著書だと思います。
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「はじめての言語学」とあるように、初心者よりももっと前、「言語学ってなんだろう」という疑問を持った人におすすめの本です。言語学を少し学んでみて、よく分からなくなった人が言語学というものを振り返るためにもちょうどよい本かもしれません。
言語学といったら「ソシュールという人が有名らしい、彼の本を読んでみよう」や「サピアウォーフの仮説に興味があるから言語学を知りたい」と思うかもしれません。私がそうでした。
しかし、ソシュールやサピアウォーフ仮説は言語学の一面でしかありません。言語学という学問を理解するには細かすぎますし、難しすぎます。
「はじめての言語学」は言語学をざっくりと、偏見なく見つめることができる一冊です。言語に対して、優劣がないということ、悪い言語も良い言語もないということ、乱れた言葉もないということ、そういったことも改めて知ることができる本でもあります。
著者の黒田龍之介さんの本をいくつか読みましたが、どの本も夜眠る前にでも読める程気軽な内容です。堅苦しさがないため、ユーモアたっぷりの講義を見つめている気持ちになれます。
そういった点も含め、言語学をはじめて学ぶ人にもってこいな本でしょう。
Posted by ブクログ
黒田さんは、私にとってはNHKのロシア語講座の先生。
その黒田先生の、大学1年向けの言語学概論といったら、きっとこんな感じなのかなあ、と思いながら読む。
前期分の授業という感じかしらね。
だって、こんな風なんだから。
第一章。
一般人の「言語学」に対する思い込みに反論する。
第二章。
言語とは何か。
第三章。
音声学。
第四章。
文法論と意味論。
第五章。
言語のバラエティ。比較言語学、方言。
語り口は平易。
比較言語学と対照言語学の違いなんて、一言である。
おお、初めて知った!と思ったら、よく考えたら、私も大学生の頃、日本語教育の検定をとったときに、たしかやったな、と後になって思い出した。
いや、そんな自分のぐだぐだっぷりはよいとして、本当に分かりやすい。
名講義と言っていい。
それから、本書の魅力は、やはりいろいろな言語の事例が出てくることだろうか。
「言葉好き」の黒田先生の面目躍如たるところ。
もっとも、この先生、試験は厳しいのかもしれないな。
この本を読んでいるだけなら、安全だけどね。
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言語学の「第一歩」を知りたい人にお勧めの書籍。文体も読み易く、例示も具体的なためスターターキットとしてうってつけだと思う。そのため各自で深掘りをしないといけない説もある
おもしろい
言語学に興味を持った高校生です。小難しい単語が並ぶ言語学の本の中で、どれから読み始めようか迷っていました。しかし、数行試し読みしてこれなら読み進められそうだと思い購入しました。とても読みやすく、でも重要な単語は(多分)抑えられていたのが良かったです。また筆者おすすめの言語学の本にも興味を持ちました。他にも読み進めていこうと思います!
Posted by ブクログ
"この本はとてもわかりやすく書いてある入門書。それでも言語学がわかった気分になったかどうか聞かれると、わからない。
言語学を説明しなさいと言われても自信がない。
言葉の構造そのものについて考え続けるのが言語学なのかなぁ(黒田先生、間違いでしょうか?)。参考となる文献も載っているので、興味を持った人はこの世界をもっと掘り下げることができる。"
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こないだ読んだ『言語学の教室』よりももっともっと初心者向けという感じ、あと切り口も面白かった!著者は「にぎやかな言語学」が好き、と言っている通り様々な言語の音や文法を紹介しながら世間一般の言語学のイメージ(語源崇拝、人種による発音の可否など)をぶった切っていく。言語に優劣も美醜もない、全ての言語は複雑で、だから面白い!というのが簡潔な語り口で書かれている。片手間で1日で読めるくらい読みやすかった。参考文献も章ごとに紹介されていて、テーマごとに探せるしありがたい。
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読みやすい。著書が読者の事をよく考えてユーモラスな語り口で書かれている。言語学に興味を抱いたが、いかんせんなれていないからか、読んだ内容をすぐ忘れてしまう。この本をきっかけに言語学の他の本も読んでみたくなる。
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言語学というよくわからない学問をできるだけ分かりやすく書いた本である。日本語なり英語なりの学問と言えば語学としてはなじみがあってイメージしやすい。ところが言語学となると果たして何を扱う学問であるのかが分かりにくい。何を目的としてどのようなことを行う学問なのかのイメージが湧かないのである。
本書ではソシュールやチョムスキーといった言語学の大家の論をさりげなく紹介し、それがどのように言語学の世界で使われているのかを具体例に沿って述べている。私は他の本でいきなりこれらの言説に触れて面食らったことがあるが、はじめにこちらを読むべきであった。
言語学にまつわる誤解に触れた章もおもしろい。たとえば言語に美醜はないとか、言葉の乱れや方言に関する世間の考え方と言語学上の判断とは別のものであることなどは興味深い指摘である。
大学の先生の話を研究室でうかがうような気楽な文体は「はじめての」学習者には優しい。学生時代に戻りたくなるような気持ちになった。
Posted by ブクログ
言語学の入口。そもそも言語学は何を扱うのかという大前提から、言語学の歴史、言語学の諸分野が、具体例と共に、ユーモアを交えて分かりやすく書かれている。ここから興味のある分野を深められるように、参考文献も付されている。
極力専門用語が避けられているので、何もわからない人でも読み通せると思う。反面、もし言語学をかじったことがある人にはちょっともどかしさもあるかもしれないが、用語として何となく入っているものと知識との紐つけができるかもしれない。
ことばは、時としてとんでもない科学・偏見がまかり通ってしまうことがあるが、そういうものにもしっかり警鐘を鳴らす。
「言語学」を学問として学ぶ人だけでなく、「ことばに興味がある」人に、ぜひ読んでいただきたい1冊。
色々心に残ることばはあったけどその中でも
「大切なのは似ていることではない。規則正しい対応なのだ」(p.185)という言葉に射抜かれました。
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【星:3.5】
タイトルのとおりで、言語学を学んだことがない人向けに、言語学とはどんなものなのかということ説明した本。
発音、文法、言語の分け方などのテーマを設けて、それぞれのテーマについて説明する中で、言語学について理解していこうといったテイストである。
各テーマについての説明自体はとても分かりやすいのだが、内容の本丸(と私は思っている)である、「言語学ってどんな学問なの?」というのがどうも見えてこなかった。
その理由ははっきりとわからないのだが、以下のことかなぁとは思う。
①最初に「言語学はみんながイメージするものとは違う」的なことが書いてあったが、読んでみても「言語について研究する学問」みたいで、出だしの「違う」が見受けられなかった。
②分かりやすくしようとするあまり、書き振りをやや砕けた形にしすぎ。
分かりやすく説明しようという著者の気持ちは伝わってくるのだが、もう一歩という感じであった。
Posted by ブクログ
ウラル・アルタイ語族などはトンデモ学説であリ、存在しないことを知った。
また、世界史の民族移動で出てくるインド・ヨーロッパ語族についても、そもそも語族とは何かというところから記述している。
言語と方言の違いについても記述があり、そこで挙げられる言語と方言の違いの要件に鑑みれば、琉球語も方言ではなく言語と言えるのではないかと私は思えるのだが、この本では明言は避けられていたので、さらに詳しい本を読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、言語学にはじめて触れる人向けにわかりやすく書かれている本でした。
わかりやすさを強調するあまり、不要な例えや言い回しが多いのが気になりますが。
1番印象的だったのは、言語学の立場や考え方についての説明です。
・そもそも、「ことばの乱れ」という発想が言語学にはない。
・言語に名称を与えるのは政治と歴史であり、言語学では判断できない。
・言語学では、《美しい言語》も《汚い言語》もない。
こういった説明は〇〇学といったイメージからくる堅苦しさをほぐしているようでとても良かったです。
言語学は字面通りのいわゆる言語に対する学びだけでなく、言語を通して、その言語を話す人たちの思想や生活の特徴を知ることができる点が非常に興味深いです。
これからは気が向いた時に少しずつ、言語学関連の本も読んでいこうかなと思います。
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自分が苦労せずに手に入れたもの、たとえば性別、人種、出身地、家柄、それに母語といったもので威張るのは卑怯である。その反対に、努力して身につけたもの、たとえば学歴、職業などと並んで外国語を自慢するのは嫌味である。
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Posted by ブクログ
初めて言語学の本を読むなら「はじめての」がいいだろう、という安直な理由で購入。講談社新書だったのもあるけど。
言語学を学ぶ前に、という説明が最初に30ページほどあり、これが結構なわかりやすさで理解する準備が整えることができるので、自分のように言語学は初めてという人でも安心して読めるかと思います。
言語とは記号の体系、という説明もわかりやすく楽しくて読みやすい(各所に入る自虐ネタもおもしろい)。
期待としては、チョムスキーとか、デリダとか、レヴィ=ストロースとか、そういうのの延長というか基本としての知識教養だと勝手に考えて手に入れたのですが、だいぶ違ったようです。
ちょっと気になったのは、明確な根拠なく断定している(と受け取れる)箇所がいくつかあったことくらいか。これ自分としては結構大きい問題なのだけど、どうなんだろうか。
言語学とは頬杖をつきながら「人間にとって言語とは何か?」という深い考察をする学問ではなく、各言語の違いや特徴などを世界中を回って調べたり記録したり、どのように「変化」して行くのか、を学ぶ生物学に近いように感じました。
Posted by ブクログ
言語学についてまったく知識のない読者に向けて、言語学がどのような問題を扱っているのかということをざっくり説明している本です。いわゆる「入門書の入門書」に相当する本だと思いますが、言語学を学ぼうとする読者を対象としているというよりは、むしろ言語学になじみのない読者に向けての「教養としての言語学」というべき内容だと言えそうです。
著者の説明も非常にユニークで、町田健とはまた違ったユーモアのセンスがあっておもしろく読みました。
Posted by ブクログ
コサ語についてはうわさくらいの知識だったところ、発声法のちょっとしたコツが書いてあったものの、YOUTUBEなどで見るとさらに難しそうだった。どうやら自分の興味は言語学よりも発声学であったようで、その確認ができただけでもありがたい。チョムスキーとソシュール、どちらも今後学びたいジャンルだったが想像しているような学問ではないようだ。
Posted by ブクログ
言語学の入門書。
言語学という科目かどういうものなのか、全体を知るにはいい一冊。
「自分が苦労せずに手に入れたもの、たとえば性別、人種、出身地、家柄それに母語といったもので威張るのは卑怯である。その反対に、自分で努力して身につけたもの、たとえば学歴、職業などと並んで外国語を自慢するのは嫌味である。言語学ではすべての言語が平等である。」