中原一也のレビュー一覧
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「うそつき」は、次男の高校2年生の空、「ろくでなし」は、父親の一郎という、惣流家の2つの恋話。
「うそつき」は、ずっと子分扱いしていたヘタレで気弱な獣医センセイ志垣をいつの間にか好きになってしまう空の心情がとても巧みに描かれています。
飼い主から酷い扱いを受けている飼犬ボスを何とかしようと画策する空は、やんちゃだけど子供や動物には心優しい男の子です。
ちょっとバカにしていた志垣が、そんな空に助け舟を出したり、いざと言うときにはさすがにオトナな対応。だんだん、心惹かれていく空の気持ちがなにやら初々しい。
そして、へタレな志垣がHに関してはとっても大胆というギャップ萌え。空のJKコスプレもそそら -
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天才鍵師の泉が無償髭で野獣の刑事岩谷にテロ事件に係わる金庫を開けてくれと要求されるが、もう二度とあの頃には戻らないと決めて拒絶する。
しつこく付きまとう岩谷だが状況は段々と悪化して、テロリストにも狙われだす。
このお話、原発が絡んでいまして、まさに今の危機的状況にぴったりでした。
テロリストの狙う原発の危険性を私達日本人が体験しているわけですが、本当に原発は諸刃の剣です。
小説の中でチェルノブイリに触れていますが、人間が手を出していない場所は緑に溢れているとかで。
人間の手によって破壊された自然が人の手が離れた途端息を吹き返すなんて。。。
この話を読んでナウシカの腐海を思い出したのは私だけでし -
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やはりおっさんでした。。。しかも、今回はゴミの中に埋もれている蝿のたかったおっさん。。。死にそうでした、おっさんがお風呂に入ってくれるまで。攻めのおっさんは鬼塚半蔵。受けは葉山悟。老舗旅館の次男坊で臆病で気が弱く、他人と目を合わせる事が苦手なコミニュケーション能力皆無のフリーター。失敗ばかりでバイトのコンビニでは年下の同僚に注意されたり庇われたり。道端で拾った小汚いおっさんをアパートに連れ帰り、お風呂や飯まで食べさせあげくに食べられてしまって。。。おっさんの強引さもさるものでしたが、ここまで気が弱い受けがはがゆくてはがゆくて。二人は昔一度だけ出会っていた事があり、後半実家の兄も絡んできます。
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中原先生のおっさんもの。
粗野でがさつな警備員の一郎にエリート社員の貴文が溺れていく、んですけれど、なんだか貴文がまじめで色事を知らないせいでセクハラまがいのしかも髭の、子沢山の貧乏の(ああ、書き足りない)一郎にいいようにされて、挙句に恋?に落ちていく様が切なかったです。私、一番苦手なのがおっさんなのに、ついつい引き込まれてしまうのは中原先生の並々ならぬおっさんへ傾ける情熱のせいだと思います。がさつなのに字が上手い一郎に仕事は出来るのに字が下手でご祝儀の短冊を書くのがいつも悲惨。その散乱した失敗した短冊を一郎に見られて貶され、何故か字を習う羽目に。
他に「うそつき」と「おちこぼれ」が同時収録で