乾信一郎のレビュー一覧

  • バートラム・ホテルにて

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    古き良きエドワード王朝の面影を残すバートラム・ホテル。そのホテルでの偶然の再会が契機となって起きる殺人事件。殺人事件が起きるのは、小説の3分の2以上が過ぎてからであり、それまでは周辺で頻発する強盗事件、牧師の失踪事件、列車強盗事件の調査が中心となって、物語は展開される。
    本事件でのマープルの役割は探偵ではなく、事件の重要な証言者。強盗事件の謎を追うデイビー主任警部らの警察の調査が中心の話。最後まで読むと、マープルの役割が何とも皮肉なのが印象的。
    バートラム・ホテルという舞台やセジウィックという冒険好きの女性の人物造形は良くできているし、エルヴァイラが一時姿を隠して自分に関する謎を調査しようとし

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    2017年01月02日
  • 復讐の女神

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    本作品では、マープルと犯人が直接対決する危機一髪の場面があり、興味深い(しかし、あの場面で登場する二人も真相に気づいていたのではないだろうか)。
    マープルの推理は、ロジックではなく、人間観察と直観に基づくものであり、本格的な妙味は薄い。
    人間の持つ複雑な感情に根差した犯行動機や、殺人偽装とそれを行った理由は面白い。
    しかし、なぜ、依頼者のラフィール氏は、マープルに依頼目的を具体的に示さなかったのだろうか。バス旅行に参加し、旧領主邸に宿泊するように指示したのはなぜか。ラフィール氏は真相がどこまでわかっていたのだろうか。最後まで読んでもわからなかった。

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    2016年03月28日
  • パーカー・パイン登場

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    「あなたは幸せ? でないならパーカー・パイン氏に相談を」そんな広告を頼りにやってくる依頼者の問題を解決していくパーカー・パインの活躍を描く連作短編。

     前半に収録されている短編と後半に収録されている短編で大きく趣向が変わっています。前半は様々な不幸せな依頼人がやってきてパーカー・パインはそれを、コンゲーム的な趣向で解決していきます。この趣向の中では「大金持ちの夫人の事件」と「不満な夫の事件」がお気に入り。「不満な夫の事件」は夫にいろんな意味で同情してしまう短編ですね(笑)

     後半からはパーカー・パインが旅行先での事件に巻き込まれるというもの。この中では「デルフォイの神託」が意外などんでん返

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    2015年10月10日
  • パーカー・パイン登場

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    前半の依頼人が訪ねに来るパターンのほうが好きかな。
    しれっとオリヴァ夫人が登場していたりするので、
    ポアロを読んでいるとニヤっとできる。

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    2015年08月26日
  • バートラム・ホテルにて

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    ミス・マープル第十作。
    もしかしたら訳のせいなのかもしれないが、
    これまでのシリーズとは少し雰囲気が違う。

    タイトルのバートラム・ホテルを中心に話が進む。
    マープルが推理するという立場ではないのが、
    異色に思えるポイントなのかもしれない。

    過去に想いを馳せるマープルがどこか切なく感じる。

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    2015年05月27日
  • バートラム・ホテルにて

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    これは、ミス・マープルシリーズの最後、もしくはそれの一つ前、と呼ばれるものらしい。
    本当のところは知らない。
    最初の頃より随分とお年を召されたミス・マープルは、既に自分が意欲的に犯罪解決に乗り出すのではなく、解決される過程を傍から見ている、というスタンスでこの事件に関わっている。
    こう……元来の主役とは違った形でのかかわり方。
    どちらかというと、刑事が主流に話を進め、ミス・マープルはそれに思考的に寄り添う程度。
    だからか、多少話がもったりしているところもあり。

    だが、なんだろうなぁ……この話、ちょっと話があっちこっち飛びすぎて、構成的にとっちらかっているようにも見える。
    話の進め方がそうだか

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    2014年12月12日
  • 北人伝説

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    内容(「BOOK」データベースより)
    バグダッドの使節イブン・ファドランは、旅の途上で屈強の一団と遭遇した。彼らこそ勇猛で知られる北人―。バイキングであった。彼らの客となったイブン・ファドランは、北方のロスガール王国の救援に馳せ参じる北人の勇士十二人に同行することになる。王国は邪悪な死者常食族ウェンドルによって危機に瀕していた。かくして北人とウェンドルの激烈な闘いが幕を開ける。十世紀の北欧に展開する血湧き肉躍る伝奇ロマン。

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    2014年10月30日
  • バートラム・ホテルにて

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    クリスティーの中では普通のほう。ファンなので高く評価したいのですが。でも二つの話が同時進行して読者を惑わせるところはさすが。

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    2013年04月11日
  • 北人伝説

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    ネタバレ

    バグダットの使節イブンがバイキング(北人)の客となり、遠方の王国へ救援に向かう勇士に同行する、という異文化見聞録の物語です。10世紀に実在した人物、イブン・ファドラーンが記した見聞録をベースに、マイケル・クライトンが冒険活劇のドラマに仕立てています。さらっと読める面白い小説でした。

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    2012年09月01日
  • パーカー・パイン登場

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    新潮文庫版の短編集で昔読んだことのあるパーカー・パインもの。クリスティー文庫で再読しました。幸せを求めてパイン氏のもとを訪れる客たちの問題は、少し皮肉で温かい終幕を迎えます。こちらの文庫は訳がちょっと現代語すぎるかなと思ったけれども。

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    2012年06月17日
  • パーカー・パイン登場

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    短編アンソロジーで、興味を持ったので読んでみた。
    時間に余裕のあった、良い時代。
    事件のない日常が退屈で、危険を欲する人。
    夫に不満のある、婦人。
    自分勝手に浮気(未満だけど)して、妻が同じ行動をとると面食らう男性、
    などなど。
    パーカー・パインは探偵ではないけれど、観察力がすごい。
    前半は、広告を出して請け負った仕事。
    後半は、旅行中に起きた問題を扱った話。
    困っている人を無下にできない、優しい人。

    クリスティーは、やっぱり上品で読みやすい。

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    2011年10月19日
  • 大列車強盗

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    お話は19世紀のロンドンであります。例によってその当時のイギリスについてのレクチュア-から始まります。ビクトリア女王治世時代に頭を切り替え、読み出します。物語よりも歴史上の出来事に興味がそそられました。例えば、セポイの反乱です。昔世界史でちょっぴり出会ったことがあります。「大列車強盗」なんて題なんで、アクション物かと期待してはいけません。歴史読本です。この言い方、少し古臭かったですかな。

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    2011年09月10日
  • パーカー・パイン登場

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    ネタバレ

    「あなたは幸せ?でないならパーカー・パイン氏に相談を」
    という新聞広告に引き寄せられていろいろな不幸を抱えた人々がパーカー・パイン氏の元を訪れる短編集。
    日常的な問題が多くて身近な感じがよい。
    ただ、後半パイン氏が旅行に出てしまい、魅力的なスタッフが登場しなくなったのが残念。

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    2011年04月23日
  • パーカー・パイン登場

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    私の読書傾向を知る友人に薦められて読んだ。ムダに人が死なないのがマル。日々のちょっとしたところにある秘密だって充分に事件なのだ。

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    2010年02月28日
  • パーカー・パイン登場

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    ポアロとキャラがかぶる。オリヴァ夫人がちらっと出てきて、「おお」と思ったが…、前半の本業の話は「んなウマいこといくかい」、後半は「??探偵なの?」で、楽しく読んだわりにイマイチでした。だからこれだけだったんだね。(2009-03-15L)

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    2009年10月04日
  • チャイナ・オレンジの秘密

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    宝石と切手収集家として著名な出版業者、ドナルド・カークの待合室で、殺人事件が起こった。殺されたのは、ドナルドを訪ねてきた男だったが、身元が分かる物は全く残されていなかった。更に、その男の着衣をはじめとして、部屋のあらゆる物が“さかさま”になっていたのだ。この“あべこべ殺人”の意味するところは一体何なのか?

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    2009年10月07日
  • パーカー・パイン登場

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    アガサはミステリーの女王ですが、ミステリー以外の作品も面白いです。個人的に人物描写が素晴らしいと思っているのですが、この作品はそのよさがよく出ています。

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    2009年10月04日