乾信一郎のレビュー一覧

  • 復讐の女神

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    殺人の動機、いわゆるホワイダニットが特殊というか異常でそこに物語のキモがあった。バスツアーというグランド・ホテル形式も作品に面白さを追加するいい要素だった。

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    2024年02月12日
  • 時計じかけのオレンジ〔完全版〕

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    ネタバレ

    暴力が正当化されたと思ってしまうほどの超暴力讃歌。読み始めはクレイジーな文体に少々戸惑ったが、徐々に体が慣れていき、ついには自分もハラショーなロゴスが口をついて出てきてしまうまでになってしまった。内容に関しては深く考えさせらる。青春期特有の反抗心や無意味な暴力は自然状態であり、強制せずとも収まるものなのかもしれないが、かといって放置していいものか。個人の自由と公共の福祉を守るための法律。この二者の相克は人類永遠の課題であるように思われる。

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    2024年01月27日
  • 時計じかけのオレンジ〔完全版〕

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    20世紀の名作に選ばれてる本という事で読みましたが、時代や国の違いは感じるけど今の日本の若者にも通ずることだなぁと思った。最後の部分が切り取られてる物もあるらしいが、最後の章があるのは作者の優しさというか、自己満小説では無い所が読み続けられる秘訣なのかなと思った。何事も経験してみないとわからない事ばかりで、過ぎ去ればなんであんな事…と思う事もあるなぁと、若気の至りを思い出した。

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    2023年08月17日
  • 時計じかけのオレンジ〔完全版〕

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    ネタバレ

    スラング的な表現が多く、脳内混乱。物語の展開上、前段の非道なシーンは必要なのだと思うものの、読むのはちょっとしんどい。しかし、この混乱が狙いなのかもしれない。研究所の人たちが話す普通の言葉は、読みやすく理解しやすい一方で「平坦で面白味のない言葉」に思えたのも相対性のなせることなのか。

    主人公に対して最初は「すごくイヤダ~」という距離を置きたい感が強かったのが、研究対象にされてしまうあたりはちょっと同情する気持ちが出てくる。悪い人に対して、もっと悪い人や権力の強い人が出てくると、相対的に最初の悪い人に対しての感情が薄くなるような気がします。小説でも、ドラマや映画でも。 悪いことの事実は変わらないのに、不思議です。

    時計じかけのオレンジは、若者の事をさしているのかなと思いながらも本当に時計じかけになっちゃってんのは研究機関などの大人たちなのかもしれない。さらに言うと、上記の相対性のからくりに巻き込まれている読者とも言える。

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    2023年04月25日
  • パーカー・パイン登場

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    “身上相談探偵(?)”、パーカー・パインを主人公とした連作12話の短編集です。

    「あなたは幸せ?でないならパーカー・パイン氏に相談を。」
    ↑こちらの広告にホイホイされて、パーカー・パイン氏の事務所を訪れた人達のお悩みを、パイン氏の指示を受けた事務所のスタッフ達があの手この手で解決していく展開です。
    この、“チーム・パイン”のメンバーとして、ミス・レモンやオリヴァ夫人といった、ポアロものにもちょいちょい出てくるキャラが登場したりというサービス(?)も嬉しいですね。
    様々な立場の人々の、あらゆるお悩みを、“今度はどんな筋書きで解決するのかな~”と、何だか大掛かりなドッキリを思わせるような仕込みっぷりを楽しみながら読ませて頂きました。
    ただ、解説にもありましたが第七話「あなたは欲しいものをすべて手に入れましたか?」以降は、パイン氏が中東、エジプト、ギリシャ等に旅立ち、行く先々で事件に巻き込まれてそれを推理するという、トラベル・ミステリに方向転換しています。
    「“お悩み解決”では“ミステリ”が足りない!」と、クリスティーが思ったのかどうかは謎ですが、個人的にはもうちょい“チーム・パイン”(又は“パーカー・パイン劇団”・脚本オリヴァ夫人)路線を見てみたかった感じです。
    因みに、例の新聞広告“あなたは幸せ?・・”の隣に欄に記載されていた、
    「フローラ ─── いつまでも待つ ──── J」
    という広告も、“Jはフローラに会えたのか?”と、勝手に気になった私ですww。

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    2023年03月30日
  • 時計じかけのオレンジ〔完全版〕

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    大昔に映画で見て、なんだか訳がわからず、そのまま忘れてしまっていた。
    『ビブリア古書堂』で、この本には完全版とそうでないモノの2種類があると知り驚いた。
    たまたま知恩寺の古本市で見つけ、何か不思議な縁を感じ購入。
    私は、完全版の方がエンディングにはいいような気がする。

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    2022年11月03日
  • パーカー・パイン登場

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    ネタバレ

    幸せになりたい人は、パーカー・パインに相談を。

    新聞広告を見て、パーカー・パインのところに相談者がやってくる。この事務所のメンバーが個性的で、また八方よしに収めたりしれっと失敗してたりするのが面白い。パーカー・パインの武器は統計というのも面白い。しかし後半はパーカー・パインが旅先で、休暇中なのに事件に巻き込まれる展開になり、ちょっと不満。面白くないとは言わないが、パーカー・パインのキャラ付けとは。

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    2021年07月04日
  • 復讐の女神

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    正直、これを読むため『カリブ海』を読んだ。
    単品でも楽しめるし、実はつながりはない。
    でも、あの旅でマープルが感じた
    死生観のようなものが
    この作品にも漂っている気は少しする。

    この時代にイギリスではもう
    国内のパッケージツアーがあったのも驚き。
    亡き富豪の要望で参加したマープルさん。
    どうしても編み物セットは持ってくんですね(笑)
    そして、殺人の動機はおそらく…。
    さまざまな愛の形…クリスティーに垣根なし。

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    2021年06月30日
  • 復讐の女神

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    ミス・マープルもの。

    『カリブ海の秘密』の続篇といえる本作。
    西インド諸島に滞在した時に知り合った、大金持ちのラフィール老人が死去し、彼の遺言にてミス・マープルに“ある犯罪調査をしてほしい”といった意味の依頼がされますが、具体的な内容は何も書かれていませんでした。何を調査するか不明なまま、ラフィール翁の手紙の指示に従ってバスツアーに参加するミス・マープル。
    途中までは暗中模索状態のマープルさんですが、ツアー中に起きた“事故”をきっかけに、徐々に物事が動き出します。
    そこで浮かび上がってきたのが、以前に起きた少女殺人事件と、ラフィール翁の息子との関わりについてで・・。
    今回は秀逸なミステリであることは勿論なのですが、それ以上に“愛憎劇”といえる内容です。まさに“愛が過ぎた”故の悲劇でした。
    犯人については、割と予想しやすかったと思いますが、“守護天使”は完全にやられました。ドッキリ(?)に引っかかったような気持ちです。
    と、いう訳で今回もクリスティーにあんぐりさせられました。流石ですねー。

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    2020年10月05日
  • 北人伝説

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    最初から最後まで主人公バクダットの使者の紀行文、それも逸散した文献を寄せ集め、それに学者が解説をつけたという形式で語られる。それなりにリアリティを出そうとする試みなのだろうが、それほどの効果が得られたとは思えない。むしろ読みにくさを感じるほうが多かった。
    最後にアッと驚かせようという嗜好があるのだが、これもさほどの感動するようなものではありませんでした

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    2017年11月16日
  • 復讐の女神

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    本作品では、マープルと犯人が直接対決する危機一髪の場面があり、興味深い(しかし、あの場面で登場する二人も真相に気づいていたのではないだろうか)。
    マープルの推理は、ロジックではなく、人間観察と直観に基づくものであり、本格的な妙味は薄い。
    人間の持つ複雑な感情に根差した犯行動機や、殺人偽装とそれを行った理由は面白い。
    しかし、なぜ、依頼者のラフィール氏は、マープルに依頼目的を具体的に示さなかったのだろうか。バス旅行に参加し、旧領主邸に宿泊するように指示したのはなぜか。ラフィール氏は真相がどこまでわかっていたのだろうか。最後まで読んでもわからなかった。

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    2016年03月28日
  • パーカー・パイン登場

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    「あなたは幸せ? でないならパーカー・パイン氏に相談を」そんな広告を頼りにやってくる依頼者の問題を解決していくパーカー・パインの活躍を描く連作短編。

     前半に収録されている短編と後半に収録されている短編で大きく趣向が変わっています。前半は様々な不幸せな依頼人がやってきてパーカー・パインはそれを、コンゲーム的な趣向で解決していきます。この趣向の中では「大金持ちの夫人の事件」と「不満な夫の事件」がお気に入り。「不満な夫の事件」は夫にいろんな意味で同情してしまう短編ですね(笑)

     後半からはパーカー・パインが旅行先での事件に巻き込まれるというもの。この中では「デルフォイの神託」が意外などんでん返しがあり、お気に入りの一編です。

     解説にあったように前半の短編の趣向を定着させることができなかったのが残念だったなあ、という印象はどうしても受けてしまうかなあ。やっぱり後半と前半の作品群では前半の方が印象が強いです。

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    2015年10月10日
  • パーカー・パイン登場

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    前半の依頼人が訪ねに来るパターンのほうが好きかな。
    しれっとオリヴァ夫人が登場していたりするので、
    ポアロを読んでいるとニヤっとできる。

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    2015年08月26日
  • 北人伝説

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    内容(「BOOK」データベースより)
    バグダッドの使節イブン・ファドランは、旅の途上で屈強の一団と遭遇した。彼らこそ勇猛で知られる北人―。バイキングであった。彼らの客となったイブン・ファドランは、北方のロスガール王国の救援に馳せ参じる北人の勇士十二人に同行することになる。王国は邪悪な死者常食族ウェンドルによって危機に瀕していた。かくして北人とウェンドルの激烈な闘いが幕を開ける。十世紀の北欧に展開する血湧き肉躍る伝奇ロマン。

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    2014年10月30日
  • 北人伝説

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    ネタバレ

    バグダットの使節イブンがバイキング(北人)の客となり、遠方の王国へ救援に向かう勇士に同行する、という異文化見聞録の物語です。10世紀に実在した人物、イブン・ファドラーンが記した見聞録をベースに、マイケル・クライトンが冒険活劇のドラマに仕立てています。さらっと読める面白い小説でした。

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    2012年09月01日
  • パーカー・パイン登場

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    新潮文庫版の短編集で昔読んだことのあるパーカー・パインもの。クリスティー文庫で再読しました。幸せを求めてパイン氏のもとを訪れる客たちの問題は、少し皮肉で温かい終幕を迎えます。こちらの文庫は訳がちょっと現代語すぎるかなと思ったけれども。

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    2012年06月17日
  • パーカー・パイン登場

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    短編アンソロジーで、興味を持ったので読んでみた。
    時間に余裕のあった、良い時代。
    事件のない日常が退屈で、危険を欲する人。
    夫に不満のある、婦人。
    自分勝手に浮気(未満だけど)して、妻が同じ行動をとると面食らう男性、
    などなど。
    パーカー・パインは探偵ではないけれど、観察力がすごい。
    前半は、広告を出して請け負った仕事。
    後半は、旅行中に起きた問題を扱った話。
    困っている人を無下にできない、優しい人。

    クリスティーは、やっぱり上品で読みやすい。

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    2011年10月19日
  • 大列車強盗

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    お話は19世紀のロンドンであります。例によってその当時のイギリスについてのレクチュア-から始まります。ビクトリア女王治世時代に頭を切り替え、読み出します。物語よりも歴史上の出来事に興味がそそられました。例えば、セポイの反乱です。昔世界史でちょっぴり出会ったことがあります。「大列車強盗」なんて題なんで、アクション物かと期待してはいけません。歴史読本です。この言い方、少し古臭かったですかな。

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    2011年09月10日
  • パーカー・パイン登場

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    ネタバレ

    「あなたは幸せ?でないならパーカー・パイン氏に相談を」
    という新聞広告に引き寄せられていろいろな不幸を抱えた人々がパーカー・パイン氏の元を訪れる短編集。
    日常的な問題が多くて身近な感じがよい。
    ただ、後半パイン氏が旅行に出てしまい、魅力的なスタッフが登場しなくなったのが残念。

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    2011年04月23日
  • パーカー・パイン登場

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    私の読書傾向を知る友人に薦められて読んだ。ムダに人が死なないのがマル。日々のちょっとしたところにある秘密だって充分に事件なのだ。

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    2010年02月28日