乾信一郎のレビュー一覧
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あなたにお勧め、次の本にどうぞと薦められた一冊なんだけれども、けれども……続編やないかーいっっ
この話は『カリブ海の秘密』の続編で、この話でミス・マープルが出会った人物が亡くなったことから始まる。お話の時々にその前作に登場していた人物の人となりやらなんやらが出てくるので、『うっわーっ読みにくい』という気持ちになってしまった。とはいえ話の進行の妨げになるようなものではない。そのあたりはきちっとフォローされていて、その人となりがちゃんと描写されているので、前作が未読だったからといってなんの障碍もない。充分に面白い。
トリック的なものはすごくシンプルで、そこまで複雑ではない。途中から、なんとなく読め -
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このところ私生活がバタバタしていて、なかなか腰を据えて本を読む時間が取れなかったのですが、そんな状況でも没頭できるのがクリスティー。
ミス・マープルシリーズも9冊目となり、ポアロさんと共に終わりが見えてきました……さみしい(´・ω・`)
さて今作は、「バートラム・ホテル」というなんとも素敵なホテルが舞台です。
”まるでほんもの”の給仕頭やメイドがいて、バターたっぷりのマフィンやドーナツを暖炉が据えられたラウンジで食べられる……なんて素敵!
ネタバレを踏むのが怖くて詳しく調べられてはないのですが、クリスティーがお気に入りだったホテルがモデルなんだとか。いいなぁいつか行ってみたいなぁ……と夢を膨 -
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ネタバレなぜ私が、このアガサ・クリスティーをこよなく愛する私が、☆3評価にしたか。それは簡単な話である。
マープルさんがほとんど出てこないんだもの!!
マープルシリーズでなければ良いんですよ、気にならないし寧ろ面白いと思う。でもマープルさん出てきてるじゃん! マープルさんの活躍見たかったんだけど!!
というファン心理である。
とはいえ話自体はそれなりに面白かった。
犯人を考えながら読み進め、バートラム・ホテルの意外な素顔に「なるほど?」となり、まぁ途中で女流冒険家ベス・セジウィックとエルヴァイラが母娘であることはすぐにわかったのだけれども。
元軍人のドアマン、マイケル・ゴーマンとエルヴァイラの関 -
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大好きなミス・マープルシリーズ。全13作の中の最後の作品。
カリブ海の秘密、からの続編となっている。
とはいえ、カリブ海の秘密を未読でも楽しめます。
前作、「カリブ海の秘密」で、旅行先で出会った老富豪ラフィール氏とミスマープルは協力して旅先で起こった殺人事件を解決した。
あれからさらに時が経ち、ミスマープルは新聞の死亡記事でラフィール氏が亡くなったことを知る。
ところが、死んだラフィール氏からミスマープルにある事件を調べてほしいという依頼があった。なんのヒントも手がかりもないまま、ラフィール氏の手配で、イギリス国内の邸宅と庭のツアーに参加することになったミスマープルに待ち受ける事件とは…
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イギリスの作家アガサ・クリスティの長篇ミステリ作品『バートラム・ホテルにて(原題:At Bertram's Hotel)』を読みました。
『愛の探偵たち』、『フランクフルトへの乗客』に続き、アガサ・クリスティの作品です。
-----story-------------
姪のジョーンが、気分転換に旅行をすすめてくれたとき、ミス・マープルはロンドンのバートラム・ホテルを選んだ。
14のとき、叔父と叔母が一度連れていってくれたことがある。
落着いた雰囲気のうちに、目立たぬぜいたくがあるホテルだった。
が、なにしろはるか昔のことである。
どんなに変ってしまったか、心配でもあった。 -
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ネタバレミステリの女王が誕生するまで。
アガサ・クリスティーが、自身の幼少期から結婚して最初のいくつかの小説を出すまでがここに書かれている。その間には第一次世界大戦がある。大戦前と大戦後の時代の変化が感じられる。それはもちろんクリスティー自身が幼少期、学生時代、大人になって、結婚・出産して、と人生の大きな変化を経ていることもあるが、それ以上に時代の変化が大きく感じられる。でも変わらないものもある。
空想の友だちと遊んで時間が経つ少女時代。父や母の病気に抱く不安。結婚する予感と、結局しない相手と、運命的な出会い。看護師や薬剤師として出会う患者や医師、そして職場。老いていく祖母の姿。クリスティーの観察 -
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『黄色いアイリス』ではじめましてだったパーカー・パインについてもっと知りたくて、短編集を手に取りました。
前半は"パーカー・パイン劇団"が奮闘するお話、そして中盤からはパイン氏が旅先で出会う"不幸な人たち"の悩みを解決する構成に。
単発ドラマとして発展できそうな形だけに、パイン氏の登場がこれ限りなのがなんとも残念。月曜20時のドラマでやってそうなのに……。
個人的に好きだったのは「退屈している軍人の事件」。『ハロウィーン・パーティー』に登場したリンゴ好きのオリヴァ夫人の筋書きに、思わずニヤリ。こういう誰も傷つかない結末にはほっこりしてしまいますね。
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Posted by ブクログ
ネタバレクリスティの長編ミステリー。探偵役は(一応)マープル。
推理小説の探偵物でよくある光景が警察官が無能であり、探偵の足を引っ張る構図だ。探偵を邪険に扱い(場合が場合なので仕方ない部分もあるが)、的外れな推理をしてんで真実に辿り着けない様な人物や事柄を重宝し、しまいには探偵が解き明かした真実を受け入れ犯人を我が物顔で逮捕し、探偵に笑顔を振り撒いて一件落着する。ある種のお約束だ。さて、では、もし探偵がいる中で警察官がとても優秀だったらどうなるのか。答えは「面白味に欠ける」だった。
今作に出てくるオヤジさんこと主任警部のフレッドは優秀であり、完全にマープルが脇役になっている。読者は当然、探偵の活躍 -
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Posted by ブクログ
“身上相談探偵(?)”、パーカー・パインを主人公とした連作12話の短編集です。
「あなたは幸せ?でないならパーカー・パイン氏に相談を。」
↑こちらの広告にホイホイされて、パーカー・パイン氏の事務所を訪れた人達のお悩みを、パイン氏の指示を受けた事務所のスタッフ達があの手この手で解決していく展開です。
この、“チーム・パイン”のメンバーとして、ミス・レモンやオリヴァ夫人といった、ポアロものにもちょいちょい出てくるキャラが登場したりというサービス(?)も嬉しいですね。
様々な立場の人々の、あらゆるお悩みを、“今度はどんな筋書きで解決するのかな~”と、何だか大掛かりなドッキリを思わせるような仕込みっ -
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