乾信一郎のレビュー一覧
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ネタバレクリスティ作品の登場人物で格別に印象深いラフィール氏、死後もなお大勢の人を振り回すのが彼らしく、懐かしくさえ感じる。前作の颯爽とした別れの挨拶の場面で既に計画が浮かんでいたのかな。終盤の守護天使は痛快だったが、ミス・テンプルも守ってあげて欲しかった…
何が謎なのか探ることから始まる冒頭から、庭園ツアー参加者のアイデンティティ偽装も昔の作品よりひねりがあって面白い(怪しく見えて実は皆味方)。
ただ核心となる事件が不自然で残念。自分勝手な偏執を愛と言ってしまう少女漫画的混同はいただけないし、女性犯人の動機として無理がある(女性ならライバルを襲っても当人に危害を加える事は無いのでは)。「書斎の死体」 -
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ネタバレもう随分と言っている通り、私はクライトンのファンだ。日本語化されている多くの本を読んでいるが、この大列車強盗は未読だった。
クライトンの有名作品の多くはSFの印象だが、時代物とか現代物も結構ある。
Wikiペディアには、、、、
1855年にクリミア戦争の戦費としてイギリスがフランスへ支払うため列車で輸送していた金塊12,000ポンドを、エドワード・ピアースが列車内から強奪したという現実の事件を基に執筆された。この小説では1854年5月末頃にエドワード・ピアースが錠前破りのロバート・エイガーに共犯を持ちかけるところから始まり、1855年5月22日に金塊強奪を実行、1856年11月19日のピ -
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「カリブ海の秘密」の続編ともいうべき作品。
西インド諸島で共に事件を解決した大富豪の死を新聞で知ったミス・マープルは、しばし感慨にふけったいた。しかし、その大富豪から届いた手紙によって、詳細を知らされぬまま、とあるバス旅行へと誘われる。正義をなしてほしい、という願いを叶えるために。
登場人物表の半分近くをバスの乗客が占めているが、覚えなくても全然問題ないというところに苦笑い。バスツアーのくだりは、退屈なので正直脱落しそうになったが、三人姉妹と出会ってから「何をすべきなのか」がぼんやりと判明しだしてからは、ビックリするぐらい面白くなった。
実際使われたトリックそのものは、途中で気づいたけれど「 -
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購入済み
万華鏡の推理
ロンドン、ジュネーブ、国際列車のコンパートメント、魅惑的な中東の世界で繰り広げられる万華鏡のようなミステリー、
ひとつひとつ無理に謎解きをする必要はなく、のんびりと身をまかせて行く事をお薦めします。
鮮やかな推理が心地よい驚きをもたらしてくれました。
底に流れるのは「あたたかな心」と鋭い人間観察。日々の合間、合間に気分のよい句読点を打ってくれました。 -
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ネタバレロンドンのバートラムホテルに滞在するミス・マープル。スイスでの会議に出席する為にホテルに泊まるペニファザー牧師。忘れっぽくなり会議の日程を間違えて夜中にホテルに引き返してきたペニファザー牧師。何者かの襲撃。多額の遺産を相続しているエルヴァイラ。彼女の後見人ラスコム大佐。エルヴァイラに近づくレーサーのマリノスキー。記憶を失い田舎で発見されたペニファザー牧師。ホテルの支配人ハンフリーズ。エルヴァイラの産みの母親セジウィック。アイルランドへ出掛けたエルヴァイラの目的。霧の朝、何者かに銃撃されたエルヴァイラ。盾になって撃たれたドアマンのゴーマン。捜査を担当するデイビー警部。
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人の不幸は5つに分類できるという。
『あなたは幸せですか? そうでないならパーカーパインにご相談を』
パーカーパイン氏の元には実に様々な不幸を抱えた人々がやってきます。
彼はそれを統計という名の武器で見通し、曰く治療していく。
と言っても彼自身は何もしません。全ては、彼の細かな指令を受けたエージェント達の手によるものです。
短編集なのですが、どれもどれもオチが非常にいいです。
パーカーパイン氏は統計と言っていますが、それはまさにある種の霊能や千里眼にも思えるくらい的確で。解決策もお見事!
さすが、ミステリーの女王、アガサ・クリスティーです♪
惜しむらくは、途中から少し形式が変わってしまう -
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