荒木飛呂彦のレビュー一覧
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ネタバレ再読時登録。LESSON5には今までジャイロとジョニィの関係性を良く思っていた読者は誰しもが感動するに違いない。ここであのシーンを回想に使って決着に活用するというのは素晴らしい発想だと思った。
表現としても、ジョニィを描かずに背景とともに大統領が向かってくる様だけを描いているシーンには、まるで読者が大統領と正対しているようで非常に威圧感を与えられるし、爪・ACT4の能力も長くページを割いてその力の大きさをしっかりと表現するように務めている印象を受ける。特に馬車の展開は美しさすら感じる。
大統領の試練の考え方は6部の「押し上げられる」考え方と類似しており、作者の世界観を感じさせられる。今までツェペリ家の回想を中心に「思想」的な部分を重視して描かれていた作品だけに、能力の決着がついた後で思想的な対決の場を用意するというのがまたSBRらしく、ジョニィの出す結論に非常に期待させられるのである。 -
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再読時登録。主人公サイドが一転攻勢に出始め、ただ大統領に圧倒されていた前巻とは面白さの質がまた変わってくる。
近づいてきた大西洋が戦闘の舞台になる所も非常に絵になっていて良い。スタンドは精神エネルギーが像を結んだものだが、技術によって生み出されたエネルギーも同じように像を結ぶのがまた「技術」が「能力」に近づこうとするものであるということをより上手く伝えている印象。
ジャイロが女性を馬に載せない理由を挙げるが、この理由がなんと大統領も同じように口にする言葉であり、作者の運命に対する考え方が伝えられるようになっていると思える。思えば4部のジャンケン小僧の時の「行動で運命の流れを引き寄せる」といった考えと対応するような気もする。
今巻の結末は衝撃的だが、その表現が美しい。回想の描き方・大統領ばかりが喋る演出・倒れ方と良い点は沢山ある。ボール・ブレイカーを喰らった後の大統領が恐ろしさを保っている点にもその画力が影響していると思える。表紙の色合いと花を添えた構図はこの巻の結末に対して向けられたものなのかとふと思ってしまう。 -
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ネタバレブチャラティが7歳の時、両親は離婚した。
その際2人は、両親のどちらへ付いて行くかを息子本人に決めさせることにした。
本人に決めさせると言いながら、自分と来るよう誘導する母親。
それに気付いていたものの、子供は母親と一緒の方が良いだろうと何も言わない父親。
けれどブチャラティは父親と一緒にいることを選択する。
母親は驚いたが、同時に理解していた――自分はこの離婚から立ち直れるが夫は過去を引きずりダメになってしまう、そして息子は「一緒にいてやらなければいけないのは父親の方だ」とわかってこの選択をしている――それが生まれた時からの性格なのだということを。
母親は息子を誇りに思うと同時に、この「人の悲しみを知りすぎるやさしさ」が彼の人生を不幸なものにしなければ良いが…と危惧する。
ブチャラティ母にグッとくるよね。
母は息子を愛していたし、息子も母が大好きだった。
父と田舎の漁村で暮らすより、母と都会に出ていい学校に行っていい暮らしをすることが彼の望みで、幸福だと、確信していただろう。
けれど息子は父を選んだ。
半ギレして強引に連れて行っても無理はないところだと思うのに、そうはせず、心情を正確に理解する聡明さ。
そうとわかる息子への愛情。
そして、誇るべき息子のやさしさがいずれ彼を不幸にするのではないかと、行く末を的確に案じることができる明晰さ(実際この回想の直後息子さんはエラいことになる)。
なるほど、こういう母親だからブチャラティはああいう人なんだなぁ、と、非常に納得のいく親子関係でした。
あとは何か、ボスと初対面したりその直後裏切ったり胸に穴開けられたりフーゴが離脱したり水着はビキニだったり正体を暴きにサルディニア島へ向かったり、そんなん。 -
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ネタバレボスと最初に会って、トリッシュを助けた時点で、ブチャラティは既に死んでいた。
今の彼は、ジョルノの「ゴールド・エクスペリエンス」の力で、かろうじてこの世に留まっているに過ぎなかった。
既に痛みは感じなくなっていて、目や耳もほとんど機能していない。
それに気付いたボスは、トリッシュに擬態してブチャラティに接近することに成功した。
それを知らないブチャラティは、「タイムリミット」が近付く中、息も絶え絶えにトリッシュ(実際は擬態したボス)に話しかける。
「故郷の郊外に……トリッシュ…
小さいが………家を持っているんだ………
全てが………終わ………って
もし行くところがないのなら…
そこに住むといい…
近所には…
学校もあるし…
いいレストランもある………
海辺も近いんだ…
君には過酷な事がたくさん起こったが
新しい人生を楽しむ事ができるだろう…」
「……ありがとう……………
でもそんなことより……次はどっちへ向かえばいいの?」
正直ここがいちばん(邪悪さに)吐き気をもよおした。
「そんなこと」って!
「そんなこと」って何だよボス!!!
なに一つ「そんなこと」じゃないよ!わかってんのかよ!!イヤわかってないってことはこっちもわかってるけども!!!
自分は死にかけてるって言うかもう死んでるのに満身創痍の状態でその原因となったお嬢さんの行く末を考えて励ましの言葉までかけてるのにそしてボスはその辺の事情全部知ってんのによく「そんなこと」なんて言えるなお前は!!!!!
…あれ、おかしいなレビュー書いてるだけで目から汗が……。
私だったら間違いなく「その時はあなたも一緒に」てゆってる。
…でも、ゆったところでもう………(T-T) -
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再読時登録。謎の音のスタンド戦の決着。正直この正体には気付けなかったし、非常に驚かされた。
黄金長方形は実際にあるものだがこれが本当にこの能力に適用してこんな効果を生むようなものか、というのはわからない。しかしそれに異様な説得力があるのが最も凄いところである。
この巻の引きに当たるシュガーとのやり取りにはまたジョニィとジャイロの名コンビ性がまた印象的。この二人は「大胆さ」と「慎重さ」がそれぞれ割り振られているんじゃなく、状況によってそれが入れ替わるというのが素敵。ちなみにそれはジョニィが爪の能力を解説するシーンにも現れてたりする。根本的に似たもの同士だからこういう不思議な関係で成立するんだろうと。 -
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ネタバレ再読時登録。リンゴォ戦は今までの「知略」が鍵になるジョジョらしい戦闘とは随分趣きが違うが、紛うことない名勝負である。その中で描かれる「決闘」とそれによって高められる「男の価値」というテーマは類を見ない素晴らしさ。SBRの中でも最も印象的な戦いと言っても良いほど戦闘の展開もテーマも心に残る。
そしてルーシーが動きだすが、ジョニィとジャイロと違う場所で話が動き始めたことで今までのジョジョの中でも最も勢力が複雑化していき、話に重みが出ている。今までのジョジョにはいないタイプのヒロインであるルーシーの動きや、凄まじく勘の鋭いブラックモアの魅力からも目が離せない。 -
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久しぶりに漫画を読んだらやめられなくなって、漫画喫茶に行ったり、ゲオで借りたりしながら、2~3週間かけて今日やっと読み終わりました。
「ジョジョの奇妙な冒険」の第7部です。第1~4部までは読んだことあるけれど、作品としてはこの第7部が一番好きかもしれない。
僕が言うのもなんだけど、構想力とか、一つの作品を描ききる力とか、テクニカルな部分はもちろんのこと、その背後にある思想性もシリーズを重ねる毎に着実に深化してしてきていると強く感じる。常にアンテナを張りつつ、よく考え、そしてそのアウトプットを作品に反映させながら一貫したテーマ(人間賛歌)をより深めていこうするその姿勢は素晴らしいものがあると感じます。僕も、仕事は全然違うけれど、そういう姿勢で人生を全うしたいな。
1巻の巻頭の作者のコメントはとても共感できるので、ここに再録しておきます。あと19巻のディオ(withホット・パンツ)の対大統領戦は(僕の知る限り)漫画史上でも屈指の名勝負だと思う!
そしてアメリカ行きたい!笑 -
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身軽なというか、風が通り抜けるような結末。
第7部はずっと映画を観ている気分でした。緻密な絵柄は漫画から一コマずつのカット(「イラスト」ではない)に進化し、ストーリーには思想とエンターテインメントが共存していたと思います。さすがにいろいろとバランスを崩していたといわざるを得なかった第6部を乗り越え、シリーズでも屈指のロマンティックな物語へと結実しました。どこか達観していたり完成していたりしたこれまでの「ジョジョ達」と比べ、もがき、泣いて、あきらめかける主人公ジョニィも新鮮でしたね。(荒木さんに萌えキャラが描けるようになったことも。)第8部にも大いに期待です。