高橋由太のレビュー一覧
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ネタバレ神田下町の貧乏人が集まる三軒長屋に住む相馬小次郎と、小次郎に仕える半妖の狸ぽんぽこが主人公。
実は徳川家康が松平姓を名乗る頃から仕える影武者、相馬二郎三郎元信が小次郎の祖父にあたる。相馬は獣の言葉を解し、半妖の狸を連れて合戦に同行、影から家康を守りぬいていた。
その姿は忍びのように闇を駆けては敵の首を刈り、首の代わりにまげを持ち帰っていた為、「ちょんまげちょうだい」と呼ばれていた。
時は流れて四代将軍家綱の世が主人公である小次郎の時代。祖父が平和な時代に影武者など無用と禄を捨てたせいで一族は困窮。父や祖父はそれでも江戸の妖を退治してなんとか食べていたものの、小次郎の時代になると穏やかな世に -
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周吉とオサキコンビの4作目。
十人のインディアンって歌ありましたよね。
アレのもじりで「十人の仔狐様」。
歌になぞらえてどんどん人が死んでいきます。
表紙と同じ全体的にかわいらしい文章(?)なので、
さらっと読んでしまいましたが、
よく考えたらかなり残酷な話です。
被害者は全て「本所深川いろは娘」という十人娘のメンバーで、
さてその犯人はという謎がひとつ。
それと小さな謎がもうひとつ。
器量を買われてお琴が急遽メンバーとして呼ばれるのですが、
これが意地でも歌わない。
それは何故か。
初っ端から予想はついてましたがホント気の毒な役回りでした。
十人娘の立場にも同情しましたが、
周吉の気持ちも切 -
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ネタバレ最後の最後で失速してしまった感じ。決して悪くはないし、終わり方も綺麗だったが途中がよくなかった。とにかくワンパターン。登場人物たちの性格を考えれば当然の行動をしていたのだが、とにかく展開が同じで次第に緊張感がなくなっていってしまった。さらに小次郎と宿敵時国が太刀を交えることがなかったのもよくない。序盤で太刀を交えて、終盤の展開であればより意外性が出たように思う。小次郎だけでなくぽんぽこの活躍も殆ど無く、外野、しかもゲストキャラが目立ってしまっていたのも残念なところ。ぽんぽこが目立てない一応の理由付けはされているものの、活躍できる舞台は用意されていたのでなおさら。余り話を大きくせずに1巻のよう
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長宋我部元親、武田信玄、上杉謙信、、真田幸村、猿飛佐助など戦国武将がよみがえり、安部晴明まででてくる。
このちょんまげシリーズは、家康の影武者 二郎三郎の孫と柳生十兵衛の息子、丸橋忠弥の娘という歴史上にはいないキャラクタが活躍する話だが、由比正雪は風魔小次郎で、上杉謙信は女性(そういう俗説が残っている)で武田信玄に恋しているとか、長宋我部元親が姫若子とよばれていたのが、初陣で鬼若子とよばれる様になったのは甚五郎の人形に魂を乗っ取られるからだとか、歴史上の人物もはちゃめちゃな設定になっている。
次巻につづくで物足らない、早く次を読みたい。 -
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“それにしても、オサキと江姫はともかく、狐目の主人は、いろいろなことを知りすぎている。ただの屋台の主人だとは思えない。
「佐平次さん、このご主人はいったい……?」
と、佐平次と狐目の主人を交互に見ながら聞いてみた。
佐平次は人の悪そうな笑みを浮かべ、見るからに悪人顔で言った。
「どこぞの稲荷の狐じゃねえのか。みんな揃って化かされていたりしてな」
狐目の主人の正体を知っているくせに、教えぬつもりらしい。不思議顔の周吉を面白がってか、佐平次が軽口を続ける。
「手代さんが食ったのも、稲荷寿司じゃねえで、泥の団子かもしれねえですぜ」
——おいら、変なものを食べたのかねえ。泥の団子なんて食べたくないねえ