常見陽平のレビュー一覧
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現代労働社会とエヴァンゲリオンを重ね合わせて読み解いていく本。
本書で何度か登場する「エヴァは現代を予言していた」というのは、一種の装飾語で、もちろんあり得ない。むしろ、現代における労働問題が20年前のエヴァンゲリオンで描かれていたにも関わらず、それを回避できなかったことを指していると捉えたほうが良いと思う。
本書ではエヴァンゲリオンについて、著者の視点から再度、捉え直した後、現在の労働者を「自己肯定できない碇シンジ」「代替の利く綾波レイ」「エリート・グローバル人材の惣流・アスカ・ラングレー」などに例えつつ、それぞれが抱える問題点を指摘する。
個人的に大きな問題だと思っているのは葛城ミサト、赤木リツコに例えられる「女性活躍社会」だ。
僕の妻は双子を出産したけれど、改めて思わされたことは、妻が愚痴を漏らしていたように、
「女性も大学に行く時代になって、就職して男並みに仕事するよう言われ、働いたら働いたで結婚しろと言われ、結婚したら結婚したで子供を産めと言われ、子供を産んだら産んだで育児をしろ、さらに働け、でも保育園は空いてない、家事を誰かが代わりに全部やってくれるわけでもない。双子を相手にどないしろっつーの」
だ。
一億総活躍社会も結構だが、そもそも生物学的に異なる(例えば、男では母乳は出ない)のであり、十把一絡げに「総」活躍などと言っても虚しい響きしかない。
一人ひとり・個人個人に合った生き方(もちろん競争と努力を伴って)ができればそれでよいのではないか。 -
Posted by ブクログ
20年前にTVで放映され、今も根強い人気があるアニメ新世紀エヴァンゲリオンを、近年の労働環境の変化の暗示と説いた意欲作。
労働問題をかじっている私の視点から見て、第2章で社畜の意味の変遷が語られているところが興味深かった。また、『新時代の「日本的経営」』の3類型を主人公たち3人に当てはめてみせた点は、こう使うか!とニヤリとさせられた。
ただ、第4章の「女性の活躍とエヴァ」では、なぜ女性たちがバリキャリにならなければならないのか、という本質に迫ってないと思うので、物足りなかった。
かつて、エヴァンゲリオンに熱狂したが今は冷静に見られるようになった自分も、あとがきにあるようにエヴァンゲリオンが「不幸な作品」という点は同意できる。 -
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就活については、もはや受ける側ではなく、採用する側に近い立場にありますが、この本の内容には納得です。
学歴フィルターの話は置いておいても、採用基準の変化は、すごく納得できます。
社外環境や社内環境の変化、採用の途中経過が、採用基準の変化に影響する可能性は否定できません。
もちろん、採用基準の核となる部分は、変わりませんが。
また、大学新卒者の一括採用について、デメリットも抑えた上で、メリットについて堂々と語っている点も素晴らしいと思います。
いろんな意味で、就活に対して、バランスの取れた見方を示した本だと思います。
おそらく、社会学は、こういう姿勢で取り組むべき学問なんでしょうね。 -
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元リクルートで働いてた方の暴露本的な色んな観点から捉えた本。
ここまで書くのはすごいんじゃないかな。
下記は抜粋メモ
リクルート話法やトーク開発があるのが面白い。人を煽り、時には脅迫するような話法だったり、営業の場面で顧客を説得する、納得してもらうための営業トークを開発する。
また実はリクルートは最強の営業集団と言われてるが本当にほうなのか、そうは思えなかった。商品、知識のサービスが弱くヒアリングも雑、提案も弱いのではと感じていたとのこと。
営業力が高いのではなく営業マネジメント(目標設定、行動モデルの設定、それらの徹底)が強く、いつも頻繁にやって来るリクルートの営業イメージをつくってるのではないか。 -
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元リクルート社員の今のリクルートに対する考察をした一冊。
本書を読んで、日経の記事と筆者の考えの比較は興味深く感じました。
自分もリクルートに対して営業力の強さや人材輩出企業であること、新規事業を創造しているイメージが強かったのですが、著者が各章で指摘している内容は確かにと思うところは多々ありました。そして、筆者のリクルートへ危機感と期待を感じました。
本書でも書かれているように同社が今の日本の大企業と同じく、IT化やグローバル化の波に飲まれ、今般の上場に至ったというのであれば非常に悲しいことだと自分も感じました。
昭和の時代に築き上げた情報誌ビジネスでの企業と顧客を繋ぐビジネスモデルに続く、IT社会でエッジの効いたリクルートらしさのある事業を興して欲しいと思い、そして、それが著者の同社に対する提言ではないかと読んで感じました。 -
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これからの働き方を模索して読んでみた本。
ノマドが万能かのように持ち上げる
従来のメディアに疑問を感じつつあったので、
現実的なメリット・デメリットや、
根底にもつべき哲学など、冷静に俯瞰していて、
いろいろと参考になった。
ちょっと衝撃だったのは、各時代で
自由な働き方については模索されていて
脱サラ・起業→フリーター→派遣社員→フリーランス、
どれも今のノマドに近いスタイルを模索していた、
という事実。(p39~)
他に気になったのは、
●「期待されていること」と
「できること」こそ注目する(p101~)
●「ごはんの仕事」と「おかずの仕事」の
バランスをとろう(p107~)
●期待値を調整する(p145~)
●1つひとつの仕事を
「テスト」だと考える(p155~)
●今ある人脈をクールに分析してみる(p157~)
あなたに仕事をくれる人
一緒に仕事をしてくれる人
仕事をサポートしてくれる人
本当に困ったときに助けてくれる人
遊んでくれる人
●「これ、やってみない?」には
「はい、喜んで」と答えよう(p174~)
●「ぶれない軸」は焦らずつくればいい(p180~) -
Posted by ブクログ
「「強さのインフレ」が起きている」
即戦力/グローバル/コミュニケーション能力/起業
最近流行のこれらのキーワードが若者の強迫観念になって、真面目に働こうと考えている人ほど適応しようとする。
その姿は薄気味悪くもあるけど、企業側もこれからの社会がわからないから、高い能力を持っているからという事で採用する。
しかし、いざ仕事を始めると上記のキーワードが発揮される職場なんてほとんどなくて、企業からの「採用」という承認を得て自尊心を持った学生は、現実の何でもなさに戸惑う。仕事とはこんなモノだなんて上司もしたり顔で言ったりして。
そして、そんなこんなで3年ぐらいで仕事を辞めたりする人がでてくる。企業側の不安が強さのインフレを起こして、若者側はそれがインフレだとは気づかずに乗っかってしまう。そんな問題が就活にはあるらしい。
という感じに読めたけど、本文の最後のところで違和感があったのは、結論じみたものが「中高年よ若者の可能性だけに甘えるな」ってことで、どうもこの本は若者向けに書いた本ではないらしい。
全体的に、若者自身の問題ではなくて若者をめぐる言葉なり社会に対する常見さんのいら立ちを感じていたけど「若者よ幻想からさめよ」じゃなくて「若者を幻想からさめさせよ中高年」だったようです。
ならばこのタイトルじゃ当事者の中高年は絶対に手にとらないと思うし、じゃあタイトル変えれば手にとられるのかと言われれば、そんな自省心のある中高年はいないと思うから難しいですね。
数字関係はグラフにしてほしかったけど根拠データもちゃんと載っていて、いい感じのコピーライティングも随所にあって面白かったんですけど、ギリギリ若者の私からするとやはりグサッと刺さらなかった気がします。
こういった理想より現実を伝える本は関心を得られにくいかと思いますので、誰に落とし込んでいるのかがもっと明確になっていればなと思いました。 -
Posted by ブクログ
大人が描く若者へのできる人像(「コミュニケーションを磨き、即戦力としてグローバルに活躍し、会社が頼りないなら起業しろ。」)を辛辣に語った書。ここ数年の日本情勢や会社の現状を元に、企業のトップを始め、いはゆる大人が理想として求める姿を述べている。
そのようなできる人が強烈に必要とされるのは、一部のかっこいい大人がいる一方で、単にできない大人が増えたことが大きな原因であることは疑いえない。ただそうは言っても、それを受けて今の若者がどう感じどう動くかはあくまで若者サイドの領分である。
私自身はまだまだそのどれもが身に付いてないのが現状ではあるが、自分の人生を自身の選択でコミットしていくために、少なくとも上記のようなできる人としての力をつけていく必要があるように感じている。ただ、それを外からの強迫としてとらえるのではなく、内発的に「なぜ必要なのか?」を絶えず問いながら行動としてうつしていきたいものである。