河上朔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレすばらしくよかった!
この作者さんの書く主人公は、何かしらの秀でた能力を持っていながらも、満たされていない「持たざる者」が多い気がします。
サリも優秀な精霊使いでありながら、迫害されて育ち、現在も周囲に馴染めないという陰陽でいえば陰に属する者です。
対するパートナーのラルフはエリート街道まっしぐらの陽キャラ。
加えて精霊使いに対し見下していることを隠しもしない尊大な男で、いろんなところの感想から噂には聞いていましたが、本当に初期のラルフは嫌なキャラでした。
ここまでお互いに対して冷めきってる主人公たちはめずらしいくらい。言い争ったりするシーンも、ケンカするほど仲がいいんでしょって感じではなく、好意が微塵も感じられない。
仕事だけ!のリアルなビジネスライクの関係でした。
だからこそ2人の能力が入れ替わってから、なし崩し的に始まる少女とふたりの旅の中で、ラルフが変わってく姿がうれしくて、温かかったです。
そしてサリの抱える冷たい孤独がバクという存在を通じて描かれていくさまは、痛々しく切なく印象に残りました。
クライマックスで内心を吐露したサリの姿は、普段彼女が雄弁に語るキャラクターでないせいか余計に胸にグッとくるものがありました。
そのサリを受け止めるラルフには、最初が最悪だったせいもあり、すごく感動させてもらいました。
全体を通じて恋愛色は薄めというかほぼなかったのですが、それ以上に人の心そのものを描いた綺麗な作品でした。
と思ったら、続編が雑誌で描かれていて、そちらは恋愛メインでした。ああ感無量。
この作者さんのお話は優しくない世界で優しい人が描かれていて好きです。 -
購入済み
よかった!
読了後の余韻に浸る。これが読書の醍醐味だと思う。
最後までページをめくる指が止まらなかった最終巻。緊迫した雰囲気の中、それぞれの人物達視点に変わるけれど、それも違和感がなかった。様々な人の想いが優しさが心地よかった。良い話に会えたと思う。 -
購入済み
とっても良かった^_^
主人公2人が、不幸過ぎて辛かったです。
でも、それでも人をあんなに思いやれるんだと、アリシアの健気さに涙がでました。
出来れば、不運続きだった2人のハッピーなエンドのエピソードを少しでも読みたかったです。 -
Posted by ブクログ
とあるブログでお薦めされていて、ずっと気になっていた。中古の値が下がらないか待っていたんだけど(失礼)、とりあえず上巻だけ買ってみた。読んで数十ページで、下巻を購入した。……おもすれえぇ!
異世界に時々トリップする妹の具合が悪くなり、助けるために初めてトリップした姉の話。西洋風ファンタジーの異世界で、妹・ヒナタは年若い王様であるザキの恋人となっている。勢いで突っ走らない大人な対応ができる姉・コカゲの年齢と、決してヒロインタイプとはいえない性格が絶妙。もしもコカゲの話だったら、右も左も分からないながら困難を乗り越えて王子と結ばれる、少女漫画の典型のような、既視感を覚えるものになっていたと思う(この筆者だったら、それでも面白いものが書けてしまいそうだけど)。コカゲは本当に姉という感じ。自分でも気付かないうちに我慢して、「お姉ちゃん」をして、それが普通になっている。愛想がいいわけでもなく、素直で明るいわけでもない。クラスのヒロインにはなりそうもない。むしろヒロインタイプはヒナタ。だからこそ、面白い。ヒナタから聞いていた話と違うお城の人達、想像できない考え方……人と関わるという、生きていく中で必要で切実なことで躓き、考え、行動し、振り回される。上巻では、コカゲがトリップしてから2週間ちょっとしか経っていない。もっと長い時間を過ごしているような気がするくらい内容は濃密。
「人が人と関わる」ことがちゃんと描かれているから、この物語の世界は優しいのだと思う。目を合わせて言葉を繋いで、感情を吐き出して、心配したり気を配ったり。そういう当たり前にできればいいのに難しいことを、登場人物らは気負いなくやる。みんなが善人というわけではない。それでも、この世界に優しさを感じるのだ。 -
Posted by ブクログ
異世界トリップ物。普通なら脇役になるだろう、しっかり者の姉がこの作品では主人公に。有川さんのファンにオススメの一冊です!
異世界でお家騒動に巻き込まれるという所は王道だけど、こかげ(主人公)の扱われ方が他の作品とは違って新鮮でした。こかげの考え方や行動が現実的なのと、自分と似ている部分が多くて(あんなに物分かり良くないけどw)かなり感情移入してしまった。だから上巻ではこかげを敵視するお城の人達が嫌いでした。でも最後は好意を持てるような展開になったので良かったです♪
どの登場人物も魅力的ですが、おじ様好きとしてはイルサムさんと執事のノインさんが素敵すぎました!!ノインさん一家に一人欲しいぞv