紺野登のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
わたしが最初に読んだ野中郁次郎さんの本は、この本でした。
今でこそビジネスシーンでは誰でもが使う言葉「ナレマネ」や「見える化」は、日本企業文化の特徴である「暗黙知」を認知し、企業の価値として育み発展させていく知識経営を提唱した野中先生が始まりだったのではないでしょうか?
その企業の真の価値は既に現場で蓄積されている暗黙知によって支えられているという指摘は、目から鱗が落ちるどころか、頭をガツンと叩かれたような衝撃を与えるとともに、現場の価値を再認識して強みを活かす自信を与えてくれました。
以後、改めて『知識創造企業』を読んで詳細を学び、時を経て『野中郁次郎ナレッジ・フォーラム講義録』 -
Posted by ブクログ
ネタバレでは3本目は「幸せな小国 オランダの智慧 災害にも負けないイノベーション社会」です。お前なんでオランダなんだよ~?と言われると思われますが、私はTPP推進派なのですが、日本の農業もたいせつ~と思っています。
そこで私の郷里の高知県では、天才・尾崎正直知事の下、オランダの農業振興策を参考にしているとのことで、是非実態を知りたかったのですが、なかなかピッタリの書籍を探せず、本書に出会ったという感じです。
まず著者は21世紀は「グローバル。ウィアーディング(Global Weirding)」の時代だと説きます。これは地震、津波、洪水、竜巻、豪雪などの自然災害を指すとのことです。
これらに対処す -
Posted by ブクログ
ネタバレデザイン思考を日本の産業界に早くから紹介し、牽引役を果たしてきた多摩大大学院紺野登教授が、ビジネスパーソンの基礎リテラシーとしてデザイン思考の概念、活用方法を紹介している本。
デザインという言葉が日本では狭義に捉えられていることを憂い、実際にはよりダイナミックな「知のデザイン」が要請される時代である説く。
方法論の詳細にも字幅をさいているが、
・エスノグラフィーデザイン:顧客や社会の現場から知を獲得する、デザイン思考の起点となる方法論
・ビジネスモデルデザイン:コンセプトを顧客価値や市場のエコシステムとの関連性で綜合する方法論
・シナリオデザイン:どのような視点をもって戦略を考えるか、また -
Posted by ブクログ
『SECIは単純な機会的プロセスではありません。知識創造という点で一番重要なことは、SECIの背後にある大きな目的意識、存在論だといえます。何のために存在するのか、いかにあるべきか、他社とは何が違うんだ、どんな理想状態をめざすのか。こういうところまでつながる存在論がないと知識の根本が崩れていってしまいます。
それは究極的には自己を越えた世界の“知”の追求です。その意味で知識というのは「真・善・美」を追求するものであります。』
ナレッジマネジメントについて極めてシンプルに整理されていて良かった。
それにしても、グローバル・ナレッジ・リーダーの資質がすごい。
1.確立された個(individu -
Posted by ブクログ
タイトルを読んでドキッとしました。
正にその通りです。
売上を伸ばそうとして一番手っ取い手法である値下げを行う。
利益を出そうとして人件費や経費削減に走る。
これらは結局のところ極短期の結果しか残せません。
直近の成果を残すことばかり考えると、長期的に会社にとっては致命的な結果につながります。
価格を下げたことで利益が減る。質が落ちる。
人を減らしたことで質が下がり、客が逃げる。
優秀な経営者はこれらのことをわかっていますが、
世には経費削減の仕事こそ経営だと思っている経営者が山ほどいますね。
彼らはマイクロマネジメントこそマネジメントだと勘違いしています。
しかし彼らはあながち間違 -
Posted by ブクログ
読み終わってオランダという国への興味が増した。
オランダの強み
社会インフラの充実
→個人主義と共同体意識の共存
知的弾力性
一度決まったことについて再度見直し、ダメな部分は改める
上記2点は、海抜が低く、昔から多くの洪水に見舞われる中で円熟してきたもの
すぐには無理だが、日本には必要な、かつて持っていたもので取り戻すべきもの(明治維新前後の日本にはあったと自分は考える)
また、経済危機を経て、導入した「同一労働同一賃金」という考え方のワークシェアリングは多少の問題はありながらも、閉塞感の強い日本にも導入すべきであるし、下らないシガラミを無視出来れば実現可能
最後に個人的にはトータ -
Posted by ブクログ
掘り下げているのに、新書であるのでサクサク読めるそんな本。
最近読んだ新書の中では、一番な好印象。
時々出てくる他の専門家の発言や著作からの引用が、いやらしい感じがまったくなく、説得力を加えてくれている。
オランダと日本は異なるので、だからこそ学ぶべきところがあるのではという視点。(単純にマネしろなどとそこ浅はかなことを決して著者は論じていない。)
災害とイノベーションという一見関係性の薄い事柄を「知的弾力性」の視点を通じて見る。
オランダだって、問題は山積している。
それでも終わりなき対話に真摯に向かい合い、ちょっとずつでも個々人の幸福を追求できる社会。持続性をある社会。
日本の「男性 -
Posted by ブクログ
すっかり経済の低成長が定着し新商品の上市のペースも鈍ったこと、あるいはリストラやアウト・ソーシングによって現場の実務知識が流出してしまったことなどを背景に、最近は日本でもソリューション・ビジネスやナレッジ・マネイジメントという言葉だけはかなり浸透した感がありますが、本書は、そのナレッジ・マネイジメント、そして知識経営がどのような思想のもとで、どのように推進されるべき概念のものか、実際にどのように活用されているか、などを概述しています。
前半は、観念哲学の概念論張りの説明で難しく感じるかもしれませんが、言語哲学のロゴス/パトスのような循環関係を持つSECIモデル、形式知/暗黙知をキータームを使っ -
Posted by ブクログ
発売当初購入した本だったが、当時はさっぱりわからず。
今になってようやっと7割わかった。笑
SECIモデルという知識創造モデルの構成を、キーワードでメモしておく。
・共同化,暗黙知→暗黙知,経験の知,創発場,西田幾多郎的
・表出化,暗黙知→形式知,対話の知,対話場,プラトン的
・連結化,形式知→形式知,分析の知,体系場,デカルト的
・内面化,経験知→暗黙知,行動の知,実践場,デューイ的
共同→表出 (経験)のときに経験から仮説がぼんやりできて
表出→連結 (概念)のときに仮説がメタファーで表現されて
連結→内面 (模型)のときに★因果関係がモデル化されて
内面→共同 (実践)の -
Posted by ブクログ
1.好きなデザインだったので何も管変えずに購入しました。
2.構想力を社会の中で自分がどのような生き方をしていくのか、それに向けて得た発想をどのように筋道立てていくのかを言語化する能力だと言えます。本書では、構想力を定義したうえで、日本人に欠けている部分や、過去の偉人がどのように社会を改善してきたのかを述べています。難しいですが、知識創造と目的工学の視点からアプローチしています。
単語や文章が難しいですが、定義や偉人の偉業の部分だけでも読むことで十分元が取れる一冊です。
3.書き方が難しいので読むのに大変苦労しました。ただ、内容は発想力というだけではなく、その先を見通して筋道立てることが構