父子家庭で手塩にかけて育てた娘が今度結婚。父親はウェディングドレス試着イベントに
急ぐところ、ハンドル操作を誤り事故に。脳死となった父親は「天使」に出会い、
5人の人生建て直しに成功すれば生き返ることができると取引を持ちかけられ…。
巷で流行の物語風ビジネス本だが、中身は割りと硬派でBS/PL/C
...続きを読むFも頻出する内容。
自分の業界以外の観点から財務諸表を見ると、また勉強させられる部分があるなぁと実感。
第1章~決算上は利益が出ていても、運転資金が底をつけば倒産
・借入金の元本返済は当期純利益から(元本返済はPLに出ない)
+固定資産の原価償却期間は往々にして、借入金の返済期間よりも長い
=税金払えないようなビジネスモデルでは借金を返せない
第2章~価格競争に陥った会社の建て直し(固定費と変動費)
・固定費と変動費を見誤ると利益計画を間違う
~変動費=売上に連動しない+金額規模が小さくない+集計の手間がかからない
~固定費=上記以外(あまり精緻にやろうとすると継続できない)
・どのビジネスモデルも最初は「変動費:大」「固定費:小」だが、
売上拡大により利益を増やせるよう「変動費:小」「固定費:大」に変化。
固定費に投資することが参入障壁の構築に繋がる。
・「値下げ」(=売上は減るのに、経費は減らない)は「変動費率UP」と同義
第3章~買収した子会社の粉飾決算脱却(粉飾ポイントとビジネスモデル変革)
・粉飾決算の基本パターン
①売掛金を増やす~架空の取引先を作る
②棚卸資産を増やす→背景に低歩留まり率・低自動化率がないか?
③人件費を減らす~小資本の関連会社を作り消費税や社会保険を節約していないか?
・会社再生の基本パターン(手のつけやすい順)
①節税のテクニックで会社が使えるお金を増やす
②会計のテクニックを使い利益を増やす
③ビジネスモデルを変革する
~親会社の競争力ある商品(コロッケ)を、子会社が持つ販路(コンビに)を
使って販売する。商品の需要増大に対しては、子会社の余剰設備を活用。
第4章~事業別収支に基づく経営資源(営業人員)の最適配置
・固定費は3つに分類し、部長はまず③の有効活用を考える
①全社共通(部署に配分不能/社長の人件費等)
②管理不能固定費(部署で管理は可能か/家賃等)
③管理可能固定費(課ごとの人員配置等)
・どの業種でも、社員1人あたりの粗利益目標は最低2000万円=1時間1万円
第5章~事業別収支に基づく事業ポートフォリオ管理
・事業拡大の3パターン
①現在の事業を拡大し規模の経済を追及する
②川上/川下に拡大し、コスト削減や顧客接点強化(=マーケティング力強化)を図る
③現事業と関係の薄い領域に進出(含:買収等)し、会社の経営リスクを小さくする
・すべての固定費をコントロールできるのは社長だけ
(社長しか事業撤退の意思決定はできない)