原泰久のレビュー一覧
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第78巻は、「戦いが終わった後の物語」を描いた巻だった。これまでの流れで韓は完全に降伏し、秦はひとつの国を滅ぼすことに成功する。ただし、この巻の中心は勝利の余韻ではなく、“国を奪った後にどうするか”に置かれている。
韓が滅びたあと、秦はすぐに次の戦いに向かうわけではない。まず描かれるのは統治だ。韓の地をどう治めるか、民をどう扱うか、反発をどう抑えるか。ここで秦は単なる侵略者ではなく、「支配する側」として振る舞い始める。この切り替えがこの巻の軸になっている。 
一方で、信たちは一度戦場を離れ、日常に近い時間を過ごす場面もある。ここではこれまでの緊張感とは違い、人物の関係性や感情が少しだけ緩む。ただ、この“日常”は長く続かない。むしろ、次の大戦に向けた準備期間としての意味合いが強い。
物語はすぐに次の局面へ移る。秦が次に狙うのは趙であり、その中心にいるのが李牧だ。これまで何度も立ちはだかってきた相手に対して、いよいよ本格的に決着をつけにいく流れになる。韓攻略が「一つの到達点」だったのに対し、この巻は「次の本命への入口」という位置づけだ。 
読んでいて感じるのは、戦争の意味がさらに変わったという点だ。以前は「勝つこと」がゴールだったが、この段階では勝った後の統治や、その先の戦略まで含めて戦いになっている。信も戦うだけの存在ではなく、その大きな流れの中で動く将として描かれている。
第78巻の価値は、韓攻略の達成そのものではない。国を滅ぼした後に何が始まるのか、そして次に何を壊しにいくのかをはっきり示した点にある。勝利の巻ではなく、次の決戦に向けて視点を引き上げるための巻だった。 -
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第75巻は、「戦いが始まる直前」ではなく、すでに戦争が始まっている状態の中で“どう勝つか”を描いた巻だった。韓攻略の本格フェーズに入り、秦は南陽を無血開城させたうえで、王都・新鄭へと進軍する。ここから単なる侵攻ではなく、国家同士の意志のぶつかり合いに変わっていく。 
この巻の軸にあるのは、騰の戦い方だ。力で押し切るのではなく、できるだけ被害を抑えながら相手を崩していく。その象徴が韓側との会談で、無血開城という選択肢を提示する場面だ。ここでは「勝つか負けるか」ではなく、「どう勝つか」「その後どう統治するか」が問われている。戦争の質が一段変わった印象を受ける。
一方で、戦場では当然ながら衝突も起きる。韓側も簡単には折れず、現場では激しい攻防が続く。信は副将として兵をまとめ、士気を上げる役割を担うが、同時に敵から明確に狙われる立場にもなっている。ここでの信は、これまでの“突撃役”ではなく、部隊を動かす将として描かれているのが特徴的だった。 
また、この巻では各国の視線も描かれる。秦が韓に本気で攻め込んだことで、魏や趙を含めた周辺国も動きを警戒し始める。つまり、韓との戦いでありながら、その裏では中華全体のバランスが揺れ始めている。戦場の外でも戦いが始まっている状態だ。
読後に残るのは、「戦争の意味が変わった」という感覚だ。以前までは強い将が敵を打ち破る構図が中心だったが、この巻では“どうやって国を奪い、その後どう扱うか”まで含めて戦いになっている。信もその中で、ただの武力ではなく、将としての判断を求められる場面が増えている。
第75巻の本質は、戦いの派手さではなく、戦争を「国家運営の一部」として描いた点にある。勝利とは敵を倒すことではなく、秩序を作ることだという視点がはっきり提示された巻だった。 -
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『キングダム』74巻は、大きな戦いのクライマックスというよりも、秦が次の戦争に向けて体制を立て直す巻だった。趙との戦いで大きなダメージを受けた秦は、そのまま停滞するのではなく、昌平君の提案した「三つの柱」によって再び中華統一へ動き出す。戸籍を整備して兵力を増やすこと、信・王賁・蒙恬の三軍を拡大すること、そして韓を滅ぼすこと。この三つの方針が示され、物語は新しい戦いの段階に入る。 
今回の巻で中心になるのは、六大将軍の一人・騰と飛信隊が韓へ向かう流れだ。信は騰軍と合流し、南陽という重要な拠点を狙うことになる。これまでのキングダムは大規模な戦場が多かったが、この巻では戦う前の準備や戦略、そして国を攻めることの意味が丁寧に描かれている。単に敵を倒すだけでなく、占領した土地や民をどう扱うかという問題が浮き彫りになる。 
特に印象的なのは、南陽の扱いをめぐる騰の判断だ。騰は力で制圧するのではなく、できるだけ混乱を起こさない形で城を治めようとする。戦争漫画でありながら、戦った後の政治や統治が描かれる点がこの巻の特徴だった。信もその考え方に触れることで、ただの武将ではなく、将軍としての視点を少しずつ持ち始めているように見える。
また、飛信隊の成長も感じられる巻だった。これまで数々の戦場を経験してきた信たちは、ただ勢いで戦う部隊ではなく、秦の戦略の一部として動く軍になっている。信自身も、騰のような大将軍と並んで行動する中で、将としての自覚が少しずつ強くなっている。
読み終えて感じたのは、この巻が「戦いの始まりの巻」だということだ。派手な戦闘は少ないが、その分、秦がどのようにして中華統一に向かうのか、その具体的な道筋が見えてくる。ここから韓攻略が本格的に始まると思うと、次の巻への期待がかなり高まる内容だった。 -
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ネタバレしょっぱなからカイネと李牧のいい感じの話から始まるし(笑)
「俺、戦争が終わったら結婚するんだ」的な死亡フラグが立つ前にやってのけた2人。でも、逆にそれはもうここが幸せ絶頂期なんじゃないかと思えてしまって……敵なのに!
そして趙王もどこか変わりつつあり、戦争が終わったらご指導しますなノリの李牧。趙王もまんざらでもない様子……李牧、帰ってこれるのかな……。
というわけで三度の秦対趙です。3回もやってるのか。
そんでもって李牧のはじめにやることは昔から変わらない、最初にめんどくさい武将を殺すこと(王騎将軍もやってたけど
いきなり狙われたのは……そして次に狙われるのは……で次巻です。
その他思ったこと
政の最後の男子の名前が胡亥というそのコマが黒くなってることにものすごく不安に感じた……。
王賁が信を追い返す仕草がクソムカついた。あれはねえよ。あと信と一緒に上陸一番乗りをするところも、王賁はいいとこの出でそういった子供みたいなことはせずに見下してるような人間だった。そこがまあいいところでもあるのに、信と一緒になってやってるところを見ると、信に感化されすぎでないかと……あれは信だけがやればいいのであって、王賁がやることではないと。
タンワ様の弱体化が気になる。以前バジオウに助けてもらったときも、タンワ様は無双の死王じゃないのかとがっかりした。そして今回も。あの弓は避けきれる物ではないのはわかるけど、それをタンワ様にしないでほしかった。最近タンワ様活躍してないので、これ以上ガッカリさせないでほしい。 -
購入済み
ついに開戦
わずかな息抜きを経て、ついに趙との最終決戦へ。
フラグっぽいやり取りが多すぎてもう・・・。
正直ちょっともう戦に驚きのパターンは無いのでは、
と思っていたらそんな手が!!
鍵はやはりあの兄弟か、それとも。 -
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前半の穏やかな日々…「戦場で飽きるほどの死を見てきてるのに1人赤子が生まれてきただけで涙が出るぞ」のセリフにほんとそれーー!となり、どちらの陣営にも喜びが悲しみが都合が人生があるのだとあらためて思い知らされた。良かったね…良かったねカイネ…。
とは言え登場人物全員がフラグを立てまくりで、もう誰に何があってもおかしくない…と、ある意味ハラハラしながら読んでいたらまさかの…!作中における我が最推しがてぇへんなことにーー!!(涙)あのページ見た瞬間マジで息が止まった。嫌だそんなの…絶対に復活を信じてる…戦いの作品である以上いつかは訪れることなのはわかってはいるけど…まだそのときじゃないと思いたい…。
とんでもなく情緒がいそがしい刊だった。 -
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ネタバレ武力で統一することが”正しい”と言い切れないことは
百も承知で、自分がそれを負うことで
次の世を平和にすることを考えている。
そんな政こそ光だろう。
政の言葉を信じ冷静に行動する向ちゃんも
流石に陽ちゃんを見捨てられない。
そんな彼女に檄を飛ばす陽ちゃんには泣いた。
立ち向かって馬を転ばせようと
痛いだろうなと思いながらも考えているのが
更に泣けるところ。
信が間に合ってくれて良かったし、登場の仕方も
人望がありみんなが来てくれるところも
最高に恰好良かった。
無意味に兵ではない人たちを殺すからこそ
後をつけて間に合うことができたことも、
麗ちゃんに「父ちゃんの一番の友達」と名乗るところも
信らしくてとても良い。
意図を察して指示を出す河了貂も
一見して承服できないその策に結局は従ってくれる尚鹿将軍たちも素晴らしい。
先生の「そこにいたのか河了貂」の笑いも良い。
昌平君にすぱっと「何故呂不韋を裏切った」
と訊けるのが信らしいな。
9年に及ぶ戦いの勝利を昌文君に言わせるところも好きだ。
太后に言いたいことを言ってくれる向ちゃんが
信と似た良さがあるし
やはりこの子がいてくれることで政が救われる部分があるだろうと思う。
こんなことになっても、遺児を逃してやり
母に声掛けをする政には驚く。
もう切り捨てても良いのではと思わなくもないが
そんな政だからこそなのだろうし
流石に母も改心して政への態度を反省する日が
きても良いのになと思う。 -
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ネタバレ成きょうが王族の血族を笠に着た物言いをするのが
こんなに小気味よく感じる事があろうとは。
頼もしくすら感じる。
国を守る為の政の行動が、信たちをも救う事になろうとは。
泣きながら肩に掴まる信に政が返す言葉が
「気にするな。俺はもう何度もお前につかまっている」
なのも絆を感じて貰い泣きしそうになる。
その後かける言葉が「泣きやんだか」なのも良い。
政の演説に思わず少年が立ち上がる姿に胸を打たれた。
父に家族を託されているという理由が泣ける。
檄を飛ばしに来たのではなく共に戦う為に来た
という王の言葉が響く。
鳥肌が立つシーンだ。
信だけでなく、隊の面々も皆成長しているのが熱い。 -
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ネタバレ政が自分の力の使い所をよく理解しているのがすごい。
自分より昌文君の方が経験があると理解していて、
何日凌げば良いかを訊く信、本当に成長したなと思う。
政を説得しろと言われたのに、そんな気は無いのが信らしい。
重傷でも士気を上げる為戦場に赴く政、
それに応える信たち。
田有と竜川も来てくれて、みんなボロボロの中死力を尽くす。
それでも敵わず城内に敵が入り込む。
この絶望的な状況での山の民たちの姿には涙が出る。
しかも自分たちも戦いの最中だったのに
それを投げ打ってでも来てくれた。
馬が怖がっていたのに信の気持ちに応えて
相手に飛び掛かるところも泣けてしまう。
脚をやられてはもう生きていけないのではないかと思うと辛い。