川端裕人のレビュー一覧

  • 川の名前

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    良いよ、なんか。多分著者と自分の考え方が近いんだろうなって思う。夏のロケットの時も思ったのは知識のすごさ。今回も多摩川水系の歴史的な話から始まってペンギンの生態他とても詳しく調査したことが感じられた。夏のロケットのロケットに関する知識よりもやはり生態系の知識の方が自分には受け入れやすいんだなって実感し、納得もする。この著者の作品を好むことに対して哀愁的な現実逃避とか言われがちだ。確かにそう考える向きもわからないではない。でも、いつまでも子供でいたい自分にとってはこうした主人公に若者を使ったとても受け入れやすいテーマなのだ。哀愁的であることは悪いことではない。変化するだけが発展ではないわけで。た

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    2009年10月04日
  • 川の名前

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    手放しで絶賛します!すごく面白かった。 

    両親が離婚して、世界中の自然を撮影するのが仕事の父親と暮らしているためひとところに長く居られない小学生の男の子が主人公です。

    発達障害の妹がいるゴム丸、物静かで内向的な河童、文武両道でちょっと憎たらしい手嶋、謎の呪文のような言葉を叫んでは校庭で喇叭を吹き鳴らす喇叭爺、と、登場人物はみんな魅力的。

    タイトルの「川の名前」は、自分の暮らす場所を、行政が勝手に引いた県とか区とか市とかの人間が後付けで勝手に作った呼び名ではなくて、元々自然にある川、どこの海に流れるどこの水系の川で、表そうじゃないか!、という、生物学の岸由二教授が提唱した考え方だそうです。

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    2011年01月08日
  • 「研究室」に行ってみた。

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    前野ウルド浩太郎さんの「バッタを倒しにアフリカへ」の中で触れられていたため購入した。思ったよりバッタ研究に関する新たな事実はなかったが、前野さん以外で紹介されている研究者の方々の話も非常に興味深く、知らない分野に触れる良いきっかけになった。
    最後の章で、全てが地理学で繋がるのが興味深かった。自然を通して人間を見る、人間を通して自然を見る。
    文理選択を悩む高校生や、大学生等に読んで欲しいと思った。

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    2025年12月03日
  • ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って

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    ネタバレ

    江戸時代初期、長崎の出島に絶滅鳥ドードーが来ていたらしい。四国、長崎、チェコ、イギリス、オランダ、更にモーリシャス島へ。

    絶滅鳥の中でも何故か気になるドードー。筆者の川端さんがドードーをめぐりアチコチへ。
    ドードーについて知らないことだらけで色々面白かった。
    絵も写真もカラーでたくさんあるのも嬉しい。良い本だった。

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    2025年11月25日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    ネタバレ

    房総半島時代の2人の話は小説らしかったけど、ケイナに再会してからはこの前読んだ『ドードー鳥をめぐる堂々めぐり』のように実際にタマキが体験した話のような感じ。
    絶滅動物を復活させる話は興味があるけど、「環境」って所は考えたことがなかったな〜。
    これもワクワクするような楽しい本だった。

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    2025年11月25日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    初期の猿人から猿人、原人、旧人、そして現生人類へ。
    昔々、学校でも、アウストラロピテクスが現れ、その後ジャワ原人、北京原人が現れ、ネアンデルタール人が出てきた、なんて勉強したような。
    しかし、なかなかそれに興味を持つというところまではいかなかった。

    それが、近年、大きな発見があったりして、ずいぶんと分かってきたことがあるらしい。
    新聞報道などもあり、特に人類学に興味がなくても聞こえてくる、ホットな分野であるようだ。
    そして、監修者である海部陽介さんも、テレビで何度も見る機会もあった。

    本書は、しかし、海部さんが書いているのではない。
    サイエンスライターで作家の川端さんが、海部さんを取材して

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    2025年09月21日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    まだまだ書き変わっていく考古学的人類学の、アジア史が概観できた。単純な均質化にとどまらない面白さがあると思う。

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    2025年09月01日
  • 空よりも遠く、のびやかに

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    瞬と花音は高校の地学部に入部する。花音は中学の時にクライミングの選手として期待される選手だったが競技は辞めていた。瞬は病気で野球を辞めて、高校は静かに過ごすつもりでいたが、花音と出会い、地学とクライミングの面白さを知る。また花音のクライミングの仲間で高校の先輩でもある夏凪にもクライミングの面白さを教えてもらう。
    地学部のメンバーが語る地学愛の面白かった。

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    2025年05月10日
  • おしゃべりな絶滅動物たち 会えそうで会えなかった生きものと語る未来

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    リョコウバト、ドードー、ステラーカイギュウ、フクロオオカミ、ケナガマンモスといった絶滅種について詳しくない私でも知ってる生物について絶滅の経緯と復活させるための現在進行形の試みを丁寧に解説する。
    「わけあって絶滅しました」展を見に行った私としては、なかなかリアリティが有って興味深い話だった。
    ちょっと前なら夢物語だった話が現実味を帯びた話になってきた。5年後、10年後が楽しみだ。

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    2025年05月08日
  • 空よりも遠く、のびやかに

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    ネタバレ

    2020年に起きたコロナウイルスの蔓延とその後遺症による社会の変化、多くの人に閉塞感や悲しみを与えた

    この小説に出てきた万葉高校地学部の面々もそうであった。地学オリンピックの中止と東京オリンピックの延期。地学とクライミングの両方のオリンピックが潰えてしまった。

    しかし、そんな中でも何とかできないかと模索し、世界を巻き込んだ地学とクライミングの祭典を計画し実行した。

    大人も未来に希望を見いだせなくなっていた時期であったが、未来を先導する若者たちが道を示してくれ、一筋の光が指した。

    青春と地学、クライミング、コロナと様々なものを題材にした小説で結末を読んで、これからの力強い希望の灯りとなっ

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    2025年05月06日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    バードウォッチングが趣味なので興味深く読めた。近代の絶滅種の話は以前にも読んだことがあるが、生きてるところを見てみたいという気持ちは分かる。

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    2025年04月15日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    ざっくりあらすじ「主人公とケイナちゃんは、絶滅動物への想いで繋がっていた。ドードー鳥と孤独鳥に自分たちを重ね合わせた二人は、絶滅種を探る旅へと乗りだす。」 物語調のノンフィクションの読み心地で、少し難しい部分がありつつも、不思議と読ませる筆致! 先が気になってすらすら読めました。 どこまでが史実でどこからがフィクションなのか線引きははっきりされておらず、ドードー自体にも興味が沸いたので、同著者のノンフィクション「ドードーをめぐる堂々めぐり」も是非読もうと決意。

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    2025年04月11日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    いや~奇書ですね。そして面白い。
    『不思議の国のアリス』や『ドラえもん』にも登場する、かつてモーリシャス島に生息していた絶滅鳥類ドードー鳥と、同じドードー科の孤独鳥を追いかける「絶滅動物小説」です。
    全編、主人公の手記という形で進みます。そのルポルタージュ感が素晴らしいと思ったいたら、この本に先行して『ドードーをめぐる堂々めぐり――正保四年に消えた絶滅鳥を追って 』と言う同作者によるノンフィクションが出版されていました。つまり、この小説は先行したノンフィクションの上に物語を載せて小説に仕立てたもの。実際、この小説の第3章は「堂々めぐり」と言うタイトルであり、第4章の初めにはノンフィクション本を

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    2025年01月31日
  • 「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論

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    子供の頃には色盲 検査があった  今はないようだ
    検査方法は 古く 戦前のもの 丸い枠の中に色のついた丸がたくさん書いてあるものだ  今でも改良して使っている
    新しいもっと正確な色の検査方法は日本の発明であるらしい 世界的にも正確に判定できると多くの国に使われているようだ=アノマロスコープ
    色覚の検査は現実には特別な職業の人しか検査はしていないようだ
    色の見え方には個人差がある
    心理的な色の印象は異なる
    判断基準が必要なのか 疑問である

    ユニバーサルデザインカラー JIS 安全色 2018

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    2024年11月07日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    ネタバレ

    仕事中に眺めたダ・ヴィンチでおすすめされていた本。
    物語で読める古生物学入門!という感じで新鮮だった。知らない知識がいっぱい。と思ったらノンフィクションも書いている作家さんでした。なるほど。この本の前にドードー鳥のノンフィクションも書いているようだ。ボーちゃんとケイナちゃんが当たり前のように読んでいた基礎文献とかもいつか読んでみたい。
    事実と物語が入り混じっているので読み慣れるまではちょっと時間がかかった。
    終盤、北海道の神社の社宝が孤独鳥だとわかったからこそ連絡しなかったことが判明したシーン、ボーちゃん視点の読者にあまり開示されていなかったケイナちゃんの内面がついに開示されたようで、心がいっ

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    2024年10月07日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    SF。著者の「ドードーをめぐる堂々めぐり」を読んでいたのでフィクションだとはわかっていたのだけど、その取材力が活かされていて一部ノンフィクションであり、それによってものすごくリアルな話に感じる。「ドードーをめぐる堂々めぐり」でも感じたけれど読後もワクワクした気持ちがとまらない。

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    2024年08月04日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    SF。絶滅動物。
    タイトル通り、ドードーにまつわる物語。
    SF(サイエンスフィクション)としては、サイエンスの要素が強めで、フィクションの要素は薄め。
    ノンフィクション作品かと思うような雰囲気。
    博物画が多めに挿入される構成が特徴的。
    生物系のSFが好きな自分には、かなり好きなタイプの作品。
    ちょっとノスタルジックな雰囲気も良い。
    かなり気に入ったので、ネットで著者の他作品をすぐに購入しました。

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    2024年07月07日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    小学生の頃、父親の静養のために千葉の学校に転校した望月環ことボーちゃんは、ちょっと変わった子と思われていたケイナちゃんと仲良くなる。自分たちを絶滅した飛べない鳥、、ドードー鳥と孤独鳥になぞらえ、自然の残る百々谷で奔放に過ごす。しかしケイナちゃんは転校してしまう。

    二人の小学生時代の第一章、社会人になったボーちゃんが研究者となったケイナちゃんと再会する第二章。そして研究の過程で暴走し始めるケイナちゃんと、それを止めようとするボーちゃんの姿と進んでいく。

    ゲノム解読が進み、絶滅した動物が再生できるのでは、という話は現実の世界でもいろいろ取り上げられているが、倫理的問題や権利関係など慎重に進めな

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    2024年05月21日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    ネタバレ

    【目次】第一章 百々谷と百々屋敷/第二章 近代の絶滅/第三章 堂々めぐり/第四章 ドードー鳥と孤独鳥/終章

    第一章は、タマキとケイナの小学生時代の話。一緒に過ごした時間は決して長くはないが、2人の魂の共鳴が描かれる。
    そして第二章以降で、大人になった2人が、それぞれに専門性を身につけ、絶滅危惧種に取り組む様が描かれる。
    精緻な挿絵が豊富で、画集としても資料としても素晴らしいと思う。

    ……専門的すぎて細かい話にはついていけなかった。

    ケイナがマッドサイエンティスト系に走り、タマキはまっとうに手堅い仕事をする。ミステリならば暗い結末が予想されるが、これはジャンルが違う。
    となると結末は一択か

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    2024年05月08日
  • ドードー鳥と孤独鳥

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    「近くのため池で コウノトリを 見た」
    と 無邪気にはしゃいでおられる方に
    ーいやいや そのコウノトリは 人間の都合で
     無理やり繁殖させられているものであって…
    と いちいち説明するのは面倒である
    そんな思いを ずっと持ち続けている

    コウノトリの人工(!)繁殖を聞いた時から
    モヤモヤするものを抱いていた

    そんな思いの中で
    この一冊を読ませてもらう
    それはそれは 腑に落ちること

    そうだったのだ、
    科学的な根拠とはこれか、
    なぁるほど、

    が 次から次へ出てくる

    コウノトリに限らず
    レッドデータに興味関心のある方
    必見の一冊です

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    2024年03月10日