川端裕人のレビュー一覧
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かつてアジア地域に生息していた原人・旧人たち - 北京原人やジャワ原人という名前で知られている - についての解説本。アフリカやヨーロッパではかなり研究が進んでいるが、アジア地域ではかなり遅れていたため、最近になってフローレス原人や台湾沖での澎湖人など新しい発見が21世紀に入っても出ている状況である。その道の第一人者である国立科学博物館の海部陽介グループ長に導かれる形で著者がまとめたものである。自らの起源に関わる話であり、思い入れのある著者の筆にも熱がこもっている。
なお、我々の起源と書いたが、フローレス原人も澎湖人も北京原人もジャワ原人も我々の祖先ではないことがほぼ確認されている。タイトルにあるようにアジアからは消えてしまったのだ。アフリカから先に出て個別に進化した原人ではあるが、後に出アフリカを果たして後からたどり着いた現生人類に他の地域におけるネアンデルタール人やデニソワ人と同じようにその立場を奪われた形になったのだ。
DNAの研究により、ネアンデルタール人と現生人類が混血していることが示されたが、アジアの原人と現生人類が接触し、さらに混血したのかについてはまだ明らかになっていない。海部さん含めて現状のアジアの原人の研究は化石からの形態分析が元となっており、DNA分析が使えないのが現状なのである。
「我々はなぜ我々だけなのか」という問いに対しては、我々の移動速度があまりに速かったからだと結論づけられている。進化の速度よりも圧倒的に速く移動を果たすことができたため、現生人類はこれほどまでに一様なのだという。現生人類の特徴をその移動の速さに結び付けてもよいのかもしれない。
しかし、「我々はなぜ我々だけなのか」という問い - かつては確実にいた旧人や原人は世界のどこにも残っていないのはなぜか - についての答えはない。アジアの地でも人類と旧人は接触したのか。我々が駆逐をしたのか。それは我々の持つ本質がゆえなのか。なぜ我々だけがここにいるのか。彼我の差はどこにあったのか。
海部さんは、日本にどうやって人類が渡ってきたのかを実証するために古代の方法で船を作って海を渡るプロジェクトをクラウドファンディングで資金を募って実現するなどアグレッシブに活動されている。これからもまだいろいろとわかるのかもしれない。 -
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川端裕人の初読み。
児童文学かと思いながら手にとってみた一冊。
冒頭。
恐竜を発見?うん、やはり、ファンタジーだね・・・と思いきや、読み進めるとすぐに、そうではないと分かる。
青春モノ・・・と呼ぶには登場人物たちは幼いし、少年達の冒険譚と言い切るには、リアリティもあるしテーマ性も深く感じる。
・・・と言いつつも、この物語を一言で表すならやっぱり、「少年達のあるひと夏の冒険」ということになるのだけれど(笑)。
子を持つ親としてはありえない冒険だけれど・・・・最後の大冒険はやっぱり「トンデモ」に違いは無いけれど、そのバックボーンとなる事前設定は示されているので、そんな「トンデモ」な展開にもそうそう大きな違和感はなく物語に没頭できる。少年期特有の悩みと、友情、苦悩からの脱皮など、忘れかけていたような懐かしい気持ちをたくさん蘇らせてくれるこの本を、声を大にして「名作だ」と呼びたい。
大人にも子どもにも読んでほしいと思える一冊。
活字の苦手な子どもでも楽しめるように、映画かアニメかになって、より多くの人の目に触れてほしいと思った作品。
★4つ、9ポイント。
2016.11.07.図。
※夏休み終盤の風物詩となっている(?)皆が紫のTシャツを着込んで24時間生中継する番組って・・・(笑)。
※カルガモ親子の行進、矢ガモ、玉川のアザラシ・・・現実世界でも似たような騒動は何度か目にしてきたが、その裏でも実は、本作で描かれたような報道モラルを問われかねない問題が勃発していたのかもしれない、と思ってみた。
※自分の「川の名前」は、何だろう?
「寝子屋川」かな、「荒川」かな。 -
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小学5年の夏休み。たぶん子ども時代の最高峰。
この黄金の時間を、川を切り口にしつつ、個性的な男子3人組+優等生+奇妙な爺さんを軸にして、オカルトもファンタジーも一切ぬきで奇跡的な物語に仕立て上げた作者すばらしい。
自然の描写、川というものに関する深い考察、カヤック競争の様子、美味しいネタをハゲタカのように漁るマスコミ陣のありさま、いずれも膨大な資料や知識を元にしていると思われ、たいへん好感が持てた。
子どもたちの内面も丁寧に描かれていて、やはり良い感じ。5年生といえば、ちょうど自我が主張を始める頃で、自分の「こうありたい」気持ちと周囲からの視線との齟齬に気づき、いろいろ悩むものなのだ。
面白くて魅力的な男子がそろっているが、なかでも鳳凰池の主っぽい風格を持つ「河童」くん、最高。 -
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多摩川の支流の支流の小さな保護池でひっそりと暮らすペンギンの夫婦を発見した少年達が、夏休みの自由研究で彼らの観察をする事を思いつく。平和に思われた日々もある時にエサを探して狩りに出た雄ペンギンを見た人からマスコミに漏れ、一大騒動に発展するのだった。
少年たちが輝いてい過ぎて、自分の青春とはかけ離れていますがそれでも川に惹かれて、自分たちの居場所と自然をリンクさせて飛び込むあたりは自分の中にもあるものだったので共感しました。野田知佑氏の提唱するカワガキを増やす運動にまさに通じる所があり、自然の未来を明るくするためには、自然を好きな大人を養成していくしか方法は無いんだと思います。
この本はある意味物語性よりもその辺りの啓蒙要素が多い気がします。僕は好きですが人によっては説教臭く感じるかなあ。 -
Posted by ブクログ
タイトルにしては内容がまとも。
保護者と教師とのトラブルがケースごとに対談形式でまとめられている。双方の納得をコミュニケーションでどう乗り越えるか。その解決こそ、これからを生きる力=情報編集力が必要だと述べている。また、その力を育む環境づくりに、家庭、学校、地域にて取り組む必要を説き、実例をあげて示している。
藤原和博氏の文章はパワフルで勇気付けられる反面少し荒いところを感じるので、作家のPTAにも参加している川端裕人氏が聞き手の対談形式であることがバランスをよくしていると思った。
読んでいて元気になる本。
教育は消費する対象ではなく「信用を創造する行為」
っていい言葉だなあと思った。 -
Posted by ブクログ
「砂漠のバッタの謎を追う」研究室というよりも砂漠のフィールドワーク。「宇宙旅行を実現するために」民間の宇宙船が主役の時代がきつつある。「生物に学んだロボットを作る」ロボット工学にとって歩行が一つのポイント。ロボットは歩行するために生物の数十倍のエネルギーを消費している。「地球に存在しない新元素を創りだす」超重元素を創る。10数年で成功はたった3度。でも元素表の空白を埋める作業は凄い。「宇宙エレベーターは可能である」まだ実現は遠いみたい。「すべては地理学だった」文系理系にこだわらず活動しようとするなら、日本ではとりあえず理系に進むしか手がなさそう。
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Posted by ブクログ
公立中学校長を経験された藤原さんと、PTA活動の経験をお持ちの川端さんが、率直な意見交換をされている本をふと思い立って再読しました。
先生の立場から、保護者の立場から、両方の立場から学校を見ている私が今読んでも全く古くなくて、頷ける場面がたくさんあります。
教育の場に、民間の方が「入って」分析するとこうなるんだな、と。明快でわかりやすいです。
この本の一番のお気に入りは、中学校区に専任のソーシャルワーカーの配置をとの提言の部分です。
学校がすべきことと、ソーシャルワーカーに相談したいことの分類も改めて参考になりました。
教育を専門にされてきた方、心理や福祉を専門にされてきた方とは違う角度からの切り込みが興味深くおもしろかったです。