川端裕人のレビュー一覧

  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    爽快な読後感だった。最後に紹介されている論文を振り返るときの、良い映画を見た後にエンドロールを見、作中の音楽を聞いている時のような感覚を味わった。

    描き手と研究者の誠実で丁寧な仕事によって練られた、味わい深さがあった。

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    2018年06月21日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    これまでの人類史はアフリカを中心に語られてきたが、アジアには昔から北京原人やジャワ原人がおり、最近にはフローレス原人や台湾でも原人の化石が見つかっている。
    猿人、原人、旧人という大きな流れの中で、最終的にアフリカ原人が人類の祖先となるわけだが、それまでには複数の猿人や原人が世界中に散らばっており、時には交配も行われていたと考えると、今の均質化された人類種が異様に思われてきた。
    この分野はまだまだ発展途上の分野であり、これからも多くの発見が期待できるので、今後の動きにも注視していきたい。

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    2018年05月06日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    遡上はついに人類のはじまりに到達。自然人類学の最新の発見を、ジャーナリスト川端裕人が自ら見聞して臨場感あふれるレポートすることで、アジアにおける知られざる原人の存在や交雑の可能性を明らかにしています。
    それにしても、先に読んだ『世界神話学入門』でも名前が出てきた海部陽介さんは、21世紀の知の巨人のような気がするだけに、今後も注目です。

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    2018年01月12日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    かつてアジア地域に生息していた原人・旧人たち - 北京原人やジャワ原人という名前で知られている - についての解説本。アフリカやヨーロッパではかなり研究が進んでいるが、アジア地域ではかなり遅れていたため、最近になってフローレス原人や台湾沖での澎湖人など新しい発見が21世紀に入っても出ている状況である。その道の第一人者である国立科学博物館の海部陽介グループ長に導かれる形で著者がまとめたものである。自らの起源に関わる話であり、思い入れのある著者の筆にも熱がこもっている。

    なお、我々の起源と書いたが、フローレス原人も澎湖人も北京原人もジャワ原人も我々の祖先ではないことがほぼ確認されている。タイトル

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    2018年01月07日
  • 我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

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    まず、とにかく読みやすくて面白い!なかなか学者さんが書いたのではこうはいかないだろう。
    人類の進化、我々はどこから来たのかといったSFジャンルがあるが、リアルの世界でも随分と新しい発見が続いていることがわかる。
    「かつていた多様な原人がなぜ滅びたのか」という謎を解く壮大なSF誰か書いてくれないかな。

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    2018年01月07日
  • 川の名前

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    川端裕人の初読み。
    児童文学かと思いながら手にとってみた一冊。

    冒頭。
    恐竜を発見?うん、やはり、ファンタジーだね・・・と思いきや、読み進めるとすぐに、そうではないと分かる。

    青春モノ・・・と呼ぶには登場人物たちは幼いし、少年達の冒険譚と言い切るには、リアリティもあるしテーマ性も深く感じる。
    ・・・と言いつつも、この物語を一言で表すならやっぱり、「少年達のあるひと夏の冒険」ということになるのだけれど(笑)。

    子を持つ親としてはありえない冒険だけれど・・・・最後の大冒険はやっぱり「トンデモ」に違いは無いけれど、そのバックボーンとなる事前設定は示されているので、そんな「トンデモ」な展開にもそ

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    2016年11月07日
  • 川の名前

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    小学5年の夏休み。たぶん子ども時代の最高峰。
    この黄金の時間を、川を切り口にしつつ、個性的な男子3人組+優等生+奇妙な爺さんを軸にして、オカルトもファンタジーも一切ぬきで奇跡的な物語に仕立て上げた作者すばらしい。
    自然の描写、川というものに関する深い考察、カヤック競争の様子、美味しいネタをハゲタカのように漁るマスコミ陣のありさま、いずれも膨大な資料や知識を元にしていると思われ、たいへん好感が持てた。
    子どもたちの内面も丁寧に描かれていて、やはり良い感じ。5年生といえば、ちょうど自我が主張を始める頃で、自分の「こうありたい」気持ちと周囲からの視線との齟齬に気づき、いろいろ悩むものなのだ。
    面白く

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    2016年09月28日
  • 川の名前

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    多摩川の支流の支流の小さな保護池でひっそりと暮らすペンギンの夫婦を発見した少年達が、夏休みの自由研究で彼らの観察をする事を思いつく。平和に思われた日々もある時にエサを探して狩りに出た雄ペンギンを見た人からマスコミに漏れ、一大騒動に発展するのだった。

    少年たちが輝いてい過ぎて、自分の青春とはかけ離れていますがそれでも川に惹かれて、自分たちの居場所と自然をリンクさせて飛び込むあたりは自分の中にもあるものだったので共感しました。野田知佑氏の提唱するカワガキを増やす運動にまさに通じる所があり、自然の未来を明るくするためには、自然を好きな大人を養成していくしか方法は無いんだと思います。

    この本はある

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    2016年06月29日
  • バカ親、バカ教師にもほどがある 子ども化する大人たち

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    タイトルにしては内容がまとも。
    保護者と教師とのトラブルがケースごとに対談形式でまとめられている。双方の納得をコミュニケーションでどう乗り越えるか。その解決こそ、これからを生きる力=情報編集力が必要だと述べている。また、その力を育む環境づくりに、家庭、学校、地域にて取り組む必要を説き、実例をあげて示している。
    藤原和博氏の文章はパワフルで勇気付けられる反面少し荒いところを感じるので、作家のPTAにも参加している川端裕人氏が聞き手の対談形式であることがバランスをよくしていると思った。

    読んでいて元気になる本。

    教育は消費する対象ではなく「信用を創造する行為」

    っていい言葉だなあと思った。

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    2016年04月14日
  • 「研究室」に行ってみた。

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    「砂漠のバッタの謎を追う」研究室というよりも砂漠のフィールドワーク。「宇宙旅行を実現するために」民間の宇宙船が主役の時代がきつつある。「生物に学んだロボットを作る」ロボット工学にとって歩行が一つのポイント。ロボットは歩行するために生物の数十倍のエネルギーを消費している。「地球に存在しない新元素を創りだす」超重元素を創る。10数年で成功はたった3度。でも元素表の空白を埋める作業は凄い。「宇宙エレベーターは可能である」まだ実現は遠いみたい。「すべては地理学だった」文系理系にこだわらず活動しようとするなら、日本ではとりあえず理系に進むしか手がなさそう。

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    2015年05月15日
  • PTA再活用論 悩ましき現実を超えて

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    ネタバレ

    PTA執行部を引き受けることになり、全体像が知りたくて読んでみました。
    いろんな角度・立場からの意見、あり方、不満など、具体的に書かれていて、イメージトレーニングとして、とても参考になりました。
    時々読み返し、役割や目的を見失わず、乗り切りたいと思います。

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    2015年04月17日
  • PTA再活用論 悩ましき現実を超えて

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    著者さんが繰り返し主張されている「PTAは本来任意加入で、もっと自由に活動できる形が望ましい」とのこと、全くその通り。
    保育園の保護者会も同じ。
    今年度役員をやってきたけど、半強制的に加入させられて会費徴収とか、「あのひとは仕事やらなくてずるい」とか本当はおかしいと思うよ。
    私の場合楽しいのと比較的時間に余裕があるので納得してやってるのでいいとして、色々と事情のあるひともいるし私みたくボランティアでやりたいひとがやればいいと思う。
    それでやり手が確保できなければ、必要ない活動ってことよ。

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    2015年03月23日
  • 「研究室」に行ってみた。

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    著者は『夏のロケット』などの小説や、朝日の書評を書いたり多才な人。そのロケットの現場の人に取材したり、アフリカでバッタを追う研究者を訪ねてみたり。わかりやすく書かれているので、将来何になりたいかを気にする高校生にもいいと思う。研究者の最先端の現場、考え方、夢がわかる。良書。

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    2015年03月07日
  • 「研究室」に行ってみた。

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    日本の理系文系というくくりではなく、それがクロスオーバーするような世界のしかも先端的情報を開示、それはバッタから宇宙旅行・宇宙エレベーター・ロボット・元素等広範囲に及び興味が尽きない面白さだ。

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    2015年01月13日
  • バカ親、バカ教師にもほどがある 子ども化する大人たち

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    公立中学校長を経験された藤原さんと、PTA活動の経験をお持ちの川端さんが、率直な意見交換をされている本をふと思い立って再読しました。

    先生の立場から、保護者の立場から、両方の立場から学校を見ている私が今読んでも全く古くなくて、頷ける場面がたくさんあります。

    教育の場に、民間の方が「入って」分析するとこうなるんだな、と。明快でわかりやすいです。

    この本の一番のお気に入りは、中学校区に専任のソーシャルワーカーの配置をとの提言の部分です。
    学校がすべきことと、ソーシャルワーカーに相談したいことの分類も改めて参考になりました。

    教育を専門にされてきた方、心理や福祉を専門にされてきた方とは違う角

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    2014年11月30日
  • 8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識

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    睡眠は不明な点が多いことは知っていたが、本書で新しい知識を得て理解を深めることができた.体内時計の話はとても面白かった.8時間睡眠の嘘も詳しく説明があり納得できる論説だった.

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    2014年07月20日
  • 風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ

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    ネタバレ

    銀河のワールドカップの前日譚。桃山プレデターの面々が出会う所が描かれる。

    終始とても爽やか。

    ちょっとありえないように感じた部分もあったが、最近の小学生は本当にうまいと思うし、情報もすぐに入ってくるので、意外に戦術とか詳しいのかも。

    これ読んで「銀河のワールドカップ」に入ればより繋がりも含めて楽しめるかも。

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    2014年06月05日
  • 8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識

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    最新の睡眠に関する情報がまとまった分かりやすい形で入手できるとても良い本だった。残念ながら、睡眠の質を図ることができる術は今の所ないのが実情。ただ、長く寝るのが全て言い訳ではないことや、若年、老年の眠りの深さの平均的な違いがわかっただけでも今後の睡眠に役に立ちそうなきがした。本当は朝の起床時間を固定することが一番良さそうなのだが、こればっかりはなかなか難しい。早く眠りの質を図り、ガイドしてくれるような技術が開発されるといいな。てか、やっぱりまだまだ睡眠ビジネスって未開なんだな!と。今後の仕事にも行かせそうだ。

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    2014年03月23日
  • 8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識

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    ×日付けが変わらないうちに寝ないと成長ホルモンが出ない
    ○メジャースリープがあれば分泌される

    ×8時間睡眠が理想
    ○人によって、年齢によって違う。年をとると、睡眠時間は短くなるのがふつう。

    など、睡眠の「常識」とされることのなかにも事実と異なることが多々あることがわかる。

    また、なにがわかっていて、なにがまだわかっていないのか、きちんとした知見に基づいて書かれているので、うなずきながら読める。

    一度読んだらすぐに問題が解決するわけではないんだけど、何かしら手がかりになる鍵はたくさん記されているので、必要が生じるごとに読み返して、よりどころにできそうな本。

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    2014年03月15日
  • 8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識

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    30分以上の昼寝は、夜の睡眠の妨げになる、と。
    頭がぼーっとしやすくなる(だけ)という認識だったので、昼寝(というか夜の仮眠)は減らそうと思いました…

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    2014年03月03日