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2019年大晦日。西浦博は、武漢で未知のウイルスが流行の兆し、との情報をキャッチする。1月16日には日本で最初の症例が確定。急遽、北海道から東京へ向かうこととなる。のちにクラスター対策班につながる初動であり、6ヵ月にわたる予想もしない日々の始まりだった。
厚生労働省クラスター対策班でデータ分析に従事し、「8割おじさん」と呼ばれた数理モデルの第一人者が、新型コロナ対策の舞台裏で繰り広げられた政治との格闘、サイエンス・コミュニケーションの葛藤と苦悩、科学者たちの連帯と絆まで、熱い本音を語った奮闘の記録。
(以下、本文より)
・・・川名先生から、ぽんとメールが届いたんです。僕が頑張っているのを川名先生は分かっているし支持していると。そして「西浦さんが発信する情報は専門家会議のクレジットですから」とまでおっしゃってくれました。つらい時には1人このメールを見て泣いたこともあります。
僕自身が折れると終わりだから、科学者は勇気を持って科学的事実を正確に伝えるのが間違っていないのなら、頑張らないといけないし、これはまだ第一波だから序の口だと思って、継続して頑張ってみようと、心新たにできました。感染症の数理モデルで定量的なものだったら、あるいは、データ分析をさせたら、日本では自分の右に出る者はいないだろうと自分自身を鼓舞します。ニコニコ生放送で何万人というような人が参加する中でプレゼンをするわけですが、自信を持ってやろうと決意しました。僕がこけると、感染症数理モデルをやっている同志や研究室の弟子たちがこける。僕がここで敗けたり折れたりするわけにはいかないのです。
Posted by ブクログ 2021年03月07日
西浦博先生のことは、昨年2020の緊急事態宣言の時に知りました。かなり熱い方だとは、TwitterやTVから伺い知る事がで来てましたが、本書を読むとそれがよりわかりました。当時は、接触8割削減論に対して賛否両論がありましたが、その舞台裏である、専門家会議内のやりとり、政府との駆け引き、世論からのバッ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月04日
新型コロナというものを通じ、普段あまりやってこられなかった「サイエンスと政府・国民の三人四脚」が日本でも行われざるを得なくなった。有る種強制力によって急にやらなければならなくなったのである。そんな状況下で、サイエンスの立場の人が何を思い、何を経験し、何をしようとしたかの記録がこの本である。環境整備が...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月13日
2019年終わりから流行が始まった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対応した西浦氏の行動や思索の記録です。氏の行動への賛否は様々だとしても、本書は歴史的な資料として価値があるはずです。
日本のクラスター対策を日本より感染が深刻な外国から批判する昔の上司や、経済対策ではなく感染の流行制御の話...続きを読む
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