大山淳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ物語は、上野にある西郷隆盛の銅像から、愛犬ツンの像が盗まれるという前代未聞の事件から始まる。
手がかりは、現場に残された犬の尻尾と高級ホテルの石鹸だけ。
愉快犯の仕業か、それとも政治的な意図があるのか、誰もが首をかしげる奇妙な事件だ。
一方、主人公の光二郎は、シルバー人材センターの仕事で安佐顔という老人の家の庭木の剪定に励んでいる。
認知機能に少し問題があるものの、機械や道具を分解して修理することにかけては天才的な光二郎。
そんな彼が、仕事中にオレオレ詐欺の電話に引っかかり、家から飛び出してしまう。詐欺電話の内容を信じ、慌てて行動する光二郎の姿に、孫のかけるは苛立ちを隠せず、警察署で祖父を怒鳴ってしまう。
かけるは美術系の予備校に通う浪人生で、進路に悩む20歳。
祖父の突拍子もない行動に振り回されつつも、光二郎の純粋さや周囲への影響力に巻き込まれていく。
詐欺電話の背後には、単なる犯罪ではない切ない動機が隠されており、物語はそこからさらに展開していく。
この事件と並行して、ドッグショーに愛犬を出したくない女性や、元警察犬ジュンの活躍、さらには光二郎の周囲の人々のエピソードが絡み合う。
登場人物には、仕事はできるのにどこか頼りない刑事・頭野文也や、シルバー人材センターのセンター長・木村拓(通称キムタク)、そして大山作品の別シリーズ「猫弁」に登場する獣医師・柳まことも顔を出す。
こうした個性的なキャラクターたちが織りなすエピソードが、複雑に絡み合いながらも最後には見事に一本の線でつながり、爽快な大団円を迎える。
物語には、振り込め詐欺、銅像の盗難、ドッグショーをめぐる疑惑など、複数の小さな事件が散りばめられ、それぞれが光二郎とかけるの「ふたりで一人の迷探偵」コンビによって解き明かされていく。
光二郎のマイペースな行動や、かけるの少しポンコツだけど憎めない性格が、物語に笑いと温かさを加えている。 -
Posted by ブクログ
大山淳子さんの心温まる小説ですね。
大人のための童話と言ってもいいかもしれません♪
青目川をご存知ですか?
東京郊外にある、あまり大きくない川でして、架かっている橋はみな短いものです。
その中に、すてねこ橋という、ちょっと変わった名前の橋があります。
すてねこ橋に集まる猫たちと人間の関わりを、せつなく温かく描いた連作短編集です。
猫目線と人間目線との絡み合いが、やさしく語られています。
目次
はじめに
第一話 良男と佐織
第二話 キイロとゴッホ
第三話 哲学者
第四話 それぞれのクリスマス
第五話 ルノワール
あとがき
大山淳子さんは、誠実に生きようとする人物や動物を温かく見守るような物語を描かれるので、とても好きな作家さんです。
この作品でも、様々な苦難を乗り越えて一生懸命に生きようとする人や猫を、ほのぼのとまごころで包み込むように描き出されています。
ほんのささやかな生きる喜びが、実は大切な宝物であることに気づかせてくれる物語ですね(=^ェ^=)