大山淳子のレビュー一覧
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明日町こんぺいとう商店街にあるお店、藍染めののれんには「さとう」とある。
店の中に入ると、からっぽのガラスケースがあり、店主が本を読んでいるが、若いけれど目が見えない。
ここは、お客様の預かり物を一日100円で預かる、あずかりやさんである。
期限まで取りに来ないと、品物は店主のものになる仕組みである。
お話は、あずかりやさんの連作短編のようになっているが、それぞれの主人公が店ののれんだったり、ショーケースだったり、猫だったり、人間以外の視点で描かれているところも面白い。
一つ一つがほっこりする素敵なお話で、そうかと思うと、預かり物が銃だったり、物騒な話もあってスパイスも忘れていない。
店主がちょっぴり恋心をしたとても綺麗な石鹸さん、お店の帰り道、追いかけて来た猫を助けようとして不運な事故に遭ってしまう。
長い月日が経って、のれんが揺れて、石鹸の香りが風に乗って入ってくる。
ああ、石鹸さん、もしかしたら怪我をしただけで良くなってまた来てくれたのかしら、と思ったけれど、その時には店主ももちろんだが、主人公の猫も目が見えなくなっていた。
悲しいけど温かい余韻を感じさせるところもいいなあと思う。
いつかは店主にも幸せが来ますように。 -
ネタバレ 購入済み
七人の作家が書く、明日町こんぺいとう商店街の七つの店舗の物語。大山淳子さんの「あずかりやさん」は、、先に読んで知っていたけど、ここから生まれた物語だったんだ。へぇ〜
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猫を主題にしたアンソロジー短編集ですね。
シリーズの二冊目です。『肉球の巻』ネームに痺れますね。
大山淳子さん、若竹七海さん以外は初読みの作家さんです。
いずれも猫を愛する作家さんたちなので楽しく読めました。
目次
大山淳子 シロネコマサト
竹岡葉月 猫をかぶれば
音はつき 人間やめたマヌル先生が、
保健室でお待ちしてます
浜田倫太郎 爪切りの
ニャンニャンパーク
若竹七海 散歩する猫
村上早紀 猫がいれば大丈夫
大山淳子さんと音はつきさんの作品はスピンオフですね。若竹七海さんは、はっきり言って「若竹、イギリスミステリーの読み過ぎだろう!」と言いたくなる作品でした。若竹七海さんならもう少し猫愛にあふれたユーモア小説が書ける筈です(=^・^=)
音はつきさんのマヌル先生は、ちょっと『人間やめたマヌルさんが、あなたの人生占います 適当ですがあしからず』を読んで見たくなりました(=^・^=)
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子供部屋おじさんの引きこもり漫画家風乃夕はかなりの売れっ子漫画家だけど、絶対に部屋から出ない。そんな時、全く漫画を読まない新人編集者・鬼木冴子がダメ出しを強要してきた。
そしてひょんな事からいつの間にか自分の描いた漫画の世界へ入り込んだ夕。人工知能に恐怖を感じた人類は対立する。支配者に異議を唱えたアンドロイドは立ち上がる…
自分の描いた漫画の世界へ入り込むことで、矛盾点などか浮き彫りになり、夕自身が漫画の方向性に疑問を感じる。
夕のライバルであり、現役東大生・冠咲ホマレが出したエピソードゼロの思想も、漫画の世界に入らなければ受け入れられなかっただろうけど、柔軟な思想になったと思います。 -
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大山淳子さんの心温まるファンタジー小説ですね。
白猫タマオの一生を、タマオの目線で描かれた童話のような物語です。
これは白い猫の物語です。
少女に恋をしてしまった白い猫の物語です。
人間が猫に恋することはあっても、猫が人間に恋するなんて、普通じゃないです。
猫は猫にも恋しません。
猫が愛するのは自分だけです。
このお話は、できそこないの猫の物語です。
目次
第一章 世界をもらう
第二章 飛ぶ猫
第三章 京都へ行く
第四章 ひきこもり屋
第五章 イヴのすべて
第六章 雪のなか
大山淳子さんの物語には、底辺に生きる事の素晴らしさや、なぜ生きるかという使命感が有りますから、しっかりと読めます。
辛いこと、苦しい事は、人生に付き物です。それをしっかり受け止めてキャラクターが行動します。
『あずかり屋さん』でも、『猫弁』でも、タマオも自分を見つめながらお話を進めます。
少しせつない、それでいて心がほんわかと温まるファンタジーに心踊りますね(=゚ω゚=)