メアリー・シェリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレSFの起源と言われている本作、『標本作家』で登場したこともあり、手を取りました。ザ・いつか読みたいとは思っていたが、読んだことがなかった本。
そして読み進めていくうちに、おそらくほとんどの方が思われている「えこんな話だったの…?」「フランケンシュタインって博士側の名前なんだ笑」などなど、思いながら読み進めました。
正直、怪物に同情してしまって、なんというか煮え切らないフランケンシュタインおまえ!!と思ってました。怪物ぅう…そしてこれはある意味BLだなとも思いながら…
「だがすぐに…自分は死に、今感じることももう感じはしなくなる。燃えるようなこの苦悩ももうすぐ終わる。自分は意気揚々と火葬の山に登ってゆき、劫火の苦しみに凱歌をあげよう。大火の明かりはうすれゆき、自分の灰は風に乗り海へとさらわれてゆくだろう。わが魂は安らかに眠る、よしたとえものを思うとも、今のように思いはすまい。さらばだ」
こんな言葉を残して逝く人と、愚かにも自分が責任を負える範囲を超えたものに手を出す人、そして人類とでは、どちらが本当に怪物なのだろう?
人類の行く末を案じさせるような意味で、この本は紛れもなくSFだなと -
Posted by ブクログ
分類としてはホラーになるかもしれませんね
天才科学者 フランケンシュタインが、生命の真理を窮めて創りあげたものが怪物だった。やがて、知恵を持ち感情を持つことになる。
宗教色の強いこの作品は、キリスト教で言う創造物である人間を倫理を超えフランケンシュタインが名もない怪物・生命体を造ってしまった。それが是か否かは、わからない。
醜悪であるがゆえに、全ての人間に問答無用の如く忌み嫌われてしまう。やがて、怪物は自身を創造したフランケンシュタインに憎悪を抱き、復讐する事となる。
小説の著者 メアリー・シェリーは、パーシーやバイロンらと人造生命の可能性について語り合ったことが同作の着想のきっかけとなっている。そして同作品は二人の合作であり夫婦(メアリーとパーシー)です。
誰もがいう事だが、フランケンシュタインの名を知らぬ者はいないが、原作を読む者は欧米でもまれだそうです。それでもこの名が普及しているのは、ひとつには映画の影響、もう一つはSFの世界ではこの小説がH・G・ウェルズ以前の古典の一つに数え上げられているためであるという。
冒頭で「宗教色の強い」と書いたが、「種の起源」ダーウィンの進化論は神の否定につながり・・・云々。その点についての考察については、小説を読み個々で言及すればいいのではないかと思う。細かいことについて、いろいろと詮索すればかなり深い作品だと言えよう。その分読みごたえもあるということです。 -
Posted by ブクログ
最初は古典特有の心理描写が続いて話が進まず、昔の人の心理なので、共感できるとこも多くなく読みづらいと感じる。途中のエピソードも話の本筋に必要?と思ってしまうが、反対に分かりやすい軟派な文章ばかり読んでいるから、そう感じるのだろうなとも思う。
人造人間が主人公に再会する場面から話に引き込まれ、人造人間の主張に共感し憐れに思う。もっと若い頃に出会ったならば、もっと心に響き感じるところもあったかと思う。
主人公の弱さと身勝手さがよりこの話の悲しさを大きくしている様に感じるが、正義とは人の数だけあるよなとも思う。
話の構成としても面白く、フランケンシュタインとは聞くが、このような話とは知らず(人造人間の名前かと思っていた)読んで良かったと思う一冊。 -
Posted by ブクログ
随分長く、読まずに置いてあった本。アナキスト思想の著作のあるウィリアム・ゴッドウィンとフェミニストのメアリ・ウィルストンクラスト。30年前の学生時代にこの夫婦のことを習う。その授業の際、娘がフランケンシュタインの作者とほんのチョッと紹介された。
作者メアリは詩人シェリーと駆け落ち。バイロン達と過ごすうち、怪談話を書くことになる。
ヴィクター・フランケンシュタインはマッド・サイエンティストと程遠く、彼を見守る父、幼い時から一緒に育つ許嫁、心許す親友、愛らしい弟に囲まれ、自身も心優しく、知性に溢れた人間。
彼の生み出した怪物は、体は巨大であるが、敏捷で、寒さにも強く、木の実などで腹を満たすことができ、ある種、超人的。僅かの間に言葉と文字を習得し、「若きウェルテルの悩み」「プルターク英雄伝」「失楽園」を読みこなす知性も持つ。
物語はあくまで二者の憎しみの対立に成り立つ。フランケンシュタインのいるところ、現れる怪物。ドッペルゲンガーのよう。
二人は、怪物は自身の疎外について、フランケンシュタインは怪物によって喪失されたものの上に互いに憎しみ合う。終盤、怪物は自分の足跡を示しながら逃走する。そして、終わりに向かう。
職業作家の書いた作品ではないし、二百年近く昔の物語だし、まあ、すんなり納得しがたい処はある。しかし、結構読み耽ってしまった。なにより、頭の中のイメージと違う物語だったのが新鮮な驚き。