メアリー・シェリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フランケンシュタインって怪物を造った博士の名前だったんですね。知りませんでした。じゃあ、怪物の名前はというと名無しの権兵衛です(表現が古い?)
この権兵衛君は、こんな醜い生き物に俺を造りやがって!と博士を恨むんですが、博士を殺したのでは恨みがはらせないと、博士の親しい家族や恋人を次々と殺していってしまいます。殺しては、やーい、ざまーみろとばかりに逃げ回り、終いには南極まで逃避行、怪物を追った博士はあわれにも南極で息絶えます。
人から恨みを買うと後が怖いぞ〜、という古典的なお話でした。ある意味ゴシックホラーの傑作との評価は間違ってなかったです。
なんかけなしているような文章に -
Posted by ブクログ
ネタバレ1818年とは想像以上に昔の作品で驚いた。それでも古さを感じ無いし読みやすい。
フランケンシュタインと聞くとどうしても映画のイメージが先にきてしまって原作もB級ホラーなのかと思ったら全然違った。
命を生み出す側と生み出された側の心境の対比が物哀しい。
生み出す側はしっかり最後まで責任持たないと駄目だろう。そんなに醜悪な外見なら綺麗に整えてやればいいのに。自分が作ったものに対してこんなにも嫌悪感を示すとはなぁ。「なんでやねん、お前が作ったんやろが」とつっこまざるをえない。やはり創り上げたときは何かに取り憑かれていたのだろうか。
怪物の気持ちも痛いほど伝わってくる。心理描写や独白の場面は素晴 -
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フランケンシュタインといえばあの釘のささった怪物。
ではなかった・・・
生物学を究めた鬼才フランケンシュタインと、彼の創造した生物の物語。
人間であるフランケンシュタインの自己中心的な行動と、その手が作り出したものの極度な欲求のやりとりは、手の施し用のない魔のサイクル。
どちらの主張も、それぞれ立場で考えれば間違っていないのに、お互いにとって都合が悪いという、どうしようもなさ。
読んでいると気付くのは、これは今の社会そのものなのかな、ということです。
自分たちが手をつけたことに関して、なにか不具合を起こせばそれをフォローするために他の処置を施して、しかしそれによって他のものが犠牲になってい -
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ネタバレフランケンシュタインの名前は聞いたことがあるし、あの人造人間のイメージは馴染みがあるが、その由来となった小説は誰も読まない、らしい。
アンパンマンにさえ出てくるのに。
たまたま本屋で出会ったので、読んでみることにした。
まずしょーもないこととして、
フランケンシュタインって、あの怪物の名前じゃないんかよ!
(怪物を生み出した青年科学者の名前です)
一通り読み、まずはフランケンシュタインの無責任さにイラっとする。自分の力を過信して、生命を作ったらそれが醜いからって部屋に逃げ帰って放ったらかし。なかったことにするな!
で、大切な弟が怪物に殺されたと確信しているのに、無実のジュスティーヌが処刑さ -
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1994年にロバート・デ・ニーロ主演で公開された「フランケンシュタイン」
公開当時に劇場で観た後に原作を読んだ記憶
30年前に読んだ内容は記憶から綺麗に消えて、まるで新しい本を読んだ気分
映画と本がかなり違う印象を受けた事だけは記憶していた
世の中に溢れるフランケンシュタインのイメージは造られた怪物
しかし本当はフランケンシュタインとは怪物を造りあげた博士の名前
なぜこのような間違いがこんなにも世の中に浸透してるのかが不思議で仕方ないけど、きっと映画のせいですね
命を創り上げたい熱情に浮かされたフランケンシュタインは運悪く、奇跡的に成功してしまう
フランケンシュタインの物語は「命 -
Posted by ブクログ
全てが詰まってたし、新しく感じる。
古典はすげぇなぁ。
映画と全く違う。
・再生の構造は伏せられてる
錬金術を求めていたフランケンシュタインが科学に行き着く過程は時代によって信奉される基軸が変わっていく成り変わりを表現
そもそも別の主人公がフランケンを見つけ出すという過程の語り。幽霊譚。ラストで怪物が合流して初めて目視する。
名前さえもない怪物はここが元ネタになっていたし、彼が言葉を段々と覚えていく過程は『哀れなきものたち』の意味がよくわかるパート。
・めちゃくちゃ喋るのだけど、めちゃくちゃ喋れるからこそ切ない!1人目の少女は濡れ衣だったり、自分がどのような人生を送っていたか?を語るのが… -
Posted by ブクログ
〔フランケンシュタイン豆知識〕
・怪物の名前ではない
・怪物を創り出したフランケンシュタインはマッドサイエンティストの博士ではなく、大学生
・怪物が読んで感銘を受けた書籍は『若きウェルテルの悩み』『プルターク英雄伝』『失楽園』
・最初は北極を目指す冒険家の話、その中でフランケンシュタイン、その中で怪物の話という入子構造になっている
・怪物はあまり暴れない、知的で感性の細やかな人間の能力を超える存在。しかも動きが早い。確実に絞殺する。
・フランケンシュタインは怪物を創造した良心の呵責から現実逃避してばかりであまり天才という感じの人物ではない。結果、予想どおり周りの人を怪物に殺されまくる。
・今な -
Posted by ブクログ
フランケンシュタインや怪物が登場するたびに読書スピードが上がり、止められなくなる。
怪物の、「理解されたい」「愛されたい」という感情は本当に切実に胸に迫る。マイノリティどころではなく、ただ一人、生み出された怪物なのだから。
フランケンシュタインの、どうしようもなく利己的なところに憎しみと共感を覚える。自分のしでかした罪の深さと、自分の愛する人たちの死は別物に思え、自分のしたことは棚に上げて、悪魔を葬り去ることこそ使命だと復讐に燃える。
自分が「命さえ創造することが出来るのではないか」と思った時、自分で自分を止められるだろうか。
取り返しのつかない失敗をしてしまった時、自分も現実逃避してし