メアリー・シェリーのレビュー一覧

  • フランケンシュタイン

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     フランケンシュタインって怪物を造った博士の名前だったんですね。知りませんでした。じゃあ、怪物の名前はというと名無しの権兵衛です(表現が古い?)
     
     この権兵衛君は、こんな醜い生き物に俺を造りやがって!と博士を恨むんですが、博士を殺したのでは恨みがはらせないと、博士の親しい家族や恋人を次々と殺していってしまいます。殺しては、やーい、ざまーみろとばかりに逃げ回り、終いには南極まで逃避行、怪物を追った博士はあわれにも南極で息絶えます。
     
     人から恨みを買うと後が怖いぞ〜、という古典的なお話でした。ある意味ゴシックホラーの傑作との評価は間違ってなかったです。
     
     なんかけなしているような文章に

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    2017年08月15日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    1818年とは想像以上に昔の作品で驚いた。それでも古さを感じ無いし読みやすい。
    フランケンシュタインと聞くとどうしても映画のイメージが先にきてしまって原作もB級ホラーなのかと思ったら全然違った。

    命を生み出す側と生み出された側の心境の対比が物哀しい。

    生み出す側はしっかり最後まで責任持たないと駄目だろう。そんなに醜悪な外見なら綺麗に整えてやればいいのに。自分が作ったものに対してこんなにも嫌悪感を示すとはなぁ。「なんでやねん、お前が作ったんやろが」とつっこまざるをえない。やはり創り上げたときは何かに取り憑かれていたのだろうか。

    怪物の気持ちも痛いほど伝わってくる。心理描写や独白の場面は素晴

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    2011年06月22日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインというのは怪物じゃなくって怪物を作った人の名前だよというのは知っていたけれど、こんなロマンティックな小説だとは思ってもみませんでした。1818年に出版されたこのイギリス小説、肌触りがルソーの「エミール」に近いなあと思いながら読みました。両方とも教養を得るために「プルターク英雄伝」が使われていますし、ジュネーブつながりもあります。
    戯画化されて流布しているフランケンシュタインって、原作と全然違うのですね。
    読みたい本があまりないsonyのReaderですが、この本を買って読んだのは大収穫でした。

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    2011年01月25日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインといえばあの釘のささった怪物。
    ではなかった・・・

    生物学を究めた鬼才フランケンシュタインと、彼の創造した生物の物語。
    人間であるフランケンシュタインの自己中心的な行動と、その手が作り出したものの極度な欲求のやりとりは、手の施し用のない魔のサイクル。
    どちらの主張も、それぞれ立場で考えれば間違っていないのに、お互いにとって都合が悪いという、どうしようもなさ。

    読んでいると気付くのは、これは今の社会そのものなのかな、ということです。
    自分たちが手をつけたことに関して、なにか不具合を起こせばそれをフォローするために他の処置を施して、しかしそれによって他のものが犠牲になってい

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    2009年10月04日
  • フランケンシュタイン

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    誰しも一度はその名を聞いたことがあるであろう、まさに「不朽の名作」である本作。「生命の創造」をテーマの中心に据えて綴られる物語は、科学及びAIが急速に進歩する現代に対し、まさしく警鐘を鳴らしているように感じられる。つい最近のニュースで、いわゆるデザイナーベビーの誕生を防ぐための法整備が行われたことを知った。今作における博士と怪物のように、生命を創った側も創られた側も不幸に陥ってしまうことを考えると、この世に悪鬼が誕生しないことを心より願わんばかりである。

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    2025年12月07日
  • フランケンシュタイン

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    『フランケンシュタイン』を読んで特に印象に残ったのは、孤独と禁忌のテーマ

    ヴィクターは生命を創り出すという禁断の行為に没頭するあまり、家族や友人から離れ、精神的に孤立
    一方で、モンスターはその姿のために人間社会から拒絶され、深い孤独を抱える。
    この二人の孤独は悲劇を生む原動力となっており、人間の倫理や他者との関わりの大切さを考えさせられる。

    孤独や禁忌がもたらす悲しみと、人間としての責任の重要性を強く実感

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    2025年11月17日
  • フランケンシュタイン

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    悲しい話だった。
    医療が発達していろんな延命治療がある世の中と重なり、どこまでが良い治療なのか、エゴなのかってそのうちわからなくなりそうだなぁとぼんやり思った。

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    2025年09月23日
  • 新訳 フランケンシュタイン

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    世間一般に定着しているイメージと、本書を読み終わった時に抱くイメージが結構変わるんじゃないかと思う1冊

    元々「有名タイトルだけど内容を知らないから読んでみよう」という動機と、たまたまTwitterでとある方の自己解釈フランケンシュタインの怪物のキャラクターデザインを見かけたのをキッカケに読み始めました
    (映画やハロウィンでよく持たれているイメージと、原作本文からの描写のイメージをキチンと引用して書いておられる方でした)

    少し昔の文章なので、読み慣れるのには少し時間がかかるかもしれませんね

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    2025年06月17日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    フランケンシュタインの名前は聞いたことがあるし、あの人造人間のイメージは馴染みがあるが、その由来となった小説は誰も読まない、らしい。
    アンパンマンにさえ出てくるのに。
    たまたま本屋で出会ったので、読んでみることにした。

    まずしょーもないこととして、
    フランケンシュタインって、あの怪物の名前じゃないんかよ!
    (怪物を生み出した青年科学者の名前です)

    一通り読み、まずはフランケンシュタインの無責任さにイラっとする。自分の力を過信して、生命を作ったらそれが醜いからって部屋に逃げ帰って放ったらかし。なかったことにするな!
    で、大切な弟が怪物に殺されたと確信しているのに、無実のジュスティーヌが処刑さ

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    2025年04月12日
  • フランケンシュタイン

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    創作で出てくるような「フンガー」しか喋れないようなドシでノロマな怪物はそこにはなく、むしろその反対のような怪物が出てきたことに驚かされた。
    主人公に全く共感出来なさすぎたのと怪物が非行少年のような存在に見えてきたのも相まって怪物視点のみで作品を完遂させた方がよかったのではないか?とすら思った。
    虐待やDVで騒がしい昨今、この本に再びスポットが当たっても良いのではと思う内容だった。

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    2025年02月24日
  • フランケンシュタイン

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    1994年にロバート・デ・ニーロ主演で公開された「フランケンシュタイン」
    公開当時に劇場で観た後に原作を読んだ記憶

    30年前に読んだ内容は記憶から綺麗に消えて、まるで新しい本を読んだ気分

    映画と本がかなり違う印象を受けた事だけは記憶していた

    世の中に溢れるフランケンシュタインのイメージは造られた怪物

    しかし本当はフランケンシュタインとは怪物を造りあげた博士の名前

    なぜこのような間違いがこんなにも世の中に浸透してるのかが不思議で仕方ないけど、きっと映画のせいですね

    命を創り上げたい熱情に浮かされたフランケンシュタインは運悪く、奇跡的に成功してしまう

    フランケンシュタインの物語は「命

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    2025年01月09日
  • フランケンシュタイン

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     伝説的怪物の出る、フランケンシュタインを読み終えました。好きな漫画家がこの作者を題材に作品を書いていて、友達も読んだというので読んで見ました。内容は悲しみに満ちていて、色々な歯車の掛け違いが最終的な結末になるのだなと思いました。恐怖というより、悲壮。フランケンシュタインは怪物の想像主で、このフランケンシュタインの作者は女性であるということに驚きました。漫画を読んだ時に驚きました。

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    2024年11月25日
  • フランケンシュタイン

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    全てが詰まってたし、新しく感じる。
    古典はすげぇなぁ。

    映画と全く違う。

    ・再生の構造は伏せられてる
    錬金術を求めていたフランケンシュタインが科学に行き着く過程は時代によって信奉される基軸が変わっていく成り変わりを表現
    そもそも別の主人公がフランケンを見つけ出すという過程の語り。幽霊譚。ラストで怪物が合流して初めて目視する。
    名前さえもない怪物はここが元ネタになっていたし、彼が言葉を段々と覚えていく過程は『哀れなきものたち』の意味がよくわかるパート。
    ・めちゃくちゃ喋るのだけど、めちゃくちゃ喋れるからこそ切ない!1人目の少女は濡れ衣だったり、自分がどのような人生を送っていたか?を語るのが…

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    2024年09月14日
  • フランケンシュタイン

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    主人公のだらしなさにイライラした‼️
    それだけ作品に引き込まれたんだと思う
    解説は長過ぎる‼️
    歯応えがかなり有る作品

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    2024年07月02日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    人は鏡、不気味の谷現象、というワードが浮かんだ。神話の落とし込みが面白い。人は神にはなれぬという事を訴えてくる作品。
    創り出したものに対しての責任、同類への責任。今を生きる私たちもまた無意識に、または好奇心に誘われて突きつけられてしまう問題かもしれない。

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    2024年06月11日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインとは、怪物のことではなかったのか。

    怪物を生み出したのだから、人間であり、怪物でもあるのか。

    周りはこうなのに自分はどうだ、
    それは不幸の道に足をかけてしまっている証だ。

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    2024年03月20日
  • フランケンシュタイン

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    〔フランケンシュタイン豆知識〕
    ・怪物の名前ではない
    ・怪物を創り出したフランケンシュタインはマッドサイエンティストの博士ではなく、大学生
    ・怪物が読んで感銘を受けた書籍は『若きウェルテルの悩み』『プルターク英雄伝』『失楽園』
    ・最初は北極を目指す冒険家の話、その中でフランケンシュタイン、その中で怪物の話という入子構造になっている
    ・怪物はあまり暴れない、知的で感性の細やかな人間の能力を超える存在。しかも動きが早い。確実に絞殺する。
    ・フランケンシュタインは怪物を創造した良心の呵責から現実逃避してばかりであまり天才という感じの人物ではない。結果、予想どおり周りの人を怪物に殺されまくる。
    ・今な

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    2024年03月02日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインや怪物が登場するたびに読書スピードが上がり、止められなくなる。

    怪物の、「理解されたい」「愛されたい」という感情は本当に切実に胸に迫る。マイノリティどころではなく、ただ一人、生み出された怪物なのだから。

    フランケンシュタインの、どうしようもなく利己的なところに憎しみと共感を覚える。自分のしでかした罪の深さと、自分の愛する人たちの死は別物に思え、自分のしたことは棚に上げて、悪魔を葬り去ることこそ使命だと復讐に燃える。

    自分が「命さえ創造することが出来るのではないか」と思った時、自分で自分を止められるだろうか。
    取り返しのつかない失敗をしてしまった時、自分も現実逃避してし

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    2023年05月21日
  • フランケンシュタイン

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    映画未見。断片映像でちょっとみたことあったくらいだから読んだときにこんなに怪物に知能があるのかと驚いた。
    愛されない怪物かわいそ…勝手に映画の映像でB級ホラーかと思っていたが全然違う

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    2023年05月07日
  • フランケンシュタイン

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    廣野由美子著『批評理論入門』を読むために、まずテクスト『フランケンシュタイン』を。創造者フランケンシュタインの身勝手によって、不幸な生を生きることを強いられた怪物の姿が哀切。北の氷原を犬橇を操りながらフランケンシュタインの追跡から逃れている日々こそ、誰からも愛されず関心を持たれなかった怪物にとって幸せな日々だったのではあるまいか、と思わされた。こんな傑作を弱冠二十歳の女性が書いたのか! さあ『批評理論入門』読むか。

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    2023年04月01日