メアリー・シェリーのレビュー一覧

  • フランケンシュタイン

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    この作品をもっと面白く読むために、同時に中公新書の「批評理論入門」を読むことをおすすめします。このテクストにこんな意味がこめられていたのか、と驚くこと間違いなし

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    2009年10月04日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインといえば、自分の世代では『怪物くん』かなぁと思います。ふんがー。名前はフランケン。
    という刷り込みで育っているので、本来の物語ではフランケンシュタインは怪物を創造した科学者の名前で、怪物には名前がないと知った時は驚いたものです。この怪物が登場する作品のほとんどが、ふんがーの造形に近いのは、ホラーとしての需要が高いからなんでしょうね。初の映像化の時点で、この造形だったという話だった気がします。

    原典であるこちらを読んで何より驚いたのは、怪物の知性の高さと、フランケンシュタインの無責任さ。

    これも後世の様々な作品の影響かもしれませんが、狂気の科学者フランケンシュタインという

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    2025年09月20日
  • フランケンシュタイン

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    読もうと思ったきっかけは
    「女の子のための西洋哲学入門」
    第9章「技術一経験と媒介された現実」にて
    引用されていたから。

    まず、さきに挙げた本に照らして読むのであれば、人工知能がもたらす害(善として行われる中にある害というべきかも)についての警鐘のように読むことができる。
    無邪気にそれを手足のように用いることについてや、ヴィクター側、つまり産み出した側の「倫理観」の欠如など。
    現代であればクローン技術や、豚の内臓をヒトに移植すること、今では当たり前に行われる人工授精、AIのアルゴリズム。
    また、ルッキズムと差別の極致でもある、といえるかもしれない。美しい内面には美しい容姿が備わって然るべき

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    2025年06月11日
  • フランケンシュタイン

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    作者の自分語りに始まり、フランケンシュタインでも怪物でもない第三者の話が延々続くかと思ったら、お二方が犬橇で登場。当時としては妥当な移動手段なんだろうけど、怪物が犬橇ってのは気が抜ける。
    自己中心的で異様に考えの浅いフランケン、冗長な観光描写、面白くなりそうな怪物創造過程は「頑張ったらできました」程度。
    こんななのに、排斥され追い詰められた怪物の独白だけが異様にリアル。ほんとに20歳で書いたのか?

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    2025年03月21日
  • フランケンシュタイン

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    『世界こわい話ふしぎな話傑作集1イギリス編ーーフランケンシュタイン』
    山主敏子訳・文

    『危険な世界史』から読みたくなって。


    いのちを与えたことでなく、それが醜いものであったことで招いた悲劇。
    そう、ただの容姿の問題。

    つくった"それ"は恐ろしいことをしでかしたが、そうさせた考えは、先天的なものでなく、つくられた後に不幸であったから。
    醜く、誰からも愛を受けなかったから。

    それはビクター・フランケンシュタイン、つくった本人も認めているのに恐怖や怒りに負け、ヤツとの約束も破る。
    そして悲劇が加速されてしまったのだった。

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    2024年08月26日
  • フランケンシュタイン

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    1818年出版ってことにまず驚いた、そんなに昔の作品なんだ。翻訳がいいのかそこまで古さは感じないで読めた。

    古典モンスターホラーのイメージだったけど、それは映画版のイメージのようで、原作は怪物に同情しかできない悲劇だった。

    怪物を作ったフランケンシュタインがメンタル弱弱のくせに無駄に行動力はあって、でも自分の事しか考えていないから周りに不幸を振り撒くのが最悪。

    むしろ怪物の方が冷静でフランケンシュタインに正論を吐いて説教し、更には建設的な提案もする。それでも見た目の醜さから全てを否定され結果として誰もが損をする展開に至る。

    生命を創造することの責任、差別と偏見の愚かさなど現代でも通じる

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    2024年02月11日
  • フランケンシュタイン

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    初めてちゃんと作品読んで、
    ストーリーってこういうのなんだ
    って知った。

    海外翻訳は、読むのに倍以上時間かかる。
    結構疲れるんだよね、
    翻訳家にもよるんだろうけど、
    読みやすかった方だと思う。
    だらだら長いけど。

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    2022年07月24日
  • 新訳 フランケンシュタイン

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    200年前の小説は、表現が大袈裟に感じるところもあって、読み始めは少ししんどいけれど、読み慣れてくると、豊かな表現にリズムが乗ってきて、心地よかった。命を生み出すことでの苦悩が描かれているが、何かを構築したり生み出したりすると、そこに責任が生まれ、生み出した人それぞれに苦悩することもあるなと思った。それにしても、現代では隠れ住むことも難しいだろうな。

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    2021年12月05日
  • フランケンシュタイン

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    訳が、中学生の英語の授業のような直訳で目が滑る…
    さて、日本人の感性だと怪物の方を応援したくなること必須なのではないだろうか。ヴィクトルが屑過ぎて理解に苦しむ。
    化け物はどっちだよ。

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    2020年01月31日
  • フランケンシュタイン

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    この本は、人並以上の知性、情動、身体能力を持ちながら、その醜さゆえに人々に恐れられながら暮らしていた

    怪物の話です。
    怪物は、人間のように悩んだり、葛藤したりして、過ごしている。また、自らの存在に苦悶する孤独な状況下で生活をしている。
    ちなみに、フランケンシュタインは怪物の名前ではなくて、科学者の名前です。

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    2015年11月20日
  • フランケンシュタイン

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    率直に言うと、ストーリーとしては然程「面白い」というわけではない。寧ろ似たような話をどこかで見たことがあるかな、という感覚があった。
    しかし、これが19世紀に書かれた小説である、ということに思い至って、改めて驚いた。
    「似たような話を見たことがある」ではなくて、「似たような話がいくつも作られている」というのが正解だった。

    「SFの元祖」と言われるこの作品が、幾つもの小説や映画といった物語の雛形になっていることは言うまでもない。
    実際、私も『屍者の帝国』からの流れでここに行き着いたわけだし。
    「ヴィクターが創り出した『怪物』とはいったい何なのか?」ということがこの小説の最大のカギなのだろうけれ

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    2013年01月06日
  • フランケンシュタイン

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    「アルジャーノンに花束を」を読んだら、こちらを読みたくなったので数年ぶりに再読。
    人が手を加えてはいけない一線を越えてしまった部分が共通していたからだと思います。
    特にこの作品は人工物である怪物と対比するように描かれる自然の美しさや厳しさに凄みを感じるので
    余計に人間が踏み入れてはいけない領域だったと思わされます。


    初めて読んだ時も、2度目の今回も怪物に同情しながら読みましたが、
    怪物が目の前に現れた時にとった人々の行動は、自分に置き換えて考えると否定できません。
    それでも怪物が弁舌に長けていたのではなく、本当は愛情深い性格なんだと思ってしまうし…矛盾。

    「人は見かけによらず」と言い切っ

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    2012年09月28日
  • フランケンシュタイン

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    この小説を読んだ人は誰でも、怪物に同情するだろう。
    しかし、では現実の人生で、醜い人を愛せるだろうか?
    醜い人から受けた愛に報いることができるだろうか?
    「醜い」ということの存在が、この世界において、何よりもホラーなのだ。

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    2012年02月12日
  • フランケンシュタイン

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    2011.12.01
    授業で扱っています。
    「フランケンシュタイン」という言葉は知っていても、はたしてどれだけの人がちゃんと「フランケンシュタイン」を知っているのか・・・
    フランケンシュタインって怪物の名前じゃないんだよ、作った化学者の名前なんだよ。
    そして、怪物も私のイメージでは継ぎはぎだらけでネジとかも刺さってて、大きな屋敷に他の怪物と住んでるってイメージだったけど(ハロウィンとかにイラストにある感じ)、全然違った。

    作者のメアリー・シェリーは、19歳の時にこれを書いたんだよな。考えられない・・・
    読んでてハッピーになる感じではないよね。

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    2011年12月18日
  • フランケンシュタイン

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     終始「ヴィクトルてっめえ……!」と思いながら読みました。創った人造人間がグロかったから思わず逃亡→戻ったらいなくなってて「やったー!」→と思ったら人造人間に弟殺されて「おのれ……!」ってお前。悲劇の原因って怪物じゃなくて育児放棄じゃねえか!
     生理的嫌悪はどうしようもないもんだけど、フランケンシュタイン・コンプレックス(被造物が創造者に逆らう危険性を盲信すること)って言い得て妙だったんだなあ。元ネタだから当たり前だけど、怪物に対するヴィクトルの態度がまんまだ。被造物が邪悪だったから創造者に逆らったネタが多い中で、元ネタであるこれが被造物を邪悪と描いていないのは何だか皮肉だなあ。
     解説による

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    2011年08月14日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    誰もが知っているフランケンシュタインという名の怪物の原作です。実はフランケンシュタインというのは怪物の名前ではなく怪物を創り出したある学生の名前なのです。読んでみるとこの怪物はもともとは心の優しかったのですが醜い姿のため創造主であるフランケンシュタインにも怖がられ憎まれ誰ひとりとして彼を愛してくれる人はいないのです。フランケンシュタインがものすごく横暴な人だと思うかもしれませんが彼はとても人間らしくあるときは情熱に燃え、あるときは自分の罪に苦しみ。あるときはすべてから逃げようともします。いやそれどころか、常に優しく、愛し合う人のいる一般人以上の人だったでしょう。怪物は自分が受けた苦しみをフラン

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    2011年07月01日
  • フランケンシュタイン

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    とにかく考えさせられるものが多いと感じた.

    我々は生命を創造してもよいのだろうか?
    創造した生命を無責任に放置してもよいのだろうか?
    生命に心(理性や知能)が宿ったときそれを処分することに倫理に反しないのか?

    生命とは手に触れて温度があるものだけなのだろうか?(コンピュータ上などの仮想的に創造された生物にも当てはまるのではないのだろうか?)

    本当にいろいろと考えさせられます.

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    2011年03月05日
  • フランケンシュタイン

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    モンスターを作るまでの具体的描写ってまったくないのだね。それと、モンスターといってもものすごいインテリで、「失楽園」「プルターク英雄伝」「若きウェルテルの悩み」を読みこなしたりしている。いくら頭良くても、生まれると同時にそれだけの理解力を身につけるとは考えにくいのだが。
    いわゆるフランケンシュタインのイメージがもっぱら映画によって作られたものを確認。原作はかなり理屈っぽい。

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    2010年09月12日
  • フランケンシュタイン

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    怪力・愚鈍な人造人間ではない求めて止まない人間の愛の物語
    これ、ホラーやアクションではなくメロドラマ

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    2009年10月07日