永井淳のレビュー一覧

  • 呪われた町 下

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     舞台設定や人物相関の深堀りから一転、不吉な事件を経て町に現れる甦る死者達と立ち向かう主人公達の構図が徹頭徹尾恐怖を掻き立て、滅び行く町の姿と相まって面白さが加速していく、まさに『恐怖の帝王の本領発揮』の名に恥じない名作だった。

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    2025年09月22日
  • 呪われた町 下

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    小野不由美さんの『屍鬼』を読んでから、ずっと読みたかった『呪われた町』、とても面白かった。一つの町がじわじわと滅亡に向かって進んでいくのが怖く感じました。

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    2025年07月28日
  • 呪われた町 下

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    キングは何冊か読んでますが、長編ではこれが一番お気に入りになりました。
    だいたいキングの長編は前半にためにためたエネルギーを後半に向けて開放するジェットコースターみたいな構造になってますが、今作ではそのジェットコースターが本当に底知れず、どこまでいっても止まりそうにない恐怖感が本当に素晴らしかったです。
    モダンホラーの定義は諸説あると思いますが「隣に越して来た人が何者なのかわからない」というのも一つの要素だと思います。今回は吸血鬼伝説をどうモダンホラーにするか。ゴシックホラーからモダンホラーへの飛躍をどうするかということだと思いますが、このハードルも見事に飛越していたと思います。
    そして、この

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    2024年11月08日
  • カリブ海の秘密

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    西インド諸島という場所がもたらすリゾート感、様々な個性ある登場人物というアガサ・クリスティらしい舞台設定にて、テンポよく物語が展開していく。年老いて更にズル賢く?なったミス・マープルもなかなかチャーミングで上手く物語が進行していく。

    ミス・マープルを中心に会話主体で本当にテンポが良く一気に読み進める。そしてラストも…これが74才の作品とはびっくり。キャリアとしては晩年だと思うが、自身の過去の名作にも引けを取らない作品を生み出すとは流石です。

    リゾート地で女性は美女揃いのようなので映像化にはぴったりですね。映画の方も観てみようかな。

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    2024年04月30日
  • 呪われた町 下

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    上巻の前半くらいまでは町の人々の描写に多くを費やされるが、下巻は一気に物語が動く。いち早く不審死の原因に気づいた主人公たちはチームで敵に挑もうとするが…。登場人物が多いのに巧みな構成で上手く捌いている。終盤に向けて物語が尻上がりに盛り上がっていくのもうまい。

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    2024年04月28日
  • 呪われた町 上

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    丘の上から街を見下ろす荒れ果てた館。そこに新たな住人が来て以来、街では人知れず不審死が続発する。怪しい住人の正体は?謎が深まる展開にグイグイ引き込まれる。

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    2024年04月28日
  • カリブ海の秘密

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     クリスティ作品の中で最も完成度が高く、読んでいて心地よい作品。今作と「復讐の女神」は連作になっている。復讐の女神とは今作中において、大金持ちのラフィールがマープルから夜中に叩き起こされるシーンでマープル自身の形容について冗談の様に言った事なのだが、復讐の女神(メネシス)に似ても似つかない様がずっとラフィールの印象に残ったのだろう。次作のタイトルが「復讐の女神」である事も鳥肌物で、今作の完成度がずば抜けて凄いと感じてしまう要因の一つだ。
     更に巻末を見て驚いたが、今作は三部作構成の計画があったという事だ。クリスティが亡くなり実現しなかったという事らしいが英題まで決まっていた様で物凄く残念だ。願

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    2023年09月28日
  • 呪われた町 下

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    もしアメリカのスモールタウンに吸血鬼が現れたら…?というアイデアから生まれた作品。

    田舎の人間関係が丁寧に描かれていて、
    かつ丁寧に生活が壊されていく様子がリアル。

    でも吸血鬼伝説に準えたファンタジー的な対処法が
    実際に効いてるのが対照的で面白い。
    登場人物も魅力的で良かった。

    そして、書評が最高に面白かった。
    サバイバル映画だと思って見たら
    苦手なゾンビ出てきて、夜寝れなくなった
    「アイ・アム・レジェンド」に実は原作があって、
    本当は吸血鬼もので50年前以上に刊行されてて、
    キングの呪われた町に影響を与えていたと、、、
    知ってるものがリンクする感覚たまらん、、

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    2023年01月01日
  • 呪われた町 下

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    下巻の展開が面白くて上巻の3倍のスピードで読めた。

    上巻でワクワクさせて下巻で一気に読ませる。物語は下巻で一気に進む。
    上巻の感想にも書いたが、ぜひ上巻で読むのを諦めないでほしい。

    ホラー作家らしく展開に容赦はない。
    上巻で登場した魅力的な人物も、結構バタバタと死んでいく。
    一つの町が死んでいく様子を描いた作品。

    ある邪悪な存在によって町が滅ぼされようとしている状況について、さまざまな価値観の人の、いろいろな考え方がある。

    医者なら、「急に貧血で死ぬ人が増えた」ことや
    警察官なら「行方不明者が急増している」「死体が消えてしまう」、
    町の少年は「夜な夜な行方不明になった友達が家を訪ねてく

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    2022年12月03日
  • 少年

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    大好きなロアルドダールを久しぶりに読みました。
    何故か今まで読んでいなかった‥‥子供時代の経験が作品に影響したことがよく分かる本でした。

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    2022年08月16日
  • 呪われた町 下

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    ネタバレ

    面白かった。

    マークが聡明すぎるし、出来すぎる。子供に頼りすぎでは?と思ったが戦力が乏しいので仕方ないし、マークが頼れるキャラだったしで、話が進んだ。

    吸血鬼に支配されると、恍惚とした状態になる描写が面白かった。クレイジーだ。
    異変に対して、どう説明するかで、信じてもらいたいのに取り合ってもらえないというもどかしさはあったけど、今までそういうの散々見てきたおかげで苛立ちはしなかったし、医者のジニーさ結構すんなり仲間になってくれたので良かった。

    『屍鬼』で見たなこれ、とか、『アンダー・ザ・ドーム』でもあったなこれ、という既視感があり楽しめた。
    話の進め方というか仲間の増え方は「ミスト」を思

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    2022年05月31日
  • 呪われた町 上

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    ネタバレ

    『屍鬼』と『アンダー・ザ・ドーム』を通っていたおかげで読めた。キャラ多い。登場人物の表もっと欲しかった。全員載せてくれ。

    その後の二人から始まるので、結末をある程度知って読めたのも良かった。この人は生き残れるのか、とか。答え合わせのようで楽しめる。

    翻訳はそこまでつまずくことなく読めた。古くさすぎるとは思わなかった。この単語(車の名前とか)知らんというのはあったけど。あすこ、と表記したり、読みは同じでも古い漢字の熟語(刺激の戟とか)を使ったり、妻の名前はアマンダなのかミランダなのか混乱したりしたけど。
    ひどくはない。
    1975年のキングの作品だしなあで読めた。キングの文章に慣れていたので、

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    2022年05月31日
  • 呪われた町 下

    購入済み

    これを越える吸血鬼作品 教えて

    本作を読んだのは2回目 最初は紙の文庫本だった 映像作を見てから読んだ 何年前だったか覚えていない そのあと吸血鬼物に興味が出て 何冊か読んだけど 結局最後まで読んだ物はなかった 呪われた町を越えないから 途中で飽きてしまう 電子書籍で再度読んでみた 難なく最後まで読んだ

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    2021年10月16日
  • 呪われた町 上

    購入済み

    モダンホラーは活字で

    映画もいいが モダンホラーは活字が面白いと思う キングの作品は特にそう思う 映像化された作品が多い作家さんだが 活字を越えた映像作品はあっただろうか 題材は星の数ほど扱われたものだが キングが書くと 「見てきたのか? 」と思ってしまう

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    2021年09月15日
  • カリブ海の秘密

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    マープル
    翻訳の永井淳氏って聞いたことあるなーと思ったらジェフリーアーチャーを担当していた方だった。懐かしい。
    始まりは何となく退屈な感じ(マープルが退屈な話を聞かされてるから当たり前)だったけれど、最後は畳み掛けるような面白さだった。いつものように私が怪しいと思った人は全然関係なかった。ラフィール氏も登場した時とラストでは全く印象が変わった。それにしてもリゾート地での療養をプレゼントしてくれる甥がいるなんて羨ましいなあ。マープルシリーズの未読は3冊になり寂しい。

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    2021年05月26日
  • 呪われた町 上

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    (上下巻通した感想です)

    スティーヴン・キングの初期の代表作と言われている作品、ようやく読みました。本作を意識して『屍鬼』を描いた小野不由美さんが帯にコメントを寄せているのがいかにもって感じでいいですね。約50年前の作品ですが、現代の物語としてもほとんど違和感なく読めます。脇役として登場する人物が非常に多いですが、彼ら彼女ら一人一人にちゃんと物語を用意しているのはさすがだと思いました。
    とはいえ、別に『屍鬼』を指した話ではないのですが、なんだかんだ設定に既視感を覚えるところがあったのも事実。ただしこれは本作発表後に、多くの作家によってこの名作が模倣されたことの裏返しなのかもしれません。

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    2021年01月31日
  • 単独飛行

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    いつ買ったのか正確に覚えていないが、家にあったので読んでみた。
    挟まれた栞を見る限り、品川駅で買ったみたいなので、新幹線に乗る前の旅情に釣られて買ったんだろう。

    戦時中の話ではあるが、重苦しさはなく、旅行記を読んでいるような感じ。
    常に自分の中のギリシャやパレスチナでの思い出、というか空気や匂いや喧騒が、頭の中で感じられて、とても心地よく、旅立つ前のワクワク感を楽しみながら、読むことができた。

    『少年』も読んでみよ。

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    2017年09月28日
  • 野獣死すべし

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    ネタバレ

    ナイジェル・ストレンジウェイズ・シリーズ

    息子マーティンをひき逃げで殺されたフィリクス・レイン。犯人を探すために接近した女リーナ・ロースン。彼女の義兄ジョージに疑いを持ったレイン。ジョージを殺すために計画を立てるレインの日記。次第にリーナに魅かれていくレイン。家庭の暴君ジョージに辛く当られる妻ヴァイオレット、息子フィル。家を守ろうとするジョージの母親ラタリー老婦人。船に乗せて溺死させようとするレインの計画。計画直前にジョージから日記を弁護士に送ったと告げられ計画を中止したレイン。中止した日にストリキニーネで毒殺されたジョージ。日記に隠された秘密。ナイジェルの捜査。

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    2013年04月23日
  • 単独飛行

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    20世紀初頭の飛行機乗りの自伝。当時の人がみんなそうなのか、この著者が特別なのかわからないが、すべての人が慈愛に満ちている。
    まさに古き良き時代を感じる名著。

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    2013年03月19日
  • 野獣死すべし

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    すごい。
    ミステリとしても出色の完成度だけど、文学としても十分鑑賞に値する。
    主要テーマは物語中盤、食事時にかわされた会話にあると思う。
    そのテーマをめぐるいろんな人のいろんな葛藤、そして最後のあまりに悲しい結末。

    だけど結末が絶望的であったがゆえに、そこに残ったわずかな希望がより輝いて見えるような気がする。
    読後感は、なんだか映画『トラフィック』を観た後の感じとよく似ていた。

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    2013年03月05日