永井淳のレビュー一覧
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キングは何冊か読んでますが、長編ではこれが一番お気に入りになりました。
だいたいキングの長編は前半にためにためたエネルギーを後半に向けて開放するジェットコースターみたいな構造になってますが、今作ではそのジェットコースターが本当に底知れず、どこまでいっても止まりそうにない恐怖感が本当に素晴らしかったです。
モダンホラーの定義は諸説あると思いますが「隣に越して来た人が何者なのかわからない」というのも一つの要素だと思います。今回は吸血鬼伝説をどうモダンホラーにするか。ゴシックホラーからモダンホラーへの飛躍をどうするかということだと思いますが、このハードルも見事に飛越していたと思います。
そして、この -
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クリスティ作品の中で最も完成度が高く、読んでいて心地よい作品。今作と「復讐の女神」は連作になっている。復讐の女神とは今作中において、大金持ちのラフィールがマープルから夜中に叩き起こされるシーンでマープル自身の形容について冗談の様に言った事なのだが、復讐の女神(メネシス)に似ても似つかない様がずっとラフィールの印象に残ったのだろう。次作のタイトルが「復讐の女神」である事も鳥肌物で、今作の完成度がずば抜けて凄いと感じてしまう要因の一つだ。
更に巻末を見て驚いたが、今作は三部作構成の計画があったという事だ。クリスティが亡くなり実現しなかったという事らしいが英題まで決まっていた様で物凄く残念だ。願 -
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もしアメリカのスモールタウンに吸血鬼が現れたら…?というアイデアから生まれた作品。
田舎の人間関係が丁寧に描かれていて、
かつ丁寧に生活が壊されていく様子がリアル。
でも吸血鬼伝説に準えたファンタジー的な対処法が
実際に効いてるのが対照的で面白い。
登場人物も魅力的で良かった。
そして、書評が最高に面白かった。
サバイバル映画だと思って見たら
苦手なゾンビ出てきて、夜寝れなくなった
「アイ・アム・レジェンド」に実は原作があって、
本当は吸血鬼もので50年前以上に刊行されてて、
キングの呪われた町に影響を与えていたと、、、
知ってるものがリンクする感覚たまらん、、 -
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下巻の展開が面白くて上巻の3倍のスピードで読めた。
上巻でワクワクさせて下巻で一気に読ませる。物語は下巻で一気に進む。
上巻の感想にも書いたが、ぜひ上巻で読むのを諦めないでほしい。
ホラー作家らしく展開に容赦はない。
上巻で登場した魅力的な人物も、結構バタバタと死んでいく。
一つの町が死んでいく様子を描いた作品。
ある邪悪な存在によって町が滅ぼされようとしている状況について、さまざまな価値観の人の、いろいろな考え方がある。
医者なら、「急に貧血で死ぬ人が増えた」ことや
警察官なら「行方不明者が急増している」「死体が消えてしまう」、
町の少年は「夜な夜な行方不明になった友達が家を訪ねてく -
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ネタバレ面白かった。
マークが聡明すぎるし、出来すぎる。子供に頼りすぎでは?と思ったが戦力が乏しいので仕方ないし、マークが頼れるキャラだったしで、話が進んだ。
吸血鬼に支配されると、恍惚とした状態になる描写が面白かった。クレイジーだ。
異変に対して、どう説明するかで、信じてもらいたいのに取り合ってもらえないというもどかしさはあったけど、今までそういうの散々見てきたおかげで苛立ちはしなかったし、医者のジニーさ結構すんなり仲間になってくれたので良かった。
『屍鬼』で見たなこれ、とか、『アンダー・ザ・ドーム』でもあったなこれ、という既視感があり楽しめた。
話の進め方というか仲間の増え方は「ミスト」を思 -
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ネタバレ『屍鬼』と『アンダー・ザ・ドーム』を通っていたおかげで読めた。キャラ多い。登場人物の表もっと欲しかった。全員載せてくれ。
その後の二人から始まるので、結末をある程度知って読めたのも良かった。この人は生き残れるのか、とか。答え合わせのようで楽しめる。
翻訳はそこまでつまずくことなく読めた。古くさすぎるとは思わなかった。この単語(車の名前とか)知らんというのはあったけど。あすこ、と表記したり、読みは同じでも古い漢字の熟語(刺激の戟とか)を使ったり、妻の名前はアマンダなのかミランダなのか混乱したりしたけど。
ひどくはない。
1975年のキングの作品だしなあで読めた。キングの文章に慣れていたので、 -
購入済み
これを越える吸血鬼作品 教えて
本作を読んだのは2回目 最初は紙の文庫本だった 映像作を見てから読んだ 何年前だったか覚えていない そのあと吸血鬼物に興味が出て 何冊か読んだけど 結局最後まで読んだ物はなかった 呪われた町を越えないから 途中で飽きてしまう 電子書籍で再度読んでみた 難なく最後まで読んだ
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購入済み
モダンホラーは活字で
映画もいいが モダンホラーは活字が面白いと思う キングの作品は特にそう思う 映像化された作品が多い作家さんだが 活字を越えた映像作品はあっただろうか 題材は星の数ほど扱われたものだが キングが書くと 「見てきたのか? 」と思ってしまう
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(上下巻通した感想です)
スティーヴン・キングの初期の代表作と言われている作品、ようやく読みました。本作を意識して『屍鬼』を描いた小野不由美さんが帯にコメントを寄せているのがいかにもって感じでいいですね。約50年前の作品ですが、現代の物語としてもほとんど違和感なく読めます。脇役として登場する人物が非常に多いですが、彼ら彼女ら一人一人にちゃんと物語を用意しているのはさすがだと思いました。
とはいえ、別に『屍鬼』を指した話ではないのですが、なんだかんだ設定に既視感を覚えるところがあったのも事実。ただしこれは本作発表後に、多くの作家によってこの名作が模倣されたことの裏返しなのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレナイジェル・ストレンジウェイズ・シリーズ
息子マーティンをひき逃げで殺されたフィリクス・レイン。犯人を探すために接近した女リーナ・ロースン。彼女の義兄ジョージに疑いを持ったレイン。ジョージを殺すために計画を立てるレインの日記。次第にリーナに魅かれていくレイン。家庭の暴君ジョージに辛く当られる妻ヴァイオレット、息子フィル。家を守ろうとするジョージの母親ラタリー老婦人。船に乗せて溺死させようとするレインの計画。計画直前にジョージから日記を弁護士に送ったと告げられ計画を中止したレイン。中止した日にストリキニーネで毒殺されたジョージ。日記に隠された秘密。ナイジェルの捜査。