永井淳のレビュー一覧

  • 飛行士たちの話

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    第二次大戦中、英国空軍に従軍した飛行士の話。並びはほぼ時代順だろうか。
    喜劇っぽい作品もあるが、全体的に戦死・負傷者を題材としているものが多いためダークな印象。とはいえ戦闘の描写も語り手の心中も淡々と語られるためか、そこまで悲惨な印象は受けない。それがかえって現実感を増しているかもしれない。
    何れにせよ、読後に何とも言えない余韻が残る作品だった。

    どうでもいいけど、カバーの戦闘機はドイツのフォッケウルフ190?

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    2012年09月08日
  • 飛行士たちの話

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    「チャーリーとチョコレート工場」のロアルド・ダールが紡ぐ
    第二次世界大戦を舞台にした飛行士たちのお話。

    飛行士のプライドとか、かっこよさとか、
    虚しさとか、絶望とか、使命感とか、ユーモアとか・・・
    いろいろ混ざり合っている短編集でした。

    彼らは、上からの命令ひとつで飛行機を飛ばし、
    ドイツやイタリアと戦って自分が死んだり、
    友人を亡くしたりします。

    そうゆうことが、とてもあっさりと書かれています。
    それがかえって不気味だったりもします。


    短編のひとつ「彼らは年をとらない」は、
    ジブリの「紅の豚」に出てくる雲の平原のエピソードに酷似。
    こちらのほうが後味が苦い。

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    2012年06月03日
  • 少年

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    敬愛するロアルド・ダールの少年時代の自伝。
    イングランドの学校、寄宿学校で横暴な教師や寮監、先輩らにひたすらに反抗する姿が描かれている。
    気に入らない生徒を簡単に鞭で打ったりしてた時代のおはなし。最後まで権力に屈しないで疑問を持ち続けるダールが良い。
    屈しないけどあからさまに反撃もせずにちゃっかり卒業してちゃっかりシェルの採用に受かる所は、要領良いけど。

    この経験が彼の作品に大きく影響しているのは明らか。「マチルダは小さな大天才」とか。
    正しい者が、痛快な方法で悪を打ち倒す物語。正直な者が最後には報われる物語。
    「チョコレート工場の秘密」には権力者という意味での分かりやすい悪は出てこないけど、貧しいけれど正直なチャーリーが最後に残る、という所はやっぱり正直者が報われる筋書きになってると思う。
    ワンカさんが善か悪かは何とも言えないけど……
    子供からみれば善の化身だろうけど。
    実はあまり好きになれないワンカさん。


    あとダールが子供時代に通ったお菓子屋さんの描写が詳しくあってわくわくした。リコリス・ブートレースだとかシャーベット・サッカーだとか、いかにも体に悪そうだけどわくわくするお菓子。
    言うまでもなくチョコレート工場のネタ元。
    でもお菓子屋さんの描写だけなら、「こちらゆかいな窓拭き会社」の冒頭部の方がわくわくする!
    窓拭き会社すきだー!


    なぜハヤカワ・ミステリ文庫から出ているのかだけが謎。続き(就職してから作家になるまで)もあるみたいだから読みたいなあ。

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    2011年01月05日
  • 呪われた町 上

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    序盤、中盤は街に住む人たちの話。
    当然名前がカタカナなので、誰が誰だか分かりづらかったです。
    読みすすめていくとだんだんと街の違和感が出てきます。

    小野不由美さんの屍鬼が好きなので、読んでみました。下巻がたのしみです。

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    2026年03月04日
  • カリブ海の秘密

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    ネタバレ

    久々にミス・マープルのシリーズ。ポアロに比べると地味な感じのイメージがするミス・マープルだけど、今回は舞台がカリブ海だし事件の展開も良く楽しめた。色んなヒントがまかれていたので、真相に気がつくことができたと思うけど全く犯人に気がつかなかった。最初は嫌な感じだったラフィール氏やジャクスンとかのキャラクターが良かったな~。続編もあるのでそちらを読むのが楽しみだ。

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    2025年12月16日
  • カリブ海の秘密

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     この話の後日譚を先に読んでしまったので、これはもう読まないと……そう考えて手に取った。本来は三部作の第一作で、第二作が私が先に読んでしまった『復讐の女神』第三作は作者であるアガサ・クリスティが亡くなったことで、世に出ることはなかったという……とても残念。
     導入部を読んで既視感があり、『ああ、多分十代の頃に一度読んでるなあ』などと思った。案の定大部分が忘却の彼方なので、犯人は当てられなかったし真相もお察しという。新鮮な気持ちで読めたという利点はあれど、そうとう私の記憶力はポンコツだなあなどと感じて切なくなった。とはいえ、まだ『あ、読んだことある』と気づいただけマシだと考えてもいる。
     導入部を読んだ十代の私は、ミス・マープルが人の話を随分と適当に聴いていた様子を見て、なんていい加減な人なんだろうと、ちょっとばかり嫌な気持ちになっていた。しかし、半世紀を生きて読み返すとむしろそれが礼儀で優しいように感じる。人の話を鵜呑みにしたり、真剣に100%の態度で聞き入るのは危険だし、ちっとも誠実ではない。相手のことを尊重するというのは、そういう行為ではない。
     アガサ・クリスティはこの話を73歳くらいで書いたそうで、しみじみとすごい人だなあ感動してしまう。彼女の著作はまだまだ未読のものが多い、ゆっくりと楽しみたいと思う。

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    2025年10月24日
  • カリブ海の秘密

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    マープルシリーズ
    タイトルに惹かれて購入したもの

    犯人像がころころ変わった
    もはや誰もが怪しく思え
    意外なところで着地

    ミステリだけど マープルは
    ハラハラ ドキドキしたりはしない
    私は。
    どこか のんびりと行く末を
    眺めている感じだ

    つくづく人間の精神は
    掴みどころがないと感じた
    それぞれの思惑が混在していた
    固定観念を捨てると
    見えてくるものがある
    イメージに縛られない
    柔軟性が必要だ
    人を信じるのは美しいことだけど
    真実を知るのは 苦しいことだ…

    この後 続編にあたる
    復讐の女神を読むつもり

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    2025年09月07日
  • カリブ海の秘密

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    犯人候補が多すぎる。
    性別さえも決め切れなくて絞り込むのが大変。
    誰も彼も怪しい。
    クリスティ作品で犯人当てに挑戦するのは無謀だったか。
    療養で訪れた西インド諸島で事件に巻き込まれたミス・マープル。
    積極的に探偵役を引き受ける彼女と偏屈屋ラフィールとのやり取りが面白い。

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    2025年05月05日
  • 呪われた町 上

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    「屍鬼」がインスパイアを受けた本と聞いて。確かに同じような話の流れ。いろんな人の目を通して、だんだん恐怖が近づいてくることを感じてゾクゾクする。近所にこんな人が引っ越してきたらどうしよう、自分事にすると余計楽しめるかも。

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    2025年02月15日
  • カリブ海の秘密

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    ネタバレ

    いや~今回も犯人は難しすぎ。療養のため奇麗で温かい西インド諸島を訪れたマープル。一週間は何事もなく穏やかに過ごしていた。彼女を相手に懐古談をしていたパルグレイブ少佐が亡くなって発見される。少佐に自分の妻殺しの内容を知られたと思った犯人の仕業とマープルは考える。ホテルの従業員の夫妻(ティムとモーリー)の使用人・ヴィクトリアも刺殺される。登場人物の夫婦達や金持ちのラフィール、その秘書、医師等怪しい者が多すぎて、犯人予想ができずに混乱。でも一応予想した、が、やっぱりハズレ。76歳のクリスティーの作品、完敗。③

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    2024年08月18日
  • 呪われた町 下

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    ネタバレ

    屍鬼で話の流れは知ってたからそこまで怖くはなかったけど、知っててもなお続きが気になる面白さだったし神父がやられる展開絶望感すごい…^^;

    暗くなってから外出歩くもんじゃないね。

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    2024年07月26日
  • 呪われた町 上

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    以前読んだ小野不由美さんの屍鬼がこれのオマージュ作品だと知り初スティーヴンキング。
    前半は特に何も起こらなくて退屈だけど後半から徐々に不穏な空気に…!!
    下巻が気になる!

    (最初は新種の感染症を疑っていた屍鬼と比べて「吸血鬼」に辿り着くのがめちゃくちゃ早い笑)

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    2024年07月20日
  • 呪われた町 上

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    ネタバレ

    伏線回収、というか、上巻冒頭の男と少年の関係が、ここまで読んでからわかってスッキリ。吸血鬼を倒す方法は定番の。

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    2024年06月10日
  • 呪われた町 下

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    ネタバレ

    なんか呪いとか街の立地とかで悪い気が溜まってるというような話かと思いきや、吸血鬼ものだった。明らかに怪しい人物がいて面白い

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    2024年06月10日
  • カリブ海の秘密

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    久し振りに読み返しました。続く[復讐の女神]、書かれることのなかった[Woman's Realm]三部作構想の第一部に当たります。おしゃべりのなかに情報を見いだすミス•マープルは健在です。ラフィール氏との関係が次の作品に繋がっていくところが、ちょっと粋な感じです。ミステリーとしては標準かもしれませんが クリスティの好きな作品のひとつです。

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    2024年05月12日
  • 呪われた町 下

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    初期のキングの名作なのでとりあえず読破。とはいえ、2000年以降のゆるい作品から入りハマっていった身としては、初期の純文学を目指すようなレトリックの多い文体は少々疲れてしまう。もちろんそれこそがキング印だし好みの問題だけど初期は濃密なのだ。それに加え、本作は脇の人物名が本当に多くいちいち立ち止まってしまった。私は集英社版で読んだけど、登場人物はあの倍は記載してほしかった。とはいえ、この冷徹な物語はまったく古びていない。それは凄い。

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    2024年02月16日
  • カリブ海の秘密

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    リゾート地で療養していたミス・マープル。そこで殺人事件が起きて。アガサ・クリスティーはミステリのトリックや設定もさることながら、魅力的な人物を創造するのがとても上手だ。

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    2024年01月22日
  • 単独飛行

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    人間の大地に続いて飛行機もの。
    この本の存在を知ったとき、「ロアルド・ダール?え、あの…?」とすごく驚いた。
    子供の頃、彼の書いた本が大好きだった。
    『チョコレート工場の秘密』、『マチルダは小さな大天才』、『魔女がいっぱい』など、内容はうろ覚えだけどその当時の読んでいて楽しかった記憶は今でも明確に覚えてる。

    ところがこの本は童話とは打って変わって戦争体験を書いた自伝。
    訓練ないまま飛行機操縦させられて死にかけたりなど、なかなか大変な目には遭ってるにもかかわらずなぜか作中に悲壮感みたいなものは一切ない。
    日本で「戦争もの」と言われると、個人的には大岡昇平の『俘虜記』や『野火』、最近のだと百田尚樹『永遠の0』とか重いのばっかが思い浮かぶので、結構新鮮だった。(戦争に勝った国と負けた国の違い!と言われたらそれまでなんだけど…)

    読み終わって改めて、もう一回あの頃好きだったロアルド・ダール作品を読み返したくなった。当時と同じようにはもう読めないだろうけど、きっとそれはそれで面白いんじゃないかと思う。
    彼の幼年期についての自伝『少年』も読んでみたい。

    あと、解説は宮崎駿。これもとてもいいのでぜひ。
    宮崎駿がこの作品を、というかロアルド・ダールを好きなの、解釈一致すぎて一人でうんうん頷いていた。笑

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    2023年12月22日
  • カリブ海の秘密

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    療養のためセント・メアリ・ミード村を離れて遥か彼方の西インド諸島を訪れたミス・マープル。
    そこは最早リゾートだからセント・メアリ・ミードのような人間関係は生じないかと思いきや、裕福な人間たちが限られた空間に集うわけだから根本的な人間模様は変わらない
    つまり噂も憶測も飛び交うお喋りの坩堝と化すわけだ

    ゴールデン・パーム・ホテルにてお喋りの代名詞となっている人物がパルグレイヴ少佐だね
    ミステリにおいて、口が軽い人間が殺される率は高いものだけど、彼もその例に漏れず
    ただ、この場合に厄介だったのは彼があまりにお喋りだったせいで皆が彼のお喋りを話半分にしか聞いていなかった事か

    誰も彼もまともに聞いてないのに、パルグレイヴ少佐はお喋りのせいで殺されてしまった
    マープルは人との会話からその人柄を読み取るのが得意なタイプだけど、肝心な人物の話が曖昧なものだから推理も上手く進まないという点が今回の事件の特徴かな

    また、もう一つの特徴を上げるなら、マープルの助手役となった人物が風変わりと云うか驚きの人物であった点だろうか
    マープルは療養に来るくらいには体の自由が効かない状態。おまけにポアロのように名探偵を名乗っているわけでもないから警察を自由に動かせもしない
    だから彼女の代わりに動いたり、考えを補佐する人物が必要となるわけだけど、まさかあの人物がマープルの助けになるとは思わなんだ
    マープルの推理力に感激し協力的になる人物は数あれど、あのような姿勢から協力的になった人物はかなり珍しいんじゃなかろうか?


    あと、特徴と言える程のものではないけど、あとがきで言及されているように、本作はマープルの柔軟な姿勢が目立って居るね

    ゴールデン・パーム・ホテルでは知り合いがいるわけでもなく、むしろ彼女と年の離れた人物ばかり。夕食時にはスチール・バンドが鳴り響くなど彼女向けの環境とは言い難い
    それでもマープルはその環境を楽しもうと自分の言い分を他所において、全く異なる生き方をする人物の話に耳を傾けるし、スチール・バンドも好きになろうと努力する

    そういった控えめな積極性が噂をかき集めなければ真実に到達できない事件の解決へ近づく助けとなっていると読み終わると判るね

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    2023年10月10日
  • 呪われた町 下

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    夏はホラーと意気込んで読み始めるものの、少し違うと下巻始まって直ぐに気になっていく。著書の世界観これも読書の醍醐味なのかと自分に言い聞かせながら読み進めるが、物語が進むにつれて「不完全燃焼」が溜まっていく。勿論自分の好み通りに進んでいくのが決して良いとは思わない!ある意味読書の醍醐味は自分の想いに対するある種の裏切り⁉︎「そうきたか!」とか「やっぱりこうなった!」という様なところに面白味が増してくる、それは必ずしも自分の想い通りにならないから楽しめる、(勿論これが全てでは無い)
    しかし著書においては、意識的に不完全燃焼が溜まっていく構成?作風?なのかと最後は納得。物語での昔の大火災と終盤で起ころうとする大火災は、歴史は繰り返される、我々現代社会が迎えるかもしれな滅びの警鐘であるのか?と深読みしてしまうのも不完全燃焼のモヤモヤとした想いの蓄積?これはこれで有りなのだと自己完結する

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    2023年08月06日