増田俊也のレビュー一覧
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長い!けど満喫しました。「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」に納めきれなかった文章と、残り大部分は木村政彦先生に関しての柔道関係者や有名人との対談から構成されています。木村政彦と山下のどちらが強いのかというテーマでの名選手たちへのインタビューだったり、岡野功先生と語り合ったり、漫画家・小林まこと先生なんかとの対談。柔道関係者にとってはどれも面白い。逆に言うと、関係者以外には全く面白くないと思いますが。オリンピック後の古賀稔彦選手を開始30秒で背負いで投げた(当時リアルタイムで見ていた)堀越選手(天理大卒・名張高校教諭)さんとの対談も収録されていて、マニアックすぎるけど実に面白かった。
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読書期間:2月7日~11日
最近読んだノンフィクションものでは文句なし、No.1である。2段組の700ページという大部であり、3連休をフルに使って読み切ったのだが、読み終わって、何をレビューすべきか迷っているうちに10日以上経ってしまった。
これまで木村政彦といえば、プロレス勃興期に力道山とともに盛り上げた柔道家であり、力道山と互いに戦って一方的にやられて負けた、というイメージしかなかったのだが、そのイメージが完全に覆された。著者が丹念に1次資料を収集し、関係者へのインタビューを行った結果、見えてきたのは、ひたすら強さを求めて、体を鍛え、技を磨き続け、相手を倒し続けて究極のファイターとなった -
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私の場合、特に格闘技が好きというわけではありません。この本を手に取ったのは、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したベストセラーであったこと、ジャカルタ日本人会の古本市で50円で売られていたという理由だけです。ところが、読み始めたらやめられず、正月休みで完読してしまい、充実した読後感を味合うことができました。
「木村政彦」という名前はあまり浸透していないと思います。木村政彦は主に戦前に活躍した柔道家で全日本選手権13年連続保持、天覧試合優勝も含め、15年間不敗のまま引退。「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」と讃えられ、現在においても史上最強の柔道家と称されています。
しかし、戦後、食えない -
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表題作は、中井という人物の思いに迫力はあったが、なぜかそこまで訴えかけてこなかった。他の短編と比べると、という相対的な意味で。それよりは、七帝柔道記で出会った人たちとまた再会できたことや、その中で後輩の中井という人か異端の道を歩んでゆく流れが、よかった。
超二流と呼ばれた男は、わかりやすくて楽しかった。勝負にも成績にも頓着せず、背負い投げだけを黙々と練習し、遂には完璧な背負い投げを身につけた男。
大道塾の話は、自分のお師匠さんもその時代を作ったプレイヤーの1人だったということもあり、感情移入して読んだ。東先生が友達を電話で呼びたがる気持ち、その寂しさのようなものってなんとなくわかる気がする。著 -
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★柔道からの熱すぎる思い★柔道の、木村政彦のすごさを伝えようとする「私」主語のノンフィクション。熱い思いを伝えるには、著者が出てきた方がいいのだろう。幅広いインタビューと資料収集は門外漢が読んでも納得する手厚さだ。力道山が体現するショーとしてのプロレスに、言説の分野で柔道(やアマスポーツ)が負けてきたことへの対抗心にあふれている。そして講道館からもプロ柔道を立ち上げた木村が排斥されてきたことに、二重の反発があるのだろう。
最後に岩釣がアンダーグラウンドで優勝したことを記したのは、岩釣の、ひいては木村の強さを表したかったのだろうが、蛇足ではなかったろうか。相手が誰だったのかいらぬ詮索を読んでし -
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増田俊也著「七帝柔道記」
同じ著者の「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」に続きこちらも文庫版が出ているのを発見!
私が思うにこの作品、柔道の修行中の方々、そしてかつてしていた方々には必読の一冊ではないでしょうか。
そしてこれから柔道を始めようと思っている方々は、もしかしたら読まないほうが良いのかもしれないとも思います。
なぜなら、現在「七帝柔道」と呼ばれるかつての「高専柔道」のあまりにも厳しい修行が伝わってきて、なまじっかのスポーツ柔道をやっている方々やかつてやっていた方々には衝撃が大きく、自分の柔道に対する甘さを知り、軽々しく「柔道をやっています(いました)」と口にする間違い -
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ネタバレ高校で剣道部に所属していたのだが非常にいい加減に参加していて、今にして思うと野球部か柔道部に所属しておけばよかったと後悔している。野球は本当に下手なのだが、あの時期に励んでいれば一生楽しむことができた。柔道部は、剣道部の隣で練習を横目で見ていた。柔道は大きな人が多くて怖かったのだが、今にして思えば勇気を持って入部していたらもっと格闘技に対してリアルに接することができたと思う。そうして増田さんや小林まこと先生の話に触れると学生時代にきついながらも充実していて楽しそうで本当にうらやましいばかりで、ぬるま湯につかりっぱなしの人生が恥ずかしくなる。
命がけで物事に取り組む姿勢に頭がさがるばかりだ -
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決して凶暴な顔ではないが、迫ってくる迫力と冷たさを感じる木村の表紙写真。
勝負でなくショーを演じるプロレスの世界での木村は、この雰囲気ではなかったのだろう。穏やかな表情のそのころの写真は別人だ。
師匠の牛島との息をのむ特訓や破天荒な行動は劇画の世界だ。
合気道を学んだ阿部謙四郎に敗北し、タイミング無用の大外刈りを完成させる。
そして柔道の真の武器である寝技。
しかし最強の男は、ハングリーで武士道とはかけ離れた精神構造を持ち、ビジネスの急所を逃さない力道山に葬られる。
まあ力道山は負けなかっただろう。木村に隙が無ければシナリオ通りに引き分ければいい。油断であったし、グレイシーの言う「後悔すべきは -
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「愛する者が病気で死にかかっている。自分の嫌なことを我慢すれば治せるとわかっていたら、君ならどうする?」
柔道で最強と言われた木村政彦について書かれた本。この本を読むまでは木村政彦を知らなかった。この本を読もうと思ったきっかけも、面白いという評判を聞いたからだ。大変厚みのある本でなかなか手をつけられなかった。序盤は正直あまり面白いとは感じなかった。しかし、それらを超えて読み進め、力道山が出てくる終盤では木村政彦の壮絶な人生が思い出され、心が動かされる。もちろん、木村びいきになる。
なぜ真剣勝負にこだわっていた木村が見せ物であるプロレスに出たのか。途中で疑問に思った。その答えが、最初に記した