【感想・ネタバレ】シャトゥーン ヒグマの森のレビュー

あらすじ

あの超人気作家、夢枕獏氏が大絶賛した、第5回『このミス』大賞優秀賞受賞作が待望の電子化! 「何年かに一度、時おり、動物パニックものの傑作が登場する。西村寿行 『滅びの笛』、吉村昭 『羆嵐』、志茂田景樹『黄色い牙』。本書、増田俊也の『シャトゥーン ヒグマの森』は、久かたぶりに出たこの手の話の傑作である」(解説より)
マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に集まった、学者や仲間たち。そこへ雪の中を徘徊する体重350キロ、ライオンの首を一瞬でへし折るパワーをもつ巨大ヒグマ、シャトゥーンが襲いかかる! 電話も通じない孤立無援の状況下から脱出することは出来るのか!?

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Posted by ブクログ

この本を読んだのは10年以上前ですが、当時本当にヒグマに対して恐怖を感じた本でした。内容的には過激な描写が多いですが、本当にヒグマと対峙すると起こりえる事だと思うと本当に恐怖を感じるそんな本です。

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

テンポがよく、ヒグマの残忍さ、残酷さがよく描かれている。人は矮小で、愚かな存在でしかない事が明確になる冷徹な展開も実にいいし、「熊が襲ってくるだけだろ」が後半からもはやモンスターホラーと化すのに震えた。
熊は漁をするのが下手だという。獲物を殺してから喰うのではなく、生きたまま捕らえて喰い殺すからだ。この辺は吉村昭の大傑作『羆嵐』でも描かれていたが、エンターテインメントに振り切ったこちらも優れた出来栄え。実に良かった。

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2025年01月08日

Posted by ブクログ

ー 北海道をアイヌモシリっていうのは知ってるでしょう。これは人間の住む大地という意味よ。かつて北海道というこの広大な土地は、すべてアイヌ民族五十万人とカムイたちのものだった。

それを、開拓の名を借りた私たちの祖先・和人が侵略し、土地も文化も、そしてカムイたち動物も奪ってしまった。北海道開拓の歴史は、そのままアイヌ文化と動物たちの減亡の歴史なのよ。でも、和人も結局すべてを奪うことはできなかった。それはこの地に巨大なヒグマがいたから。そのヒグマに対する恐怖が、今でも北海道の深い森をぎりぎりの線で守ってる。 ー

このミス大賞、だけど、巨大ヒグマとのガチンコサバイバル。ギンコが人間を食べているシーンがかなりグロいけど、人間が生き延びる為にネズミを食べるシーンもグロく、“食べる”というのはそういうことなんだな、と思い知らされる。

まさに、壮絶、な作品。

生きたまま食べられていくシーンが多く、人間ってなかなか簡単に死なないんだな、と思ってしまう。

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2021年11月20日

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増田俊也『シャトゥーン ヒグマの森』宝島社文庫。

10年以上前に読んでいるが、古本屋で発見し、再読。増田俊也のデビュー作。穴持たずの巨大ヒグマの恐怖を描いた冒険小説である。再読しても、なお面白い。

極寒の北海道・天塩研究林で体重350キロの手負いのヒグマが次々と人間を襲う。『シャトゥーン(穴持たず)』と呼ばれる冬眠に失敗した飢えて凶暴化したヒグマ。ヒグマの正体はかつて主人公の土佐薫と昭が保護したTF4、ギンコだった……逃げても、逃げても、執拗に襲い掛かってくるヒグマの恐怖。

恐らく自分がクマ物にハマったのは、小さい頃に映画館でB級映画の『グリズリー』を観たのがきっかけだと思う。以来、クマ物小説やノンフィクションはかなり読んできた。古くは苫前三毛別事件を題材にした戸川幸夫の『羆風』に始まり、吉村昭の『羆嵐』『羆』、同じく苫前三毛別事件の詳細を描いた木村盛武のノンフィクション『慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件』、吉村龍一『光る牙』、樋口明雄の『約束の地』、北林一光『ファントム・ピークス』、熊谷達也の『ウエンカムイの爪』『邂逅の森』、白土勉の『火の獣』、佐藤友哉の『デンデラ』、久保俊治の『羆撃ち』と多数読んだ。

クマに関する話の中では、何と言っても本作にも登場する苫前三毛別事件が一番怖い。

本体価格562円(古本100円)
★★★★★

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2020年11月07日

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北海道の森でヒグマに遭遇してしまった、グループの話しです。熊の習性と行動がリアルに描かれいます。
終始熊が執拗に追ってきて、ハラハラしっぱなしでした。

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2017年12月24日

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いや、グロいのよ!人間食べられてます!でも困ったことにおもしろくて。もう1回読むかと言ったら読まないよ…グロいんだもん…

これを読んでたらグロい本が好きな人と言われて困った。借りただけなんですー

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2025年05月08日

Posted by ブクログ

 アニマルパニック系が好きなら、是非読んで欲しいです!
 アニマルパニックでは王道な熊が、人々を襲い殺します。その描写はとてもグロい!やはり熊は、デカいし襲われるとひとたまりもありません。
 この世で一番強い、肉食獣は熊なんです。

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2024年10月28日

Posted by ブクログ

長い前フリなどもなく、最初から事件が起こるのでストレスがなくていい。
難しいウンチクもさほどなく、とても読みやすかった。先が気になってアッという間に読み終わったけれど、ちょっと都合が良すぎるかな……と思う箇所もチラホラ。
アッサリとやられる人と、まだ生きてるんかい!という人との落差が不自然すぎるような気がするけど、小説なんだからそれもアリか。
我ながら鬼かと思うが、全員やられるバッドエンドを期待してしまった。

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2023年08月29日

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一時の安堵感もないまま事件は起きて、ページを捲る手が止められないまま一気読みしてしまった。
そして羆の恐ろしさと執拗さに閉口する。
怒涛の衝撃受けつづけた読後はしばし放心した。

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2022年08月10日

Posted by ブクログ

怖かった。
禁じ手の後ろから読むという技を繰り出さずにいられないほどの怖さだった。
結末を知っていても、ゾッとする怖さは最後まで消えず。
ただ消耗も激しくそれどころではない状況でのロマンスや、何度も捕まり噛まれたりしながらも生き残った人のダメージの少なさと、薫のサバイバル並びに戦闘能力の高さは?だった。
三毛別事件のことが常に頭にあるかないかで、この本の怖さは変わるのでは。
北海道は大好きで何度も言っているけれど、やっぱり住みたいところではない。
私にとっては、神の住む地。

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2021年12月06日

Posted by ブクログ

マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。

そこへ雪の中を徘徊する体重350キロ、飢えて凶暴化した手負いの巨大ヒグマ、“シャトゥーン”ギンコが襲いかかる!

次第に破壊される小屋。
電話も通じない孤立無援の状況下から抜け出すことは出来るのか!?

第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作の文庫化!

……はい。パニック物、好きですw

これ、ギンコも凄いけど、ギンコと戦っちゃう薫も相当なもんだし、娘の美々ちゃんも血は争えないわね……って感じで、現実味ないくらいwww

親しい人達が、生きながらバリバリ喰われちゃうのは、かなり怖いんだけど、やっぱ人間同士が殺し合う方が怖いな……。

とはいえ、今後、ヒグマの出没するような場所には、絶対行きたくありません!

というわけで、高みの見物、楽しませていただきましたー!!

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2020年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 渓流釣りや狩猟をそのうちしてみたいと思っていたのだが熊が怖すぎて無理になる。本州にいるのはツキノワグマでヒグマではないのだが、それでも熊というだけで超怖い。ヒグマのついていろいろ詳しくなった。

 とても面白くて最後までぐいぐい読んだのだが、最後の方はちょっと大味だった。娘が何度も口にくわえられて連れて行かれそうになるのにあんまり怪我をしていなかった。子供が悲惨な目に会うのは読んでいてつらいのだが、それまで無慈悲な鬼神ぶりを発揮していたのに、トーンが変わっていた。庁舎にたどり着いた時になんで娘を一緒に建物に入れないのだ?と疑問がわいた。

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2017年09月19日

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極寒の北海道・天塩。冬眠にしくじり飢えて凶暴化した350キロの巨大ヒグマが研究者たちが集まる小屋に襲いかかる。孤立無縁の状況下から抜け出すべく、知恵と策略を練るも…。ひとり、またひとりと餌食に。これまで読んだヒグマものの中では傑作中の傑作。むごく、すさまじく、えげつなく、 えぐかった。食事しながら読むのは絶対オススメしません。

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2016年08月23日

Posted by ブクログ

これまで小説を読んできて、これ程『ホンマもう勘弁したりーな!』と読みながら懇願した事はないだろう。穴持たず、仔連れ、手負いのハットトリック凶暴人喰いヒグマの恐ろしさは凄まじい。シャレにならない程執念深いのだ!想像を絶する身体能力と異常な執拗さに対抗するには、そりゃハリウッド映画ばりのアクションスターキャラで無ければ話が成り立たないよ。戦闘描写や羆に犠牲になる描写は正直エグいがこれがあるからこそ読み手は絶望感に叩きのめされる。クマのプーさんカワイイ!なんて言ってらんない。ヤッベっぞ!これホントにヤッベっぞ!

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2016年03月23日

Posted by ブクログ

冬眠に失敗して荒れ狂うヒグマの話。北海道の天塩が舞台。ヒグマの恐ろしさがよくわかる。寒さとかネズミを食うシーンだとか、自分で体験したかのようなリアルな描写力がスゴい。

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2016年02月04日

Posted by ブクログ

熊は怖い。すげえ怖い。

まずは三毛別羆事件のwikiを読むところから始めればいい。そのあと吉村昭の熊嵐を読めば、もうお腹いっぱいで森には一歩も足を踏み出せなくなる。十分だ。
…なのに読んでしまった。怖いとわかっていて読んでしまった。もう貞子も花子さんも目じゃない。幽霊よ、去れ。この世で本当に怖いのは野生動物だ。

舞台は日本最北の樹海、北大天塩研究林。何を隠そう、数年前に私が住んでいたあたりの地域だ。
そこに勤める鳥類学者の元に、年末年始を過ごそうと親族や学者仲間達が集まって来ていたのだが、そこにヒグマに襲われた密猟者が逃げ込んで来る。
「電話もねぇ、武器もねぇ、車も食料も救助もねぇ。熊は一日数度来る」という吉幾三も爆笑する悪条件の極寒の森。プレハブの外には体重350kg超の巨大ヒグマ。嗚呼、詰んでる。

尋常じゃないパワーと頭脳、そして執念深さ。仲間はどんどん死ぬ。それも、結構生きながら食われる。

登場人物の奮闘とか、リアリティとか正直どうでもよくて、もう熊の能力値の異常性だけで満腹です。デザート不要です。一度も休まず最後まで読ませる怖さです。

今週、登山行くんだよ。読むんじゃなかった…。

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2015年08月01日

Posted by ブクログ

怖すぎる…。
ホラー小説が子供だましに見えるくらい怖い。北海道の山間部にはもういけない。
まさしく弱肉強食。ヒグマの前では人間なんてただの食糧かよ。
フィクションとわかっているけど、可能性としてはある。速攻で食い殺されると思うが…。

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2014年11月18日

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ネタバレ

 本作は、ヒグマが怖い!という描写を煮詰めて煮詰めて出来上がったパニック小説だった。描写は生々しく、登場人物の大半があっけなく死んでいく無常感がとても良かった。
 ヒグマの強さの描写もいい。『こんなんどうやったって無理やん』というようなヒグマの肉体の強さが全面に押し出されていて、絶望感もよく出ていた

 ただ、私は作中で出てくる『雑学』が気になってしょうがなかった。本作は、車も銃火器もない小屋に何人かの男女がヒグマの脅威から逃げるために閉じこもるところから話が始まるのだが、その中で研究者がヒグマや北海道の自然について雑学を披露したりするところが散見される。
 いや、ヒグマに襲われて食料もほとんどない小屋に閉じ込められて、尚且つ何人か人が死んでいる状態でする話かそれは。
 その雑学のほぼ全ては2パターンで構成されており、一つ目は『ヒグマは怖くてやべー生き物だ! ライフルもない状況でタイマン張って勝てるわけねぇよ』、二つ目は『人間の身勝手で生態系が壊れる…!くそー人間めー!』である。私は正直言って、もう少しだけパターンを用意してほしかった。
 
 個人的に本作で一番面白かったのは、薫(主人公)が昭(薫の兄で研究者)に向かって説教を垂れているところだった。昭は北海道の自然を守ろうと奔走しており、その結果、人の死を隠蔽したり過激なことをしていたのだが、それを知った薫が『いや、自然の前に自分のこと考えろよ』と、昭の自然の理解者ぶった傲慢さを暴いたところが気に入った。
 

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2025年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ツッコミどころ満載だった!
噛みつかれてる最中、言葉もわからない熊に「お願いだからやめて!」と、冷静に言えるものなのかなーとか…
チェーンソーは操作できないのにブルドーザーは操作できるのか…と思ったり。

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2024年12月09日

Posted by ブクログ

熊や自然の情報が多くためになる。
中にはショットガンの豆知識やサバイバル術まで。
途中の先生のエピソード等、驚きはある。
てか、猿と人間よりもトップスピードで話が進む。ロケットスタート。熊が危険という常識が前提にあるからだろう。
だが、やはりアニマル自体を恐ろしく描くのは本当に難儀。人体破壊描写のディティールが恐ろしいものの、熊のことを描こうとすると毛のせいなのか?モフモフ柔らかいものが頭をよぎってしまう(もちろん危険性は承知の上で)
クライマックスになるとト書きのような説明文が増えてきて、少したるく。全く怖くなくなる。
セリフと説明の連打が少ししんどい

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

ただ一言。怖かった。この一言につきます。
人の咀嚼音がリアルで気持ち悪い。聞いた事はありませんが…
ヒグマの恐ろしさを知った1冊でした。

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2022年12月08日

匿名

ネタバレ 購入済み

第二の羆嵐

漫画を昔読んで、小説版があると知って最近購入。「羆嵐」はヒグマ自体の恐怖が主体的だけどこの作品はヒグマに襲われることで発生する事象への恐怖を強く感じる作品。生きたまま食われるシーンの悍ましさがよく伝わる素晴らしい描写だと思った。

#怖い #ダーク

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2022年12月01日

Posted by ブクログ

ヒグマの恐ろしさをすごく感じました。全てにおいて人間以上の能力があるので絶対に会いたくないなぁ~と思いました。ヒグマのイメージが変わります。

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2022年08月12日

Posted by ブクログ

怖い…ヒグマに勝つ方法などない。出会わないようにするしかない。出会ったら死を覚悟せよ。
怖すぎて吐きそうです…
三毛別や福岡大ワンダーフォーゲル部などの獣害事件は有名だが、改めてヒグマの身体能力と知能の高さに驚かされる。逃げてもダメ木に登ってもだめ、水に入ってもダメ…出会ったらおわり。

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2021年03月10日

Posted by ブクログ

福岡大ワンダーフォーゲル部を連想させる。なんともしつこい執拗なヒグマの習性。
人間が戦う設定はちょっと無理やり感が否めない。
残された小熊は人間の味を覚えているので殺処分するしかない。ファントムピークスと同様、自然と人間との関わり距離感もベースのテーマとなっている。山を嘗めずにヒグマを恐れるためにはこういった小説は参考になる。

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2020年03月25日

Posted by ブクログ

生きたままに喰われることほど無惨な死に方はないと思う。少し想像を巡らせるだけでも、身の毛もよだつほどの恐怖に襲われる。一体どんな境地なのだろうか。残酷すぎる。とてつもなく怖い。ただ、フクロウの話はいらないんじゃないかなあと思う。物語が進む上でそんなに詳しく語る必要のないところだったし、これは筆者が書きたかっただけなのじゃないかなあと。書きたいことと書くべきことって違うんだよなあと痛感する。ところで、これはミステリーなのか?

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2019年01月04日

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(01)
人物像が特別に造形されているわけではないが,その分,人と死人との間の存在,死にゆく人間というのが,生き返りそうな人間という存在でもあるゾンビに対し批評的(*02)な立場で現われており,興味深い.
もちろんこの生と死のあわいにあって,超越的に君臨する存在として,ヒグマのギンコがある.食うこと,また,食われることの関係において,人間と非人間の存在を浮き彫りにした点で新味がある.
後半には,飢えの問題が主人公たちをとらえる.彼女ら彼らは,寒冷や積雪にあるわずかな生命の兆候,チシマザサ,エゾマツ,オショロコマ,ヤチネズミ,エゾシマリスなど,人間と同等にサバイバルをしている存在を召し上がる.
ギンコの襲撃(*03)に際し,襲われるものたちは必死に,その存在に訴え,乞う.食べる/食べられる関係を通して,人間を自然の中に相対化することに,本書は成功している.

(02)
批評とはやや角度を変えて警告小説にも読める.
作中には,ヒグマによる人的被害が発生した付近では,一時的ではあるものの,人間が立ち入らなくなることで,動物などの生態系が保たれるという皮肉な現象について触れられている.
それはやや物語的に解せば,自然を代表するヒグマが発した人間に対する警告でもある.同じように,ヒグマと遭遇することの恐怖を作品として社会に流布させることで,自然やその生態系への配慮を促す警告としての役割を本書は意識しているようにも感じる.
同じような意図をもった有名なノンフィクションではカーソンの「沈黙の春」があるが,本書にも,殺鼠剤ののちに訪れた「サイレントスプリング」として言及がある.

(03)
戦闘というよりも,ヒグマによる一方的な暴力の発露にあっては,迫力のある描写が力学的で解剖学的な知識に裏付けられていて印象的である.
ただヒグマに襲われ食べられたというのではない,人間のどの部位をどのような力でもって破壊していったか,という視点と視線に,読者は戦慄する.このアクションの描写には,著者の特性でもあるが,格闘技の経験や知識が存分に活かされている.

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2018年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怖いには怖かったのですが、それ以上に面白かったというか…。
「ふっ」と笑ってしまうというか、
「ぷ」と吹き出してしまったというか。

凄惨さも度を越すと笑えるんだなと思いました。笑

巨大ヒグマの攻撃は破壊力に長けていて、
人間が人形のように扱われてしまうわけですが、
それでも必死に戦う人々の姿に時折ユーモアが混ぜてあるとしか
思えない文章というか…
(私だけがそう感じるのかもしれませんが 汗)

例えば…
「立ち上がって右手で左肩を触り、そこから先がないのに気づいて舌打ちした。」
とか。

例えば…
熊の爪が頬を貫通したと分かった瞬間「何するのよ!」と叫んでしまう人とか。

人々の思考や挙動が冷静すぎるというか、
非日常の中にいるのに思考や挙動だけは日常的というか。

ミステリーというよりホラー&ユーモア…

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2018年02月25日

Posted by ブクログ

キムカムイの漫画により近い内容でした。

ヒグマの恐ろしさと狡猾さにはとにかくビッグした。こんなに頭いいんだ。作者が北海道出身らしく、北海道の寒さの描写がとても臨場感があり、鼻毛も凍る寒さや、山の厳しさなんかの再現がリアルだった。。。

迫り来る恐怖、寒さと熊との対峙。

ほんとに人間が一匹の熊に襲われ続けるっていうのを、どっかのクマ牧場の新聞記事で読んでたから知ってはいたけど、昔の話だ、、、と、思っていましたが、そう言い切れない臨場感大有りでした。。

登山好きとしては、なんとも他人事とは思えない山情報でした。。。

志茂田景樹の熊の小説も読んでみたい!

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2017年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なぜか最近「熊もの」が読みたくなり、「ファントム・ピークス」を再読し、次にこれです。

「シャトゥーン」て何のことかと思ったら、冬眠に失敗した熊、「穴持たず」のことだったんですね。
穴持たず(お腹空いてる)で子連れで怪我してる。
そんなヒグマのギンコが、何度も何度も執拗に襲ってきます。

「いやしつこいだろ!」と思うむきもあるでしょうが、でも今まで「羆嵐」とか「ファントム・ピークス」とかで、ヒグマは自分の獲物に異常な執着を示す、というのを読んでいるので、それがヒグマなんだろうなぁと。
とにかく狙われたら最後。

この本に関しては、ギンコが襲ってくるシーンは迫力がありましたが、なんかアッサリ最初の犠牲者が出るし、
薫と美々母娘に関してはラッキー過ぎるし(なぜ美々だけは何度もくわえて森へ入ろうとするばかりで、その場で食べないの?)、密猟者の西に関しては最終的にただのロリコンだったしで、登場人物がなんだかなぁでした。

最初の犠牲者がフィンランドだかスウェーデンだかの人だった意味もよくわからない……。
「シャトゥーン」を言わせたかっただけ?
その妻が妊娠中だった意味もあまりなかったような。
過去に拒食症だった、というのもなんか関連があるのかな? と思いきや何もなかったし。
なんかあるのかな~?なんて思ってた方が間違い?

パニックもので映画になったとしたら、迫力はあるかも。
でも、私は観には行かないかな……。

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2015年11月19日

Posted by ブクログ

北海道の、山間部で仕事をしている方に勧められました。昔の事件がベースになっていると聞かせれたので、ものすごくリアルに感じて震えた一冊です。

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2017年09月11日

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