増田俊也のレビュー一覧

  • シャトゥーン ヒグマの森

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    長い前フリなどもなく、最初から事件が起こるのでストレスがなくていい。
    難しいウンチクもさほどなく、とても読みやすかった。先が気になってアッという間に読み終わったけれど、ちょっと都合が良すぎるかな……と思う箇所もチラホラ。
    アッサリとやられる人と、まだ生きてるんかい!という人との落差が不自然すぎるような気がするけど、小説なんだからそれもアリか。
    我ながら鬼かと思うが、全員やられるバッドエンドを期待してしまった。

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    2023年08月29日
  • シャトゥーン ヒグマの森

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    一時の安堵感もないまま事件は起きて、ページを捲る手が止められないまま一気読みしてしまった。
    そして羆の恐ろしさと執拗さに閉口する。
    怒涛の衝撃受けつづけた読後はしばし放心した。

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    2022年08月10日
  • 七帝柔道記 6

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    ネタバレ

     文章の原作を読んでいて内容は分かったつもりでいたのだけど、読み返すと「そうだっけ?」と思うことばかり。

     文章ではよく分からなかった技の形が絵で伝わる。しかし、絵柄がすっきりとしていて80年代の雰囲気がよく出ているのだけど、柔道の泥臭さや悲惨な感じがあまりない。原作で想像していた和泉先輩はもっと熊のようで怖いのだけど、絵で見ると小柄。実際そうなのだろう。

     とうとう1勝もしないまま終わってしまう。優勝とまではいかなくとも、勝利して歓喜に包まれる様子が見たい。

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    2022年04月02日
  • シャトゥーン ヒグマの森

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    怖かった。
    禁じ手の後ろから読むという技を繰り出さずにいられないほどの怖さだった。
    結末を知っていても、ゾッとする怖さは最後まで消えず。
    ただ消耗も激しくそれどころではない状況でのロマンスや、何度も捕まり噛まれたりしながらも生き残った人のダメージの少なさと、薫のサバイバル並びに戦闘能力の高さは?だった。
    三毛別事件のことが常に頭にあるかないかで、この本の怖さは変わるのでは。
    北海道は大好きで何度も言っているけれど、やっぱり住みたいところではない。
    私にとっては、神の住む地。

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    2021年12月06日
  • 本当の強さとは何か

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    プロレスおたくだった私からすると、
    伝説の試合ですね。中井とゴルドーの試合。
    価値観をひっくり返されたような試合。
    「タイトルと内容が一致しないなぁ」
    と思って読んでいたら、
    読み進んでいくうちに、
    本全体を通して、
    このタイトルが迫ってくるものがありました。
    増田さんはタイトルをつけるのが上手いですね。

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    2021年08月26日
  • 本当の強さとは何か

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    <感想>
    現代格闘技界のレジェンド中井祐樹へのインタビュー。著者との対談形式である。
    特に格闘技に関心は無く、たまたまwebで見かけたレビューに興味をそそられて読んでみた。読む前は、超人的な格闘家の人生を語った内容だと思っていたが、以外にも人材育成や哲学的な観点で格闘技を語っており、学び多き一冊だった。

    <アンダーライン>
    ・(右眼を失明してブラジリアン柔術家になったとき)「これは神様からプレゼントされたんだ」と。ブラジリアン柔術をやる機会をね。
    ・僕がやっていた頃の昔の日本の野球や柔道は、ステップアップ式にやれば強くなれたかもしれない人たちをふるい落としちゃってた。
    ★★★木村先生のお弟子さんに聞くと「試合の前はすべて準備されている状態。もう終わっている状態。練習がすべてで、試合本番はその結果が出るだけだという考え方でした」
    ・ああいった方々は己の完成だけが目標だったわけで、そういうのも称賛しなきゃいけないですよね。五輪に行けなかったことで敗者になっちゃうわけですけど称賛しなきゃいけない。
    ★★技は力のうちにあり
    ・勝ち負けなんてどうでのよくなってる。正しいか間違っているか、それさえどうでもいい。
    ・パーフェクトゲームで人生を終えられる人なんて1人もいない。
    ・(小説を書くことについて)いかに人を苦しみから救えるか。
    ★無益な勝ち負けのなかで時間を費やすには人生は短すぎるから。
    ・(グレイシー)生き残る、負けなければいい
    ・健康ほど大切なものはない
    ・作家だからね。なんかおかしなことに巻き込まれても観察者の眼も持っているから相手を観察してると面白いし、小説のモチーフにしたらこの人面白いなと思ってみてる。
    ・若いときは体も心も強くて堅くてパワフルだった。でも強すぎて脆かったんじゃないかな。
    ★動物学の視点から言うと、ある動物種が絶命するときって「まだ大丈夫」と思ってたら、ある日突然スパッといなくなっちゃうんだ。
    ・スポーツの試合が人生のシミュレートになる
    ★自分の人生は1回しかなくて、前へ一方向へ進むだけの一本道だから他が見えないし、一度過ぎ去った時間をやり直すこともできない。だからこそ小説や映画で他の人の人生をある程度シミュレートするもの必要なんじゃないかな。
    ・スポーツは疑似戦争、イデオロギー同士がぶるかる舞台ですよ。その日は一喜一憂するけど、それが勝利でないことも絶対的な負けでないことも知っている

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    2021年02月09日
  • 七帝柔道記

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    さすがに、ここまでの経験はありませんが、私も何かに打ち込んでいた時期は、人生の中で充実している時だったなぁ。キツいけど、気持ちが満たされる。こういう経験は大切だと思います。

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    2021年02月05日
  • 七帝柔道記

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    中学・高校6年間柔道をやっていた。団体でも個人でも優勝経験が無い弱小の柔道選手だった。けれども、七帝柔道の魅力と辛さには共感する。

    柔道は過酷な競技だ。乱取り練習というものがある。私は体力が無かったから4分間を5本やっていただけで、立ちながら意識が飛んだことがよくあった。試合で絞められて気がつくと前後の記憶を無くしたこともある。あの頃から1センチも身長は伸びていないが、この数十年間ずっとプラス5キロー20キロの間を彷徨っていて、決して中量級のベスト体重に戻ろうとしない。あの頃は、毎日ご飯を三杯食べながら、全然体重は増えなかった。それだけの練習量だった。繰り返すが、私は弱小の柔道選手だった。(試合形式の乱取りが如何に過酷かは、オリンピック中継で、いつも選手のスタミナ切れが言及さることでも想像出来るはずだ)

    北大柔道部は、立ち乱取りより数倍苦しい6分の寝技乱取り等、様々な乱取りを延々と繰り返す。最後に300回の腕立て伏せで閉める。これを「通常の」練習としている。更には合宿が年に7回以上ある。地獄の北海道警察出稽古。あ、あり得ない過酷さだ。そんな過酷な練習をしても、増田俊也が入った時点で北大は2年連続最下位だった。七帝柔道は、15人戦の抜き勝負、一本勝ちのみ、先鋒から三将までの13人が6分、副将と大将は8分、寝技への引き込みあり、膠着の「待て」なし、場外なし。我々が知るポイント制のオリンピック柔道とは異次元のものである。

    これは寝技に特化した「練習量がすべてを決定する柔道」の世界を描いたものである。私は柔道は強くなれなかった。オリンピック柔道には、練習量と共に「センス(才能とも言う)」が必要だった。けれども、高専柔道の流れを汲む七帝柔道は、寝技だけを極め、やればやるだけ強くなるのである。

    私の高校の古文の先生に、戦前に六高(岡大)で柔道選手だったという方がいた。ものすごい小柄で、どう見ても弱そうな方だったが、国体で優勝した巨漢の高校柔道コーチが尊敬していた。その方の凄さを理解したのは、高専柔道を描いた、井上靖「北の海」を読んで以降だった。

    まるで戦前のような練習をこなしながら、実際はつい最近の86-87年の話である。何が彼らをそうさせるのか。私だけの経験で言えば、何十回と負けても、一回だけタイミングがあって強敵に勝てたことがあった。あの勝利が、これまでの人生で何度私を助けたことか。しかし、「まぐれの一勝」は、人生を丸ごと変えるほどに自分を助けてはくれないのも事実だ。増田俊也は、それとは別次元の練習をしていた。

    この自伝的小説で、自分の本名で出ている増田俊也が、「柔道をするために北大にきました」と宣言するのも、共感はする。共感はするし頭ではわかるけど、私なら決して出来ないし、やりたくない世界でもある。延々と練習の描写が続き、一年目の七帝戦は読むのが苦しくて目を背けた(読むのを中断した)。

    おそらく、全て事実なのだろう。あのベタベタな新入生歓迎行事も事実なのだろう。もう少し感動の展開を用意するべき、七帝戦の試合の結果も事実なのだろう。

    「こんなので、何かを掴めるなんていう、著者の主張は理解できんね」
    多くの読者が、本音半分ではそう思っているのは目に見えるようだ。学生時代の全てを練習に費し、マスコミにも登場しないし、就職にも有利にならない。私もよくわからない。けれども、わかる気がする。決して著者に阿(おもね)って言っているわけではない。

    残念ながら、こんなにも長編なのに、増田俊也は、何も成し遂げることなく途中で小説は終わっている。ように見える。史上唯一の七帝戦を描いたこの小説は、大きなことを成し遂げているが、主人公の増田俊也は未だ何も成し遂げてはいない。連載が中断して10年、続編が描かれる気配もない。北大柔道部らしい、と言えばその通りではある。

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    2020年08月05日
  • 北海タイムス物語(新潮文庫)

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    1990年本命ではなっかた北海タイムズに取り敢えずは
    入社する事とした野々村。
    2週間の研修の後、整理部に配属されることになる。
    そこは、煙草の煙とパワハラの蔓延したタコ部屋の様な所だった。

    いくら何でもやり過ぎ感満載のパワハラ状態に読み進めるのが気分が悪くなる程。
    しかし、こんな状態でこの後一体どうなる?の思いを抱いて読み進めてしまった。

    権藤のある決断から野々村は自分でも思いもよらない言葉を発する。
    「僕に…僕に整理の技術を教えてくれませんか…」
    そこから一気に物語は進み始める。

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    2020年04月18日
  • 北海タイムス物語(新潮文庫)

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    『七帝柔道記』と同じく主人公の息苦しい熱感情がずうっと最後まで続くので
    、こういうのが好きな人にはお勧め。読んでてカタルシスにはなるでしょう。新聞づくり・・「整理」(編集、紙面ぎめ)というのは確かに面白そうだし、見出しづけの訓練はロジカルシンキングのマストアイテムでもあるでしょう。

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    2020年03月20日
  • シャトゥーン ヒグマの森

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    マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。

    そこへ雪の中を徘徊する体重350キロ、飢えて凶暴化した手負いの巨大ヒグマ、“シャトゥーン”ギンコが襲いかかる!

    次第に破壊される小屋。
    電話も通じない孤立無援の状況下から抜け出すことは出来るのか!?

    第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作の文庫化!

    ……はい。パニック物、好きですw

    これ、ギンコも凄いけど、ギンコと戦っちゃう薫も相当なもんだし、娘の美々ちゃんも血は争えないわね……って感じで、現実味ないくらいwww

    親しい人達が、生きながらバリバリ喰われちゃうのは、かなり怖いんだけど、やっぱ人間同士が殺し合う方が怖いな……。

    とはいえ、今後、ヒグマの出没するような場所には、絶対行きたくありません!

    というわけで、高みの見物、楽しませていただきましたー!!

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    2020年02月24日
  • VTJ前夜の中井祐樹

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    ◇電車の中で読み始めたところ、夢中になってしまい、乗り過ごす危険を感じて、電車の中では読むのをやめました。

    以前、読んで気になっていた『七帝柔道記』の、その後を知ることができたのが嬉しいです。
    おー、竜澤が主将、筆者が副主将になったのか。

    それにしましても、タイトルから何てマイナーな話題なのか、
    とかねがね思っていたのですが、読んでみて納得。
    衝撃的な内容で、何度も読み返してしまいました。

    やはり順番としては、時系列にそって、『七帝柔道記』を先に読むのがおすすめですかね。

    ◇さて、対談が収録されている、和泉唯信て、誰だこれ。何か聞いたことあるけど。
    と思ったところ、『七帝柔道記』に登場する、印象的な著者の先輩でした~

    この対談を読んで、初めて、下級生視点で書かれていた『七帝柔道記』の
    先輩側の心がわかり、狭い視野だった自分を反省させられるのでした。

    ◇ちなみに、この和泉唯信氏、なんと浄土真宗の僧侶なのですね。

    対談にも、親鸞の言葉が引用されていました。

    「・・そうしたら、明けた朝に吐血してそのまま死んでしもうた。
    すごく後悔が残った。
    親鸞も言うとるが、「明日ありと思ふ心の徒桜」ゆうてね。
    明日があると思うと、それが徒になる。
    本当に真理だと思う・・・」

    本書は冒頭、一周忌のシーンから始まりますし
    いくつかの死が登場します。

    無常観が漂っていることもまた感じました。

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    2020年01月28日
  • 北海タイムス物語(新潮文庫)

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    増田俊也『北海タイムス物語』新潮文庫。

    北海道の新聞社を舞台にした青春小説。今となっては懐かしさを感じる平成初期。世の中は今に比べると様々な面で縛りが緩く、ゆっくりと時間が過ぎていたと思う。

    『北海タイムス』に入社した野々村巡洋が配属された整理部は過酷な仕事の割りに身入りが少なく、職場は変人だらけ。連夜の酒席に、先輩たちの洗礼、失恋を味わい、将来に不安を覚えた野々村はある覚悟を決める。

    増田俊也の作品にしては並のレベルだろうか。

    本体価格950円
    ★★★★

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    2019年11月01日
  • 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

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     「ゴング格闘技」誌に4年間にわたって連載された大作。史上最強の柔道家、木村政彦の生涯を描く。

     木村はまだ学生だった頃に柔道全日本選士権を3連覇、さらに天覧試合を制覇する。戦後はプロ柔道に参入し、ブラジルでエリオ・グレイシーを破る。そしてプロレスラーに転向し力道山と対決するが、卑怯なやり方で倒されてしまう。

     高邁な思想家でもあった牛島辰熊と、その弟子でありながらただ勝ち続けることにしか興味のなかった木村。どちらが人間として立派だったかと問われればなんとも答えようがない。どちらが好きかと問われれば、より人間的な木村であるような気もするが、やたら暴力的で欠点も多い木村を手放しで賛美する気になどなれはしない。柔道は超一流であってもそれ以外は不器用な木村が、戦後の混乱の中で道を踏み間違え、利用され、柔道家としての名声を失っていったことは、残念ではある。

     そして老いと死は、どんな人間にも訪れる。強さに取り憑かれてしまった木村は、生きている限り敗者の汚名に苦しまざるを得なかった。死は木村にとって救いであったかもしれない。「これでよかったよね」 ── 晩年に木村が涙を流しながら妻にいったこの言葉は悲しいけれど慰めでもある。木村の人生を眺め渡せば感じるだろう、何が幸福で何が不幸か、何が正しくて何が間違いだったかなんて、簡単に決められないのではないかと。

     いわゆる格闘技の「アングル」で書かれた本かと思って読んだら、そうではなかった。著者自身、高専柔道の流れを汲む七帝柔道の経験者であり、確かに木村贔屓になりがちだけれど、関係者へのインタビューや当時の新聞記事などの一次資料に基づいて事実をありのままに記そうとしていることが分かる。戦前・戦後の柔道の歴史についての解説も興味深かった。

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    2019年08月05日
  • 七帝柔道記

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    「七帝柔道」とは、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、大阪大学、京都大学、九州大学の七つの旧帝国大学にはるか昔から受け継がれてきた寝技中心の柔道である。
    主人公の増田俊也は、2浪の末北海道大学柔道部に入部する。
    そこでは「練習量がすべてを決定する」と言うごとく、辛く過酷な、時には残酷な練習が行われていた。
    北海道大学は、近年、七帝の中で最下位をさまよっていた。
    かつての栄光を取り戻すため、終わりのない過酷な練習は続いていく。
    努力の限界を超えても努力を重ねていく部員達。
    それでも努力は報われるとは限らない。
    しかし、七帝柔道の過酷な練習の中にこそ生きるためのすべてが詰まっている。
    先輩たちの思いを後輩たちに繋げていくこと、自分たちが流した汗を信じて。
    登場人物たちの人間臭さや柔道へのひたむきさに、なんとも泥臭い青春を感じる。爽やかさだけが青春ではないと知る一冊です。
    作者の増田俊也氏を始め、作中の登場人物は実在・実名で登場する。
    彼らのその後も気になるところである。

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    2019年02月24日
  • 木村政彦 外伝

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    著者の長編ノンフィクション「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(新潮社)を読んで、魂が打ち震えるほどの衝撃を受けました。
    「魂が打ち震える」というのは、決して誇張ではありません。
    力道山とのあの歴史的な一戦が、木村を終生苦しめることになります。
    その木村の悔しさに、読者は共鳴せずにはいられません。
    それだけ著者の取材力と筆力が優れているということなのでしょう。
    ぼくが過去10年に読んだ400冊ほどのノンフィクションの中では、群を抜いて素晴らしかったです。
    本書は、その衝撃作のスピンオフ。
    これまた分厚い本で、単行本719ページですから、ほぼお弁当箱です。
    読みごたえも十分。
    第1章「史上『最強』は誰だ?」では、木村と山下泰裕がもし戦ったらどちらが強いかを、柔道関係者の証言を丹念に拾い集めることで考察しており、興奮しました。
    柔道ファンならずとも心躍ること請け合いです。
    力道山との一戦についても、あらためて振り返っています。
    ミスター高橋にもインタビューし、プロレス側からもあの一戦を評価しているのは公平と思いました。
    本書の大半は、格闘ファンの有名人に対するインタビューで構成されていますが、意外だったのは作家の平野啓一郎さんや歌手の綾小路翔さん。
    特に平野さんは純文学のイメージが強いので、こんなに格闘技に詳しいとは思いませんでした。
    本書の「あとがき」には、こんな言葉が。
    「この『木村政彦外伝』を読み返して思ったのは、みんな木村政彦が大好きだということである。なぜ好きなのか。それは完璧ではないからだ。」
    完璧ではない男が、もがき苦しむだけに、完璧ではない(というか程遠い)自分もシンクロしてしまうのでしょう。
    前作に続いて本作も、汗臭い人間賛歌の書です。

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    2018年10月20日
  • 木村政彦 外伝

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    外伝とついてますが、増補版のような。ボリュームがすごい。
    それぞれの対談がいいんですけど、やはり当時と時間のズレがあるのがなんとも。石井慧の総合参戦がタイムリーな時と、今ではねぇ。そこがちょっと残念。

    古賀兄弟のエピソード、そのまま鳶嶋兄弟の話なのだな。
    思わぬところでつながりました。

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    2018年09月26日
  • 木村政彦 外伝

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    木村政彦はなぜ~を読んだあとのような興奮はなかったが、やはり木村政彦という柔道家が日本にいたというのは日本人として誇らしい。

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    2018年09月22日
  • 七帝柔道記

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    ネタバレ

    ほぼ5に近い4。柔道のことを全然知らない自分でさえ夢中になって読んだ。途中声をあげて笑うほど面白いシーンもあり、退屈しなかった。この続きを読みたい。

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    2018年03月05日
  • 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

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    タイトルに対する答えは十分ではない。しかし、とにかく力作であり、読み応えは十分あった。柔道とは武道とは。日本一になるためにはどれだけの努力が必要なのか。鬼といわれる人間たちの凄絶さを目の当たりにして驚嘆した。かつて、グレイシー一族の父であるエリオを倒した日本人がいたことに驚きと誇りを覚えた。力道山とのくだりは、お互いの思惑が色々あるのだろう。どちらが油断したか、ということではないだろうか。

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    2018年01月12日