森本あんりのレビュー一覧
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ネタバレ一つ一つがとても知らない世界だらけで、
引き込まれながら読みました。
何だか全然関係ないような細かい話のようで、なんでか読み進めてしまう、素晴らしい書き手・語り手の技でした。
森本あんりさんの子どもの頃のこと、どんな子だったか、名前、
懸賞論文への応募と新聞社の論調に合わせた作文で勝ち取った豪華旅行(やっぱすごい、小さいときから書ける人だったのですね)、
どうやって大学(ICU)に行くことになったか、
ガールフレンドが教会に行っていたからクリスチャンになった、
交換留学での出会い、
プリンストン神学大学に行くことになったか、
その5年間のアメリカ生活での豊かな人間関係、
四 -
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世の中では寛容が良いことで、不寛容は悪いことだという風潮がある。しかし、寛容であるはずのリベラル層が不寛容な言説に染まったり、一神教は不寛容だが多神教は寛容なので日本人はやさしいといった、寛容の意味合いを履き違えた話も散見される。
寛容という言葉には、前提として評価する側の絶対的な正しさがある。間違っているけど赦す、という一方的な立場を正当化する危うさは、時には戦争や排斥を生み出すロジックとなってきた。寛容の起源にキリスト教の異教徒や異文化に対する理解という流れがあり、聖書や教義が絶対的に正しいという立場が見え隠れする。
この本では、アメリカ建国にまつわる寛容・不寛容の流れをもとに説明され -
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ー ChatGPTで教養は得られない
人類学者の長谷川眞理子との対談での一言。「見つめ合う」事で、オキシトシンが出て愛着が強まるという。確かに、心が動かされた時の記憶の強い定着は確かだ。しかし、AIから教養は得られないとは、少し言い過ぎではなかろうか。
教養とは何か。本書で引用される児童教育の専門家であったハイム・ギノットは言う。強制収容所では、優れた技術者がガス室を作り、教育のある医師が児童に毒を盛った。熟練した看護師に幼子が殺され、大学出の知識人に女と子どもが撃たれて焼かれた。だからわたしは教育というものに懐疑的だ、と。大学教育に対する断罪だと著者はいう。核兵器をどのように扱うか、という -
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「あんり」という著者の名前の由来から。
女性のような名前に対し、自らの禿頭を自虐しつつ、この名前による幼少期からのエピソードを語る。著者の見た目は可愛らしい?感じだが、全体的にこの〝率直さ”が本書の魅力であり、教育(学習)における思いや、キリスト教に対する向き合い方も同じ調子で語っていく。特に、キリスト教については洗礼を受けるまでの気持ちの変化は、その信仰がないものにとっては不思議な感覚だ。そうした著者を構成する思想や経験を告白した自伝でもある。
ー わたしは受験勉強というものをいっさいしなかった。というより、すべきではないと思っていた。大学受験なんて、現状に尻尾を振る不潔な破廉恥漢のするこ -
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感染症におけるマスクの有効性や進化論を否定したり、地動説を唱えたりする人たちは、どうしてそういう考えに至ったのかを納得したくて読み始めたんだけど、完全には納得できなかった。
ざっとこの本の結論をまとめると、アメリカは、ヨーロッパの権威から逃れてきた人たちから成立した国なので、反権威主義としての反知性が根本的な気質として備わっている。
また、封建主義を歴史的に経験していないため、知識人が社会の権威者としての存在に近かったことも大きく影響している、となる。
そういう意味では、日本という国の成り立ちが、周辺諸国(古代においては中国、近代においては欧米)から知識を取り入れることで成長してきたことか -
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ネタバレアメリカの反知性主義の「ヒーロー」たちの歴史を追った本。学歴や派閥や権威にとらわれず、自分の力で聖書を読んで人々にわかりやすく伝える、というあり方はある種理想的にも聞こえるし、イエス自身が律法学者を批判しているように反知性主義的なところがあるので説得力もある。けれども、それが行き過ぎると結局悪い意味で世俗的であったり、現世利益的であったり、排外主義につながったりする。というか、それまで積み重ねてきた学問研究とか教養というものへのリスペクトがないよね。宗教が権威的になったり、権力と癒着するのはたしかにもっての外ではあるけれども。ジャクソン大統領とか若干のトランプみを感じた。ポリティカルコレクトネ
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アリストテレスが、1つの徳だけに秀でるのは良くない(≒ギフテッドではなくラウンデッドであるべき)と考えていたという話は興味深い。スペシャリストやエキスパートであることが称揚されるが、そうなるなという教えは結構衝撃を受ける。
人々を挑発する知がリベラルアーツだという宣言は、森本あんりらしくて好きかもしれない。また、教養というのはアクセサリーのように付けたり外したりと「身につける」ようなものではなく、自分の中で育むものだというのはおっしゃる通りかと。
後半の4人の識者との対談も面白いけれど、AIの捉え方が画一的というか、執筆時期も関係しているのかもしれないけれど、ちょっと敵対的に見る傾向が強 -
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森本あんり先生が、五木寛之、藤原正彦、上野千鶴子、長谷川眞理子という、錚々たるメンバーと教養について対話する本。
情報が氾濫し、価値が揺らぎ、予測不能なこの時代に本当に必要なものは決してファスト教養のようなペラペラの外観ではない。真の教養とは何か、AIが台頭してきている世の中で我々は何を考えるべきか、これから社会が必要とする力はどのようなものであり、教育は何を果たすべきか。碩学たちの熱い思いが伝わってくる良書。
「何かを解決するためではなく、そもそも解決など不可能だということに気がつくために考える。答えを見つけるためではなく、探し続けるために問う。
人間がどんな時にも人間性を失わずにいるこ -
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やはり米国史はキリスト教の理解なくして学べないと痛感させられました。
本書の内容は、冗長な記述もなくとても簡潔でありながら、しかし要点はきっちり押さえてあって、まさに過不足なく書かれているといった印象です。
米国のキリスト教の歴史を学ぶ第一歩として最適な基本書といってよいでしょう。
ないものねだりで注文をつけるとすれば、各州の位置がわかる地図と、各宗派に関するごく簡単な説明が冒頭にあればなおよかったでしょうか。
そのあたりの基礎知識がなかったため、「メリーランドが……」とか「メソジストが……」とかいう記述が出てくるたびに、その州の位置や宗派の概要を調べないといけませんでした。 -
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進化論否定、トランプを信用など、アメリカで起きていることが理解し難いが、この本を読むとそこに至る経緯がわかる。かと言って、進化論否定を肯定する物ではない。
アメリカには、ヨーロッパ階級社会から逃れてきたスタートがある。特定の知識階級が正しさを決めることへの反発。
それに対して、その正しさの拠り所が聖書であるなら、聖書を読むことは自分でもできるわ、となっていく。この過程の説明はとても面白い。なるほどな、と納得する。
一方で、この場合、聖書の存在が大きすぎる。聖書にさえしたがっていれば道徳的に社会的に問題がない。というのは無理な話で、多くの書物にあたって多角的に物を見ることか望ましいと思うけれ -
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ネタバレこの本はアメリカ史?についての本です。しかし、焦点を当てるのはむしろアメリカの歴史のダイナミズムの下に隠れる宗教の強さ。あるいはこうも言えるかもしれません - 宗教という隠れ蓑にひそむ人間の汚さ・狡さ。
いずれにせよ、イデオロギーは人を聖者にも殺戮者にもしうるし、本来倫理に悖るような行為についてもひとたび神を持ち出すことで正当化される。これが読後の正直な感想です。
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さて内容ですが、個別トピックの中では、南北戦争がちょっと引っ掛かりました。
筆者の分析は南北戦争の背景に宗教的分断があると見ているようでして、このような記述があります。
「聖書は、古代世界の通念として奴隷の存在を容認してい -
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またこれもトランプ支持を理解したくて読んだ本。反科学
や陰謀論など理解し難い主張を反知性主義で説明できるのか、あんな人物を大統領にしてしまう人々のことをこの言葉で理解できるのか、と思い手に取った。
まず序章で反知性主義の定義からなんとなくの理解を覆される。大衆化しおよそ知性と考えられるものに何にでも反対する姿勢のことを日本では反知性主義と呼ぶが、アメリカでは異なる意味合いを持つ、として、アメリカという独特な環境でどのように反知性主義が育ってきたのかの説明がはじまる。
最終章を先取りしてまうと、『反知性主義とは知性と権力の固定的な結びつきに対する反感である』というのがエピローグでのまとめだ。既