もともと知性は権力と結びつきやすい性質をもっています。そしていったん結びつくと、それは自己を再生産するようになる。つまり、知性は固定化し、固定化すると堕落するのです。 トマ・ピケティの『 21 世紀の資本』( Le Capital au XXIe siècle)が日本でも評判となりましたが、この本が突きつけた問題も同じです。金持ちは金持ちを再生産する。上流階級は良い教育を受けて、その子どももまた良い学校に入る。すると、彼らもまた良い仕事について、良い収入を手にする。逆にそうでない者は、いつまでもチャンスがなくて浮かび上がれない。 こういう階級の固定化に腹を立てているのが、現在のアメリカなの